呪いで異世界なおすすめアニメランキング 24

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88.4 1 呪いで異世界なアニメランキング1位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1176)
5534人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

************************
18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


************************
17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

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16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
*********************************

15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


*******************************************

物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

とろろ昆布禿莉緒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

序盤期待したのに

『盾の勇者の成り上がり』を視聴した感想は面白い。
けど、もっと面白くなっただろうし勿体無い。

良い点
1.序盤の絶望感
{netabare}
主人公 尚文に対する悪意がすごい
▶︎召喚されてすぐに除け者
>他の3人は剣、槍、弓を持った勇者だが、尚文は盾

召喚され、持っている武器の時点で不遇な尚文。それに加えて、国王からは無視される。国から用意された冒険者がいたが、誰も尚文とは冒険したがらかず他の勇者に同行する。

▶︎自分の担当してる武器しか装備できない
>尚文の場合盾だが、盾は武器なのかと疑問に思う

▶︎他勇者と冒険をすると成長しない
>他の勇者が近くにいると経験値の取り合いが発生し、経験値が入らない

剣も槍も弓も、他ハンマーや斧、全てが装備できない。尚文の攻撃手段は盾で殴るか、素手で殴るか。絶望なのは目に見えてわかる。そして、他勇者も頼りにできない。

▶︎唯一の仲間マイン
>かなりめんこい女性で、尚文も唯一仲間になってくれた彼女に感謝し、気を許す

唯一、仲間になってくれたマインは、夜中に自作自演の強◯を決行。その濡れ衣を尚文に着せて、冤罪をふっかけ成功している。

▶︎金無し、仲間無し、攻撃武器無しの尚文の行動
>取引しないアイテム屋を密かに忍ばせておいたモンスターで脅し、アイテムを売ったお金で奴隷商へ

主人公とは思えない外道なやり方をし、お金を稼ぐ(強盗はしていないのでセーフ?)
そして、最安値で購入できる奴隷を攻撃役として取引、ラフタリアを購入。
あくまで理由は利用するため。とてもダークファンタジー感があり、ドンドンと続きを見たくなる気持ちが湧き出ました。
{/netabare}
2.尚文の戦い方
{netabare}
地味で姑息
▶︎盾スキルで攻撃
>本来防御に使うであろうスキルを敵に突進させ攻撃する

エアストシールドという、目の前に緑色のクリスタルの様な頑丈な盾を出現させ、防御するスキル。それを、敵に向けて突撃させたり、上向きに出した盾を足場代わりにする応用で機動力も高め。

▶︎少なくとも主人公がやる戦術ではない
>形式上は尚文の奴隷であるラフタリアをかけた、尚文vs元康が行われてる状況

槍の勇者元康の攻撃により、尚文は防戦一方だが、エアストシールドの突進により元康の隙を作る。
その瞬間、自身の防御力が高いことを利用してマントの中に忍ばせておいたモンスターを元康に投げつけ、すぐに剥がされないようにプリズンシールドでモンスターごと元康を中に閉じ込める。

かなり卑怯ではあるものの、攻撃手段がない尚文からすれば正攻法。まさにダークヒーロー。

▶︎植物モンスターにはアイテム
>やらかした元康の尻拭いのために、村の養分を吸い尽くそうとしてる植物モンスターと対峙

初めは苦戦するものの、除草剤を使い形勢逆転。地味ではあるものの、アイテムを使った倒し方はとても面白く、まるでRPGような攻略方法。
面白くないなろう系の大半は、ぶんっ!で敵が消えてますから。
{/netabare}
3.ラフタリアが可愛い
{netabare}
悪ふざけなしに、しっかりヒロインをしてる
▶︎出会いは過去最悪
>精神、身体共に病気持ちで、まともに食事できず、あと数ヶ月で死ぬような状態のラフタリア

尚文はもちろん、そんな奴隷を買いたくありませんが、お金もないので仕方なく購入。せめて、金額分は働くようにと言い聞かせ、訓練を始めます。

▶︎尚文の心情の変化
>一人で孤独。奴隷として酷い扱いを受けていたラフタリアに今の自分を重ねる

共に過ごしていく中で、父性愛に目覚め始めラフタリアに心を許しつつ情が湧きます。極め付けは、資金稼ぎに訪れた洞窟での戦闘。尚文はラフタリアを庇い、彼女に逃げるように指示を出しますが、ラフタリアはそれを拒否し共に戦います。
かなり入りは歪でしたが、順当なヒロインとして尚文の心の支えになる存在です。
{/netabare}

悪い点
1登場人物の知能指数が低い
{netabare}
全体的に頭が悪い人ばかりです。
▶︎オルトクレイ=メルロマルク(尚文達を召喚した国の国王)
・唯一波に対抗できる四人の勇者。その勇者全員を召喚する事にゴーサインを出す

>メリット
・波が終わった後の功績などを総取りできる
・大嫌いな盾の勇者を陥れることができる
・最強戦力を獲得

>デメリット
・各国から敵視される
・最悪な場合、各国に同盟を組まれてしまい戦争状態(勇者が最強戦力であるとは言え、序盤はレベルが低く普通に弱い)
・盾の勇者は戦力外(召喚前から陥れる前提があるため)

ここまでのメリット、デメリットを背負って行った勇者召喚。そんな中、オルトクレイが行った事は盾の勇者である尚文をあからさまに無視、全く会話をしない。資金援助を断つ。転職の妨害。マインの様な目立った行動はそこまでなく、色々バレて国王の座から降ろされる。

▶︎マルティ=S=メルロマルク(オルトクレイの娘で第一王女。マインとも呼ばれてる)
・自作自演の強◯で、尚文に濡れ衣を着せる
>尚文本人にその事を知らしめるように、舌を出し、ざまぁみろと挑発(他の勇者等にはバレないようにしている?)

隠した方が自分の目的達成が簡単になるだろうに。高い地位を持っていると思っているからか、信頼を失い切った尚文を警戒することを微塵も考えてません。

・何か色々と尚文に仕掛ける
>頭の悪いゴリ押し。他勇者にも本心バレバレのはずだが、周りも馬鹿なのと、拗らせてる尚文が他勇者と交流がないため助かってる

先程述べた通り、圧倒的な地位で、権力を使いたい放題な状態であると本気で思っており、後始末なのどについての考えはない。雑な突貫工事の粗が出て、全てがバレてしまい「ビッチ」、「アバズレ」と呼ばれるようになる。

▶︎剣の勇者 錬 槍の勇者 元康
・倒したドラゴンの死体を放置(剣)
>ドラゴンを倒せるほど強くなったはずなのに、モンスターの死体は残るという常識を知らない

尚文の助言があったものの、マインの暴走に関わる三勇教の暗躍に気づく力を持っている。にも関わらず、ドラゴンの死体を放置し、尚文に尻拭いをしてもらう結果になる。ほんの少しでも疑問に思う瞬間は冒険をしていれば何処かしらにあったはず。あまりにも不自然。

・股◯に脳があるとしか言えない(槍)
>マインにことごとく利用され、マインの悪事が全てバレた状態でも庇う素振りを見せる

無駄なイライラを助長させる張本人。マインに騙され、尚文の邪魔をするどころか殺そうとした。
そこまでは仕方ないで済む?が、誤解が解けた後に全く謝まらず、裏で糸を引いていた三勇教を倒した事で何事も無かった事にする。尚文も拗らせてるので、そんな態度を受け入れるはずもなく。
結局、勇者の中で1番輪を乱したのに断罪されないクズ。
(弓の勇者 樹は、剣の勇者 錬の金魚の糞で存在感がないため特に無し)
{/netabare}
2.アニメ中盤からのぬるい雰囲気
{netabare}
個人的にぬるいと思う展開が二つあります。
▶︎尚文覚醒シーン(カースシリーズ初披露)
・ドラゴンの死体で大騒ぎ
>剣の勇者 錬がドラゴンを倒して放置。その後死体からの異臭で、近くにある村の人達はほぼベッドの上

その状況を知った尚文は死体処理をしに山を登ります。そして、辿り着き死体処理を行おうとするがドラゴンがゾンビ化して復活する。

・ついに覚醒、きっかけはフィーロの死
>ドラゴンゾンビと交戦するも喰い殺されるフィーロ

ここまであっさりやられるなんて。こんな絶望を叩きつけてくる世界に対して尚文はどうするのか!?とワクワクしてました。

・覚醒後、圧倒するがラフタリアに大火傷を負わす
>力が制御できず、暴走するがラフタリアが止める。その際にラフタリアは大火傷を負う

フィーロが死んでしまい、ラフタリアもぐったり。やっとの思いで倒したにも関わらず、今まで築き上げてきたものが全て崩れ去る。これは、錬との対決か?

・戦闘終了後、ドラゴンの腹からまさかのフィーロ
>ドラゴンの口から出ていた赤い液体は血ではなく、フィーロが直前に食べていた赤い果実の汁。無傷な状態

……この後、カースシリーズはかなりの猛威を奮っており、他勇者からはチートだ!ズルいぞ!と言われるほど。ぬくぬく過ごしている勇者達の説得力はないが、カースシリーズが強すぎるのは全くもってその通り。

フィーロが大怪我をしてギリギリ生きてる状態で出てきたなら腑に落ちますが、「へ?大丈夫だよ?元気元気!あれ?また、私何かやっちゃった?」
そんな空気感で出てこられても拍子抜け。

確かに、反動として尚文は大ダメージを負い。そして、その場では大火傷で動けないラフタリア。代償としては十分ですが、あくまで口火を切ったのはフィーロの死。その本人が先ほどのような状態で生きてるのは、正直言ってぬるい。

▶︎国王オルトクレイ 王女マルティの断罪
・メルロマルクはそもそも女王国
>散々ヤンチャした二人だが、不在だった女王ミレリアの帰国で状況は一変

道中には刺客なども居たかもしれませんが、勇者一行と合流したミレリアはかなりの強者です。三勇教の大司教が多くの信者を使って作り出した大聖堂。勇者一行と戦い、司教が弱ってる状態だからとはいえ、外から大聖堂の中に魔力を通す程の力。生半可な相手じゃ返り討ちは当たり前。

国王とマインは、女王の力を知ってたはず。
それを知った上で、足止めなり暗殺なりしなかった(していたとしても、ほとんど意味がない)のは甘いというより、やはり頭が悪い。

・悪事が即バレ、奴隷紋により全てが明らかになる
>尚文目線はほとんど全ての悪事が目に見えてたので全く驚きはない

元々ミレリアは全ての悪行を把握している状態。ここまで20話近く使っているのに、かなりあっさりと悪事が公の場で判明。規模が大きいだけで、やっている内容は[母の不在をいい事に、普段食べたらダメと言われているお菓子を爆食いする父と娘が、帰宅した母に怒られる]。
国王とマインがやっていた事が、頭のいい行動とは思えないのでこの程度の話と捉えられてしまう。

・ギロチンの処刑台で正義執行?
>直前で尚文が乱入し、死刑じゃ物足りない。一生恥を晒して生かす方が面白いと提案(オルトクレイはクズ、マインは本名ビッチ、冒険者名はアバズレに改名させられる)

1番苦しめられた本人である尚文が出した答えに文句はありません。彼が2人を生かすことに決めたのなら、そうすべきでしょう。

問題は周りの反応。ウェェェイ!クズにビッチ?ピッタリな名前だせ!と歓喜の声を上げる。そのスタンスで居ていいのは尚文本人と、その仲間と呼べる者たちだけかと。
国民も少しは便乗していたとはいえ、クズ、ビッチと名付けられた2人は、この国を破滅させていた可能性がある事も考慮すると反応としておかしい。

手のひら返しが酷く民度が低すぎる。やはり、モブであっても登場人物の知能指数が低いのだと言えます。

・尚文の提案に皆が共感
>女王ミレリアも安堵の表情を浮かべる

後にミレリアは尚文に対し、あの時あなたが止めなければ、私の命を使って処刑を止めるつもりでした。とはっきり発言。
この国は終わりです。私なら確実に死刑を執行します。当然です。メルロマルクを終わらすどころか、世界の終末を迎える可能性が十分にある行動をしてしまった問題児を生かすなんてあり得ません。
これは償いのための断罪ではなく、これ以上の悪行をさせないための断罪の意味が強いはず。

家族の情なんて捨てなければならない立場なのにも関わらず、自分を人質に夫と娘の処刑をやめるように交渉しようとしていた。
ミレリアは知能指数が低いとは思いませんが、甘くぬる過ぎる考えを持っている。そもそもこんな彼女だからこそ、不在中にこんな惨事が起こったのではないだろうか。
{/netabare}
3.断罪後の数話
{netabare}
まさかの展開。他にも異世界があった。
▶︎別世界の存在
・波が始まり、異世界の勇者が現る
>正体は別の世界の勇者(扇の勇者 グラス筆頭)

・波を退けると他の異世界に影響が及ぶ。つまり、互いに爆弾を押し付けあってる状態
>グラスらは、爆弾を押し付けあってる相手が消えれば波に対抗する必要はないと考え、直接乗り込んだ。
(個人的な仮説)

2部の導入部分だなとはわかりますが、やはりクズとビッチの断罪が中途半端に終わったこともあり状況を受け入れ難い。20話に渡って、ストレスが蓄積されてきたわけですからそれ相応のスッキリ感がないと消化不良です。
{/netabare}

序盤でかなり期待しただけあって、本当に残念な作品です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

最高のリアルが向こうから会いに来ない

4話までの感想{netabare}
盾職が主人公の作品と言うと…“アブソリュートデュオ”と“ドルアーガの塔”くらいしか思い出せないや、それくらい珍しいケースだとは思う。
あとは「盾なのに○○」ではなく「盾だからこその○○」が描かれてたらいいなぁ~って感じで見てます。
ただねぇ、噂で耳に入ってくるのは芳しくない情報が多く、それに惑わされて色眼鏡で見るようなことはしないぞ、と自分に言い聞かせてはいるけどなかなか難しい。
その一方アニメの範囲は「つまらなくなる・馬脚を顕す」前までではなかろうかってのも聞いてて、あ、それだったら大丈夫かな?とも思ってたり。

内容は…まぁいいんじゃない?
主人公が謂われなき不遇に遭うけど、これで不快不快言う人は多分“世界名作劇場”を見れない。
最後いけ好かない連中の鼻をあかす展開になると思うので…もしならなかったらそれはそれで凄いけど。
むしろ主人公がそこまで性格捻くれるほど・味覚障害起こすほどの目に遭ったかなぁ?と思わなくもないけど、これは既に主人公が「異世界転生モノ」の作品を幾つも知ってて勝手に期待していてそれが裏切られたからだろう、と思って納得させてる。
それと召還された勇者が全員日本人って件。
日本人は日本人でも全員パラレル日本で、召還した時の座標が同じだったって思えばそこまで不自然でもないかな?

そんな感じでだらーっと見ながらの4話。
うっわ、分かりにくっ。
実際のラフタリアは大人になってるけど主人公視点では子供のまま。
味覚障害もそうだけど心を閉ざして外部の情報をマトモに受け付けられなくなってた(ラフタリアの説得をなかなか聞こうとしなかったのもそのせいだろう)って表現だと思うのだけど、テキトーに見てると時間が飛んでるかのような錯覚を覚える。
テキトーに見てた自分が悪いですね、ハイ。
とはいえ、剣と弓の勇者が不正を告発して、その件がどうなったかは有耶無耶になってる気がするのでやっぱり時間飛んでる感。
自分を笑ってた貴族は主人公の被害妄想が生んだ幻影?
「実際」と「主人公視点」が混ざり合っててなんかようワカラン。

以上は1回見ただけの感想なので、もう一度見返しての感想追記するかも。


追記
もう一回4話見直して来た。
↑と繰り返しになっちゃうけど「実際に起きてること」と「主人公が認識してること(主人公の視点)」には違いがあり、これを理解しないで見ても意味不明だと思う。
ラフタリアが大人か子供かで見分けは容易だけど、そもそも描き分けがされてることにも気付いてない人居そう、自分も危なかった。
具体的には主人公の認識では奴隷の呪いを解除されたラフタリアはなにか一言言ってプイと後ろを向いて立ち去ってしまったことになってる。
実際は槍の勇者にビンタかましてるんだけどね。
更にその後、裏切られたと思った主人公は「こんな世界は滅んじまえ」と言って「カースシリーズの条件が開放されました」って画面が出る。
その後言い寄るラフタリアを頑なに拒否したのは以前からの認識障害だけでなく、盾の効果も加わってた?
認識障害自体は味覚が無いことで表現されてはいたけど、気付かなかっただけで4話だけじゃなく3話もなにかトリック仕掛けてあったりして?
4話最後ではその認識障害も治ってメデタシメデタシで、今後はこの妙ちくりんな表現は無くなるのかな?
なんなんだろうね、心理表現をどうにかしようとしたらこんなんなっちゃったのかな?良い悪いはなんとも言えん。

ってよりも、ひょっとして…盾の勇者の真価を発揮させるには何個かある「ほにゃららシリーズ」の開放が必要で、そのために王様はワザと追い込む真似をした。
なーんてことは無いよ、ね?まさかね?
もしそうなら決闘の不正が有耶無耶になったのも納得できてしまうのがコワイところ。
あ、噂は聞いてるけど内容は全然知りません、念のため。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
なんか4話がピークでそれ以降パっとしない話がダラダラ続いてるだけのような…それだけだったらまだ良いのだけど…。
個人的に「バイバイキ~ン」ないし「ヤなかんじ~」ってノリで空に飛ばされてキラーンってなるのってツラい。
ギャグならまだしも、普通のストーリーものだと「それが出来るならとっ捕まえて吐かせろよ」と思ってしまってホントツラい。
お前あかほりかよと、4クール作品かよと。
結局謎を引っ張るのにお手軽で都合のいいテクなだけで、真面目に話を考えてると思えなくなってしまう…からだと思う。

それでもボケーっと観てたら18話、黒幕と思しき教皇が再登場。
そしてご丁寧にも「ワタシが犯人です」と自供してくれました。
ぐへぇ、このパターンか!
今までダラダラやってきた出来事から証拠を繋ぎ合せて黒幕に到達するんじゃないのか。
こういうのって最近では“シリウス”でもあったけど、聞いてもないのにベラベラ喋るのはやっぱどうしてもう~んと言わざるを得ない。
これが一話完結モノで「その回のウチに陰謀を暴く」ってのならまだ分かるんだけどさ、時代劇でよくある「冥土の土産に教えてやろう」っての。
けど何話も引っ張ってコレってのはなぁ。
こういうパターンな場合は視聴者に伏せて引っ張るよりも、とっとと明かしてキャラクターは知らない体で話運んだ方が良いと思うのだが…。
しかも19話では後から駆けつけてきたレンとイツキがわざわざ敵の斜線上(クレーターの中)に集まる始末。
…。
どうしちゃったんだ?スタッフ力尽きた?原作からこうなの?{/netabare}

21話までの感想{netabare}
奴隷紋便利過ぎ!!
↑で書いた様に教皇が突如自供始めた段階でイヤな予感がして、21話の裁判もまぁ便利能力でお手軽に汚名を晴らせてしまいました。
やっぱ雑に感じるなぁ。
そりゃね、あんな世界だから平民の証言集めても意味が無いのかも知れないけど、個人的には自白剤使わずに証拠を集めて叩きつける展開にして欲しかった。
そうじゃないと5話以降の中身何だったんだよとなってしまう、退屈な話を見た甲斐が無くなってしまう…ってそれも↑で書いたか。
どうしても1話の段階で自白剤使えば良かったんじゃんってなるし、バイバイキ~ンしたのはやっぱり悪手だったということになるし(とっ捕まえて吐かせろよとずっと思ってた)、自白剤投与できるだけの「お膳立て」を揃えてくれたのも王女の鶴の一声にしか思えない。
それまでの主人公の努力が実を結んだって気がしなくてう~んう~ん…。{/netabare}

23話までの感想{netabare}
ん?あれ?
死刑を回避したことでまた厄介ごとが増えるのかと思ったらそうじゃない?
また、「なんで王様がそこまで盾の勇者を嫌ってたのか」の話をするのかと思ったらそれも無いっぽい。
相変わらずビッチは毒盛ったりして関係が改善もしなければ悪化もしない、変化が無いというのはどういうこっちゃ。
ってか情状酌量というか執行猶予というか…とりあえず再犯じゃん。
もう死刑は免れようが無いんじゃね?と思ったらどうもそうでもないっぽい。
…?
結局尚文の取った選択って、あんま言いたくないけど、良い悪いは置いといて戦争を知らない平和ボケした現代日本の価値観から「ギロチンコワイ」となっただけにしか思えない、良い悪いは置いといて(二度目)。
それに対してあの世界の価値観と摩擦を起こすことで問題提起する展開ならまだしも、23話まで見た限りそうじゃないっぽい。
…人が死んでるの沢山見てるんじゃなかったっけ?
どうしても死刑にできないのなら、再犯したら片腕落とすとかビッチは顔焼くくらい当たり前の世界だと思うんだがなぁ、罪人の刺青すら無いのん?
もっと言えば奴隷紋なんていう便利機能があるんだから心を入れ替えるまで鞭打ちとかすればいーじゃん、死ぬまで改心しなかったらそれは仕方ないってことで。
ってか思想警察居ないの?盾の勇者の誤った噂なんかしようものなら死刑でいいじゃん、もう、面倒臭いなぁ。

このアニメを大人向けだと評してるのを目にしたけど、個人的にはむしろキッズ向け、バイキンマン反省しないじゃん?
「人の話を聞かない」で間を持たせるのも1年以上放送するホビー系アニメじゃ日常茶飯事で、深夜アニメしか見てない人には新鮮に映るのかなぁ?と真剣に悩んでしまったり、煽りじゃなくて。

でもって23話、実在してないゲームのレベル上げだのアイテムだのモンスターの経験値だの設定の話をダラダラされても、その…ゲーム実況見たほうがマシな気が。
ってかそれをこのタイミングでやる!?
ここへ来て新キャラ登場もそうだけど、放送あと3年くらい続けるのかな?{/netabare}

25話までの感想{netabare}
なんか「おおおええああええ~」って歌いたくなる設定が飛び出してきて吹いた。
こんな終盤でソレ!?今のボクには理解できない(アニソーンアーニソーン)。
でもって他の勇者達と和解に向けた素振り・ヒント出しすら無いままエンド。
わぁい。
これ言うとどうせ老害とか言われるんだろうけど、こういう話(団結しないといけないのに足踏みが揃わない)って過去にいくらでもあってさぁ…。
えーっとマンガ版の幻魔大戦がこんなんじゃなかったっけかなぁ、超能力戦士が団結しなきゃいけないのにやってることは基本内ゲバ。
そんなの面白いワケもなく打ち切りでね、石森章太郎であっても。
ってかこの設定だったら勇者の一人が別世界のスパイやっててようやくイッパシの物語の体で…原作ではどうなってるか知らないけど、アニメそこまでやってくれないと「一つの作品」として至ってないというか…。
実は王様は向こうの世界の出身でもいいぞ、それくらいやってくれよと。{/netabare}

総評{netabare}
4話がピークでそれ以降は下降線。
“デジモンアドベンチャー02”のデジモンカイザー編だけ見せられた感じ。
話ブツ切りでもせめてカタルシスパート入れてくれよって気持ちだけど、それすら無い。
ってかこれ成り上がりじゃないよね?
本来勇者として相応の地位を与えられるところをなんやかんやで奪われて、それを取り戻しただけのような…。
成り上がりってのは元々無いものをもぎ取ることじゃない?
例えば皇位継承者が一度失脚して、返り咲いて即位したら成り上がりと言うか?というと、う~ん。
どこの馬の骨とも分からんヤツがあの手この手で玉座に就いたら「成り上がり」になるけどさ。
本来勇者に与えられる地位以上のものを手に入れたら成り上がりと言っても良いだろうけど…。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

92.7 2 呪いで異世界なアニメランキング2位
メイドインアビス(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (2254)
9319人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。
どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。
「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。
そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。

アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。
そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?

声優・キャラクター
富田美憂、伊瀬茉莉也、井澤詩織、田村睦心、沼倉愛美、塙愛美、村田太志、坂本真綾
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

縛りプレイで挑む高難易度RPG「世界淵の迷宮」

人類最後の秘境、地上にぽっかりと空いた巨大な縦穴「アビス」の謎に迫る、ホラーあり、バトルあり、サバイバルあり、ミステリーありの冒険ファンタジー。

探窟家見習いの少女リコは、アビスの深淵で行方不明となった母親の消息を突き止める為、少年の姿をしたロボット=レグと共に旅立ちます。

先ず目を引くのが圧倒的な画力で描かれた※背景画。どれ一つ取ってみてもそれだけでアートとして充分通用するレベル。漫画版のモノクロ描写に命を吹き込んだかの様な臨場感豊かな色彩表現にも脱帽。目も心も奪われてしまいました。

反してキャラデザはディフォルメ強めのコミカル調。ちょこまかと動くのは良いのですが、背景とのギャップが大き過ぎるので若干浮いている様に見え、わたしは慣れるまで数話の視聴を要しました。こちらについては漫画版の方がやはり調和が取れていた様に思います。物語が進み、暗くくすんだトーンの画が描かれるシーンが増えてくるにつれて、あるいは私自身の物語への興味が増すにつれて、段々とキャラが背景に馴染んでいった感じです。結局の所、違和感はほぼ解消されました。‥慣れって恐ろしくもありがたい(笑)

世界観については、アビスの自然とそこに住まう生物、SFガジェットから探窟ツール、料理、治療の描写に至るまで、どこを切り取っても深みがあり興味深かったです。動植物たちの丁寧な描写には特に目を見張るものがありました。

キャラについては、知識はあるけれど力の無い楽観的なリコと、力はあるけれど知識のない直情型のレグという、2人の主役の行動や言動が直線的で感情の機微に乏しいので、何となく荒削りという印象が付きまといました。
{netabare}
中盤に登場する熟練探窟家のオーゼンや、後半に登場するナナチの様に、重い過去を背負っているキャラたちと比べて、主人公二人の思考が特に単純なのは、一人が子供で、もう一人がロボなので仕方ない気もしますが、リコの迷いや葛藤の薄さはアビスの恐ろしさを軽視しているかの様に見えるほどで、危なっかしいやら、場面によっては呆れさせられるやらで(危険地帯で楽しそーに話してる場面とか特に)毎回ヒヤヒヤさせられました(汗)

大人たちも大人たちでまた、何故リコ達をもっと必死になって止めなかったのか?など…疑問符を付けたくなる様な姿勢がいくつか見受けられます。探窟家として未熟過ぎるリコとレグを容認した形で見送った大人たち、地上で冒険の出発を半ば黙認したリーダーや、深界二層で二人を連れ戻す機会のあったハボルグ、ライザとの約束に基づいて渋々協力したオーゼンなども、リコの意志を汲んでくれているのは良く分かるんですが、自殺行為を黙認している様でもあり、一人前扱いし過ぎなのではとわたしには思えてしまいました。怪物じみた力を持つ最上級の探窟家"白笛"にしか進入が許されていない下層に2人を送り出す大人たちの心情は理解し難かったです。

一方で後半に登場するアビスの住人ナナチですが、このぬいぐるみうさぎみたいな人物は、優しくて思慮に富み、この1クールの中ではわたしにとって、その友人ミーティと並んで数少ないお気に入りキャラになりました。他のキャラよりもちゃんと血の通った言葉で話している印象があり、落ち着いた佇まいが魅力的です。毛皮に包まれたケモノな外見といい、井澤詩織さんの低く唸る猫みたいな声音といいかわいすぎます(笑)

そしてもう一人焦点を当てたいのがボンドルド。この男の生体実験描写を見て、初回のリコがレグに対して行なった実験(火あぶりとかナイフで突くとか)を思い出した人はいるでしょうか? 実験の為に集めた子供たちを"人間としての運用はしていない"という言葉であっさりと片付け、自他を納得させていたボンドルドですが、この思考傾向はリコに通ずる所があります。リコがレグをただのロボとしてしか見ていなかった時点での行いだったので大目に見たい気もしますが、やっている事はやはり同じ‥もしかしたら原作者のつくしあきひとさんは、この描写を持ってボンドルドとリコ、探窟家(研究家)同士の共通する性質を暗に描いていたのかも知れません(汗)
{/netabare}
またキャラと言えば忘れてはならないのがアビスの生物たち。※2現実の野生動植物を思わせる習性の細やかな描写は、ただ現れて撃退されるだけのモンスター表現とは一線を画していました。生命力と狡猾さが感じられます。世界観の広がりを見せる役割も、旅の障害としての役割も、いずれも十二分に果たしていたと言えるのではないでしょうか? 神出鬼没の死の運び手としての印象も大でした。

構成については、世界観と冒険の動機の説明に当てられた最初の3話を除き、移動、戦闘、拠点到達、休息の繰り返しという、冒険小説やRPG的な王道パターンを踏襲している様で、ストレス無く物語を追う事が出来ました。ただ地続きの旅ではないという事と、レグのワイヤーアームが便利過ぎるのが相まって、時間は割かれてはいるものの"移動"の部分の描写に関してはかな~り淡白な印象だけが残っています。OPで表示される※3奈落見取り図を初見した時には、最下層に到達するまで何クールかかるんだろう? なんて期待と不安のこもった想像していた手前、案外とサクサク進む展開に拍子抜けしてしまったので尚更(汗)

音楽についてはkevin penkinさんによる壮大かつ透明感ある楽曲全てに満点を送りたいです。一話目のOPで流れたUnderground Riverとアビスの風景の音と絵の調和があまりにも神がかっていたので、それだけで涙腺が緩んでしまいました(笑)メイドインアビスの世界が瞬く間に身を覆う様でした。

2話目以降のOPやEDも絵や動きで色々と楽しませてくれて捨て難いものがありましたが、少年漫画然とした明るさはダークな作風に沿わない印象があり、特に話が重くなる後半になるにつれて本編との隔たりが大きくなっていったように思います。私的には前者の方向から外れずに最後まで一貫した世界観を描き切って欲しかったです。

1~3話までの物語の運びが割とスローペースだったので、古典RPGの※4ウィザードリィの様に徐々に探索範囲を広げ、リコたちがレベルアップ(ダウン?)していく堅実な展開を想像していましたが、予想は良い意味でも悪い意味でも大きく裏切られ、いつしか、先が読めずスリリングな展開に目の離せない、同シーズン中でも取り分け刺激的で気になるアニメの一つになっていました。

今後も更なる過酷な試練がリコ達の行く手を遮る事でしょうが、生きてみんなで地上に帰還する光景を夢想しつつ、2期(もしあれば)の冒険にも大いに期待したいと思います。

※1~4
{netabare}
※1:美術監督を務められた増山修さんはジブリ映画のいくつもの背景を手がけられた事でも有名な方。裏方事情に全く詳しくないわたしでも、テレビの特集かなんかでお顔を拝見させて頂いた事があるほど(笑)色彩設定を担当された山下宮緒さん他、作画に関わった全てのスタッフの方に賞賛を送りたいです。

※2:今でこそ、銃声を恐れ鉄の臭いを嫌う、臆病なイメージのある動物達ですが、ヒトが弓矢や槍投げ器などの強力な武器を発明をする以前には、クマやオオカミなどの大型種(今よりもずっと巨大だった)がヒトの天敵として猛威を振るっていた時代があったらしいという話をドゥーガル・ディクソン氏とジョン・アダムス氏による共著「フューチャー・イズ・ワイルド」という本で読みかじった事があります。

恐れ知らずで大型な個体がヒトによって次々と淘汰される一方で、怖がりで小さな個体は身を潜め生存率を高め、現代まで種を存続させたとの見解もあるそうです。危険生物がうじゃうじゃいる未開のアビスの描写に何となく納得(笑)

※3:アビス断面を描いた地図。探窟家の報告によって日々更新されている。

※4:ダンジョンの探索、モンスターとの戦闘、アイテム入手、地上への帰還というサイクルを繰り返し、レベルを上げアイテムを蓄えつつ、徐々に行動範囲を広げ数々の謎に挑む3DダンジョンRPGの金字塔。派生作品が無数にある。
{/netabare}
※:レビュータイトルの「世界淵の迷宮」というゲームは存在しません(笑)「世界樹の迷宮」というゲームの丸っこいキャラデザと美麗な背景の組み合わせがこのアニメの雰囲気とちょっと似ていたので‥。

それともう一つ断っておくと、縛り~は別にやらしー意味ではありません。ゲーム内における設定可能な難易度では満足出来ないゲーマーが、さらに厳しい条件(レベル上げをしないとか特定のアイテムを使わないとか)を自らに課してクリアーを試みるゲームスタイルの事を指します。‥‥なんとまあ、ほぼ同じ意味でした(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 78
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

テンポが遅い(´・ω・`)/4~7話感想追記(8.27)

原作既読/全13話

音響と作画が本当に凄いです!
これからが楽しみ!

※レビューにネタバレはほとんど含みません。
※最新1話のみ各話レビューから外しています。
※星評価の基準は各話レビューのネタバレ内に記載

( 'ω'o[放送前の期待レビュー]o
{netabare}
まずはこの作品の簡単な説明からです。

舞台は、約1900年前、南ベオルスカの孤島で発見された直径約1000メートル、深さ不明の縦穴である[アビス]です。

アビスには人間の手では作れない、[遺物]がたくさん眠っており、今まで数数の探窟家がアビスの底に降りていきました。

しかし、アビスには[アビスの呪い]というものが存在しており、アビスの下に降りた後、上に登るとその呪いが発動します。
(帰り道に呪いが発動する=1度入ったら深さによっては戻って来れない)

呪いの内容は以下の通りです。

・深界1層→地上
※軽い目眩と吐き気

・深界二層→深界一層
※重い吐き気、頭痛、末端の痺れ

・深界三層→深界二層
※上記+/まともに立つのが困難、幻覚、幻聴

・深界四層→深界三層
※全身に激痛・穴という穴から流血

・深界五層→深界四層
※全感覚の喪失、それに伴う意識混濁、自傷行為

・深界六層→深界五層
※人間性を失う、場合によっては死

・深界七層→深界六層
※人間である以上【確実な死】

というものです。
さらに、アビスには凶悪な生物が多数存在しており、人間の命を脅かします。
(。-ω-。)----------キリトリ線----------(。-ω-。)
探窟家には、それぞれが所有する鈴の色によって
降りていい層が決まっています。
(実力が認められると鈴も変わる)

それぞれの鈴の降りれる範囲は以外の通りです。

・鈴付き
※素人。降りてはならない。

・赤笛
※見習い。深界一層まで行っても良い

・蒼笛
※一人前。深界二層まで行っても良い

・月笛
※師範代。深界四層まで行っても良い

・黒笛
※達人。深界五層まで行っても良い

・白笛
※伝説級。複製できず、それぞれ独自の意匠を持っている。深度制限なし。
(笛の条件は人間が定めたもので、仮に赤笛が1層より下[二層~]にいってもアビスの呪いは発動しません)

まあ、アビスの世界観はこんな感じです。
次は簡単なストーリー説明をします

[あらすじ]
ヒロインのリコは孤児院で暮らす探窟家見習い。アビスへの憧れが人一倍強い彼女は、母のような偉大な探窟家になることを夢見ていた。ある日の探窟で、リコは謎の存在に生命の危機を救われる。その何者かが放った熱線の跡を辿ると、そこには少年そっくりのロボットが倒れており…。(wikiより)

まず、物語はリコとロボットのデクの出会いから始まります。
リコはロボット(デグ)を孤児院に持っていき、他の孤児院のメンバーと共にデグに電気を送り、復活させます。

そこから孤児院でしばらく生活したデグとリコは、ある日、アビスへ潜らなければならないきっかけを見つけ、夜の孤児院を抜け出します。(脱走)

ここでは言いませんが、リコのアビスへ潜る理由がまた泣けてくるんです!
この内容は原作の1巻分なんですが、
1巻のアビス(大穴)への出発シーンで、一気に涙腺をやられました(2巻からアビスでの冒険が始まる)

とりやえずストーリー説明はここで終わります。

ここまで読んで貰えれば分かるように、このアニメ。

作り込まれた世界観が凄い

可愛いイラストの割にかなり重い内容

なんです!

しかも、2巻からはさらに面白さが増し、
3巻からは可愛い新ヒロインが登場します!(ナナチ)

制作は東京マグニチュードのキネマストラシス!
監督はブラックブレットの倉田さんです!

PVの作画クオリティーもかなり高く、
声優もかなりキャラにマッチしていました。

素晴らしい制作陣にも恵まれ、この作品は
きっとかなりの良作になると思います!

皆さん!夏のメイドインアビスに大いに期待しましょう!

補足︰この作品。
前半はないんですが、後半から極度のグロシーンがかなり存在します。
苦手な方は視聴を止めるのをおすすめします( ´・_・`){/netabare}

( 'ω'o[各話レビュー]o
{netabare}
※星評価の基準
---------------- 8×キリトリセン ---------------- 
★★★★★/神
★★★★☆/かなり面白かった
★★★☆☆/面白かった
★★☆☆☆/普通
★☆☆☆☆/微妙
---------------- 8×キリトリセン ---------------- 

[1話]大穴の町/★★★★☆
{netabare}
先日日曜日に先行上映会に行ってきました。

見終わった感想としては、まず音響と作画が凄いです!若干クセがあるものの、アビスの世界を完璧に再現していました。

物語は原作の3話分。
かといって、[1話→2話→3話]ではなく、
[2話→1話→3話]の順でした。

信者はどうせ[原作レイプ死ねとかいうんだろ]
と思ったそこのあなた!

違います!(断言)

原作プッシュアップも完璧で、序盤の少しつまらない(失礼)展開を完璧に打ち消してました!

物語も始まったばかりですし、今後に期待したいです!{/netabare}

[2話]復活祭/★★★★☆
{netabare}
冒頭で[アビスの呪い]の説明がされましたね。
あそこでしっかり説明してくれたのは嬉しかったです。

物語は1話に引き続きまだ序盤(´・_・`)
これからさらに面白くなっていくので見届けたいと思います。(今も充分面白いけど)

EDはほんわかな感じで物凄く好きでした(´▽`)
(OPの映像美も凄かった){/netabare}

[3話]出発/★★★★★
{netabare}
旅立ち会。
原作読んでて展開は知ってるものの、普通に泣いてしまいました。

なんといってもナットが可愛い!
あの、なんというかツンデレな感じがいいんですよね(´ω`*)

これからアビスの中でさらに盛り上がっていくので、切るか迷っている人は6話ぐらいまでは見て欲しいです。

※勘違いしてる人が結構いるみたいですが、アビスの呪いは[帰路]にかかるのであって[行き]にはかかりませんよ。{/netabare}

[4話]アビスの淵/★★☆☆☆
{netabare}
うーん(´・_・`)今回は少しテンポが遅かった印象かな。
原作ファンだからって原作が〜とかいうつもりはないけど、もう少しテンポ良く描いてほしいと感じました。

アニメオリジナルでクモが出てきましたが、これもあまり好感は持てませんでしたね。
アビス独特の奇妙さがあまり無かったと思います。

何がともあれ次回で巻き返してほしいです。{/netabare}

[5話]火葬砲/★★★★★
{netabare}
胸熱展開キタ━(゜∀゜)━!
いいですね!今回は特にアニメオリジナルが素晴らしかったです。

前回と違いテンポが良いにも関わらず、原作で適当に済ませたシーンを丁寧に描いてくれてて感動しました。

次回は監視基地。楽しみです。{/netabare}

[6話]監視基地/★★★☆☆
{netabare}
(゚ロ゚;)エェッ!?これは驚きです。
まさか自分が想定していた進み具合の二部の一しか進まないとは思いませんでした。

マルルク,オーゼンのキャラデザ,声優はとても良かったですが、テンポが悪い!

次回なんとかして下さい!{/netabare}{/netabare}

[7話]不動卿/★★★☆☆
{netabare}
やっぱりテンポがあまり良くないね。
ネットで少し叩かれていた戦闘シーンに特に不満はないけど、もう少し速くやらないと中途半端に最終回を迎える気がします。

後、回想シーンをもう少し丁寧にやって欲しかったかな。(原作はかなり雑なので)

次回は生存訓練みたいですが、どう作ってくるんでしょうか。期待と心配半半で待ちたいと思います。{/netabare}

( 'ω'o[最終レビュー]o
※後日追記

( 'ω'o[観点事のレビュー]o
※後日追記

総合点数【 】

続編の可能性
※後日追記

投稿 : 2024/11/02
♥ : 71
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

星の羅針盤が指し示す場所は… 胸の鼓動は本物、憧れは止まらない、さぁ!アビスへ!

入院してた時にレトロゲーを大量に買い込んでやったのでそれで例えると…
『トル◯コ』『風来◯シレン』等の不思議のダンジョンっぽいテイストでRPG要素が高いファンタジー作品でした。(地図は変化しませんが)
『グラ◯ディア』要素もあったかな。ナナ……ふわふわのぬいぐるみは『聖剣◯説』のキャラで出てきそう。んなぁ~…。


原作・未読。
アニメ・全話視聴。


簡単に言うと現実世界の平地に世界一高いエベレスト(8848m)+ヒマラヤ山脈の広さの山々を逆にして地下穴(アビス)にしたイメージ、といえば想像しやすいかな?(深さは不明。)
そこをある理由で冒険をするストーリーって感じと受け取って貰えれば。かなり簡単な説明になりますが。
『アビス』は深淵や地獄って意味もありますが、作品的に『大穴』や『奈落』って感じかな?
間違ってたらすみません。


大・満・足!!
もうビックリするくらいハマってしまいました。
絵のテイストが可愛らしかったのであまり期待はしてなかったんですが、視聴を始めてみたらドンドン惹き込まれていき、時間を忘れ全話ノンストップで視聴しました。そんで泣きました!笑いました!感心しました!魅力的な作品でした!
OPは聴き惚れました。EDは紙芝居テイストなのが可愛かった。OPの曲終わりの絵はその時のストーリーに関係あるカットに変わるのもニクい演出でした。(数話後に次のカットって感じです。)
あ、EDも所々変わってます。1番分かりやすいのがある話数からふわふわのぬいぐるみが歌に参加すること。
後は探してみて下さいね。


設定も中々面白かったですね。
単純にして分かりやすいものから、凝っててこの後の展開で明かされるのかな?って物があったりと。

…設定…というかレグの構造といえば2話の頭からレグは災難でしたね。ある意味『拷問』だったのでは?(笑)

話を戻しますが1話から最終話まで流れも良かったですね。主人公の『リコ』『レグ』の位置付けや設定も良く、いい具合に伏線も謎も残している。
これを回収や解決するとなると原作は結構長いストーリーになるかもしれませんね。


ちょっと書きたい事がネタバレ含むので先に書いておきます。
この感想を書いてる前に決まってたのですが、メイドインアビスは第2期決定しました!まだ放映時期は分かりませんが本当に楽しみです。
ただ現在(2018:3/22)出てる原作は6巻。今年中に7巻が発売されると予想しても第2期は1クールが限界だと思います。レグの言葉を借りて「度し難い…」。

冒険系が好き、ドキドキしたい、動きのある作品が観たい方にはオススメ出来ます。
逆に前述したものに興味がない、グロい表現や描写が苦手な方にはオススメしません。結構キツイ表現があります。

2期は嬉しいんです。が、ちょっと試し読みしましたところ、『どうやって表現するんだろう?』ってのもあるので少し不安もあります。
憧れがとまらない2人の旅の続き、楽しみにしたいですね。


これより書く感想はネタバレを含みます。なのでまだ観ていない方はこの先はオススメしません。
まぁ超!趣味書き…好き勝手に書いてます。
{netabare}

『上昇負荷』通称『アビスの呪い』の設定は高山病+ファンタジー要素を加えて中々面白いと思いました。
山の病気といえば…

高山病→高所肺水腫→高所脳浮腫。

レベル1↓
山酔い・命に関わる場合がある。
成人で標高2000M(高齢者は1500M)以上の高地で次の症状が1つある。
・食欲低下、悪心、嘔吐等の消化器症状。
・全身倦怠感や脱力感。
・立ちくらみや目眩。
・眠れない、息苦しい、睡眠障害。

レベル2↓
高所肺水腫。
山酔いと合併がほとんど。数時間で急速に進行することも。安静時の呼吸困難、せき、歩行困難、腹部圧迫感、頻脈など。

レベル3↓
高所脳浮腫。
命に関わる重篤な状態。山酔いに加え、運動失調(まっすぐ歩けない等)、見当識障害(日時や場所がわからなくなる)がみられ、放置すれば昏睡からやがて死。
(元・登山家に聞きました。)

これにファンタジー要素を加えて『アビスの呪い』にしたのかな?と思いました。
高山病の地下版と思えば分かりやすいかな?と思います。オーゼンのとこでの3週間滞在(訓練)は理に適ってて上手いなと。

…オーゼンで思い出したけど、マルルクは男の子?女の子?…謎だ!?(笑)

アニメやマンガだから仕方ないんですが、『レグ』はロボットだからよしとして、出来たら『リコ』の装備は肌を出さない様な装備服にしてほしかったです。元・登山家の方に聞いたんですが、「こーいった冒険の場合は何があるか分からない。だから出来るだけ肌を出さない格好で毒物などに触らない様にするのは基本だ」と。

後は地下に潜れば潜るほど元素の存在度が変わる。
全て表現するのは無理でしょうがせめて『火がつかない』とか『酸素が…』とか『地熱が…』など一般的に分かりやすい『危機』を作って欲しかった。

笛の設定やいつでもゲームオーバーになる様なピンチは良かった。ハラハラした。♯5の『リコ』の食事の考え、好きです。
後、私は「よく表現した!」と思うんですが、やはり♯10は無理な方が多かったですね。かなり酷だったと周りの方にも言われました。
でも旅や冒険するとなるとこーいった事も起こる事を想定した知識がないと無駄に傷口を悪化させたり、腕や脚を切り落とす事になったりします。
なので♯10の表現が無ければこの物語はかなりチープな物になったと思います。
オーゼンの「アビスの深部に住む原生生物は、アタシより遥かに狡猾で強かだ」やその他の言葉や行動も薄っぺらくなってしまう。
なので♯10くらいな事がないと重みがないと思います。
この作品がお気に入りになった1つの要因です。

好きなキャラはやっぱり『ナナチ』ですね。
たまたまだけど私のハンドルネームを呼んでくれた…♪(殺されるんだろうけど(汗))
ナナチの言葉で言えば私に「チョロいなぁ〜」って言われるんでしょうね(笑)
CVの井澤詩織さんはケモノ系の声は似合うなぁ…。
もうね、あの毛並みをお手入れして最高にもふもふにしたい!美味しい料理を作って食べさせてあげたい!『んなぁ〜…』を聞きたい!…と色々とヤバい!(主に私が!)
『リコ』とは料理の話がしたい!『レグ』は身体の構造を知りたい!『ナナチ』は…もう書いたか。

まだまだ書きたいけどここまでにしておきます。もしこの好き勝手な文を読んで下さった方が居たらこの場で感謝を申し上げます。ありがとうございます!
{/netabare}

Deep in Abyss…、深い深淵(合ってるかな?)
羅針盤はずっと闇を指したまま逃げ場のない方へ…
アビスに臨む者達に祝福を…

to be continued, next 2nd season〜…

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

83.5 3 呪いで異世界なアニメランキング3位
Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (703)
3245人が棚に入れました
コンビニからの帰り道、突如として異世界へと召喚されてしまった少年、菜月昴。頼れるものなど何一つない異世界で、無力な少年が手にした唯一の力……それは死して時間を巻き戻す《死に戻り》の力だった。大切な人たちを守るため、そして確かにあったかけがえのない時間を取り戻すため、少年は絶望に抗い、過酷な運命に立ち向かっていく。​

声優・キャラクター
小林裕介、高橋李依、内山夕実、水瀬いのり、村川梨衣、新井里美、子安武人、赤﨑千夏、中村悠一、井口裕香、堀江由衣、堀内賢雄、植田佳奈、江口拓也、田村ゆかり、藤原啓治、能登麻美子、松岡禎丞、天﨑滉平
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「観終わった」でいいのか?

4話までの感想{netabare}
これ面白い?
1期の王都編、特に王候補を相手にした1度目の交渉が失敗に終わったのは、スバルが自分のことばかりで周囲に無関心だったせいだと解釈してるのだが。
それを反省して周囲に気を配るようになって「成長したなぁ」ってのが1期の話だと思ったら、今期3話エキドナ相手に再び無関心な対応をして「あれ?」。
そして4話、とっくに吹っ切れたことだと思ったらまだそんなところなの?とビックリ。
元の世界に帰りたいとか今まで一言も言ってないのにこんなん見せられてもちょっと…。
同期の“ムヒョとロージー二期”と似たような展開・成長したと思ったら前に戻っちゃった感じの展開で正直困惑。
主人公がクズなのは構わないんだ、“鉄のラインバレル”や“リヴィジョンズ”だって平気で観れる。
けど、成長したと思わせて成長してないのはどうにも…。{/netabare}

5話感想{netabare}
目的って何だっけ?
エミリアを王様にする?魔女教を撃退する?グゼのトモガラに存在を食われた(“灼眼のシャナ”ネタ)レムを取り戻す?
「聖域からの脱出」がこれらのどれにも繋がってない感じ、ゲームでいえば寄り道イベントみたい、どうでもいいことにグダグダ時間を割いてるだけのような…。
そのうちどうせ繋がるんだろうけど、意図して勝ち得たのではなく偶然舞い込んできただけにしかならなそうでなんか全然ワクワクしない。
まぁ死亡ルートをどう回避するかがこの作品のウリだろうし、現段階は死亡ルートの説明シーンってことなのかな?{/netabare}

6話感想{netabare}
えええ、そんなん?
死に戻りがウリの作品だし5話までは一周目の話で2周目以降違った側面を見せるのだろう、ということで気にしてなかったんだけど…あれ?
具体的には4話のスバルが両親と対面する話。
1周目は薄ら寒い「よかった話」の体だったけど、2周目以降はガラっと態度が変わってスバルは知りたくもない両親の真実を叩きつけられるんだろう、と思ってたんだけど…。
セーブポイントがそれより後ろになってやんのw
あっれー?
さ、作者やスタッフはあれをよかった話だと思ってるってこと?
まぁ、うん、確かSAO2期のマザーズロザリオ編だかその前になるんだか、アスナが母親と和解するシーンも「それでいいの?」と思ったモンで、そういうものなんですかね。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
多分私が見方を把握してないんだと思うけど…。
今後「解決編」があるんだろうという前提で、解決編が始まれば面白いんじゃね?と耐えてる状態。
現段階はは解決編に向けての前フリ・ヒント出しなのだろう、と思って見ていて、「早く解決編始まらないかなぁ」って気持ちが先走ってあんまり面白くない。

ロードマップが見えないというか、主人公がなにがしたいのか分からない。
問題Aがあってそれを解決しようと行動すると別の問題Bが発生して、じゃあ問題Bを解決しようと行動すると問題Cが発生して、じゃあ問題Cを解決しようとすると…というのが繰り返され、そもそも問題Aはどうなったん?がおざなりになってる印象。
途中の問題が何も解決してないのがこれまた辛い。
桶屋を儲けさせようと思ったらネズミが居ない、ネズミを増やそうと思ったらネコが邪魔、ネコを狩る三味線屋を増やそうと思ったら風が吹かない、よし風を吹かそう、みたいな。
「で、桶屋はどうなったん?」とか「桶屋がネズミ対策するんじゃね?」とか「目を患った人が増えた段階でネコを繁殖する業者が現れるんじゃね?(減るどころか増えるんじゃね?)」とか、色々気になって物語に入っていけない。
また、次から次に「問題」が発生するせいで試せることが多すぎる、そのせいで行き詰まり感・手詰まり感が無い。
「やれることは全てやった、なのに解決できない、一体どうしたら…」ってトコまで追い込まれたところで「たった一つの冴えたやり方」を閃く系の話ではない?
そうでなくてはならないとは言わないが、やっぱり盛り上がりに欠ける様な?
あと個々の問題ごとの因果関係も希薄で、問題解決に向けたカズマの行動も目先のことばかり。
顕著なのはキーパーソンに対する質問の内容で「え、今そこ?もっと聞くことあるんじゃ?」というのばかり。
具体的にはロズワールへの質問にはベアトリスのことだけ、エキドナを通して折角会えたダフネへの質問は大兎のことだけで、本来の目的って何だっけ?と話の筋を忘れかける。
ぶっちゃけウサギが発生するのは絶対確実なの?まずそこから分からないw

まぁ解決編では個々の問題が一本の線に繋がってピタゴラスイッチ的にポンポンと片付くんだろう、きっとそう。
但しそれでもイヤ~な予感がして…ガーフをどうやって味方につけるのか?は「解決すべき問題」だと思ったら、最新話で都合よく協力することに「なってくれた」。
あくまで魔女(ないし魔女教)を嫌ってるだけでソイツとは敵対関係であると示せばいいってのは理屈では分かるけど、結局それは都合よく魔女が現れてくれたお陰なだけでカズマの閃きや行動の結果ではない。
向こうから答えを摺り合せて来てくれたというか棚ボタというか…世界が勝手に正解を用意してくれた感じ。
これが続くようだとちとキツいかも。

一方で、前回オットーが死んだ時点で「くそう、また死に戻りしなきゃなんねーじゃねーか」と怒ればいいのにそうではなく、ウサギに食われてギャーギャー。
見せるトコロ違うんじゃね?そんなにヒッチコックの“鳥”が好きなの?と思ったら、最新話で残機数を気にしてる描写があって納得、そういや前期も死に戻りの回数気にしてたっけか。
後付け臭いけどねー、それでもいいのでこんな感じで納得のできる顛末にして欲しいトコロ、頼むよマジで…。


それはそうとキャラデザに坂Q使ったのかよ~く分かる最新話でした。
前からソレっぽい気は感じてたけど、3人中2人ねぇ…ふーん。
因みにこの作品を面白くない人はなにが面白いのか教えて欲しいという意見があったので、同じ坂Q繋がりで“ゾイドジェネシス”なんてどうでしょ?
意地悪とか腹が立ったとかじゃなくてね。
主人公に一番果たしたい目的があって、それとは別の目的が発生して、さぁどうしよう?と逡巡する話とかあるよ。
但しそれ見るんだったらその前に“機甲界ガリアン”を見ておくともっと面白いんだけど…ハードル高いかな?{/netabare}

11話までの感想{netabare}
ネームドキャラの誰かが死ぬたび「あーハイハイ死に戻り確定ね」と思ってしまうし、レムの件からセーブポイントが変わったらヤバいので「早く死なないとアカンちゃうん?」と主人公のモタモタっぷりに違和感。
更にはいちいち激高するのがウザいなぁと思ってたら11話でロズから「驚きはある、義憤はある。けど悲しみは無い」って…いや、そこが描けてないなぁって思ってたのだけど…。
セリフで「そういうこと」だと強引に説き伏せようとしてるみたいで、う~ん。
ってか数話前までは「死に戻りの回数を気にしてた」として納得してたのに「エキドナに残機数無限だと教えてもらった」ことから何も変わってない。
死ぬ時いつも酷い目に遭わせることで「時の歌奏でるのとは訳が違うんだぜ、死に戻りも楽じゃないんだぜ」というのを強調してるキライは感じるが、如何せんウザい。
ってかこれ続けられると「痛い思いをして死ぬのはこりごりでゴザルよニンニン」ってことで怒ってるみたい。
ってかそれこそ主人公に言わせればいいじゃない、「あーまた戻んなきゃいけなくなった、面倒くせぇ」とかさ。
なんか…描写が押し付けがましい。{/netabare}

評価は後半へ持ち越し{netabare}
一応ここまでの感想としては、何ができて何ができなくて、何が解決すべき問題なのか分からない。
全体が「わからない」ものを何処が分からないのか説明するのって難しいのだけど、例えば大ウサギは退治する必要性はあるの?それともいつの間にか解決してる?それすら分からない、そんな感じ。
よく「絶望が絶望が」と聞くけど、やれることがまだ沢山あって(可能性がありすぎて「○○すればいいじゃん」とさえ言えない)手詰まりを感じないので絶望を感じない。
もし絶望感があるとすればサレンダーできないになるけど、そのためには「エミリアなんてどうでもいい」って心境に至らなければならず、果たしてそれは選択できるかね??作者が。
これ言うと自己啓発本みたいでアレなんだけど、壮大な目標あったとしてもそれに向かう実現しやすい小目標を立てて一歩一歩達成をしてくようにしないと途中で挫ける。
前進した感じがしない、と言ってもいいだろう。
これは正にそれ、いやぁ参ったね。
更に危惧するのは目標に含まれてなかったのに、他の目標を達成してるウチに都合よく解決できちゃう「瓢箪から駒」系。
それ自体は上手く描けば“はめふら”みたいに面白くなるけど、「都合の良さ加減」は一歩間違えるとご都合主義がキツくなるので塩梅が難しい。
なんかこれにはそれを踏み外してしまいような危なっかしさを感じる、実際どうなるかは続きをやってくれないことにはナンともだけど。
とりあえず魔女のお茶会?あれは“イセスマ”の神様の茶の間と同じであんまやらん方がいいと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

残機99のバルスと七人の魔女。

スバルが少しずつ手がかりを集めながらああでもないこうでもないと試行錯誤するところは相変わらず。

ラムもレムも好きだけど、エミリア推し
パックとレムがいないとこの作品の癒し成分がだいぶ失われますね。

分割2クールの前半が終わっただけなので、まだまだこれから
回を追うごとに真相が解明されるどころか、謎がどんどん増えていくばかりで前半を見終えても謎だらけのままだけどとても面白かった

{netabare}
まるでアドベンチャーゲームだ
ゲームオーバーになったから違う選択肢を選んでみたら
今度は新たな事実の判明とともに新たな脅威が発覚する。
その新たな事実を頼りに違う行動を起こしたらまた違う問題が判明する。
こうやって視聴者はスバルの目を通して、実は一歩間違えばいつでもゲームオーバーになるような火薬庫の中に放り込まれているということに気づく
一期から続く面白いポイントだと思う。

1クールつかってフラグ埋めだけ進んで実は何も解決していない、
実際には何も進んでいなくても、確実に解決には向かっているのだとは思いますが
登場人物も七つの大罪の魔女が一気に出てきてそれぞれ思惑が違って、頭ぐちゃぐちゃ
それぞれのキャラクターには隠し持った力とか事情とか色々あって、それがスバルを通して断片的に、少しずつしか開示されていかないから疑問点はどんどん増えていく。
それを面白いととらえるか、モヤモヤしてストレスととらえるかで評価分かれそう。

スバルは今までの事件を解決する過程で、自分が死ぬことを前提とした動きをすることが何度かありました。
しかし、エキドナに会い、死に戻りの回数制限が恐らくないことを知ったスバルはその傾向がさらに顕著になりました。
そんなスバルに対し、スバルが死んだあとも世界は続く。
残された人たちがスバルの死をどう思うのか考えてという色欲の魔女からのメッセージはマンネリ打破という意味でもいいスパイスになったと思う。

ロズワールはスバルの様子を見て「ラムが死んだのにそんなに悲しんでいないように見える」というコメント。
スバルはやり直し前提でも仲間の死を避けようと奮闘していますが、やはりどこかに「どうせやり直すのだから」という気持ちがあるのでしょうね。
後半では恐らく「死に戻り前提からの脱却」が一つの鍵になると思われます。

よくウザいウザい言われるスバルですが、確かにウザいところは結構ありますね。
大事な人を助けるために一生懸命なのは好感が持てますが、スバルの悪いところは、大事な人を助けることに一生懸命になりだすと、周りが見えなくなるところ。
結構無関係な人にも当たり散らすので、そこがスバルの残念なところです。

「うるさいバルス、少し黙ってろよ」って私なら絶対そう言って喧嘩になるだろうな
でもラムが私のかわりにバルスを罵倒してくれるのでかなりスカッとします。
いいぞ、もっとやれ!
※私は別にスバルが嫌いなわけではありません

{/netabare}

重要そうなことの自分用メモ、まとめ
※2期は新キャラ多すぎて後半戦が始まる頃に忘れていそうなので、自分用のまとめと勝手に印象や考察を書いてます。

{netabare}
ベアトリス エキドナによって作られた精霊。書庫を守っている。開放されたい。もしくは殺してくれる人を待っている。待ち人が誰なのかは定められてない?
ガーフィール 死に戻りするたびにスバルへの友好度や行動が大きく変化する沸点低い獣人。フレデリカの弟。
スバルの指摘通り、何か怒るには条件があるのでしょうね。

スバルが聖域の開放のために積極的に動いている時は敵対的になり、聖域の開放がうまくいってない状況では友好的なようです。
それ以外にもあるかもしれませんが。
ということは、聖域を開放させようとしているのはフェイクで、実は開放を阻止したいという事です。
外に出たいというのは嘘ということでしょうか?
中に留まりたい理由があるのか、それとも外に出るのが嫌なのか。
外に出るつもりがないのなら、どうして聖域の開放をさせようとするフリをする必要があるのでしょうか?
そのへんは後半で明らかになるのでしょう

ロズワール 死に戻りのことを知ってる。スバルを覚醒させるため?エルザに屋敷を襲撃するよう依頼。こちらは自分がこの世界線で犠牲になろうが、別の世界線の自分が野望を果たせれば良いというかなりイカレた思想を持っていることが判明。
どうせやり直すなら終わった世界線は捨て駒のような動きをするスバルとはある意味似たもの同士。
この立ち位置はいかにも最終的に対立するポジションだけど、どうなることやら。

リューズ 大量にクローンがいる。なんかの魔女と関係がある(詳細忘れた)スバルの命令にも従う。
クローン最初の4体は特別な存在だと思われます。
「明日以降に同じ質問をもう一度わしにしてくれ」というリューズのセリフの意味するところは、
たぶん、自分ではない別の最初の4体のうちの誰かに同じ質問をすれば何か重要な手がかりが得られるという暗示。
ということは、その4体はそれぞれ別の自我を持っているということになるのではないでしょうか?
たぶん、この聖域編の特別な鍵の一つなんでしょう

魔女因子 ベテルギウスを殺したことでスバルに怠惰の魔女因子が移動?そもそも魔女因子ってなに? たぶん最重要ワード

クルシュとレム 記憶喪失状態。 レムはさらにスバル以外の全員から存在を忘れられている。スバルにだけきかない理由は魔女因子のせいかな?

ペトラ 新人メイド。たぶんこの先も何度も何度も犠牲になりそうなかわいそうなポジションの子。

フレデリカ 先輩メイド。ガーフィールの姉。一人で味方守るために戦いそうなイメージのキャラ

パック 何故か聖域に来る前から姿を消す。貴重な癒し枠。早く戻ってきて。

魔女の皆さん。
とりあえず現時点では人知を超えた存在なので戦うとかなさそうだけど
シリーズが続けばいずれ戦うこともあるのでしょうか?

嫉妬の魔女サテラ 魔女教徒が信奉している魔女とは彼女のこと。他の魔女たちを滅ぼした。エミリアに外見が似てる?スバルに死に戻りの能力を与えた?なんかやばい影をばら撒く。スバルを溺愛している?
エミリアとなんらかの関係はあるとおもう

強欲の魔女エキドナ 知識欲の権化。白髪で黒ずくめの美少女。
ベアトリスの生みの親。 ロズワールはエキドナと深い関係があるみたい
知識欲を満たすためにはどんな犠牲でもいとわない。嘘はつかないけど、あえて言わずに隠す。
たぶんスバルを何かと利用してくるだろうけど、敵対はしなさそう。

憤怒の魔女ミネルヴァ 金髪サイドポニテ 癒しの力を持ち、傷ついた人を見つけると治療する。争いや痛みをなくしたい。
何をそんなにイライラしているのか不明。ツンデレ?
暴走して失敗した後、優しくされて味方になっちゃう感じのキャラ

暴食の魔女ダフネ アイアンメイデンのような状態になってるかなりヤバそうな魔女。 常に猛烈な飢餓状態であり、食欲を満たすため??、白鯨や多兎?や黒蛇の三大魔獣を生み出す。スバルには一応協力的?
エキドナは、触れるな、拘束を解くな、目を見るなと警告していた。
どうみてもそのうち誰かが拘束を解いてえらいことになるフラグが立ってる。

傲慢の魔女テュフォン ロリ。純粋無垢な少女だけど、悪人を断罪することがすべてで、良心の呵責とかなさそう。こういうのが一番ヤバいやつ。
悪人だと痛みを感じる。罪の意識があると身体をバラバラにされる。
こういう人は大抵ラスボスのちょっと前に出てくる四天王。
敵に回るフラグが立ちまくってますね

怠惰の魔女セクメト いつもけだるげに寝転がっている人。ペテルギウスは彼女の魔女因子を持っていた? 
こういう人は、不真面目そうに見えて実はまとも。
スバルの協力者になるかも。暴走とかしなさそう。

色欲の魔女カーミラ ピンクの髪で純白の巫女様のような衣装。
彼女の姿は相手が見たいと思っている者の姿に見える能力がある。
さらに、見とれると呼吸も忘れて死んでしまうのだとか。
いかにも魔女って感じの能力。スバルも一回くらい死ぬパターンあるかも。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 35
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

前半は話がほんとに進まない

魔女たち(主にエキドナ)やガーフィールとその姉フレデリカが登場して、エミリアやスバルが聖域で試練をしている間に策略がっていうのをずっと繰り返しているだけでちっとも話が進まない。

凄くモヤモヤして続きが気になる終わり方をしたのみ。

{netabare}ロズワールは本当に胸糞悪い奴っていうとだけはわかる。死んだと思われていたけど、死んでいなかったエルザを屋敷に送り込む。次どう対処していくのか。そして、ベアトリスが実は死にたがり。{/netabare}


OP
Realize 鈴木このみ
ED
Memento nonoc

今期も鈴木このみのOPでテンション爆上げ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第26話 それぞれの誓い
幾多の死を繰り返しながら、ついに白鯨の討伐を成功に導き、暗躍する魔女教大罪司教「怠惰」担当ペテルギウス・ロマネコンティを打ち破ったスバル。辛い決別を乗り越え、ようやく最愛の少女・エミリアとの再会を果たしたのも束の間、スバルはこの世界からレムの存在が消え去ってしまっていることを知る。死のループの中で白鯨に襲われたときに起きた《存在の消失》。白鯨を倒した今、起こり得るはずのない事態がスバルたちを襲う。

第27話 次なる場所
クルシュとの話し合いを終え、ロズワールに事態の報告と相談を行うため、アーラム村へと帰ってきたスバルたち。しかし、アーラム村に人影はなく、どうやら魔女教徒の襲撃に備えて、ラムと共に「聖域」へと避難した村人たちがまだ戻ってきていないらしい。「聖域」の情報を集めるため、ロズワールの屋敷にやってきたスバルたちを出迎えたのは、過去にロズワールの屋敷でメイドとして働いていたフレデリカという女性だった。

第28話 待ちかねた再会
「聖域」へと向かう途中、意図せずして魔女の茶会に招かれてしまったスバルは、自らを「強欲の魔女」と名乗る少女・エキドナと出会う。警戒するスバルに対して、エキドナはお茶が冷める前に早く席について欲しいと告げる。エキドナとの会話を終え、どうにか外に出ることができたスバルが目にしたものは、ぼろぼろになって地面に倒れているオットーの姿だった。事態を飲み込む暇もなく、スバルは何者かの襲撃を受ける。

第29話 親子
それは見慣れたはずのいつもの部屋のはずだった。しかし、ずっと暮らしてきたはずの自室にも関わらず、どこかつきまとう違和感。言いようのない焦燥感に駆られるスバルだったが、そんな不安は父親である菜月賢一の腕挫十字固めによって吹き飛ばれてしまう。悶絶するスバルだったが、負けじと反撃し、プロレス技の応酬が繰り返される中、母親の菜月菜穂子がそろそろお腹が空いたから、朝ご飯が食べたいとやって来る。

第30話 踏み出した一歩
もう戻ることのできない場所。どれだけたくさんのものを与えられていたのかを改めて知ったスバルだったが、もう何も返すことはできない。やらなければならないことを全て思い出したスバルは、賢一、そして菜穂子と別れ、学校へと向かう。意を決して教室の扉を開けると、そこには制服姿のエキドナがスバルを待っていた。思ったよりずいぶんと早く着いたと話すエキドナに対して、スバルは制服姿がよく似合っていると返す。

第31話 少女の福音
ロズワールの屋敷でスバルを襲ったエルザの凶刃。命を奪われてしまったスバルは墓所の中で目を覚ます。過去と向き合うという一つ目の試練を突破した直後へと戻ったスバルは、最初に目覚めたときと同じように横たわるエミリアを抱き起こし、リューズたちの元へ戻る。そこでスバルは自分が試練を突破したことを話し、エミリアの代わって残りの試練に挑んではどうかと提案するが、その提案はガーフィールによって反対されてしまう。

第32話 ユージン
例え終わる世界であってもレムだけは傷つけさせないとドアに手をかけたスバル。しかし目の前に広がったのはベアトリスがいる禁書庫だった。エルザの襲撃に対して沈黙を貫いていたベアトリスに間一髪というところで命を救われたスバル。しかしスバルはベアトリスになぜ皆が殺されてしまう前に助けてくれなかったのかと叫ぶ。口論しながら揉み合いになるスバルとベアトリス。そんな中、見覚えのある一冊の本がスバルの視界に入る。

第33話 命の価値
ガーフィールに捕まり、監禁されていたスバルを救い出したオットー。エミリアが試練に挑んでいる間、ガーフィールは墓所を離れることができない。今こそ結界の外に逃げるチャンスだと言うオットーに対して否定的なスバル。しかし、ラムが協力者として力を貸してくれることを知り、さらにラムのスバルへの手助けがロズワールからの指示だったことを聞かされたスバルは、逃げることを一旦止めて、ロズワールの元へ向かう。

第34話 らぶらぶらぶらぶらぶらぶゆー
兎の姿をした得体の知れない何かの群れに食い殺されてしまったスバル。半狂乱で目を覚まし、横たわるエミリアの傍で硬い石の床に額を何度も打ちつけるうちに、スバルは再び魔女の茶会へと招かれる。そこでスバルはエキドナに今まで口にしたくとも決して話すことの出来なかった死に戻りの能力を語る。スバルの話を聞き終えたエキドナは、スバルに力を与え、苦難を歩ませた存在である嫉妬の魔女について話し始める。

第35話 地獄なら知っている
墓所から外に出たスバルが目にしたものは、辺り一面を覆い尽くす黒い影だった。突如として現れた嫉妬の魔女によって、何もかもが黒く飲み込まれていく。スバルは駆けつけたガーフィールによってどうにか難を逃れるが、嫉妬の魔女は執拗にスバルたちの後を追う。自らを囮に使えと言うスバルを遮って、追いかけてきた嫉妬の魔女を迎え撃つガーフィール。しかし、嫉妬の魔女が相手では為す術もなく、黒い影は全てを飲み込んでしまう。

第36話 死の味
ロズワールの屋敷でいったい何が起きているのか。事態を見極め、対処法を見つけるため、ロズワールの屋敷へと戻ったスバル。エルザの襲撃に備えて、フレデリカたちをアーラム村に避難させたスバルは、ベアトリスのいる禁書庫へ向かう。スバルはベアトリスを禁書庫から連れ出そうとするが、ベアトリスの願いはスバルの思惑とは別にところにあり、会話は平行線を辿る。そして入れるはずのない禁書庫にエルザが姿を現す。

第37話 魔女たちの茶会
墓所で目を覚ましたスバルは横たわるエミリアを見て、エミリアだけでなく、聖域やロズワールの屋敷を襲う脅威の全てを退け、誰も彼も皆を救ってみせると決意を新たにする。ロズワールは、自らの目的を果たすためなら、スバルの力を使って無理やりにでもやり直しをする覚悟を持って行動している。果たして何がロズワールにそこまでさせるのか。様々な謎への答えを求めて、スバルは再びエキドナの元へと向かう。

第38話 泣きたくなる音
二つ目の試練の中で様々な出来事を垣間見たスバル。擦り切れてしまいそうになったスバルを動かしたのは、スバルのことを誰よりも愛してくれて、そして誰よりも厳しい人だった。目を覚ましたスバルは、力を貸そうと手を差し伸べるエキドナに、その手を取ることはないと告げる。そのとき闇のヴェールを纏った嫉妬の魔女が姿を現し、彼女もまたスバルに手を差し伸べる。その手を拒絶したスバルは誰の手も借りず自らの力だけで全てを解決すると叫ぶ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

71.6 4 呪いで異世界なアニメランキング4位
魔王様、リトライ!(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (510)
1898人が棚に入れました
大野晶は自身が運営する「GAME」内のラスボス「魔王・九内伯斗」にログインしたまま異世界へと飛ばされてしまう。そこで出会った片足が不自由な少女と旅を始めるが、圧倒的な力を持つ「魔王」の存在を周囲が放っておくことはなかった。魔王を討伐しようとする国や聖女から狙われ、一行は行く先々で様々な騒動を巻き起こすことに…!

声優・キャラクター
津田健次郎、高尾奏音、石原夏織、戸松遥、豊崎愛生、佐藤利奈、生天目仁美、徳井青空、森久保祥太郎、久保ユリカ、荒浪和沙、木下鈴奈、桜咲千依、M・A・O
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

こういうの大好き(笑)。。。だけど「おもしろい」ってなんなんだろうね。

[2019/09/26 v1]
[2019/09/27 v2おもに誤字脱字修正]
原作知らず
→アニメ四話視聴段階で思うところあってweb版読み始める
→アニメ八話あたりでweb版読了
→最終話まで視聴

僕としてはかなり楽しめました。
いや、そんなんじゃない。僕これ大好き。

概要は省略。
異世界もの、なろうものに飽きた方にこそ、チャレンジしていただきたい作品。満足できるかは保証できません。そもそも「チャレンジ」していただきたいという時点でお察し下さい。

==以下感想

新しい販促モデルかな?
原作が知りたくなって手を出したのは初めて。転スラも似たような経緯を辿ったが、これは正月休みが暇すぎたから。転スラと違い、原作読み終えても本作に対する視聴意欲は変わらず。尺の違いもあるので一概には言えないが、それなり以上に本作に魅力を感じていたのは確か。

ラストの全員(?)でのシャウトにはうっすら感動すら憶えた。笑ったけど。

作画はチープ、アクションしょぼい、物語も異世界テンプレもりもり、シナリオ手抜き(後述)、CV陣豪華なわりには演出微妙(とか言いながら、津田さん緑川さん以外良くわからない素人です、すみません)、なにが良いのか、この作品。

だというのに、毎回めちゃくちゃ楽しみで、dアニメでの配信時間が待ち遠しかったこの作品。なんだよトキメキどっか行け。恋かよ。


続け!!

俺は観る!


長くなっちゃったので畳んでおきます。

===で、その魅力とは。。。なんだろう?===

==物語・人物像
{netabare}
主人公である魔王兼長官・九内=ゲームクリエイター・大野の人物造形(内面)がよかったのは、多分そう。
基本オッサン、たまにいい人、たまにカッコいいひと。軸ぶれなく、飄々と異世界での活動をこなしていく感じはよかった。その結果が何故にスパリゾートなのかいまいち良くわからないんですけどね。ただ、そこに行くまでの分岐点ではその都度リーズナブルな判断をしていたような、そうでもないような。まぁ、アクに温泉見せてやるってのは最初からあったけど。

異世界テンプレを盛りに盛ってはいるものの、それを一歩引いた、俯瞰的な立ち位置から茶化しに懸かる九内の言動とお話の構成は、他の「本気で異世界(しようとして転けてる)」作品達とは違う視点をこちらに与え得る。必ずとは行かないが、視聴するこちらも一歩ひいて観られるようになるし、結果、チープでも馬鹿げていてもイライラせずに済む。

そこに無理矢理感満載で捩じ込まれる時代を感じさせる小ネタ(ヨガ殴り、やらせはせん、ノマノマの女将、など)が、さらに観る側の肩の力をぬいていく。主人公や物語との共感を無理強いする(けど共感できない)「本気で異世界もの()」とは真逆。まさに作中の温泉のような機能を持ったのかも。あげく、終わり間際での爆弾投下(白い三連星+白い彗星)。。。続きが観たくならないわけがない?

九内・大野の分身的な存在、零が必要な理由は少なくともアニメでは良くわからない。が、あれはあれでまぁよかったのかも。実際、この零が何なのかが全くわからなくて、でも知りたくて、そのために原作に手を出した感じはする(あ、やっぱ恋かも)。

一応補足すると、4話時点での「むちゃくちゃ感」に対して原作との比較をしてみたくなったのが原作に手を出したきっかけ。
{/netabare}

==劇判
{netabare}
これは、狙っている。きっと狙っている。浮ついたカッコいい感にあふれた戦闘曲&CM入りあけ曲、いかにも意味ありげな雰囲気を醸すエコー強すぎピアノ曲、無駄に清々しいほのぼのシーンの曲、そして、完全脱力・リコーダー。

ギャグパートで流れるリコーダー曲、これは天才の仕業と思う。
{/netabare}

======酷評に酷評を重ねた絵・作画
実は、僕としてはけっこう好意的に見ている

{netabare}
ここまで「斜に構えた異世界もの」というスタンスを見せられると、自覚を伴うひねくれ者である僕としても斜に構えざるを得ない。その姿勢が行き着く先は「この酷さ、狙ってる?」。もしも本当に狙ったものだったとしたら、制作側は大勝利だ。

とはいえ。

--作画(静止画として)
知った風な口をきいて申し訳ないが、単純にデッサン力がないのではないか、と。その証左というわけではないが、話が進むにつれてなんかうまくなってきているような、安定してきたような印象を持っている。特に九内。OP内の九内と最終話の九内、かなり違う気がする。最終話のアクなど、別人のかわいらしさだった(要は、制作を通して上達してない?)。町並みのパース狂いと前景・背景間のミスマッチは一貫してたように思う。

--動画として
その一方、動画としてみた本作品は「味わい深い」と感じている。おそらく、意図したチープ感とそうせざるを得なかったチープ感の両方があるのだと思う。止め絵多用の戦闘シーンは昨今の異世界ものへの表敬と見れなくもない(あくまで個人的な感想です)。

ところが本作、妙なところがリッチというか、丁寧な感じを受ける。主に女性の所作だけど。作画はやはり変なのだが、なにか「表現したいものがある!」と言う熱量のようなものを感じる。

・全力で視聴者をわらかしにかかる九内ダッシュ
・フィルタのサイズ間違ってない?な急激なブラー付加による遠近表現
など、ちょっと首を傾げたくなるものあれば、

・妙に丁寧な描写で九内からブレザーを受け取りに近づくルナ
・それぞれフェーズがずれている犬ころ共(周期は同一っぽいし、攻撃ヒット後は完全同一だけど)
・膝の砂を払う悠
・ぐるっと回るように走るアク(以上4話)
・ダイナミックカメラっぽい回転(10話、田原-悠の対話。CGとは思えない・・出来栄えホメテナイ)
・ローブに透けるユキカゼの尻と脚(11話。ただ、ローブは裏地もあるから透けないような)
など、敢闘精神を感じるものがある。

最終話の九内-ホワイト対話シーンは、この妙な丁寧さにあふれていたと思う。
・小さく揺れ続ける風呂桶With酒(たまにピタッと静止する)
・おしり後ろのタオルを押さえながら湯につかるホワイトx2回(これは驚いた。実体験or注意深い観察が必要。女性スタッフかな?)
・震えるホワイトの肩
ぶっちゃけ、ホワイトがらみだけ丁寧な感じはする。

うん。なんか、無理矢理に「いいところ」をほじりだしてる感じが自分でもする。かぐやさま理論で行けばこれやっぱり恋だね(笑)。
{/netabare}

======web原作を読んでわかったこと
{netabare}
基本的に原作との比較をしたことがないし好まないのだが、今回は仕方ないかな。

-web原作・アニメ比較-
本作は、多少の省略はあるものの、ほぼweb原作のまま。web原作の残り一割程度を残すところまででアニメ12話終了。WEB原作も「完結」とは至らず、単にそのタイミングで商用へと移行した模様。

お話の展開、キャラクターの味付けもほぼそのまま(山賊が上司に似ているってのはなかったし、web作でのルナはもう少しとがってる感じがする。省略されたキャラもちらほら)。なので、世界観がガッチャガチャなのは、原作由来ともいえる。

-脚本・シナリオとweb原作-
で、キャラクターの台詞もほぼそのまま。終盤は多少追加台詞があったものの、「」の中がほぼそのままアニメ作中の台詞。九内の思考やら状況説明などがかなり地の文に書かれていても「」の中だけほぼそのまま(アニメ内での追加説明とか特になし)。特に序盤はこれが顕著。

脚本・シナリオ、手を抜きすぎ。これでは分かるものも分からない。

4話の謎会話(九内-悠の「てんい=天意・転移」会話)も字で読めば分かりようもあるが、台詞オンリーではどうにもならない。吠えたエビフライも、読む限りは納得できるのだが・・・アニメのアレじゃぁただの発狂ですわ。

web作では結構折に触れて説明されている「帝国」や「インフィニティゲーム」の説明はほぼカット(次回予告で仄めかす、CMアイキャッチに仄めかす程度)。世界観共有できなきゃ、楽しむポイント分からなくなるでしょう・・・零の存在意義とか、無理ですよ(だと言うのに、これだけ楽しめた不思議)。web版の段階で既に結構練られた世界観、物語が感じられる描写がかなりあるのだが。。。アニメでは完全に無視されている。アニメ製作陣の読解力の問題か、尺に合わせるための構成力の問題か。いずれにせよ、アニメはパロディのみ路線に全振りしてしまった(だというのに略)。

演出もweb版を読んでしまった後だと、声優に任せたというか丸投げしたかのような無法地帯ぶりを感じた。ここは、もう少しどうにか出来たんじゃないかなぁ・・・
{/netabare}


結局のところよく分からない。
「おもしろい」ってなんなんだろう。難しい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

三文芝居

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
最初はタイトルで、「はたらく魔王様!」みたいなアニメかと期待していたのに、違いましたね。

ゴリゴリの異世界転生&無双系。

作画も良くないし、キャラもありきたりで、超絶ご都合主義。数多ある類似作品との差別化も出来てないし、展開も安易で、「展開を考える」ということすら放棄しているイメージを持ちました。

他の方のレビューで、「異世界転生のパロディギャグアニメ」というのを読んで、確かにそれなら、観られるかもと、ちょっと評価を上げていいかな?と思うこともあったけど、、、やっぱり、ダメでした。自分の感覚的に、☆1(観て損。不愉快)です。

《以下ネタバレ》

【視聴断念(5話まで)】
{netabare}
レビュータイトルですが、別に声優さんの演技を揶揄しているわけではなく、脚本として、用意された台詞がイチイチ説明くさく、安っぽいなと。

原作由来かアニメ化に際してかは分からないけど、中学生が考えたような台詞回しでした。

九内伯斗を演じた津田さん。好きな声優さんの一人なんですが、本作に関しては、津田さんの素敵な声が裏目ってる印象でした。九内伯斗の台詞がいちいちダサいのに、声だけは抜群に格好良いので、キャラのダサさが際立ってしまったというか。本当に、津田さんの無駄遣いって感じがしました。

本作、展開もキャラクターも、全てが「安易」。

キャラデザも、「どっかで観たことある」人ばかりだし、キャラの名前も、いちいちダサい。てか、イタイ。一応、「ゲームの中の世界」という設定だから、二次創作的な要素を持たせているんだろうけど、やっぱりそこはかとないダサさは漂うわけで。

展開も、とりあえず困ったら課金アイテム。安易。便利アイテムは、トラブルが起きる前に(違う用途として)出しといて、「え? ここであのアイテムをこう使うんだ!」なら良いけど、視聴者に対して、「こんなアイテムがあります」と事前に提示せず、「実はこんなアイテムがありました」だから、ご都合主義だと言われるのです。

なろう原作だと知らなくても、「なろうだろう」と思う作品。

ていうか、本当に中学生が考えたんじゃないのか?と疑ってしまいそうなレベル。

多分、「ダサ格好良い」みたいに、「わざと狙って外してる」んだと思います。が、ダサ格好良いは、普通に格好良くできる人があえて崩すから、ダサ格好良いんであって、はじめからダサい人が崩したら、よりダサくなるだけです。

イケメン外人モデルなら、白ティーにジーパンでハイウエストにしても、「逆にオシャレ」と言われるかもしれませんが、同じ事をメタボのオッサンがやたら、、、ってことです。身の程は知らないと。

本作もそうで、きちんと作れば格好良い作品を作れる力量があった上で、ギャグテイストを入れ、テンプレをメタネタ的に入れている(崩す)なら良いんだけど、とてもそうとは思えません。

私の評価では、「ただつまらない」(クオリティが低い)だけなら、☆2どまりで、☆1には「不愉快」という要素が入ります。

多分私は、本作の「ただのゴリゴリの異世界転生なろう系なのに、なんかひと味違う感を出そうとして格好つけて崩しているところが嫌」なんだろうと思います。

不良があえて勉強しないでテストで低い点をとって自慢している様というか、草野球で、普通に打っても三振する確率高いのに、あえて「駒田」とか言って、プロのモノマネしながら三振してヘラヘラしながらベンチに戻ってくる様というか。

マイナスで誤魔化すなよという感じ。必死に頑張って、結果的に20点だった、三振してしまったなら、憎めないんだけどね。

勿論、これは私の個人的な感じ方であって、それが万人に共通するとは、思っていませんが。悪しからずm(._.)m
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
な~んだ、異世界無双系か。なろうかな? タイトルみて、「はたらく魔王さま!」みたいなアニメかなと思ったのに。なんか、説明台詞がイチイチ説明くさいな。異世界転生系の中でも低クオリティな気がする。

なんかすごいアイテムを気軽にゲット。

2話目 ☆1
ギャグがスベっている。作画がショボい。おしりペンペンか。不愉快しかないな。

3話目 ☆2
とりあえず飽きられる前に新しい女性キャラを出して、どんどんハーレム化か。チートをさらにチートにして、楽しいか? 国の守り神レベルが命を賭けてようやく封印できたエリゴールを片手間で瞬殺した男が、別の強者になって、どうする。

4話目 ☆1
ツマランナ、下手な下ネタぶちこまれてもな。マジで、誰にでも思い付くことを、さも、「やってやったぜ!」感を出されてもな。

5話目 ☆1
とりあえず、困ったら課金アイテム。安易。便利アイテムは、トラブルが起きる前に(違う用途として)出しといて、「え? ここであのアイテムをこう使うんだ!」なら良いけど、視聴者に対して、「こんなアイテムがあります」と事前に提示せず、「実はこんなアイテムがありました」だから、ご都合主義だと言われるのです。

今後、良くなる要素が見当たらないので、ここまでですね。

6話目 ☆


7話目 ☆


8話目 ☆


9話目 ☆


10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

タイトルなし

津田健次郎の声とかちょいちょい挟んでくる心の声は面白いとは思うんだけど、ストーリーの構成か話の内容なのかあまり入ってこない。

魔王で俺つええなところあるけど、前面に押し出してくる感じはないし、凄いハーレムな感じにいつの間にかなっていくところがよくわからない。とか言いつつも2期あったら見るつもり。続けっていう終わり方は少し気になる。
勇者がまさかあれ?っていう感じだったし。

女性キャラクターが比較的高身長な気がするのは自分だけだろうか?
原作者が背が高い女性が好きなんだろうか。そんなことは正直どうでもいいか。しょーもない疑問やった。


OP
TEMPEST 歌 石原夏織
ED
NEW 歌 東城陽奏

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
見た目は魔王、中身は一般人の勘違い系ファンタジー!大野晶は自身が運営する「GAME」内のラスボス「魔王・九内伯斗」にログインしたまま異世界へと飛ばされてしまう。そこで出会った片足が不自由な少女と旅を始めるが、圧倒的な力を持つ「魔王」の存在を周囲が放っておくことはなかった。魔王を討伐しようとする国や聖女から狙われ、一行は行く先々で様々な騒動を巻き起こすことに…!


1. 魔王降臨
普通の会社員、大野 晶は自らが運営するゲームのキャラ、魔王「九内伯斗」にログインしたまま異世界へと飛ばされてしまった。予想外の事態に混乱していたところ、悪魔への生贄にされた少女、アクと出会い親交を深める。彼女の案内で願いの祠へと向かうのだが---。

2. 金色のルナ
魔王が現れたという噂を聞いた「三聖女」の一人、ルナ・エレガントが魔王討伐に乗り出していた。野営を終え再び神都へ向かう九内とアクの前に、山賊が現れ行く手を阻む。そこにルナが率いる部隊も合流してしまい乱戦となるも、九内はルナを捕まえ---

3. キラー・クイーン
ヤホーの街に着いた九内とアク。ふたりを追いかけてきたルナに、九内は智天使について尋ねるが、力尽きて消滅したという。その頃「三聖女」の次女、キラー・クイーンがヤホーの街に向かっていたが、そこでは三聖女を亡き者とするため、サタニストたちが暗躍していた---。

4. 桐野 悠
「霧雨 零」へとキャラクターチェンジすることで、サタニストたちを退ける事に成功した九内。新たにルナを加え再び神都へ向かう魔王一行は、大量のサンドウルフに追われるミカンとユキカゼに遭遇。群れを蹴散らした九内は、溜まったスキルポイントを使い側近を召喚する---。

5. 容赦なき侵略
神都へと向かう途中、ルナの領地を通りかかった魔王一行は、この村に魔王の拠点を作ることに決める。水脈が枯れ、痩せ細った大地をどうにかする為、“バニー”のモモとキョンに話を聞くことに。一方、サタニストたちは神都を滅ぼす計画を企てていた---。

6. 神都動乱
神都に到着しレストランで食事を楽しんでいた一行に、社交界の中心人物、マダム・エビフライが声をかけてきた。一同の歓談中、錯乱したボーイのサタニストの襲撃を告げる叫びに、九内は晩餐の余興にと、サタニストの対処へ向かう---。

7. 乾坤一擲
サタニストが召喚した悪魔を、いとも簡単に撃破する九内。一方レストランに残ったルナを狙い、暗殺者が忍び寄っていた。各所で起こるサタニストたちの襲撃にクイーンをはじめS級冒険者のミンクたちが応戦する。しかし、聖城前で上級悪魔の召喚を許してしまい---!?

8. 魔王の躍動
九内は聖城にて三聖女の長女「エンジェル・ホワイト」と対面し書庫の閲覧の許可をもらう。熾天使について書かれている本を読むが、要領を得ない。一人街を歩く九内の前に、零がオルイットから助けた少女トロンが現れて---。

9. 踊る詐欺師と大金貨
側近の一人「田原 勇」を召喚した九内はこの世界の説明と共に、ラビの村の運営をするように求める。その後、九内はマダムを迎えるため、ヤホーの街へ繰り出し人気服飾店を訪れた。店員の勢いに気圧されながらも、とある服を注文する---。

10. マダム、咆える
ルナは、幼い頃一緒に行動していた亜人の子の夢を見ていたが、九内からマダムの到着を告げられ、急いでマダムを迎える準備にかかる。ルナの案内の元、マダムは温泉を堪能。身体の汚れを落とし、炭酸泉、ハーブ風呂と巡り塩サウナに到達した時マダムの感情は爆発する---。

11. ユキカゼ、襲来
一人神都に向かい羽を伸ばす九内。北方の迷宮について調べるため、冒険者ギルドに向かう途中でミカンとユキカゼに遭遇する。なぜか九内のことを気に入って「私が迷宮について教える」と言って聞かないユキカゼと共に酒場へ向かうことに---。

12. 白天使と魔王様
ラビの村でルナに言われるがままに温泉へと案内されたが不注意で男湯に入ってしまったホワイトは、露天風呂で九内と鉢合わせる。動揺を隠せないホワイトとは裏腹に落ち着き払った態度で話を進める九内であった---。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

72.4 5 呪いで異世界なアニメランキング5位
月が導く異世界道中(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (342)
1140人が棚に入れました
平凡な高校生だった深澄 真は、とある事情により“勇者"として異世界へ召喚された。しかしその世界の女神に「顔が不細工」と罵られ、“勇者"の称号を即剥奪、最果ての荒野に飛ばされてしまう。荒野を彷徨う真が出会うのは、竜に蜘蛛、オークやドワーフ…様々な人ならざる種族。元の世界との環境の違いから、魔術や戦闘においては常識外な力を発揮する真は、様々な出会いを経て、この世界でどう生き抜くのか…… 神と人族から見捨てられた男の異世界世直しファンタジー開幕!

声優・キャラクター
花江夏樹、佐倉綾音、鬼頭明里
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みにくい白鳥の子

(2021.5.2初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 略称『ツキミチ』1クール全12話
  ※ 最終話後、第2期制作発表あり。

🌕 ❰全話試聴して❱
{netabare}
 本作は原作ファンとして今期の期待作のひとつだった。ゆえに期待を込めてアニメ評価は最初はオール4.5からスタートして視聴中に修正。最終的には、原作を100点とするなら80点の満足度でとても楽しかった。

 主人公と従者達を主軸にして話の寄り道をせず、キャラの登場を制限したことが吉となったと思う。コメディ演出でライトな作風だったことも結果的によかった。作画は彩り豊かな亜空風景が印象深い。とりわけ優秀な作画という訳でもないが、作風との相性が良く、見せ場に相応のリソースが割けていたので不満は全くない。

 最終話後に2期制作も発表されて頼もしい。2期で主人公は、人と魔族との戦争にどのように対応していくのか。主人公とある意味同じ立場の新キャラ2名が、主人公とどう関わるのか。

 1期は原作にあった上記の新キャラに纏わるサイドストーリーは潔くカットされた。それを2期に持って来ることは間違いないだろう。そこに構成の妙を感じる。1期が亜空建国が主軸なら、2期は主人公の亜空外での商売上の人間ドラマが主軸に、と色合いが明確になりそう。

 必ずしも原作通りに進むとは限らないだろう。場合によっては、1期では省略された豪商レンブラントの真実の深堀りも描かれるかもしれない。2期が実に楽しみだ。
{/netabare}

以下、放送前投稿 (2021.9.23推敲)
{netabare}
 原作は、2012年2月から2016年8月迄『小説家になろう』にて連載された。現在、なろうアカウントは無くなった。

 2013年5月からアルファポリスより書籍が刊行。2021年7月時点で既刊17巻(本編16巻+番外編1巻)、コミカライズ既刊9巻。2021年4月時点でシリーズ累計発行部数170万部突破、アニメ放送直前には200万部突破と勢いある作品。

 アルファポリスサイトで無料で読める小説は、書籍のダイジェスト版。漫画は最新の一部のエピソードは無料で読めるよう。

 本作は2020年10月に「2021年アニメ放送決定」のニュースがあった。それがきっかけでコミックを読み始め非常に気に入った。その後ラノベも読み始め現在2周目突入中。

 2021年4月28日、昨秋の特報に次ぐPVが公開され、そこで本作が同年7月放送開始と初めて告知された。

 同時期放送作には、大好きなラノベ原作異世界ファンタジー作品が多い。本作以外では、「はめふら2期」「転スラ2期第2部」「現国」「精霊幻想記」と合計5作品もある。個人的にアニメに費やす時間がますます増えそうだ。

 上記の中では最も遅い告知となった本作、PVを視聴してお笑いの真打ち登場の感。キャストが豪華で皆さんの演技が楽しそう。PV最後の劇伴がツボだった。以上の中でコメディ要素は「はめふら」といい勝負だろう。日本神道の神様が登場したり、日本の時代劇かぶれの主人公の配下がいたり、と他作品とは一味違った日本推しがなかなかユニーク。

 監督は『ログ·ホライズン』『FAIRY TAIL』などの長期シリーズが代表作の石平信司氏。ファンタジーにコメディを馴染ませ長期人気を保った実績がある。本作でも期待している。
{/netabare}

❰主人公について❱
{netabare}
 17歳の高校2年生の深澄 真(みすみ まこと)は、両親と神との昔の契約で理不尽にも勇者として片道切符で異世界に召喚させられた。

 彼は異世界では日本での年格好のまま。配下の多いカリスマ最強主人公となるが、飾らない人柄で天然。だが、ある事情で勇者にはならなかった。それでも異世界での彼の魔力量が人外。戦闘力もチート。さらに周りの助力も大きく、商材にも恵まれ彼の立ち上げた商会はどんどん大きな存在となる。彼はその甲斐性と性格の良さから、ハーレムも可能なほどの財力と地位をじわじわ築くがその気が全くなく特定の異性との色恋とも無縁。

 そんな所は転スラのリムルによく似ている。但し容姿が日本基準では平均、本作の異世界基準ではブサイクという設定で、人型時の美形なリムルより親近感がある。

 個人的に真に魅力を感じるのは、弓道で一芸に秀でている所。所属していた高校の弓道部では彼は副部長だった。弓道の才能以外は全てにおいて平均的だが、地道な努力家で面倒見も良く彼を慕う美人の部員が二名いた。しかし鈍感で恋愛には不器用。女性から告白されてもギクシャクするのが関の山。弓道があるので恋愛優先になることはなかった。ありのままの自然体で、まだ若いのにどこか落ち着いてる彼。しかし道理や礼節を弁えない存在は、たとえそれが神様であろうと堂々と立ち向かう。そんな鷹揚な雰囲気と反骨精神を持つ主人公像が好ましい。

 弓は異世界で彼の戦闘手段として最大の武器となる。彼は召喚後も、時間があれば無心に的を射る鍛錬を欠かさず、弓道を精神修養の一貫として続けている。そこに禅定の静寂美が感じられるが、弓道ならではの魅力だろう。一芸に秀でその道を極めんとする彼。普段は一切の力みが無いが、いざという時は極限の集中力を発揮して敵を討つ彼。なかなか格好いいと思う。
{/netabare}
❰配役について❱
{netabare}
 初回は声優の配役で、シン(巴)の声に個人的にかなりミスマッチ感があったので評価を下方修正。

 美女になってからの巴の外見上の声はあやねるでも合ってるが、竜体の声は誰ともわからない下手な物真似を聴かされてる気分で失笑した。まあ竜体の声は1話以外は出番ないだろうし、アニメは原作よりギャグ主体で作風が軽い。その内に忘れて気にならなくなるかもしれないが初回はがっかりだった。

 巴は外見が美女に変化して後、ヲタクで残念な部分もある。が、本質はこの世界を管理する女神も干渉できない何千年も生きている最強の上位竜の一柱である。その賢さと強さは半端ない。原作中、マコトは巴を頼りになる兄貴のようだと表現したことがある。やはり相応の落ち着きと滲み出る風格も感じられる演技とそれに合う声を期待する。

 姉御肌感が自然に滲みでる声優に演じて貰いたかった。女性らしい声のみならず、時に男前でドスも効く声色が出せる、例えば沢城みゆき、本田貴子、田中敦子あたりの幅広い演技力ある声優が理想。

 その後、巴役の佐倉綾音の演技は田中敦子に似てる感あり。しかしまだ若い。滲みでる年輪が足りない。やはり人生経験豊かな30代半ば以上の声優演じる巴が望ましい。

 それ以外のキャスティングは概ね満足。特にハイランドオークのエマ役の早見沙織。キャラの透明でキラキラの瞳以外は早見沙織の声に全く合わない、というのがギャグとして笑える。

 2話から登場の災害の黒蜘蛛の化身の澪の声は巴ほど違和感なくていいと思う。世界的大ヒット作『鬼滅の刃』の炭治郎と禰󠄀豆子兄妹コンビがそのまま真と澪の主従コンビに。大ヒットの験担ぎか。ネタとしても悪くない。炭治郎と真はすぐに同一声優と気付くが、禰󠄀豆子と澪はキャラクターが違い過ぎて、声を聴いただけでは同じ声優とは気付きにくいと思う。共通点はどちらもかけがえのない家族であること。炭治郎と禰󠄀豆子は血縁者で家族なのは当たり前だが、巴と澪は真にとって恋愛対象でなく家族同然の関係性で愛情と信頼を深めていくから。

 また『神様になった日』の主人公とヒロインのキャストが本作の真と巴になってたが、そちらは視て無いのでインパクトゼロだった。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}       (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
🌑第一夜「勇者…失格」(7月7日 23:00 - 23:30)
 物語4.5→4.0, 声優4.5→3.5
{netabare}
 漫画第1巻(第一夜『勇者…失格\(^o^)/』第二夜『「世界の果て(ピリオド)」のその先で...!?』第三夜『フラグは立つか立たざるか』第四夜『おしかけドラゴン』)より

〈異世界の 水戸黄門に なり得るか〉

 原作からのバイアスが掛かったため、予想以上に大袈裟なギャグシーンの多用と軽すぎる作風に初回は馴染めず戸惑ったため評価は若干下げた。しかしもう一度視て、コメディアニメとしていい線いってると思い直した。作風にもっと馴れたらまた評価上げるかもしれない。

 一番ウケたのはEDテーマ。まさかまんまの水戸黄門...やってくれる、いいセンスだ。時代劇の勧善懲悪+ファンタジーコメディのエンタメとして割り切った方向性か。今後も石平監督の手腕に期待。

 OP映像の登場キャラでラノベ第3巻(漫画第6巻)迄をアニメ全12話で描くと予想。果たしてどうなるか楽しみ。

 原作の『ツキミチ』は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』同様、小から中の山場の積み重ねで、成り行きまかせでも主人公の強運とチート能力がじわじわと主人公の立場を引き上げる系の物語。それではアニメの1クールから2クール程度の尺では話をどこで切っても間違いなく中途半端になる。

 『ツキミチ』は主人公が三枚目であり、特に漫画版は、ギャグネタ豊富でコメディに徹底できる資質が『デスマ』以上。ならばストーリーで魅せようとするより、視聴者に「ストーリーは中途半端だったけど楽しかった」と思ってもらえれるようコメディに振り切って、キャラの魅力を耀かせた方が成功しそう。

 この初回のノリが最終的に吉となり、2期が生まれることを祈りたい。次回も非常に楽しみだ。
{/netabare}
🌘第二夜「災害の黒蜘蛛」(7月14日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第1巻(第五夜『おとぼけ侍』第六夜『「災害の黒蜘蛛』第七夜『ディープラバー🖤』)より

 いいテンポで話は進む。作風の軽さも少し馴れてきた。

〈亜空間 なつかし夢の 秘密基地〉

 本作の魅力の一つは、子供の頃に秘密基地を作って遊んだワクワク感を呼び戻してくれること。ただ秘密基地といっても亜空はスケールが違い過ぎる。

 彼の記憶にある日本の原風景がモデルの亜空は、水があり自生する自然の恵みありの全ての生き物が生活出来る1つの大地。真はその力をコントロールする事は出来ないが、規模も徐々に成長し拡大し続ける。その力を与えたのは日本神道の神様。当に天地創造の神業。

 アニメで非常に楽しみだった一つがこの彩り豊かな亜空を拝むことだった。異世界の中の異世界、この原作者の発想は素晴らしい。

 また亜空は避難(逃亡)先。この異世界で何でも好き勝手出来てしまう両刃の剣。夢がある反面、テロリスト、サイコパスや世界征服の野望ある者には絶対に渡してはいけない危険な存在と言える。そこが真のこの異世界での立位置に大きく影響していくが、それがどうなるかアニメでも楽しみだ。

〈制作に 遊び心が キラリんと〉

 水戸黄門のテーマは初回のみの特殊EDだったようで出落ちのネタだった。本作は鬼滅兄妹の声優採用など、他にも探せばネタがいくつか仕込んでるかもしれない。これは楽しみだ。
{/netabare}
🌗第三夜「ヒューマンショック」(7月21日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第2巻(第八夜『シム亜空!?』第九夜『人外大移動』第十夜『理解不能』第十一夜『ヒューマンショック』)より

〈あらすじ〉

 マコトが巴と契約した時に生まれた亜空に、マコトを領主と認め忠誠を誓う住民が一気に増えた。初めての縁あったエマを筆頭とするハイランドオーク族おおよそ100名にプラス、エルダードワーフ族たち、上位竜の巴とその眷属のミスティオリザードたち、元災害の黒蜘蛛の澪とその眷属のアルケーたちだ。

 その後、マコトは残酷な現実を受け止めざるを得なくなった。亜空の住民には崇敬に近い愛され方をされたので油断してたら、まさか同族のはずのヒューマンと呼ばれるこの世界の人類には露骨に見下され、さらには魔物認定され討伐を仕掛けられた。しかも他の言語は自由に使いこなせるのに、ヒューマンの使う共通語だけ不自由だった。読み書きと聞き取りは努力で可能になっても、発音は努力虚しく身に付かなかった。

 しかしマコトは従者と共に逞しく生きていく。天敵の女神に対し、さらに怒りを蓄積しながら。

 そしてマコト、巴、澪の三名は、諸国漫遊する豪商の息子と従者という設定で、亜空産の果物を馬車に大量に積み込み出発。初めてたどり着いた街は"絶野"と呼ばれるヒューマンの住まう最果ての地だった。

〈理不尽な 神の仕打ちに 凹む日々 心安きは 人外のみか〉

 無尽蔵な魔力が源の神レベルのチートな能力と、(異世界基準の)不細工なルックスの主人公。これくらいの絶妙なバランス感覚が原作の売れている要因の一つなのかもしれない。

 アルケイの初期移住者は原作は4名のみだが、なぜかアニメではミスティオリザード(ラノベ原作では108名)並の数になってたり、僅かなカットと流れ等の細かい違いはあれど、ここまでほぼ漫画に忠実。そのため新鮮な面白みは少なく物足りなくなってきた。が、アニメならではのネタが時折顔を覗かせ新鮮でアニメも悪くない。

 今回笑えたのはBGMがいい仕事した悪代官と廻船問屋ネタ。

 あと巴が飯抜きで荷物番となった際、原作では「お、鬼ですか若ー!!!」の台詞が、アニメでは「あーっ、鬼ですかー!」で、そこはクスッと。

 台詞をマコト1人から、花江夏樹と鬼頭明里演じるマコトと澪の2人への語りへと微妙に変更。これはネタとしてよりわかりやすくするための変更かもしれない。
{/netabare}
🌖第四夜「あとのまつり」(7月28日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第2巻(第十二夜『ざわめきの夜』第十三夜『姉妹の事情』第十四夜『あとのまつり/(^o^)\』)より

 今回は水戸黄門エンディング第二段が実に楽しい。曲調をオリジナルからよりロック寄りに、歌い手を主人公からヒロインへ、ソロからデュエットへ、と第一段と趣をがらっと変える工夫がいい。第三段をかなり期待。もしあるなら今度はどうアレンジするんだろうか。

 ここまで視聴して言えること。どうやらアニメ2話で漫画版1巻分(エピソード7話)消化、という制作の基本方針があるということ。そしてアニメは堅実で動くカラー漫画として優秀。作風の軽さも味方してテンポが実に良く、今回では水戸黄門風一件落着シーンの演出、特殊ED2などの独自ネタもあってとても楽しかった。

〈あらすじ〉

 マコトと澪が宿へ戻る途中、リノンという名の一人の少女が泣きながら接触してきた。聞けば、行方不明の姉を探してさ迷っていたという。マコトはその姉トアが弓道部後輩の長谷川と外見が瓜二つと知り、リノンの接近がたとえ罠でもこのまま放っては置けなくなった。

 そして巴が望む勧善懲悪道中の始まりは、リノンの姉の救出劇となるのだが...。

〈格さんは 当てる言の葉 核となる 街消え去りて 虚しき荒野(あれの)よ〉

 最後のマコトのアニメの台詞「バレたら隠せないし。ああっ、もうっ、日本語が変だ」が妙に心に残った。世直し道中の最初が一つの街の壊滅というトンデモなオチ。なんとなく大掛かりな舞台セットを用いる懐かしのドリフの全員集合コントを思い出した。

 アニメがギャグコメディに振り切ってるのは正解。そうでないとツッコミたくなる。

 街の破壊中、住人は関係者以外は全く出てこずぼかしてるが、状況的に巴と澪の所業は住人の大量殺戮をもたらすはず。住民の安否確認すらしないマコト。普通はシャレにならないが、おばかなギャグと思えばスルーできる。

 まあ魔物が横行してる命の軽い異世界のこと。マコトも不慮の事故としてドライに割り切って、やっちゃたものはしょうがないと、犠牲者のことはそれほど気にしてないのだろう。犠牲者はヒューマン族で、知り合い以外はマコトが大切にしたいと思える存在でもないし。

 マコトは本気出したら巴も澪も敵わないという。アニメでのマコトの実力発揮はまだまだこれからだろうがこの3名の所属する亜空は既に、この異世界唯一の核兵器保有国、と言っても問題なさそうだ。
{/netabare}
🌕第五夜「よくばり馬車の旅」(8月4日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第3巻(第十五夜『よくばり馬車の旅』第十六夜『グロリアス·ディナー』第十七夜『亜空改造計画』第十八夜『ファンキー·コート』)より

〈あらすじ〉

 マコトは"巴と澪は混ぜるな危険"と判断。巴を武者修行の名目で別行動させた。その後マコトと澪はトア姉妹と偶然救出した冒険者3名を馬車に乗せツィーゲの街を目指す。

 ひとつの街の壊滅という不祥事は魔物来襲のせいにしてごまかし、冒険者として、また商人として、マコトと従者はしたたかにその歩みを続ける。

〈異世界の 男のロマン 冒険者 旅は道連れ 友は増えゆく〉

 道中遭遇した魔物を討伐しながら進む道のり。同行冒険者の生々しい獲物の解体にドン引きしたり、憧れの漫画肉を堪能したり、場違いなほどハイテクな冒険者ギルド発行の冒険者カードに感動したり。

 マコトは、残念な外見と言葉の不自由、という欠点を抱えつつも、いつでも戻れる安全で快適な亜空があって、いざとなれば自身の底知れぬ力があって、頼れる多くの家族のような仲間もいる。

 なんだかんだあっても、マコトの異世界道中は刺激的で楽しそう。今回もアニメの原作再現度は高く安定して面白い。原作未読の方が新鮮でもっとワクワクしそうだ。
{/netabare}
🌔第六夜「ナイスミドルの憂鬱」(8月11日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第3巻(第十九夜『情に厚い人格者(ナイスミドル)の憂鬱』第二十夜『商人ギルド加入試験...!?』第二十一夜『いカニも美味!』), 漫画第4巻(第二十二夜『あの夏の記憶』)より

 今回は漫画4話分のエピソードを無駄を省くことでアニメ1話に巧くまとめていた。巴の分体の柿のつまみ食いはアニオリ。原作のどこかにあるかもしれないが少なくとも今回の漫画の該当部にはなかった。そのセンスはポイント高し。どうやら漫画では出てなくてもアニメでは毎回分体の出番を作るつもりなのかもしれない。同じくアニオリの蜃気楼都市の解説演出もグッド!

 名も無き巴分体は本作では希少の、いやかわ(癒しの可愛い)キャラ。その推しは物語上もとても大切。今後も亜空シーンでは分体を出来るだけ登場させて欲しい。

〈あらすじ〉

 まだFランクのマコトが冒険者ギルドの掲示板でたまたま見つけたSランクの依頼。それはその求める素材が手元にさえあれば特殊ランク扱いで受けられる依頼だった。たまたま自身が既に持つ魔物ルビーアイの瞳が使える。

 依頼主はツィーゲの街随一の豪商。その商会に出向き、主パトリック=レンブラントと直接面会して素材提供。泣くほど感謝されるマコト。それは依頼達成と同時に商会立ち上げの志あるマコトに強力な後ろ楯が現れた瞬間であった。

 その後商人ギルドの登録と食堂での食事も済ませ、人心地ついた後亜空に戻ったマコトに巴から緊急に念話での呼び出しがあった。

 行ってみれば巴と澪はやはり混ぜると危険だった。澪もアニメや特撮のヲタクに目覚め、仲間には相変わらず気苦労が絶えないマコトだった。

〈商人(あきんど)は 清濁飲んで 進む道 右腕無くば 叶わぬ道よ〉

 まさに人生を語る水戸黄門のテーマソング『あゝ人生に涙あり』の歌詞こそが、この世界に生きるマコトには良きバイブル。

 商人としてド素人のマコトには商会運営のノウハウを教えてくれ、後ろ楯ともなる有力者が必要だったが、運良く街一番のパトリック商会に取り入ることに半ば成功した。

 パトリックは敵も多くやり手商人なのは誰でも分かるが人格者と言えるだろうか。実は漫画では、パトリックの美化された過去の伝聞を商人ギルドの受付嬢がマコトに滔々と語る。アニメではそれをカット。マコトはその話の先入観でパトリックを評価してしまう。

 まだ17歳のマコトは人を信じやすく見る目が甘い。が、さすがな巴。普段の暴走キャラとは裏腹。大人の洞察力で何かに気付いたよう。実に頼もしいマコトの右腕だ。

 軽いコメディでも人間描写はかなりシビアなのが本作の魅力のひとつ。強欲ではないお人好しキャラはマコト以外はかなり少数派。特にヒューマン族はそのほとんどが欲望に忠実でしたたかなキャラばかり。

 鏡のように悪意には相応の反撃で応えるマコト。時に情け容赦がない。しかし彼の本質は日本人らしく平穏を愛する17歳の高校生の甘ちゃん。それを補う従者との関係性はとても魅力的に思う。アニメでは今の所戦闘力以外は悩みの種に見える澪も、きっと巴とはまた違う方向でマコトの良きサポーターに成長していくだろう。
{/netabare}
🌓第七夜「秘薬精製」(8月18日 23:00 - 23:30)
 物語4.0→3.5 キャラ4.5→4.0
{netabare}
 漫画第4巻(第二十三夜『秘薬精製』第二十四夜『今日から僕は!!』第二十五夜『世直し劇場』第二十六夜『わけありトップランカー』)より。
 [第二十七夜『二つの顔』第二十八夜『裏道の小石』はカットされ今回で4巻終了]

 原作は今回のあたりから人間の暗黒面を赤裸々にする傾向がより強くシリアスでハードな部分が今まで以上。アニメの今後はコメディ路線を守るためどうするかに注目。

〈あらすじ〉

 マコトは絶野で知り合ったレベル114のアルケミーマイスターのハザルと共にレンブラント宅を訪れる。そこでマコトはハザルの秘薬精製を見学することに。ルビーアイを主原料とするそれは呪病の特効薬。レンブラント氏の妻と二人の娘がその病で絶望的だったがその薬さえあれば助かる。

 ハザルは難なく秘薬を作りだし投薬段階へ。しかしうっかり八兵衛も真っ青のハザルにマコトの苦労は続く。が、なんとか試練を乗り越えミッション完了。

 その後マコトは帰宅途中に巴と澪に合流。すると数十人の刺客の集団来襲。巴とマコトのみで難なく刺客はほぼ全員半殺し。事情を問えばレンブラントを恨む呪術者に嵌められ誤解があっての襲撃と判明。結果マコトは彼らを全員赦すことにした。

 刺客のリーダーは冒険者トップランカーのライム・ラテ。彼は贖罪として冒険者を引退した。しかし心根に男気溢れるライムは将来に見込みありと巴に評価される。そして巴の配下となり密偵として新たな人生のスタートを切ることになった。

〈弥七殿 八兵衛殿も あらわれて 世直しごっこ まことあわれに〉

 BGMがしっかり水戸黄門してた。弥七ポジションの役者も揃い巴は楽しそう。一方の若は体を張った苦労とご老公の定番台詞の羞恥でうち震えるのみ。なんとも哀愁漂う憐れさよ。

 巴とライムとの件は、往年の人情豊かな時代劇のオマージュとして成立するほど巧く演出してたと思う。マコトの柔道による捕縛の作画もなかなか様になっててよかった。巴分体がワンカットだけだが登場したのも好い。

 ただし人間の醜い部分がクローズアップされるエピソードゆえ、コメディとしては若干の不完全燃焼感あり。巴によるレンブラントの実像暴露とその対処を原作からかなり端折った。コメディに水を差ささない程度のシリアスに収める配慮か。レンブラントの本質は原作でもマコトは知らないままなのでそれもありか。

 おかげで巴の智恵の深さと度量の大きさが原作ほど伝わらなくなってしまった。原作未読なら気にならないだろう。しかし原作知るとやむを得ないとは言え物足りない。ゆえに今回は作品評価とキャラ評価を下げた。

 今までは簡略化されることはあってもエピソードを丸々カットすることはなかったが、次回は漫画第4巻の残りの2話と第5巻の前半の4話分をすっ飛ばすのは確実。そして5巻の後半の第三十三夜からスタート。話の流れ自体は自然に繋がりスキップしても問題は全くない。だが、特に5巻の4話分(第二十九夜~第三十二夜)の扱いに関しては今後どうするか非常に気になる。
{/netabare}
🌒第八夜「亜空ランキング」(8月25日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第5巻(第三十三夜『きっかけはオーク』第三十四夜『亜空ランキング』第三十五夜『シャドウテイル·ハンター』)より

 前回は原作の大幅カットでレンブラントの実態をぼかしたことで栄養不足だったが、今回は栄養に十分配慮してる健康的なダイエットに成功してる感。カットしても先々に問題ない部分は躊躇なく原作からすっぱりと。それでも原作の持ち味をアニメで申し分なく再現していた。

〈あらすじ〉

 亜空に戻ったマコトと巴と澪にエマからの問題提議があった。亜空の戦士の戦闘訓練で参加者は完敗が続くため、マコト達との実力差に凹み自信喪失中とのこと。そこでマコトは参加者を調査した結果、訓練に関する種族間の情報交換の少なさに気付く。

 その実状から巴は対策を立てる。それは全種族参加の個人戦を七日に一度開催してランクづけすること。それはお互いの秘術をぶつけ合い切磋琢磨することが目的だった。またランクづけは戦士としての適性を見極めることができ、別の道で亜空に貢献してもよいという弱者救済策でもあった。

 その後、マコトが冒険者ギルドに赴くといつものギルド嬢から依頼があった。レベル1,000超えの巴と澪に、ライム・ラテの後継となるトップランカーを育成して欲しいと。そこでマコトは巴を派遣して顔見知りのトアのパーティを鍛えることに。そしてトア達は巴のスパルタ式の指南により、否が応でもトップランカーとして羽ばたく基礎を身に付けることになった。

〈巴こそ 師とするならば 道極む 長き年月 生きる智恵ゆえ〉

 何千年も生きてる上位竜巴は全体を見ながら的確な判断を下せる参謀にして武の最高指南役。元災害級の魔物の澪は相変わらずマイペースでマコトと食にしか関心がない。そのコンビが絶妙で面白い。

 しかし澪は今回のトマトの件がきっかけで、巴とは別の道で亜空での貢献が始まりそうだった。少しずつ亜空は発展し、その住民も成長していく。そして、適材適所で亜空はこれからますます発展していくんだろうな、と思う話だった。

 亜空が磐石な存在になるほどに、駄女神の管理する弱肉強食のハードな世界に身を置かずともマコトは人外の仲間とだけで幸せに生きて行ける。だが、いつも面倒事を引き当てるのが彼の宿命。お人好しにも亜空外との人々とも付き合い続けざるを得ない。

 毎回のマコトの川柳の心の嘆き、それは逆にどんな時も前向きな彼の器の大きさの表れ。常人は嫌なこと面倒なことが降りかかっても嘆く前に放り出すのが一般的。しかし彼は一旦関わった以上は好き嫌い関わらず最後まで責任を持つのだ。

 主人公の特技が"弓道"という設定がここで生きる。弓道で培った集中力と忍耐力で的を射た結果を最後は達成してしまうのが彼の真骨頂。常に己はニュートラルで自力も他力も自在に活用できるマコト。彼は若くて甘ちゃんに見えて実は達人かも。でなければ多くの実力者を従える彼の人望の大きさは生まれようがない。

 さて、個人的に原作で好きなキャラが今回最後に登場。次回アニメでどう描かれるか楽しみだ。今の所はアニメは別キャラ中心のサイドストーリーを挟まぬ方針のようで、主人公マコトと従者中心のエピソードが続く。原作は群像劇としての旨味もあるが、アニメも回が進めばその味わいも楽しめるだろう。ぜひアニメ第2期を制作して欲しい。

 今期は残り4話。原作とアニメそれぞれの味わいを楽しもう。
{/netabare}
🌘第九夜「喰うか喰われるか」(9月1日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十六夜『人外大宴会』第三十七夜『深澄神!?』第三十八夜『喰うか喰われるか』)より

 アニメでようやく登場のツッコミとボケのお笑いコンビ、スポーツ飲料アクアエリス。いつも一緒で天然ふしぎちゃんに振り回される常識人の真面目ちゃん。他の類似作品ではいそうでいないコンビ。特にエリスが好きでアニメ登場が楽しみだった。電波系の独特なキャラで原作では一人ぶっ飛んでて存在感が抜群だったが、アニメでどこまでその妙味を再現出来るか楽しみだ。

〈あらすじ〉

 ツィーゲでの商会設立の祝いの宴で盛り上がる亜空。マコトは屋外の壇上の玉座に在って住民たちとの交流を楽しんでいた。

 そこで澪の配下のアルケーのアキナから報告を受ける。万能の秘薬素材として希少種のアンブロシア。マコトは澪にその花の群生地を調査してもらっていたが、ついに見つかったとのこと。それはティナラクの森にあるという。しかし、その地にはアンブロシアを管理する種族が住んでいるらしい。

 その他にも様々な報告があったが万事順調そうで安心のマコト。その夜、彼は弓の修練に時を忘れて没頭する。するとマコトの気配の変化に慌てる巴と澪。それはマコトが死んだかのようで、巴と澪は心配のあまりマコトの側に駆けつける。

 そこで、巴の分析により衝撃の事実が判明。射に集中する度に、マコトの魔力の保有量が膨大に上がり、同時に亜空も拡張し続けると。マコトは理解不能のその事実に落ち込んだ。澪はマコトの無事に泣いた。そして巴は、もはや神業としか言い様がないマコトの力の前に、ただ笑うしかなかった。

 その後、ツィーゲでの逗留先での一騒動などもあり、マコトは澪のご機嫌取りも兼ねて、アンブロシアの群生地の視察に二人きりで向かう。その道すがら、見ず知らずのヒューマン三人の冒険者たちがマコトたちを尾行していた。マコトは界の探知で彼らは無害と判断、澪に蜘蛛の糸で足止めだけさせてとりあえず無視。そして現場に無事到着。するとそこには、アンブロシアの保護者が二人待ち構えていた。

〈亜空こそ 生きる喜び 育む大地 主(あるじ)加護満つ 寄る辺なるかな〉

 万事順調の陰にマコトあり。天地創造の神業は、マコトを貶めた駄女神でも出来ない。日本の神様がマコトの守護神だからこそ、亜空の存在とその維持も際限なく可能なのだろう。気候は穏やか。自然の恵みも豊富で、外界で食べらない種類豊富な自生の果物がある。農作物もすくすく育つ。ドワーフの生活技術が行き渡り、巴あって最高の武芸向上環境がある。当に楽園。住める民は幸せだ。

〈まちづくり 主違えど 人外の 民似てくるは 不思議なるかな〉

 『ツキミチ』マコトと亜空の住民は、たまたま同期で放送中の『転スラ』リムルとジュラ・テンペスト連邦国の住民の関係と非常に似ている。

 リムルとマコト。性格は世代設定は違えど結構似てる。だが、強さと見た目はそれぞれ独特のものがあるため意外に被る印象は少ない。とは言え、リムルは困難を乗り越える度に、その世界の生きる者の頂点を目指すかのような進化が続く。対してマコトは、自ずとその能力は世界の創造神に近づいていく。その意味ではマコトの方が突き抜けてユニークで面白い。
 
 ついでながら『ツキミチ』と『転スラ』の主人公の配下は、役割や外見上でなどで被るキャラが多いと思う。たまたまなのか意図したものかは不明なれど、キャラ被りは探すと結構沢山いて、ネタとして面白い。

 キャラ被り濃厚なのはエマとシュナ(正反対な外見はギャグか)。澪とシオン。巴は複合性強く、大賢者とヴェルドラが主成分でベニマル、ハクロウ、ソウエイの隠し味ありか。
 
 外見上もろ被りは、エルダードワーフのベレンはカイジン。ミスティオリザード上位戦士のリディはガビル。ハイランドオークの上位戦士アガレスはゲルド。そして今回登場のアルケーの進化した姿の白衣姿のミナトはベスター、修験者の法衣着用のホクトは初期のクロベエ。

 そしておそらく次回登場予定のガイコツさん。アニメ同時期で、僅か一週間の誤差で初登場の転スラのアダルマンと丸被り。よほどご縁があるようだ。

 また、アキナと転スラのハルナも、出番少なく地味ながら同じ立位置で結構似てるキャラ。本作のアキナは澪の配下で助手のアルケー、ハルナはカイジンのお手伝いでシュナに師事し織物勉強中のゴブリナ。種族や外見こそ違えど、どちらも内外共に可愛く存在感あり。

 以上、同時期放送で視聴中ということもあり、つい転スラと比較してしまったがどちらもお気に入りの作品だ。一番の共通点はどちらの作品も都市開発ゲームの魅力があり、主人公は仲間を家族として非常に大切にすることか。

 なろう発表開始時期が1年遅い転スラの方が、本作を参考にした可能性があるかもしれない。だがパクリとは思わない。設定上で多少の類似性があっても話には独自性があり、面白さに甲乙は付けられないからだ。


 さらにアニメのネタとして、マコトと転スラのユウキは同一声優であることから、穿った想像も成り立つ。例えば、リムルのライバルのユウキは、リムルのせいで世界征服の目的果たせず、宿命として死して後、無意識にマコトに生まれ変わることで、別な異世界で再び覇権に挑むってこと。

 今生は世界征服は懲り懲りのユウキの魂。それよりも、リムルを参考に権力自体には興味無く、仲間を守ること優先で周りから自然に後押しされる形で不動の地位を得ることが天命だったりして。特技は別として、マコトとユウキは外見上、小柄な黒髪日本人な所とか似てるし、そんな妄想するのも楽しい。


 ところで今回、アンブロシア(保護する種族はこの花を紅蓮華と呼ぶ)の群生地で澪を妹扱いして手を繋ぐマコト。そして次回のアニメのサブタイトル(漫画の第三十九夜と同一タイトル)。

 以上から『鬼滅の刃』思わせるもの複数浮上。本作はどんだけネタがあるのやら。もう今回の巴同様に笑うしかない。
{/netabare}
🌗第十夜「鬼の隠れ里」(9月8日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十九夜『鬼の隠れ里』第四十夜『嵐の前触れ』第四十一夜『しょんぼりアンデッド』)より

 この調子だと、コミカライズ第7巻の最後がアニメ今期の描く範囲になりそうだ。

〈あらすじ〉

 マコト達と、澪の蜘蛛の糸をかいくぐって付いて来たヒューマンの冒険者3名は、アンブロシアの保護者アクアエリスコンビに泥棒とみなされ攻撃を受ける。その時、澪は怒りで冷静さを欠き頼りにならず。そこで、攻撃に巻き込む危険がある冒険者達をなんとかしてもらおうと、仕方なく念話で巴に救援を要請した。

 そして足手まといな冒険者達は全員、巴により亜空内の蜃気楼都市に転送する。そこで一転、マコトと澪は反撃に。勝負は一瞬で決まり、アクアエリスを拘束して彼女たちの住む里に向かった。

 アンブロシアをヒューマンから守っていた種族は森鬼と呼ばれるエルフに似た種族。里の長老たちにアンブロシア収奪の誤解を解くため事情を話すマコト。

 とりあえず表面上は理解され歓待される流れになったが、その後、思わぬ出逢いとトラブルがマコトに降りかかることとなった。

〈出逢いには 亜空の未来 変える鍵 あると思えば 全てが吉よ〉

 マコトと亜空に起こるいろんな変化がアニメでも面白い。ただ、アニメのエリスは全体的にコメディ演出が多いためか、雰囲気に埋もれて原作ほど存在感がなかったのは少々残念だった。

 今回から登場の新キャラ、森鬼(もりおに)のモンドに大塚明夫、そして新従者のリッチは津田健次郎、と渋い声のキャスティングで少し意外だった。主役が明るいテノールで、上記二人は落ち着きと深みあるバスバリトンの声域と声質。既に登場のレンブラントの井上和彦も同類で地声はバリトン系。

 以上、若者主人公と彼を取り巻く同性の年長者は、コントラストがはっきり。キャラが絡んだ時、ハーモニーとしてとても味わい豊かだ。
{/netabare}
🌖第十一夜「さようなら」(9月15日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第四十二夜『さようなら』)、第7巻(第四十三夜『亜空改造計画 Season 2』第四十四夜『ととさま』第四十五夜『人ではないナニカ』)、第8巻(第五十三夜『深澄真の消失』第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』)より

[上記は、第四十二夜以外は、内容の一部でもアニメで描かれたものを含む。第7巻(第四十六夜~第四十九夜)、第8巻(第五十夜、第五十一夜)は完全カット]

 予想から外れ、原作が大幅アレンジされエピソードは大胆にスキップ。アニメは最終話に相応しいドラマチックなエピソードを選択したためと思われる。

 そのため、Aパートは第四十二夜の内容がほとんどだが、Bパートはそれ以降のエピソードをかなり簡略化して、今回の最後への繋がりのため必要最低限の内容にとどめていた。アニメ最終話のサブタイトルは、漫画第四十九夜と同一だが、内容は全く違うだろう。

〈あらすじ〉

 亜空で原因不明の爆発が起こり、巴が血反吐を吐いて倒れ意識不明になった。マコトは巴の介抱は澪に任せ、新従者のリッチと共に亜空に戻ると、爆発現場は惨憺たる状況で死傷者多数。

 そこに、蜃気楼都市に招待した冒険者の生き残り一名の記憶がマコトの頭の中に流入。そのためマコトはすぐにこの惨禍の原因が冒険者達にあったことを突き止める。そして悪意と傲慢で亜空の住民を殺した冒険者の生き残りを処刑するマコト。彼は初めての自身の殺人の罪を冷静に受け入れた。が、その後感情が爆発。殺人は後悔はせずとも犠牲者の死に慟哭した。

 その後、気持ちの整理をつけたマコトは、反省し今後の蜃気楼都市の改善策を講じ、新従者を"識"と命名。そして彼を伴い学園都市ロッツガルドに、レンブラント氏の後ろ楯で自身の商会の支店設立と留学のため向かうことになった。

 ところがその道中、女神にマコトは見つかり彼は単独で見知らぬ地へ突然転送される。そしてその先で思わぬ未知の強敵に襲われることになった。

〈新しき 骨太配下 加わりて 識と歩むは 人の道かな〉

 ”識”は、元リッチでアンデッドだったが、生前はヒューマン。ヲタク趣味もない同性の求道者同士。マコトより年上だが従者の中で一番マコトと気が合いそう。

 そして人間の常識で分かり合える仲間が増えたマコト。識は、この世界で商売する上でも、実務上この上なく頼もしい存在になるだろう。

 原作者の作りだすキャラは、役割分担をよく考えた上で巧妙に配置されてると思う。

 今回はシリアス多めでコメディに徹底出来ない状況になり、マコトの心の川柳はなし。今回、亜空の王として脱皮したマコトには愚痴のような川柳は場違いだからだろう。

 今回のメインエピソードは個人的に好きな所で、Aパート全体の作画と演出は秀逸。モノクロ演出で血を強調して殺人の罪を象徴するセンスもいい。そして、原作とは違うアニメの予想外の展開は新鮮で、個人的にはこれはこれであり。果たしてどんな最終話になるのか非常に興味深くなった。

 原作未読のアニメ視聴組でこの作品が気に入った方は、ぜひ漫画版だけでも読んでアニメとの違いを味わって欲しい。原作には、より複雑な人間模様が描かれ、アニメと違う楽しみが必ずあるはずだ。

 ところで、今回初登場の新キャラのソフィアの声優は、沢城みゆきが担当。❰配役について❱で書いたが、個人的に本作では巴役のベスト筆頭は彼女。意外、まさか彼女が別の役で出演するとはびっくり。それなら、キャリア違いのギャラの差で予算が上がるかもしれないが、巴とソフィアは声優を入れ替えて欲しかった。

 そうすれば、人生と声優キャリアの差により、滲み出る風格がアップして、巴の存在感は今以上になったと思う。佐倉綾音も実力派で、田中敦子の声にやや似ている感の巴の演技は、決して悪くはない。だだ比較すると、ソフィア役の方がより相応しいと思う。
{/netabare}
🌕第十二夜 (終)「月が導く...」(9月22日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第8巻(第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』第五十六夜『変態頂上決戦』)、漫画第9巻(第五十七夜『青い光』第五十八夜『痛み分け、あるいは勝者なき朝』第五十九夜『おかえりなさい!』)より、AパートとBパートの冒頭迄。以降は第7巻と第8巻から最終話に相応しい部分を抽出してエピローグとして構成。

〈あらすじ〉

 マコトと対峙したのは、ヒューマンと魔族との戦争で魔族側についた冒険者最強とされる"竜殺し"ソフィア=ブルガと、巴と同じく上位竜が人の姿になった”御剣(みつるぎ)”ことランサー。そこは戦場で、彼らはマコトを女神が寄越したヒューマンの加勢とみなし問答無用に命を狙い攻撃する。

 嘗てない強敵にマコトは間一髪で攻撃を躱すが不利な戦いが続く。そこで最後にマコトは指輪による魔力の封印を全解除して反撃。結果、神業級の魔法が発動し、その威力は核攻撃か天変地異の如くとなった。そして、その大地の抉られた跡地には巨大な湖が誕生。ソフィアとランサーはかろうじて生き長らえたものの、戦場の兵士の犠牲者多数となる大災害となった。

 マコトは亜空の自室のベッドの中で目が覚めた。澪によって既に傷は跡形もなく癒やされ、再び順調な日々を取り戻す。そして、マコトが代表で識が実務補佐、新たに巴がスカウトした森鬼たちやドワーフを従業員とするクズノハ商会のツィーゲ店がオープン。マコトのヒューマンの世界での躍進がいよいよ始まった。

〈クズノハの 勢い誰も 止められぬ 国はもとより 女神だといえ〉

 ということを2期に暗示した今回、核撃級バトルアクションになかなかの見所あって面白かった。構成が絶妙で、今期の主要キャラは僅かながらでもほぼ全員登場。最終話に相応しいまとめ方だ。

 巴の分体推しが僅かでも毎回必ずあったので、コモエが登場することは想定済みだったが、いいタイミングで登場した。最後のマコトの独白と、上げて下げる心の川柳二首もセンスいい。

 ひとつ残念だったのは黄門ED第3段は無かったこと。ひそかに"識"歌唱によるそれを期待していた。来期でもあったら嬉しいが、ネタとしては賞味期限切れでさすがにそれは無いか。

 今期の第七夜から原作と構成が異なり始めた。そして最後の二話はアニメ独自の流れになったので、2期は原作とアニメの構成の多くは一致しないと思われる。今回ちょっとだけ登場した勇者二名とその仲間たちのエピソードも盛り込まれ、マコトたちがあまり登場しない回もあるはず。2期制作は既に発表済み。どんな続きが視られるのか、今から楽しみだ。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

この手の「異世界モノ」では安定感があり、しっかりと作られている部類

【レビューNo.94】(初回登録:2023/11/12)
ラノベ原作(なろう発)で2021年作品。全12話。
この作品、ABEMAでやたら一気観配信されてるって感じで、リアタイを含め何
やかんやと(完全じゃなくても)4回位視聴してるんだよな。
爆発的な面白さはないけど、安定して観てられるって感じ?!
1期の最後に「2期決定」が発表されてましたが、次の冬アニメでしかも連続
2クールでの放送決定ということで、1期のレビューをしておこうかなっと。

(ストーリー)
平凡な高校生「深澄真」は、
・両親が元々異世界人で、日本へ渡ってきた。
・その時の女神との契約で、2人の大切なものを捧げるという契約があった。
そのため、突如異世界へヒューマン(異世界の人間)を救う勇者として召喚され
てしまう。
しかし異世界の女神の「顔が醜いから」という理不尽な理由から
・クーリングオフとして、別の勇者を召喚する
・「醜いからヒューマンとは交わるな」ということで「ヒューマン以外の言語
 が理解できる能力」だけを付与される
そして、この異世界の果てに捨てられたのだった。
しかし真は
・現世の神から(女神に問題あることを知っていたので)予め加護(能力)が
 与えられていた。
・また現世では肉体的にも魔力的にも負荷を受けて鍛錬するような生活してい
 たらしく(月で重力から解放されるみたいに)異世界ではその負荷から解放
 され超人的な能力が発揮できる。
というチート能力の持ち主だったのだ。
異世界の果ての荒野を3日3晩彷徨った真は、魔獣に襲われているオークの娘・
エマと出会うのだった。

(評 価)
・「異世界モノの様式美」を意識した作り
 ・タイトルの「異世界道中」とか作中にも時代劇ネタが入っているなど、調
  べてみると作者はやはり時代劇好きのようです。
  時代劇人気の理由のひとつはその様式美にあると言われています。
  (高貴な身分を隠しての悪行の調査~正体を明かして悪事を白日の下に晒
   す~決めゼリフ・殺陣を交えた「懲悪勧善」展開)
 ・本作も大きな流れは
  {netabare}・上述の通り異世界の果てに飛ばされるも、チート能力で
  ・「上位竜」を従者に →姉御侍風美少女「巴」に変身
   「災厄の黒蜘蛛」を従者に →一途な黒髪美少女「澪」に変身
    2強のハーレム要員ゲットw
  ・ヒューマンと交流するため街に出向くも、亜人っぽい顔立ちにヒューマ
   ン語が話せない、そしてとある理由からヒューマンに恐れられてしまう。
   しかしそれとは裏腹に巴が管理する「亜空」と呼ばれる空間に
   ・真が最初に助けたエマらオークやドワーフ
   ・巴、澪の眷族のリザードマンやアルケー等
   亜人種がどんどん集まってきて「蜃気楼都市」が建設されていく。
   (この辺が「劣化転スラ」と揶揄される所以であるが)
  ・そして農産物やドワーフ製作の工芸品を売るために、商会を設立。
   クズノハと名乗り自らの正体を隠し、ヒューマンと交流するようになる。
   その過程で見えてきたヒューマンの街の闇の部分・蔓延る悪を成敗!
   (真自身が積極的に正義を貫くというよりは、巴と澪が先走って大暴れ
    的な要素が大きいがw)
  といった感じで、時代劇の形式美ならぬ「異世界モノの様式美」をしっか
  り継承し、あまり余計なことをせずこの手の作品としては割と丁寧に作ら
  れているという印象ですね。
 ・主要キャラの方も2大美女
  ・巴(CV: 佐倉綾音)
  ・澪(CV: 鬼頭明里)
  に加え、街を総括する大番頭的存在として
  ・エマ(CV: 早見沙織 ※何故かエマさんは美少女化されなかったw)
  ・主人公真(CV: 花江夏樹)
  結構豪華な声優陣を配し、ギャグなどはスベッているところも多いですが、
  巴と澪のハチャメチャぶりに花江さんらしくツッコむ展開やはやみんの手
  綱を握るしっかり者の演技などは上手く機能してるなという印象です。
  それにこの手の作品にしては、結構末端のサブキャラも丁寧に扱っている
  なあというのも好感が持てますし。 

 まあ早い話がテンプレ展開ってやつですが、それでもしっかり作れば安定感
 があり、それなりに面白い作品に仕上がるなという印象ですね。{/netabare}

・2期ありきの構成だった?!中途半端感があった1期
 しかし安定感はあるが、テンプレ展開がメインゆえにそれ以上の突き抜けた
 面白さがないのが・・・
 {netabare}・異世界の女神にロクな能力を付与されなくても、環境の違い等で結局チー
  トやん。(この辺がちとチグハグ)
 ・一応「異世界世直しファンタジー」という触れ込みらしいが、その要素が
  かなり薄いやん。
  それよりも街づくりや商会設立等いろいろと手を出して、何かと中途半端
  に終わったな。
 ・真自身にも「(元々この世界の住人であった)両親の軌跡をたどる」とい
  う目的があったが、そんなことはもっと後回し。
 上述のように個々の要素はよかったのですが、全体像でみるとこの作品はど
 こを目指しているのかわからないって感じなんですよね。
 まあ最後に「2期決定」と種明かしされて、1期はそういう位置づけかと納得
 はしたのですが・・・{/netabare}
 
個人的にはストーリーの中途半端感は否めませんが、キャラの掛け合いは総じ
て面白かったと思いますし、ラストの戦闘シーン
(女神に見つかり、最強の敵がいる戦場にいきなり強制転移させられる)
の作画レベルも高く見応えもあったので、
「俺たちの異世界道中はこれからだ!!」
エンドで終わっても別に不満はなかったんですが・・・
(この手のなろうとかじゃあるあるだしw)
むしろ2期を連続2クールでやるだけの意義ある作品を提供できるのか、そちら
の方が不安なんですけどね。
そういう意味では2期を観ないと正当な評価はできないところですが、1期もこ
の手の「異世界モノ」にしては(テンプレ展開ながらも)他の量産型作品と比
べしっかりと作られてる感があったので、そこそこよかったという印象ですね。
ちなみにWikiによると、日本テレビ史上最高金額で海外セールスされたとかw
ホンマかいな?!

OP「ギャンブル/syudou」
ED「ビューティフル・ドリーマー/Ezoshika Gourmet Club」に加え
   「ああ人生に涙あり(水戸黄門)」をキャラソンでぶっ込んでくるとかw
「ギャンブル」の歌詞はYOASOBIに引っ掛けて
「~俺は夜なんて駆けない~未来に賭ける~♪」はなかなか秀逸だったし。
(ちなみにadoの『うっせぇわ』はsyudouの作品)
OP/EDはどちらも結構好きだったかな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

転スラの元ネタ?

よくある異世界転生無双もの

{netabare}
最初は結構面白かったけど、だんだんとつまらなくなった。
相変わらず花江主人公はノリが寒い。
心の声がやたらと多くてそれが全部寒い。
周りの女のノリも寒くてきつかった、あの蜘蛛と青髪両方とも頭がピンクで本当にきつい。

戦闘も面白くない。
OPのラスボスっぽい髑髏ですら完封するし、面白みがない。
俺TUEEEE自体が嫌いというわけではないんだが、俺TUEEEEにしてももう少し見せ方を工夫してほしかった。
その点最終回の戦闘に関しては面白かったんだけど。

世直しをするのかと思えば街を破壊しまくったりなんというか、何がしたいんだって感じのアニメだった。
前世要素が活きているのは良かったけど、どうせ活かすならもう少し活かしてほしかった感はある。

まあダラダラと見れる点で言えば決して悪い作品ではなかった、ただ物足りなさがある。基本的に可もなく不可もなくって感じの展開を繰り返すアニメだった。起伏がない。
最終回に関しては上手くまとめていたと思うのでその点で少し評価高め。

街づくりパートとかを見てると転スラってこの作品のパクリなんだなって感じた。転スラこの作品よりは面白いと思ってるけど。
正直、蜘蛛や龍、骸骨が美少女、美少年化する展開普通に面白くないからやめてほしい。
そっちを人化させてなんであのブタを人化させないんだとも思った。
正直二期はいらないです。何で海外人気があるのか。

OPがスルメ曲でした。
歌詞が面白いw
{netabare}
1話 5/10
始まり方からはぁ...てなる。
ああ、けど神と言ってもツクヨミという感じでタイトルの月とか連してる感じか。じゃあまだいいスタート。
けど、主人公受け入れ早すぎだろ。
いきなり異世界に行けと言われて行くって。
会話と読み書きはできるようにしてくれるというご都合主義。
ヒロインが気持ち悪い。またチート主人公かよ。
早見沙織の無駄遣い。
これレベル1ってオーバーフロウなんだろうなぁ。
このすばで見た。
いきなりめっちゃ強そうな龍に対抗できるという。
龍がしゃべるのダサすぎる。
まあ転生前もしっかりとストーリーに関わってきそうなのはいいところ。結局主人公チートかよ。
そして龍も美少女化。
なんだこのEDw

2話 7/10
時代劇?ほんとに水戸黄門か?
OPがあんまりよくない...。
CG鑑賞とシーン回想w
おお、目標がしっかりしてるのはいい。
しかも母と父の軌跡をたどるといういい目的。
転生前の設定も活きてきそう。
戦闘以外と凝ってて面白いけどところどころ賢者の孫みを感じる。
ED変えるな 

3話 6/10
名前を与えられると強くなるという、転スラで見た設定。
転スラより先なのかこれ。
転スラってまんまこれの真似事だな。
主人公そんな不細工なのか?w
主人公がヒロイン殴るアニメは珍しいw
逆は多いけど。
出たなろう特有の謎ギルドシステム。
なんで力見せびらかすんだよ。は?
ホテルでイキるテンプレもなぁ...。

4話 9/10
このOPも結構スルメ曲。
いつの間にか今期でトップクラスに好きな曲に。
いやこのウィンドウ何?
知り合ったばかりの人より昔からかかわりのある人を優先するのはいい。
エロアニメかな? 噛ませ感
魔法の結界のデザインが独特でいい。
男の触手プレイ誰得。
町で喧嘩するのはなぁ。
男側が女をぶっ飛ばすってのは珍しい。
 
5話 6/10 
謎おさらい。おさらいとは...。
世直しどころか壊してるじゃん。
主人公の心の声多すぎないか?寒いし。
割って交換しそうなカード

6話 6/10
なんかいつもなろうになってきたなぁ、依頼も試験も。
蜃気楼都市の計画は面白くていいなw
確かに主人公だけ変なの持ってたら浮くしね。
こういうとこの設定がしっかりしてるのはいい。
レンブラントとどっちが味方なのかわからんな。

7話 5/10
主人公の心の声いらん。
髪のない女とか描写するアニメ珍しい。
許してもらえるのかよw

8話 4/10
こんな感じの厳しいリーダーになってるのか。
偶然力を手に入れたのにイキってるのはなぁ。

9話 4/10
ガビルかな?w
ほんと転スラってこれに影響受けてるんだな。
この世界の星座なんで把握できてるんだ?
そりゃ夜伽だろw 今回きついな。

10話 5/10
主人公がほんと寒い。マジで寒い。
なんだこのつまらない戦闘
1割は高い。こっちも骨を仲間にするのか。
骨のままでいいのになぜイケメン化。
こいつを人化するならあのブタを人化してくれw
引きは上手いけど、どうせ復活するんだろうなぁ。 

11話 4/10
どうせ復活。闇落ち主人公草これギャグ?
今度は泣き出したぞ、主人公情緒不安定かよ。
死んだ奴結局存在感ない奴らじゃん。
主人公どんだけ不細工なんだよw
こっから学園で俺TUEEEが始まるの?
なんか学園俺TUEEEを書きたいだけだろって感じの展開だな。
指復活するんすかね

12話 8/10
主人公これでもそこまで強くないのか?
やっぱり俺TUEEEじゃないかw
あの空に飛ばす攻撃絶対弱いだろw結構OPのシーンがあるな。
戦闘シーン面白かった、このアニメで初めて。
これ主人公が旅立つ展開必要だったか?
ロリの子かわいい。主人公マジでサイコパス。
悪くないどころか最高だろこれ。
{/netabare}

曲20段階評価
OP「ギャンブル」9.5/10
ED1「ああ人生に涙あり」7/10
ED2「ビューティフル・ドリーマー」6.5/10
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

79.8 6 呪いで異世界なアニメランキング6位
転生したらスライムだった件(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (561)
2739人が棚に入れました
「転生したらスライムだった件」は、伏瀬さんによって小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載されたWeb小説を原作としたTVアニメ。異世界で一匹のスライムに転生した主人公が身につけたスキルを駆使し、知恵と度胸で仲間を増やしていく異世界転生エンターテインメントだ。2018年10月から第1期が2クールで放送され、第2期は2021年1月から放送となることが決定している。

声優・キャラクター
岡咲美保、豊口めぐみ、前野智昭、古川慎、千本木彩花、M・A・O、江口拓也、大塚芳忠、山本兼平、泊明日菜、小林親弘、山口太郎、福島潤、田中理恵、日高里菜、春野杏、櫻井孝宏
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

進化の果てに深化する物語

(2021.4.3最終投稿 2021.8.7改定と推敲)

 第2期 第1部:閑話+全12話 (第24.9話, 第25話~第36話)

 なろう版読了。書籍版、コミカライズは継続愛読中。

 原作ファンである自分にとって、2期はちょうどお気に入りの部分のアニメ化ということで評価ポイントはかなり甘め。コミックと比べてしまうとやや物足りない部分はあるものの、アニメで動き話すキャラたちは第1期と変わらず非常に魅力的。また第1部の全話に関して、重要なポイントは外していないし無駄も少なかったと思う。

 原作を十分咀嚼した、よく練られた構成と脚本だと思える。二回放送延期になったことが、脚本の精査をもたらしたのかもしれない。

 とは言うものの、終盤残り2話のあたりから急に詰め込み感が増して若干不安が湧いた。が、最終的には許容範囲内で収まった。

❮放送前投稿❯
{netabare}
<2020.4.4初投稿分>
{netabare}
 2020年3月22日に公式HPにて発表されたスケジュールは、2020年4月からの転スラ一期再放送の後に

2020年10月 二期 第一部
2021年1月 転スラ日記
2021年4月 二期 第二部

とのこと。なんと、9か月に及ぶ転スラ祭り!

 同期ではログホライズン三期と共に転スラシリーズも今から非常に楽しみにしています。ヒナタがいよいよガッツリ物語に絡む二期。転スラの面白さが加速するだろう。

 ディアブロ、テスタロッサ、カレラ、ウルティマ。スーパーカー由来名の原作の中でも個人的に好きなキャラたち。

 ディアブロは、公開されているキービジュアルでもわかるように二期登場確定。でもその他3名は、1クールでは登場は無理。しかし、上記のように本編は分割2クールの尺なので物語の構成次第では彼女らも登場する可能性があるのも密かな楽しみ。

以下2021.2.17追記

 二期始まって1クール目の丁度半ばの30話まで観て、今期のシリーズ構成は多少の前後の入れ替えはあっても原作を丁寧になぞる方針と受け止めた。この調子だと2クールで最低書籍6巻の最後迄、もしくは途中からペース早めて切りの良い7巻の最後迄が限度かも。

 原作での彼女達の登場は第11巻なので、どう考えても彼女達の今期の登場は無理。こうなるとこのシリーズが3期4期と長く続くことを祈りたい。
{/netabare}
<2020.11.28投稿分>
{netabare}
 2020年5月末、放送・配信開始時期が2020年10月から1クールずれる形での延期発表あり。

第2期第1部が2021年1月から、転スラ日記が2021年4月から、
第2期第2部が2021年7月から放送・配信開始とのこと。

 延期は残念だが、2020年3月発売のコミック14巻限定版付属OADから始まったコミック付属OADは、リムル愛豊かなキャラたちの平和な魔国連邦の日常を描いた、

OAD1「外伝:Mの悲劇?」、OAD2「外伝:HEY!尻!」。

 そしてOAD3以降は、リムルとシズの5人の教え子たちの新エピソードでリムルの教師就任時の強力な原作補完となっている。

 原作:伏瀬書き下ろし完全新作エピソード「外伝:リムルの華麗な教師生活」三部作。(2020.11.27発売のコミック16巻付属のOAD5で完結)

 コメディ要素多めで、なおかつ原作の隙間を埋める独創性が好ましい。リムルのみでなく、アニメオリジナルの魅力ある教師キャラたちとの絡みの中、5人の教え子たちの成長と活躍を堪能できる。

 転スラアニメ1期は、シズ関連描写のアニオリ要素が原作補完で感動アップしたが、さらにこのOADでシズの重要性も深まった。リムルにもちゃんと活躍の場があったし、2期の新キャラも巧く登場させてグッド。そして2期の冒頭に繋がり得るタイミングで終了。

 このOAD三部作のおかげで2期に期待が非常に高まった。来年の放送が楽しみだ。
{/netabare}
{/netabare}
❮各話レビュー❯
{netabare}
◎ 2021年1月初回放送分
★#00-03『24.9 閑話:ヒナタ・サカグチ/25 リムルの忙しい日々/26 獣王国との交易/27 楽園、再び』
{netabare}
<あらすじ>

 三上悟はスライムとして転生してあっという間に二年が経った。

 様々な困難を一つ一つ乗り越え、その転生名リムルの名声は増々拡がり、続々と新たな出会いも生まれる。

 成り行きで興した魔物と人類の共生を目指す国も、順風満帆に発展する。

 異世界でリムルと縁があった故人、シズの遺言にあった地球より召喚された5人の教え子たちの命を救うこともできた。

 そして一時の平和が訪れた。

 周辺諸国との新たな国交樹立とそれらとの交易のチャンス。富国の予感でハッピーな日々。

 しかし、この束の間の安らぎはいつまで続くのだろう?

<波乱の序章>

 アニメと原作では教え子の救済と国交樹立のエピソードは時系列としては逆になる。その結果、国交エピソードは1期ではカットされたが2期で復活した。

 伏線の配置は抜かりないが、敵となる存在はまだ表にはあまり出てきていない。この間に登場したキャラたちは、新旧共に今後重要な役者たちとなろう。

 序破急の構成の妙を感じる。その”序”として活きた4回だったと思う。

 かけがえの無い家族、仲間、場所があるのは幸せなことだ。バカで他愛もない平和な日常も貴重で、いつまでも当たり前にあるとは限らない。やがて訪れる”破"そして"急”の展開で起こる悲劇の悲しみを、より引き立てるために時系列を変えてまでもエピソードを復活させることは必然だったのだろう。

 日常が一旦壊されてしまうと、再び平和に戻るにはエネルギーも時間もかかる。笑顔が消え失せ殺伐とする。ならば先をいそがず、平和の有り難みを噛み締めこの笑顔の一時を楽しみたい。しかし、原作やキャラクターに思い入れがないと話のテンポが悪いと思うかもしれない。

 ところで、ここまで毎回のように登場する大浴場シーンだが、サービスと言うよりキャラたちの親睦を深める人間関係発展の場として有意義に活かしてる。和テイスト満載の露天風呂は、リムルの国の心と富の豊かさの象徴。このシーンはほのぼのとして心地よい。そんな原作とは一味違うアニメの独自性が好ましい。
{/netabare}
◎ 2021年2月初回放送分
★#04『28 謀略のファルムス王国』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは盟主としての大切な外交後、一旦イングラシア王国に戻った。そして教え子たちの無事な進級を見届け、安心して学園を去る準備を始めた。

 リムルが懇意にする大商人ミョルマイルとの商取引も順調で、テンペストは表面上は相変わらず平和な日常は続く。

 一方、魔王クレイマンの陰謀の影、魔国連邦(テンペスト)の軍事力や技術力を脅威と感じる外国勢の存在。それらが具体的に浮き彫りになり、きな臭さが増してきた。

<風雲急を告げる>

 1期の第24話から今回迄で、2期第1部の物語の必要な役者が全員揃った。次回いよいよ物語が大きく動きだしそう。

 アニメでは、リムルが安心して生徒を任せられる先生キャラクターを独自に追加した。今回僅かに登場のティス先生のこと。

 ティス先生はOAD3-5のエピソードで、リムルと生徒たちの信頼を獲得している。彼女と5名の生徒たちがひとつの危機を共に乗り越えることで、お互いに深い絆が生まれた。

 おかげでリムルは、彼女に生徒たちを安心して任せ、国事のため一定期間テンペストに戻ることも出来た。さらに、今回の引き継ぎ描写が自然になる効果もあったと思う。
{/netabare}
★#05『29 災厄の前奏曲』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは未だイングラシア王国に赴いたまま。そんなリムル不在の首都リムルで事件は起こった。

 リムルと連絡も取れず訳も分からないまま、魔国連邦(テンペスト)は未曽有の災禍に見舞われた。

 魔王ミリムによる獣王国ユーザラニアへの宣戦布告の速報と難民受け入れの要請が、獣王国幹部アルビスから届くものの、詳細は不明のまま通信は途中で断絶。

 一方、100名ほどのファルムス王国の武装した騎士団の首都への接近の報告がソウエイから届く。

 街中では、冤罪事案を切っ掛けに引き起こされた工作員との戦闘発生で大混乱となった。

 さらに都市内部から、大魔法・魔法不能領域(アンチマジックエリア)と都市外部から、四方印封魔結界(プリズンフィールド)が、ほぼ同時に首都全体に発動される。

 その二重結界は、人間には無害だが魔物には有害なもの。魔法の無効化により外界と完全遮断。魔素が浄化されることにより魔物は弱体化。テンペストにとって非常に不利な状況となった。

 その他様々な要因が絡み合い状況は混沌へと誘われ、その日、平和な日常は一瞬で壊され笑顔が掻き消された…

《躍進のための組曲 その1”混沌”》

<出る杭は打たれる>

 今回のアニメのサブタイトルは、書籍第5巻の第二章のタイトルからそのまま採用され、その章の後半部分を元に構成された脚本だった。(二章前半部の内容は前回で登場) 今回、主人公リムルの出番が全くないのはその影響が大きいと思われる。

 今回、ヨウムとミュウラン、グルーシスのエピソードは今後の物語上必要で、アニメで丁寧に描かれて安心した。

 リムル単独では乗り越えられない大きな試練が待っている。今期、今までは大賢者の出番があまりなかったが、間もなく大賢者とリムルの最強タッグ再び、となろう。

 テンペストの本当の躍進は、打(伐)たれてからが始まり。ずっと平和なままだと国の進歩も緩慢で、場合によっては停滞してしまうかもしれない。物語としても面白くない。逆境をバネに、試練の苦しみあればこそ、その後の達成の喜びは大きい。

 いよいよお待ちかねのキャラクター参加の次回、アニメでどんな作画で動くのかとても楽しみだ。
{/netabare}
★#06『30 動き出す麗人』
{netabare}
<あらすじ>

 テンペストではファルムス王国の手勢により住民被害が拡大。取り返しのつかない事態が起こっていた。

 一方リムルは、生徒たちと名残惜しい別れをしていた。テンペストで起きていることを全く知らぬリムル。

 そしてリムルとランガは、イングラシア王国から少し離れ、空間転移でテンペストに戻ろうとしたが転移出来ない。

 さらに、ソウエイの分身体からの警告があった。そこで初めて危機を覚るが、さらに周りに違和感が拡大すると…いい迷惑な、全くありがたくない出逢い。

 「初めまして、かな? もうすぐサヨウナラだけど」

 問答無用に魔物にとっての天敵との激闘が始まった。

《躍進のための組曲 その2”激突”》

 今回の様々なバトルシーンはキレがあって好い。前回は作画に若干の手抜きを感じたのだが、今回に注力するためだったのかと勝手に納得。第1クール半ば最大の見せ場として申し分ない。

 全く不満がない訳ではないので大甘だが、今回で作画評価を4.5→5.0に上げた。アニメスタッフの健闘を讃えたい。

<聖騎士団筆頭ヒナタ・サカグチ(坂口日向)>

 思えば彼女は1期の第1オープニングから登場しており、ヒナタを本編で描きたかったスタッフの思い入れが今回の作画に反映されてると思う。

 アニメが3期以上続くことが前提ではあるが、この制作スタッフなら彼女は1期のシズ同様、アニメで原作以上に輝く可能性を感じた。

 2期でリムルとの最終決着まで描けるか、尺的に微妙な気がするがどうだろうか。無理やり詰め込まずこのまま丁寧に3期へ繋げて欲しい。

 リムルとヒナタの会話の応酬は、ヒント垂れ流しで視聴者にヒナタをリムルにけしかけた黒幕が誰か、あからさまに暴露していたようなもの。ミスリードできるキャラも存在してないのでバレバレだ。ユウキ・カグラザカ(神楽坂優樹)しかいない。

 ここであえて黒幕をボカす必要はないと思うのでこれでいい。黒幕が誰であるかよりも、黒幕の陰謀を暴き阻止することの方が大切だから。

 今回、冒頭の生徒たちとのお別れシーンで、ようやく第1期本編最終、第23話の最後と連結した。そのためそのシーンは23話の使い回しが多い。

 見比べると見送りにティス先生が遠景でワンカットだけ参加してたり、ユウキの台詞のある部分をカットしたりと23話とは若干の違いがあって面白い。

 次のリムルがランガに跨り駆け去るシーンは完全別もの。23話制作当時、2期制作が決定していなかった可能性が高いと思われる。

 23話ではヒナタは木陰でリムルたちの会話の観察のみ。当時はキャスト未決定ゆえ、台詞は当然無い。リムルたちが走り去った後もその場に留まったままで、襲撃の機会を見逃したかともとれる。

 今回とはまるで平行世界のようになってしまったが、今となってはこれはご愛嬌と言うものだろう。
{/netabare}
★#07『31 絶望』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはヒナタに完敗した。ヒナタはリムルの消滅を目視して討伐完了と判断、その場から立ち去った。

リムルは戦闘途中、自身の分身体と入れ替わることでヒナタを欺くことに成功、実は九死に一生を得ていた。その後ようやく首都に帰還したが、そこは誰もが悲しみに暮れる街と化していて愕然とする。

 しかし大賢者のサポートで冷静な分析と判断はできるのは不幸中の幸い。幹部たちの言動に何かを隠すかのような含みあれど、それはさておき、リムルは慌てず事実確認と情報収集をすることに...。

《躍進のための組曲 その3”悲壮”》

 今回もポイントを絞った手堅い脚本で安心して楽しめた。ここで浮き彫りになるのは、人間の狡猾で強欲な側面と魔物の単純明快な忠誠心の側面の対比。

 王に実力とカリスマさえあれば、配下は忠誠心揺るがず、裏切りの可能性が低い、優秀な人材豊富なら比較的箱庭ゲーム感覚で維持出来るのが魔物国家。対して優秀な人材豊富でも、その強欲性が厄介で、建国と維持の面倒臭さが倍増の人間国家。

 裏切りの心配と苦労ばかりの人間国家だったら、リムルは王の責任を途中で放棄しているかもしれない。

 リムルの為政者としての責任感とやる気の源は、配下のブレない忠誠心。彼はスライムの特性上、子孫は持てない身だがその代わりテンペストの住民全てを家族のように慈しむ。そんな彼が国家安全保障のために何を決断、実行するのかが今後の見所か。

 ところで、魔王クレイマンは毎度必ず回すワイングラスと共に登場。ここまで徹底したテンプレな悪役画は、狙ったギャグか、と思う反面、深読みすると手のひらで踊らされているのは実はクレイマンだ、と暗喩しているともとれる。
{/netabare}
◎ 2021年3月初回放送分
★#08『32 希望』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはかけがえのない仲間が喪われ絶望しそうになる。しかし、冒険者エレンから一縷の希望が...それは死者の蘇生のお伽噺の類い。

 大賢者はそれを聞き、あとひとつ条件を達成してリムルが進化すれば蘇生も決して不可能ではないと言う。さらに現状の多重結界は、魂拡散防止になり蘇生には都合がいいとのこと。

 リムルに迷いは一切無くなった。かつて出逢ったばかりの魔王ミリムから奨められた存在への進化、しかも蘇生伝承自体もミリム由来のよう。元来、野心の希薄なリムルにとってそんな進化は全く興味ない、と一蹴したことだった。しかし今は最優先で、どんな手段を使っても成し遂げようと決意した。

 失いたくないという一点の想いでリムルは動きだす。布石を打ちながら粛々と、着実に。

 その後、2万の軍隊が首都接近中との報せが届く。それはファルムス王国軍17,000と西方聖教会所属の神殿騎士団3,000の連合軍だった。

 それを知ったリムルは、慌てるどころか穏やかに笑みを浮かべていた。

《躍進のための組曲 その4”黎明”》

 今回も意外性はなくとも安定感がある。25-28話の一見他愛なかった日常描写がここで活き、おかげでリムルに深く感情移入できた。

 さて、祭りのお膳立てが整った。災い転じて福と成すリムルの強運は筋金入りだがそこがいい。
{/netabare}
★#09『33 全てを賭けて』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは自身の前世を皆に打ち明け、人間と共存する理由を述べた。そして人間との今後の具体的なつきあい方を明確に。

 二度と人間に舐められない国家になると、そしてそのために魔王に進化する、と宣言する。

 その第一歩は、犠牲となったテンペスト住民たちの蘇生。そのためには単なる魔王ではなく、真なる魔王(覚醒魔王)への進化が必須であり、それには一万人以上の生け贄(ヨウブン)獲得が不可欠と判明した。

 そこでリムルは作戦を立案。

 都市の結界維持と見張りのため、都市周辺の東西南北四ヵ所に陣取る先遣隊への反撃は、幹部たちに適材適所で任命、三日後に到着する位置で休憩中の二万の軍勢本体には、けじめの意味を込めてリムル単独であたることにした。

《躍進のための組曲 その5”覚悟”》

 出過ぎた杭になって打たれなくなるため、為すべきことは明解。国民の安全保障のため清濁合わせ飲める、薄情でないゆえに非情に徹底できる主人公リムル。しかもその罪と業を自分だけで被ろうとする。

 彼の一切の迷いも力みも無い、明鏡止水の境地は清々しい。原作で転スラがますます好きになった、リムルが真の王となった瞬間のこのエピソード。アニメはこれが含まれたゆえに、個人的に2期の方が1期よりも高評価になった。

 今回は大賢者の出番なし。おかげでリムルは全てを主体的に決断し、その責任は彼一人が被る潔さがある、と伝わる。謙虚だが他への依存がない彼はとても頼もしい。

 嘗てないリムル無双へ...。次回、テンペストの新たな伝説がひとつ生まれる。
{/netabare}
★#10『34 神之怒』
{netabare}
<あらすじ>

 テンペスト幹部たちの怒りは消せない。仲間を大勢殺し、主リムルをコケにした敵。一切の縛りから解き放たれ持てるスキル全開で、因縁の異世界人との雪辱戦を含む大反撃が始まった。

 一方リムルは、ミュウランと同じアンチマジックエリアを発動させ敵側の魔法を無力化した上で、太陽光とレンズを使った、シンプルだが殺傷効果絶大の大魔法·神之怒(メギド)を仕掛けるのだった...

《躍進のための組曲 その6”降臨”》

 今回の一番のお気に入りは、大賢者によるヨウブンのリアルタイムカウント。原作には無いので新鮮だった。アニメならではの臨場感アップと大賢者活躍中アピールに貢献していた。

 次回のサブタイトルは、書籍第5巻の第4章タイトルと同じ。第4章相当エピソードはアニメでは33話から始まっていたが、次回の35話での3話分で第4章を描き切るということだろう。配分として5章にも入りそう。

 つまり次回、アニメ2期のキービジュアル、外伝のTVアニメ第24話とOAD5でお馴染みの悪魔が本編合流確定。リムルとの初対面が楽しみだ。

<転スラは時々奥が深い>

 主人公による敵側の無差別大量殺戮。これは人によっては釈然としないかもしれない。しかし転スラの場合、今後は今回と同じような敵兵の殲滅があっても、リムルによって死者の蘇生が出来るので選択肢は広がり殺人の後味の悪さは多少は軽減されるのが救いだ。

 他者への思いやりを美徳にする平和な日本に住んでると、支配者の駒に使われてる兵士には罪は無い者もいるから慈悲を、などとつい甘く考えてしまう。

 私心無く民の笑顔のため手段を選ばす自らの覇道を守る。リムルは、怒りで我を忘れることもなく、冷静に粛々と為すべきことをしただけ。無益な殺生をしたとは言えない。

 今回のリムルの行動は、老子の言葉「天地に仁なし、万物をもって芻狗(すうく)となす。聖人に仁なし、百姓(ひゃくせい)を以て芻狗となす」を思い出す。

(天地が優勝劣敗弱肉強食にて万物を自然のなりゆきにまかせることは不仁に見えるが、これこそ本当の仁。それと同様、聖人や君子が人々を自然の成り行きにまかせ、ときには、ワラで作った犬を焼き捨てるようなことをするのは一見不仁だが、これこそ本当の仁である、という意味)

 もしアニメ構成上、テンポ重視で前半駆け足で進んでいたら、原作未読の視聴者の多くは敵側へのヘイト不足で、今回の報復内容に納得しきれなかったかもしれない。

 人によっては退屈だったかもしれない構成。テンペスト側の大義名分の確立のために間違いではなかった、と今回新ためて思った。

<今回、皆殺しが外せない既定事項となった理由>

 今後の国家安泰のために、リムルは人類にとって魔王として畏怖されることは好都合だが、その反面、益ある存在としても認識してもらう必要あった。

 しかし今回のように、たった一人で万単位の軍勢をあっという間に殲滅という真実が世に広まると、リムルは全人類共通の極悪非道の悪者として間違いなく確定される。

 故にそうならないよう、真実をねじ曲げ都合良く改竄する必要があった。そのため真実を伝える生き残り、すなわち目撃者を一人たりとも残すわけに行かない。

 結果、進化に必要な定数以外の残り含めた皆殺しが実行され、生き残りは戦後の交渉に必要な戦犯数名のみとなった。

<三者三様の末路>

 今回は、己が力に溺れ増長してしまった末の因果応報とはいえ、異世界人の三名が最大の憐れだったが、彼らの物語からの退場に関して、原作者は非常に巧いと思う。そこには捻りと工夫があった。

 まずキョウヤ・タチバナ(橘 恭弥)。彼は因縁のハクロウの剣技の報復で単純明快に決着。

 次にキララ・ミズタニ(水谷希星)。彼女のスキルは精神干渉に特化しており、体力は普通で戦闘能力は皆無ゆえにテントで待機していた所、ゲルドによって追い込まれたショウゴ・タグチ(田口 省吾)により絞殺。

 最後はショウゴ。彼は人格的にもスキル的にも、三名内で最も危険な存在。彼はキララのスキルを自身に取り込むためだけに彼女を殺害。その時点でクズキャラレベル最大値。そして、ゲルドによる容赦ないフルボッコで瀕死まで追い込まれ、ここで視聴者はある程度溜飲を下げることができた。

 ところが原作者はさらに一捻り。最終的に彼らの上司ラーゼンが、ショウゴの若い肉体を自身が乗っ取り、スキルも吸収するために彼の心を壊して抹消。ショウゴは、キララ殺害の報いが早くも訪れ、最も救いようのない最期を迎える。

 以上の流れから思うこと。

 キララのスキルの殺傷能力は、他者の精神を支配して自害、もしくは他者を煽動して害するもので、自身は一切手を汚さぬもの。しかしシュラによってそれを封印されたので、テンペストでは結果的に住民殺害は未遂だった。ならば、テンペスト側のキャラに害されるより、同胞に裏切られて害される方が納得しやすい。

 彼女だけは、本人の了承なく勝手に召喚され、日本の家族から引き離された被害者としての側面が一瞬滲み出ていた。しかも、彼女の名前の意味とは真逆の絶望の末路。なんと皮肉な運命。しかも仲間に殺されるなんて…。

 故に、悲劇の拉致被害者として同情してもらえる余地が生まれ、救いが少しはあったと思う。過去の彼女のスキル完遂時の具体的な罪は、アニメでは明示されていないのだから。

 彼女の最期には同情を禁じ得ない。18歳の現代風ギャル、カラメル多めのプリン頭という個性で、充分なキャラ立ちの彼女。ここであっさり退場させたのは、もったいなくも残念だったとさえ思えた。

 それに対してキョウヤとショウゴは、質が悪いことにテンペストの民を弄んで害した。故にハクロウやゲルドに容赦なく報復される資格が十分あった。その末路はまさに自業自得と言えよう。

 ショウゴの最期の流れは、28話の王国での御前会議ではまだモブのようなラーゼンが、実は王国で最悪な曲者だった、と知らしめる効果もあった。結果的に彼の最期は新キャラの紹介も兼ねた、一石二鳥の流れだったと言えよう。

 また仮に、ショウゴより圧倒的に強いゲルドによっての止めでは、ゲルドの弱い者いじめ感が発生して、多少の後味悪さがあったかもしれない。
{/netabare}
★#11『35 魔王誕生』
{netabare}
<あらすじ>

 ごく僅かな時間で敵軍二万は全滅。生き残りは僅か三名だった。

 必要なヨウブンは十分に収穫された。そしてリムルは進化のため急激な眠気に襲われる。そこでランガに、動けないリムルを捕虜二名と共に首都に連れ帰るよう指示。残り一名の捕虜の確保は召喚した悪魔に託すのだった。

 リムルは進化の眠りに入り意識不明。そのため首都帰還後、大賢者が進化したユニークスキルがリムルの代行者となって死者蘇生を実行した。それは"反魂(はんごん)の秘術"と呼ばれる。

 首都ではリムルと魂の繋がりある者すべてに進化の恵みが等しく与えられ、住民一同もまた進化の深き眠りに落ちた。ゆえに、その奇跡の秘術成功の瞬間に立ち会えた者は非常に少ない。

《躍進のための組曲 その7”収穫”》

 今回は、原作コミックのファンにとってダイジェスト感が強い。

 個人的には以下の点でポイントが高く十分に面白かった。

▪原作同様に、アニメでも魅力溢れる悪魔キャラ
▪大賢者の進化過程のCG作画
▪大賢者と智慧之王(ラファエル)の、繊細な声の演じ分け
▪ハーベストフェスティバルの見せ方やまとめ方
▪荘厳な儀式感を壊さぬ”反魂の秘術”の演出、作画
▪ラファエルによるリムル代行の演出、作画、声優の演技
▪ファルムス国王のエドマリスと西方聖教会大司教レイヒムの情けない暗愚演出
▪シオン蘇生の瞬間シーンの、コミックを基本にしたと思われる作画

 以上で100点満点なら78点の満足度。

 次回のサブタイトルはラノベ書籍5巻5章、コミック16巻の第71話と同じ。コミックの69話からの3話分の内容をアニメ1回分に収める、と思われるがどうだろう?

 今期の区切りをどうまとめるかに注目したい。

 ついにリムルは新たなステージの第一歩を踏んだ。まもなく、この異世界での知名度も爆発的に上がり、交遊関係、活躍の場も、大きく様変わりするだろう。
{/netabare}
★#12 (第1部終)『36 解き放たれし者』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはシオンの膝の上で目覚めた。目の前には戦争以前と変わらないテンペストの顔ぶれが勢揃い。以前と変わらない穏やかな光景が広がっていた。

 魔王に進化したリムルだが、スライムの外見も内面も全く変わらず。変わったことと言えば、リムルの人型時に身長が伸びたことと、テンペストに頼もしくも愉快な仲間が二名ほど増えたことだった。

《躍進のための組曲 その8 終曲”新星”》

 今回は、分割クールならここしか区切りようがない、と思ったところで締めくくられていて概ね満足だった。

 コミックの第69話から第71話の内容を基に構成されたと思われるエピソード。

 23分ほどのアニメの尺に収めるため、かなりのカットや改変があったがポイントは外してなかったと思う。むしろアニメのテンポ感尊重の観点からみると、これくらいはやむを得ないだろう。逆にコミックとの違いを楽しめるほどだった。

 ヴェルドラ復活シーンもかなり簡略化された。原作では、まず元の竜体で復活して、ひとしきり言葉を交わした後の人型への変身だった。アニメでは再会の余韻が楽しめなくて残念。しかし急展開のインパクトがあり、テンポとしては悪くなかった。

 願わくば、2部の初回でうまく事象の前後を入れ換えてカットされた台詞を復活させ、リムルとヴェルドラの再会の、原作の持つしみじみとした味わいを少しでも復活させて欲しい。

<脱皮、そして飛躍>

 今回遂に、後に”新星(ニュービー)”の二つ名を与えられる魔王誕生。リムルと物語に新登場のディアブロと人型ヴェルドラ、そしてリムルと共に進化した幹部たち。

 最高位の悪魔の一柱ディアブロが配下に、守護神ヴェルドラが仲間になった。それすなわち、テンペストは戦略核兵器を手に入れたようなものだろう。

 2部でレベルアップしたリムルたちの躍進に注目したい。
{/netabare}
{/netabare}
❮全話鑑賞を終えて❯
{netabare}
<今期の脚本について>

 転スラ1期と2期のシリーズ構成と全話脚本は、筆安一幸氏

 近年、氏の名前は異世界ファンタジーもののアニメのエンドクレジットでよく見掛ける。氏が構成と全話の脚本を担当した、私が観たことある作品は、「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」、「魔女の旅々」、「神達に拾われた男」。

 以上鑑賞して、原作の持ち味を壊さないのが氏の長所だと思う。良くも悪くも原作通りで、原作を超えるような魅力をアニメに与えるほどではないが、不快なほどの改変は少なく、一定のクオリティーは約束してくれる安心感のある脚本家、というのが氏に対する個人的イメージ。

 転スラに関して、氏の脚本の割り切り方は自分と相性良かった。取捨選択の上手さはさすがプロの仕事と思えた。

<原作とアニメの構成について>

 転スラ1期は、連続2クール全23話で書籍4巻まで進んだが、4巻は途中のカットが非常に多かった。4巻は序章+全8章だが、シズの5人の教え子に関わる以外の部分はほぼカット。丁寧に描かれたのは5章から7章のみで、そこまでが1期の区切り。

 2期の第1部は、書籍第5巻のタイトル「魔王覚醒編」をメインテーマとして構成された。そのため2期では、話の整合性のため、4巻のエピソードの一部が序盤で蘇った。

 まず4巻の序章を初回の閑話に織り込んだ。

 次に本編1話目の25話から27話迄の3話分で、1期で丸々カットの第1章の獣王国の使節団来訪、2章の武装国家ドワルゴンの外遊エピソードを織り込んだ。4巻8章相当の終章は、今期の30話で描かれた。

 獣王国との交流は、今期ミリムの天災から救援を施すだけの国家間の親密度がある、とアピールするために必要。

 外遊エピソードは、特にリムルのスピーチが重要な伏線。ファルムス王国の為政者達が、リムルは世間知らずで無能な君主と誤解させるイベントだから。つまりテンペスト侵攻は、王とその取り巻きの判断ミスがすべての始まりだったで因果関係上、外せないエピソード。

 上記の3話は他にも、ガゼル王が有力なテンペストの後ろ盾であることを強調した。それは2部の伏線となるだろう。

 また、テンペストは他国が羨むほどの国力があることを示したが、それがファルムス王国に目を付けられるきっかけとなった。

 以上、振り返れば3話分の地味な展開も重要な内容だったと思う。

<第2部の予想をするのが楽しい>

 夏クール予定の第2部。原作をどう料理してどこに着地するか今から興味深々。出来れば3期に繋げるつもりで、ゆっくりと丁寧に描いて欲しいものだ。

 1部の構成から予想すると、書籍6巻最後迄進むのは確実だろう。しかし1クールで1巻分のみというのは考え辛い。7巻にも突入する可能性大だろう。しかも、リムルとヒナタが背中合わせの2期のキービジュアルの存在で、2部は7巻のほぼ最後まで描いて区切りを迎える可能性もあり得る。

 その場合、1クール12話程度でほぼ2巻分のエピソードを収めることに。2部は1部以上の原作の簡略化もあるかもしれない。

<余談:レビュータイトルに込めた祈り>

 レビュータイトルにある”深化”のここでの意味とは何か。

 魔王への進化は物語のターニングポイントでこれ以降、リムルの交遊関係のレベルと他国への影響力は格段に上がっていく。その流れの中で、テンペストはある部分で実際に”深化”することで国庫が非常に豊かになり、魔物だけでなく人も爆発的に流入、国として短期間で大発展する。

 そのあたりはシムシティなどの都市育成ゲーム感覚で楽しめたが、ファンタジーならではの発展の要因が非常に面白かった。”深化”による一石三鳥もの結果にリムルと一緒にワクワクした。また、周りから馬鹿にされていた存在に光を与える流れに感動し、その辺は原作で最も好きなところになった。

 但しそれは書籍第8巻半ば以降からのエピソード。つまりアニメは3期がないと味わえない。そのため3期制作の願いをレビュータイトルに込めた。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2期は結構わくわくしてた

俺つええでも中々の試練が訪れた今作。
毎週楽しみにしてました。

{netabare}何かと理由をつけて侵攻してきた国があり、村人やシオンまで殺されてしまう。生き返らせるために魔王になることを決意するリムル。{/netabare}

他の魔王たちが動き出し、侵攻してきた国への復讐もしていくであろう次のクールが楽しみでしょうがない。

リムルのさらなる進化も期待。


OP
Storyteller TRUE
ED
STORYSEEKER STEREO DIVE FOUNDATION
挿入歌
黎明 TRUE
今作もTRUEの歌声が響く。
STEREO DIVE FOUNDATIONは久しぶりに名前を見た気がする。
どちらの曲もタイトルはstory...なのは偶然だろうか?


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。リムルの根底にあるのは人間だったスライム故の「人間への好意」……しかしこの世界には明確な「魔物への敵意」が存在していた。その理不尽な現実を突き付けられた時、リムルは選択する。「何を失いたくないのか」を--ファン待望の転生エンターテインメント、暴風の新章に突入!

第24.9話 閑話:ヒナタ・サカグチ
ヒナタは、「ジュラ・テンペスト連邦国」について書かれた親書を受け取り、リムルの存在を知ることになる…。新章への予感とともに、リムルの歩みを振り返る特別編。

第25話 リムルの忙しい日々
魔王カリオンの治める「獣王国ユーラザニア」との国交を結ぶことになったリムル。相手の使節団を迎え、もてなす準備をしていたが、やってきたのは大型魔獣白雷虎(サンダータイガー)が牽引する、物々しい虎車だった。

第26話 獣王国との交易
一悶着あったものの、ユーラザニアとの国交を結ぶことができたリムルは、続いて武装国家ドワルゴンにて行われる友好宣言の式典へ赴くことに。ところが、自分も同行させて欲しいと駄々をこねるシオンが大暴れして…。

第27話 楽園、再び
ガゼル王との会談と、武装国家ドワルゴンとの二国間友好宣言に伴う民衆への演説。ふたつの大仕事を終えたリムルは、シュナとシオンの目を盗んで、かつてゴブタと約束した「あの楽園」に意気揚々と向かうのだった。

第28話 謀略のファルムス王国
リムルの帰還を控え、宴の準備を進めるテンペスト。そこに、ヨウム一行が新メンバーの魔導士(ウィザード)ミュウランを伴い到着。一方、ファルムス王国では不穏な動きが…

第29話 災厄の前奏曲
クレイマンの指示により行動を起こすミュウラン。そしてもう一つの勢力--ファルムス王国が送り込んだ三人の異世界人が、盟主不在のテンペストに牙をむく。

第30話 動き出す麗人
テンペストが攻撃を受ける中、リムルの前にも刺客が現れる。それは、シズのもうひとりの教え子である、最強の聖騎士(ホーリーナイト)--ヒナタ・サカグチであった。

第31話 絶望
ヒナタとの戦闘で絶体絶命の状況に陥り、最後の手段、暴食者(グラトニー)を発動したリムルの運命は--。その頃、テンペストは悲壮な血と煙に包まれていた…。

第32話 希望
クレイマン、そしてファルムス王国の企みを知るリムル。仲間の命と温かな日常を失い、失意の底で目を伏せるリムルの耳に飛び込んだのは、エレンの意外な言葉だった。

第33話 全てを賭けて
「俺は魔王になろうと思う」--自らにケジメを付け、シオンたちを蘇生させるため、決戦を前にリムルは仲間たちに人間だった過去を打ち明ける。

第34話 神之怒
雪辱戦の口火がきられた。ベニマル達は各々の任務を遂行していく。ハクロウたちも再度ショウゴとキョウヤとの戦いに挑む。そしてリムルの怒りが、ファルムス軍を包みこむ。

第35話 魔王誕生
進化に必要な魂を確保したリムルに「魔王への進化(ハーベストフェスティバル)」が訪れる。強烈な睡魔に襲われたリムルは、取り逃した敵を捕らえるため、悪魔を召喚する。

第36話 解き放たれし者
ファルムス軍を退けて、何とか事なきを得たテンペストだが、問題は山積みで……。そんな中、智慧之王(ラファエル)から「無限牢獄の解析に成功した」と吉報が舞い込む。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さっくりサクサク3期もさあ来い!

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
異世界転生ファンタジーの超有名シリーズの2期。

スピンオフに3期と、1年間も続けて1つの作品が放送され続けるなんて、今日のアニメ界にとっては稀なことですね。

詳しくは1期のレビューにあるのですが、私は本シリーズの「軽さ」が引っ掛かり、そこまで高く評価していませんでした。でも、ここまで「軽さ」が続くと、もはや作風、長所として捉えていこうと気が変わりました。それもあって、特に終盤は1期より楽しめました。

つまり、「灰と幻想のグリムガル」や「無職転生~異世界行ったら本気出す~」などが、「本格異世界転生ファンタジー」の最高峰なら、「オーバーロード」や「転生したらスライムだった件」などは、「なろう系異世界転生ファンタジー」の最高峰なんじゃないかと思うわけです。

気軽にアニメを楽しむ、娯楽系の作品として、オススメできる作品になっています。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
建国モノは大好物のジャンル。(アニメ版は丁寧さが足りませんでしたが)「まおゆう」なんかは、すごく面白かったです。

本作も、人材や物資を集め、他国と交渉し、時には戦争もするという「建国」要素が一番楽しかったです

あとは、3話のキャバクラ回みたいな、ギャグベースの話は、本シリーズによく似合うと思いました。

そんな中、紫音(メインキャラ)やゴブゾウの死、というドシリアスを入れてきましたが、そこは本作らしく、結局「蘇生」というお手軽仕様。

まあ、その後のハーベストフェスティバルでの大虐殺と、その結果としての覚醒魔王への進化。新たなスキルの大量獲得なんかは、「これぞ主人公最強系」という、壮大且つ爽快な展開。人間側のクズっぷりをたくさん描いてきたため、不快感はありませんでした(そもそも、戦場での大虐殺や、兵士に対する攻撃は、個人的には不快さを覚えません)。

いよいよ、最強クラスの魔王になったミリム。ディアブロ、ベルトラという強大な部下も誕生し、ますます3期が楽しみになってきました。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
閑話 ☆3
1期のおさらい。新作カットがあるだけ良いか。

1話目 ☆3
転移魔法。基本基本w 建国モノは大好物ではある。拳で分かり合う流れ。

2話目 ☆3
色々、さっくりサクサク進むな。

3話目 ☆4
解毒の刻印魔法。アルコールを消せるようになったか。魔王たらし(笑) そして、キャバクラを楽しむ(笑) こういうギャグベースの方が楽しめる作品だよな。

4話目 ☆4
ジジイ、強し(笑) 戦争か。

5話目 ☆3
ヨームとの心の交流が、まあ、最低限は描けているけどな。

6話目 ☆4
強いな~ヒナタ、というか人間。グラトニー、「飢えるもの」のリスクを背負ってないのがな。

7話目 ☆3
う~ん、メインキャラは誰も死んでない? よくも悪くも、この作品らしいな。

8話目 ☆3
さて、大戦争。どうなるか。紫音、ゴブゾウ、死んだ? この作者が、ゴブゾウはともかく、紫音殺すかな? いやいや、蘇生はやっちゃいかんだろ~。ミリムか。結界の活用。ただ、3%って、全員復活になるの? 急に気楽だな。

9話目 ☆3
人間との共存。相変わらず綺麗だな。

10話目 ☆4
二万人の大虐殺。本当に殺すかな? オーガ達はガチ殺し。女は殺しにくいから、敵に殺させる。再生するから、ボコす。メギド、静かな大魔法だな。逆に迫力あって、個人的には好き。

11話目 ☆5
いやはや、こうなると主人公最強系として面白い。さて、デーモンがどうなるか、だな。デミウルゴスみたいな。

12話目 ☆3
ディアブロ。配下、最強か? ベルトラ解放。ベルトラも擬人化か。戦力がどんどん増強されるな。ディアブロ、ベルトラで、魔王レベル3人?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

69.9 7 呪いで異世界なアニメランキング7位
骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (309)
977人が棚に入れました
目覚めるとMMORPGで自身が使用していたゲームキャラの姿のまま、異世界に放り出されていた「アーク」。その姿は、見た目が鎧、中身が全身骨格という"骸骨騎士"であった。 ──正体がバレたら、モンスターと勘違いされて討伐対象になりかねない!? アークは目立たないよう傭兵として過ごすことを決意する。だが、彼は目の前の悪事を捨て置けるような男ではなかった! 骸骨騎士様による無自覚"世直し"異世界ファンタジー、ここに参上!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「面白い転生もの」の要素が網羅。2期をお願いします。評価再調整

 不満点は張った伏線が回収しきれていないことですね。1話の冒頭のお嬢様とかは結局モブ?そして皇帝は?アークの素性は?などあります。
 2期の可能性はわかりませんが、やるなら1年以内、本音をいえば23冬にはやって貰わないと熱が冷めます。何度でもいいますが、この1クールお試し制作体制を止めないとアニメ業界の緩慢な自殺になるでしょう。1クールで完結しないなら、せめて2クールでアニオリでいいので完結させないと、記憶に残らなくなっていまいます。

 一方「なろう系」「異世界転生」とカテゴライズされますが、面白いものと面白くないものの差がはっきりしてきました。以下、私が考えた面白いモノの要素です。異論は沢山あるでしょうけど。

 本作のように「転生の意味」を探るというのはその一つでしょう。目的をもって冒険等の何かに取り組むこと、世界感の設定が意図をもって原作者が明確に定めている、エピソードの積み重ねが全体の解決の一部になっていること、などがあげられると思います。

 もちろん、キャラの魅力は言うまでもありません。ヒロインが奴隷とかトロフィーワイフではないことも大事でしょう。ヒロインに意思があるのもいいですね。サブキャラに男性の魅力のあるキャラを置く、敵がやられキャラではなく敵として機能するなどの要素があげられると思います。

 主人公の設定が俺TUEEEであっても、ストーリーの解決のための俺TUEEEがいいんでしょう。つまり強さだけでは解決しない話になっているということです。
 無敵それ自体をエピソードにするものは駄作が多いです。設定に設定を重ねる、スキルとレベルに頼る。みんな弱くなった…などは駄目でしょうね。
 敵に魅力があるか、たくらみに面白さがあるかも大事です。敵のキャラや目的に、多様な価値観と重層的な社会の構造などが垣間見えるのが良さそうです。

 暴力、性表現などに意味があるかです。これは無駄にデオドランドされているものも駄目です。本作やゴブリンスレイヤー、回復術士など面白いモノはちゃんとこの辺を上手く扱っています。法律がどうとか、人として許せないとか完全に無視して、必要なものを描いているかという原作者の意思でしょうね。ポリコレは…まあ、ここでは言いません。

 スローライフ系はまた別の要素がありますが、結局完全にスローライフで面白いのって、スライム300くらい?まあスローライフは願望の投射なので自分にあうかあわないかでしょうね。ただ、設定を妄想した結果なのでしょう、出落ちが多すぎです。

 あとはアニメーションに関しては、全部が動く必要ないので、ポイント絞って決めるべきところは決める。エフェクトの工夫で低予算でも魅力的な画面作りをお願いします。止め絵、背景美術などがビシッとあると感動できます。それとモンタージュ理論とか異化効果とか古くからある技法を上手く使ってみるのも良さそうです。異世界ではありませんが「その着せ替え人形」の何話か目にかなりいい演出の回があったと思います。つまり演出は頑張ってほしい。

 それとテンポですね。本作はとにかくテンポが良かった。どんどん話が展開しました。間延びは最悪です。尺の問題は伸ばすのではなく、オリジナルで責任をもって埋めてください。無理に引き延ばしがあると駄目ですね。まあ、それで失敗すると悲惨なので、できればちゃんとある程度ストックが計算できるものがいいと思いますが。

 で、本作は一応最後に終わりっぽくしようという完結の努力は見られました。これがないとかなりシラケますのでせめて何かは解決してください。

 声優さんは私はなんとなく合えば気にしないです。本作の「アークです」は最高でした。あとポンタも何気にいい演技?演出?でした。

 OPEDはタイアップじゃなくてアニオリがいいですね。これは最近徹底している気がします。OPEDアニメも本編の抽出じゃなくて、世界感をあらわしたものが増えているのは好ましいです。この点は本作のOPは本当にすばらしかった。曲もキャラの雰囲気というか存在と完全にマッチして最高でした。
 また、OPEDアニメで本編ではやりきれない高度な技術にチャレンジしているものも飽きない工夫ですね。本作はそこまでではないですが最近沢山あって楽しめます。

 という事で本作は面白い要素をかなり網羅していると思います。なにより原作者の技量が大きいのはもちろんでしょう。

 販促アニメで1期で終わらないよう願いたいですね。今のままで行くと振り返ってみれば「アニメ暗黒時代」とよばれる可能性が高い気がします。なろう系云々ではなく、全体的に制作サイドの「創作物を公開して商売にする責任」をよく考えて欲しいです。



2022年8月 評価調整。見ているときの興奮で新しいものは評価が極端なので見直しです。

 本作の印象は上記の通りですが、名作とは呼べないですね。秀作というのもほめ過ぎかな。少なくとも完結してないし、テーマ性も薄いです。エンタメ性やキャラは光っていましたが。ということで、キャラ(声優で調整)とストーリーが4点。作画が3.5点でトータル3.9点というのが妥当かなと。音楽性は有りましたね。






以下 視聴中のレビューです。


1話 テンプレ過ぎてかえって清々しいです。{netabare}オーバーロードの設定をちょこちょこっといじるとこうなりましたという感じですが、異世界ものでそれを言っちゃお終いです。この件に関してはもはや批評する気にもなれません。様式美として受け入れました。マイルドアインズ様とかいうのは無粋なんでしょう。
 画も綺麗だし、作画もいいので、2話目からの展開が勝負でしょうね

 助かったからいいけど、レイプシーン、生々しすぎです。{/netabare}


2話 何か物語がスタートするんでしょうか?1クールですよね?

{netabare} また、終わらない話でしょうか。EDに出てくるエルフらしい女の子がまったく出ませんでした。テイムかなにかのリングが出てきたので何か物語が始まるんでしょうけど。最近の1クールって12話とか下手すると11話ですから、また中途半端で終わるのかなあ。

 九尾の狐のナウシカオマージュがちょっと面白かったですけど、今時通用するんでしょうか。クリエータがナウシカ世代なんでしょうね。
 テンプレエピソードは尺がないならカットすればいいのに… {/netabare}


3話 なかなか痛快な話でした。連続性もあるし期待値高めですね。

{netabare}  ちゃんと1,2話と話に連続性があったんですね。王族らしき女の子とバジリスク、そしてエルフ。
 なかなか痛快な展開でしたし、エルフ関連で話にまとまりがあるので興味がもてます。ちょっと重い話なのもあって期待値高めです。

 人に慣れないハズの〇〇が…は何度みたかわかりませんが、ナウシカオマージュも含めてそういうパロディの要素は意図的にいれてるんでしょう。
 作画も高級じゃないですが十分な水準だし、いい絵を見せようという工夫もある気がします。
 血液の色は規制でしょうか。

 高クオリティですね。継続決定、完走どころかかなり楽しめそうです。 {/netabare}


9話 そろそろ終盤ですが、最近の異世界の中では最高レベルでした。

{netabare}  本作をテンプレと片付けることは出来ません。オバロの真似じゃんとも言えません。面白さがちょっと最近の異世界では群を抜いていますね。なぜでしょう?正直わかりません。

 俺TUEEEではありますが、陰謀が強い弱いだけで片付かないからでしょうか。エルフと獣人の話で同じ構造のエピソードを2回繰り返したような印象でしたが、飽きませんね。今回の獣人の話はバトルに迫力がありましたし、犠牲者と弔いを描いたのは良かったですね。

 エルフも獣人も女性はそれぞれ魅力的ですが、なんといっても男キャラが立ってますね。獣人の男と何とも言えない共感が生まれるところとか、ちょっと他では見ないと思います。この男女が満遍なく出てくるのもいいところなのかもしれません。

 ポンタが身分証明として万能すぎだろう、問題もありますが、いっそ爽やかなくらいポンタ頼りなのも面倒がなくていいです。

 裏の王族の陰謀もなかなか興味をそそりますし、あのお姫様。美しいですね。横顔の鼻がちょっと残念ですけど、正面顔は非常に素晴らしい造形でした。ちゃんと高貴な感じのキャラデザです。その割に何か企んでいるような感じがいいし、それが安っぽい演出やセリフで語るのではなくストーリーに組み込まれているのが、いいですね。

 そうか…つまり物語に「構造」があるということですね。設定とキャラ、エピソードのつぎはぎではなく、お話になっているということなのかもしれません。

 ということで、まあ一部のビッグネームは別枠としても、ラノベ・なろう系の異世界転生ものとしては、この1、2年では最高に面白いです。ありふれた職業と、盾の勇者が期待外れだっただけにうれしい誤算でした。是非、2期をお願いしたいです。 {/netabare}



11話 面白い…面白すぎる。ストーリーの良さに加えて作画も演出もいい。

{netabare}  冒頭、先週の振り返りで娼婦が穴に落とされるときの作画が、結構すごかった気がします。ちゃんと、力が抜けた状態からフイに押された、体重の残り方と表情だったと思います。
 アークに助けられた娼婦の肩のツヤとか、なかなかですね。低予算っぽい感じもしますが、作画も演出も丁寧で面白さを引き立てています。

 こんにちは、アークですという入り、アークの目が光るシャキーンとう効果音の使いかたもいい、ポンタの声にも癒されます。OPは映像も曲も最高です。特にあの女の子を助けるベタな演出が最高です。このOPでアークというキャラの性格とか素性とか世界観とかコミカルな部分があるのが分かります。秀逸なOPです。

 あと、オバロのクレマンティーヌ様にも通じますが、俺TUEEEの面白さって、敵をどう描くかですね。最後は倒されるのはわかっている安心感はともすれば緊張感の無さにも通じますが、ゲスっぷりの描写がいいのでどんな卑怯な手を使ってくるのか、という面白さにつながっています。で、カタルシスがあるんでしょう。来週がものすごく楽しみです。どんな俺TUEEEを見せてくれるか、ですね。

 敵の描写が上手いので、どんなバカな力を見せてくれても見ているほうが嬉しくなります。むしろ、バカバカしいくらいなのを楽しみにしています。巨大な敵ですからね。エフェクトの使いかたが上手いので、ド派手に倒してほしいです。 

 そして本作は、エルフをめぐる陰謀や王族のいざこざ、骸骨の正体などを追っているという点では話の幹がしっかりあって、オバロより話自体は面白いくらいです。

 11話だけでみても、チヨメの件も何気なく伏線を張って、しかも、その部分でアリアンのヤキモチと裏で進行している陰謀、やられキャラの行く末を描くという、本当にストーリー作りのうまさに感心します。

 アリアンがどうしても開かない扉をアークが開けるのも、俺TUEEEを使うのではないのが、ストーリー(演出)のクオリティの高さになっています。
 数話前でアリアンのお尻が引っかかるシーンでアークが転移魔法を使うのとの対比になるだけに余計面白くなっています。

 いいですね。すぐに2期を作って欲しいです。少なくとも2、3クールでは面白さは枯渇しないでしょう。{/netabare}
 



 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ぱっと見オーバーロードもどき

冒頭で今まさに少女たちを強姦しようとしている輩の場面から。
いやあ衝撃衝撃。そりゃ、お漏らししますよ。胸糞悪い展開だけど、主人公が容赦なくズバッと一刀両断。なんか考え込みすぎてたようだ。でも、やっぱりアインズ様みたい。あとアクション仮面みたい。

エルフ絡みが多いのは差別化できているかも。
エルフぺろぺろとか救出の話が多い。作者がエルフ好きなのかな?と思ってたけど、貴族王族も助けてる。
ケモ耳忍者やもふもふも。
あとママがめちゃ強い、シスコンすぎる姉を盛り込むのもやりますね。
正義感が強いのも差別化か。
呪われてる設定が現実になっているのはちと笑。
骸骨なのに男認識されるもんなんだな。

内容的には思ったより頭に残らないなと。特に負の感情もないが。
頭を空にしてみるには最適かな。


OP
嗚呼、我が浪漫の道よ PelleK(ペルケイ)
ED
僕らが愚かだなんて誰が言った DIALOGUE+
PelleKは日本のアニメソング・特撮ソングの「歌ってみた」動画を9年以上投稿して388万人を超えるチャンネル登録者がいるノルウェー人シンガー(Wiki引用)。知らない歌い手さんだった。でも、何だろう。あの裏声が意外と頭に残るんですよね。
DIALOGUE+が歌うEDも。見たことあるグループ名だなと思ったらひげを剃るのOP歌っていたのか。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
目覚めるとMMORPGで自身が使用していたゲームキャラの姿のまま、異世界に放り出されていた「アーク」。その姿は、見た目が鎧、中身が全身骨格という“骸骨騎士”であった。──正体がバレたら、モンスターと勘違いされて討伐対象になりかねない!?アークは目立たないよう傭兵として過ごすことを決意する。だが、彼は目の前の悪事を捨て置けるような男ではなかった!骸骨騎士様による無自覚“世直し”異世界ファンタジー、ここに参上!!


第1話 流浪の騎士、世直し旅にて候ふ
MMORPGプレイ中に寝落ちし、目覚めるとゲームキャラの姿で異世界にいたアーク。全身に鎧を纏ったその姿は一見すると騎士のようだが、中身はモンスターにしか見えない“骸骨姿”であった。目立たず過ごすことを決意したアークは、傭兵になるために獣と魔獣の討伐試験に挑む。しかし、盗賊が貴族の少女たちを襲っている場面に出くわしてしまい──。

第2話 初仕事、少女の願いと忍び寄る影
傭兵稼業を始めたアークは、初めて受注した依頼「薬草採取の護衛」の依頼人マルカのもとを訪れた。亡き父の代わりに薬草取りの仕事をして母に楽をさせてあげたい──そんな少女の願いに応えると決めたアークは、マルカに同行して森へ分け入る。小さな精霊獣との思わぬ出会いもあり、依頼は順調に進んでいくが、森の奥で強力な魔獣に遭遇し──。

第3話 凜々しきエルフは同胞が為に舞う
盗賊団を討伐したアークは突如、ダークエルフの戦士・アリアンの襲撃を受ける。アリアンは付近に出没する“エルフ狩り”を追っており、アークを関係者と勘違いしていた。誤解を解いたアークは手を貸そうとするが、人族の加勢は無用だと拒絶されて──。だが、困った人を捨て置けないアークは、翌日エルフが住むという森へアリアンを探しに向かう。

第4話 潜入、奴隷商! 世に蔓延る悪を探れ
アリアンに傭兵として雇われたアークは、ディエントの街で“エルフ狩り”の情報収集をしていたエルフ族の戦士・ダンカと合流。敵の拠点に囚われた同胞の救出作戦に参加することに。転移魔法で拠点へ潜入したアークとアリアンらは手分けして捜索を開始する。しかし、突如アークに攻撃を仕掛ける存在があった。その正体は獣耳忍者の少女で──。

第5話 明かされる秘密と紡がれる絆
誘拐されたエルフ族の売買にはディエントの領主までもが関与していた。アークとアリアンは領主城に侵入し、エルフを弄ぶ領主に裁きの鉄槌を下す。今回の救出作戦に大きく貢献したアークは、アリアンに更なる助力を乞われエルフの里に招待されるも、余所者であるアークが里に入るには、兜の下の素顔──骸骨姿を晒して信用を得る必要があった。

第6話 エルフの里で触れる異世界の深淵
エルフの里・ララトイアへやってきたアークは、アリアンの父である長老・ディランの家に滞在することに。アリアンとディランが救出作戦の顛末をエルフ族の重鎮に報告している間、アークはアリアンの母・グレニスの案内で里を見物していた。そんな折、グレニスから娘の傍にいるアークの力量を見定めたいと手合わせの申し出があり──。

第7話 理想に燃ゆる王女に奇跡が舞い降りた
エルフ族救出作戦の続行を命じられたアリアンとアークは、更なる手掛かりを求めローデン王国へ旅立つ。道中、幻を操る魔獣・ホーンテッドウルフと遭遇。群れのボスに不気味なリングが嵌められていた。それはかつて目にしたことがある物で……。一方、エルフ族と接触すべくローデン王国を出立した第一王女・ユリア-ナは何者かの襲撃に遭っていた。

第8話 共闘! 獣人の友と闇夜を駆ける
ローデン王国の王都に到着したアークは、獣耳忍者の少女・チヨメと再会を果たす。チヨメに乞われ、囚われた獣人族の救出に手を貸すことになったアークは、王都最大の奴隷商・エツアト商会への襲撃作戦に参加。決行の夜──アークはチヨメの仲間であり筋骨隆々の忍者・ゴエモンと手を組み、警護が厳重な商会に対し正面突破を仕掛ける。

揺れ動く王都と乙女の誓い
エツアト商会を襲撃するアークとゴエモンは、別行動をしていたアリアンたちと合流。ついに獣人族が閉じ込められた牢を見つけ出すも、彼らに突きつけられたのは非情な現実で──。そして、チヨメは二度と悲劇を繰り返さないと誓いを立てるのだった。一方、エツアト商会と裏で繋がっていた第二王子・ダカレスは、窮地に追い込まれようとしていた。

第10話 砂漠で見つけし明日への希望
エルフは神聖レブラン帝国へ売られていった──チヨメのもたらした情報をもとに、帝国へと旅を続けるアークは砂漠の街・ブランベイナを訪れる。帝国へのルートがわからず難儀する一行に手を差し伸べたのはエルフの魔獣研究者・カーシーだった。帝国までの地図と引き換えに、研究対象である魔獣・サンドワームの捕獲依頼を引き受けたのだが……。

第11話 蛮族の魔獣使いは闇に嗤う
神聖レブラン帝国にたどり着いたアークは、国境の街・ケーセックでエルフ族の売買に関する情報収集を開始する。街から離れた砦にエルフが連れ込まれたことを突き止め潜入するも、最奥で待っていたのは蛮族の魔獣呪術師・フンバであった。アークは情報を引き出そうと試みるが、その最中に突然相棒のアリアンから剣を向けられ──。

第12話 異世界の悪を我は斬る!
“国落とし”の異名を持つ大魔獣ヒュドラ──暴走するフンバが解き放った奥の手によりケーセックの街に壊滅の危機が迫ろうとしていた。アークはか弱き人々を救うため危機に立ち向かうことを決意し、単身ヒュドラへと挑む。一方、アリアンとチヨメはフンバを見つけ出し--そして今、アークたちの勝利への切り札が炸裂する!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

優しいアインズ様

{netabare}
髑髏系主人公なろう第二弾。
二番煎じっぽいが、性格が真逆なのでそれほど既視感的なものはなく主人公に関してはむしろ新鮮な気分で見られる。
別にイキったりもしないのでなろう主人公感はなく不快感がない。
結構お茶目な部分もある主人公で嫌味がなく、技名のダサさや、邪気なノリなど作品全体の雰囲気も好きだった。
ハーレムではなくメインヒロイン1人とポン太での二人旅というのも、よりアリアンとアークの二人に魅力を感じられて良かった。

ただ、話自体はあんまり。
最初の方はキャラが良かったので話も戦闘も楽しめていたが、さすがに内容に工夫がないと途中で飽きる。
差別されているエルフを救うという内容だけでずっと一貫していて、絵面が変わらないので面白みがない。
テーマに関してももうい世界での差別と言う題材なんてありふれているし、敵に関しても、明らかに噛ませばかりで緊迫感のかけらもない。
結局主人公の成長などもなく、すでに持っている力を見せていくだけのパターンのなろう俺TUEEEE。

ストーリーで良かった点は、世直し旅というテーマに関しては一貫しているということと、何でもご都合解決ではなく、エルフを救うことができず火葬するバッドエンド寄りの回もちゃんとあったことかな。

OPがこのアニメの雰囲気に合っていてめっちゃ好きです。
外人の歌い手だったか確か。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
草。初手サービスシーンw erro 歌詞助かる。エフェクトうるせえよ。
この人海外で歌ってみた上げてる人じゃん。オーバーロード
ああクソアニメだ。アインズ様? 盗賊匹カウントで草。
骸骨って食事できるのか?w はよ助けろや。
見て興奮してるんじゃねえw

2話 ☆9
あれこれ意外といいのでは。かわいい。
この二人、身長差がありすぎて骸骨が誘拐犯にしか見えない構図w
だっさ。渋い名前。
騎士と二人で森に行くってどう考えてもやべーだろw
突っ立ってないではよ動け
俺TUEEEなりに相手の強敵感も出せていて戦闘の見せ方が上手い。
あの緑はダメなのにこっちは結局持って帰るんかい。

3話 ☆8
あの一取れば国境防げるってことか? いや見つけられんやろ。
と思ったけどそのワープで空飛べたら見つけられそうだな。
噛ませっぽいキャラデザ熟女好きか? 服を着れよそこは。
こいつ性癖の範囲狭すぎだろ。くっころ 正義の側のアインズ様。
やっぱりこれ結構面白くね?

4話 ☆8
メイプル姿変わったな。やっぱなんか雰囲気がいい。
でかい。なんでそんなもん持ってるねん。気づかれずとはw

5話 ☆6
エッッッ 一応侯爵なら国の金盗んでることになるのではw
適当言ってるんじゃなくて本気でとる気なの? コロナ対策会議室。
スローループ アリアン可愛いな。壁が高すぎる。

6話 ☆7
先に攫った攫った方が100悪くね。負けてて草。
言うて魔法最強なのに剣術いるか? いい姉妹百合。
鎧なかったらこんなに細いのかよ。治っとるやんけ。

7話 ☆8
謎コーナー。はよ頭の上始末しろw また襲われる?
殺すなや。エロ展開やれ。倫理観。百合。これが正史だからな。
あの狼いい子たちだったのに...。

8話 ☆6
服が似合ってない。ゲームの設定じゃないの?
てかもろこの設定もオーバーロードだよな。この小物感w
ビビりすぎだろ。ノリが少し寒い。トロッコ問題。
転移はやりすぎなんだよな。おちゃめな主人公は面白い。
結局俺TUEEEだしやってることがワンパだから飽きてきたな。
圧倒的ラスボス感。

9話 ☆7
これも結局なろうって感じだなぁ。
やってる内容に代わり映えがなさすぎる。
そこは本当にドラゴンロード出してくれ。蘇生面白くねえ。
あ、蘇生じゃなかった。
転スラの数倍この部分はしっかりとしてる。けど生きてるじゃん。

10話 ☆4
失速アニメ。てか耳隠す風潮あるなら主人公も疑われそうだけどな。
もうこのエルフと人間が見たいな題材聞き飽きたわ。酔っ払いの流れ嫌い。
謎BGM、HEY!で笑ってしまう。唐突に変な魔物の話に。
国をめぐる話の途中で変な魔物退治の話少し脱線してる感あるなこの話いる? いくら地図のためとはいえ回りくどい
異世界でこの手の話ほんとにもうありふれすぎてるせいであまり面白く感じなくなってしまった。おい写せや。黎明期を見習え。

11話 ☆6
都合のいいチンピラ。このチンピラが直属の部下ってw
なんで隠し扉の情報までそんな簡単に手に入ってるんだよガバガバかよ。
こいつ初登場から1話で倒すのか。
王道漫画みたいな洗脳解除回想来る?
王道として見てないから全く雰囲気にあってないけど
どう考えても無事じゃない。結局俺TUEEE

12話 ☆5
こいつの掘りさげいる? 街が随分と近代的だな。
もう何も緊迫感ないわ…。召喚する意味ある?
既に持ってる力を見せつけていくという流れが全く面白くないんだよね。
まだ序盤の狼みたいなやつの方が苦戦してた。アークにも刺さる言葉。

曲評価(好み)
OP「嗚呼、我が浪漫の道よ」☆9
ED「僕らが愚かだなんて誰が言った」☆8
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

61.1 8 呪いで異世界なアニメランキング8位
MAR メルヘヴン(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (119)
976人が棚に入れました
メルヘンの国に憧れていた普通の中学2年生虎水ギンタは、「門番ピエロ」と呼ばれるARM(アーム)の力で異世界、メルへヴンへ召喚された。この世界では、ARM(アーム)という魔法のアクセサリーが存在し、それを使用することによって、使用者に力を与えることができる。メルへヴンに来たギンタは「バッボ」という生きたARMと出会い、仲間たちと出会い、共に戦闘集団「チェスの兵隊(コマ)」に立ち向かう。

声優・キャラクター
比嘉久美子、銀河万丈、清水愛、保志総一朗、中島沙樹、阪口大助、坂口候一、小杉十郎太

お抹茶 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

原作と違いすぎる

2005年4月~2007年3月まで放送されたアニメです。

まずこのアニメで評価できるところと言えば、音楽面です。GARNET CROWはとても合っていました。

あと声優の演技も良かったと思います。

ここからはすべて悪い点を書いていきます。個人的な感想なので、受け取り方は人それぞれだと思います。

まずアニメの途中からのオリジナルストーリーと終盤が原作と大きく異なることです。原作自体もそこまで評価できる作品ではなかったのですが、アニメはそれを超える酷さだったと思います。

日曜の朝アニメだったこともあり、流血描写がなく、セリフ自体が変更されています。
しかし、アニメで追加された話では、BL要素や乳揺れなど朝アニメでやっていいのかと思わせる描写がいくつか見られました。正直どの基準で良し悪し決めているかわかりません。

作画に関しても、崩れている回がかなりありました。

原作は絵も綺麗である程度話もまとまっているのでアニメよりも原作をオススメします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

コック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

感想

メルヘンの国に憧れていた普通の中学2年生虎水ギンタは、「門番ピエロ」と呼ばれるARM(アーム)の力で異世界、メルへヴンへ召喚された。この世界では、ARM(アーム)という魔法のアクセサリーが存在し、それを使用することによって、使用者に力を与えることができる。メルへヴンに来たギンタは「バッボ」という生きたARMと出会い、仲間たちと出会い、共に戦闘集団「チェスの兵隊(コマ)」に立ち向かう。


がうたもともとは、サンデーの漫画です!
曲はガーネットクロウが歌っていてかなりいい曲が多かったかと思います。
戦闘メインなので、バトルものが好きな人にはお勧めです!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

くまきっちん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

原作から

原作を見ていたので見ました

作者さんが烈火の炎などの安西先生ということもあり原作はとても楽しめます

今でこそゲームやファンタジーの世界に行くという設定が当たり前になりましたが個人的にはこの作品後から急激に多くなったなという印象です

高校生が~という設定も視聴者を惹きつけるポイントでキャラも可愛いキャラが多く楽しめます

烈火の炎よりも怖い、痛い、殺し合いというよりは若干柔らかいイメージです

低年齢層でも楽しめる作品です

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

68.4 9 呪いで異世界なアニメランキング9位
最強陰陽師の異世界転生記(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (214)
719人が棚に入れました
強いだけでは幸せになれない。たとえ、最強の陰陽師だとしても。 並ぶ者のいない天才と称された陰陽師・玖峨晴嘉は、朝廷からの裏切りにあい、命を落とそうとしていた。 次の生でこそ幸せになりたいと決意し、自ら生み出した秘術・転生の呪い(まじない)によって異世界に転生する。 そして、セイカという名と新しい人生を手に入れた。 「前世の自分に足りなかったものは狡猾さ、今世では上手に立ち回り幸せな生を手に入れる――――」 最強の陰陽術と強力な妖怪たちを従え、彼の進む先に待ち受けるのは、望んだ平穏か、それとも・・・。 いまだ誰も目にしたことのない、最強の陰陽師が挑む異世界ファンタジーが始まる。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

人間不信の某賢者が陰の実力者に成り上がるようです

腹黒主人公のキャラ性には独特な魅力を感じましたが、異世界転生もの作品自体に内在する
限界性みたいな壁にぶち当たり、目新しい展開もなく、異世界転生もの作品の宿命の如く
見事失速して逝ったような結末でありました。

{netabare} 「メイ【ベル】」の死亡フラグはしっかり機能していたようでありまして
それが個人的に満足できた点であります。

「転生腹黒キャラ」の正体が「魔王」であったのでこのような展開になったわけであります。

「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」にも似たところありますが
主人公が魔王設定でありますので「まおゆう」系の「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」
の影響の方がかなり強く表れていたように思います。

最終話にかけての主人公である「魔王様」のご乱心?は友達のために必死になった
ということでありまして、前世において裏切りに遭い失敗人生を送った反省として
転生後には友情や信頼関係を大事にするようになったというオチだったようにも思いますが
今一つ視聴者には伝わってなかったような気がいたします。

主人公は最強魔王なので戦えば当然勝つに決まっており、それではテーマもくそもない
ということで、何のために戦うのか?ということに重点を置き友情物語を描こうとした
ようですが「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」と同じ着地点という意味では、
なかなかに評価も難しいということになるのかもしれません。 {/netabare}

●邪眼の茶番

幽遊白書みたいなキャラの5人衆が登場し {netabare} ジャンプ系バトルが始まります。
ちゃんと兎タイプのケモ耳フレンドも漏れなくいるのはお約束というやつですね。

邪眼率多めです。
みんな大好き【プロビデンスの目】でございます。

もしかしたら【プロビデンスの目】を得た対価が高くつきすぎたのかもしれませんが
腹黒主人公により邪眼チームは敢え無く瞬殺であります。

ジャンプ系バトルを長々やられても困りますが、主人公が強すぎて
盛り上がるところもなく、意図不明な展開でありました。

ただ一つだけ見るべきところがあるとしたら、「メイ【ベル」」の活躍と言いますか
「【ベル】の第1法則」、即ち「死亡フラグ」の発動が彼女の出番ともに現れるという
ところで、セオリー通りでお約束通りのフラグにより邪眼チームは全滅というオチでした。{/netabare}


「【ベル】の第3法則」

話は「メイ【ベル】」 {netabare} 兄妹のシーンに戻りますが、もしも兄がトーナメント王者に
なっていたならばどうなっていたかについて言及いたしましょう。

もしも優勝したならば兄は頭蓋骨に穴をあけられ洗脳手術みたいなことを施されたのであります。

これと全く同じような手術法がありまして、これを「ロボトミー」と言います。
今では禁止となったこの「ロボトミー」は「ノー【ベル】賞」を受賞しました。

「メイ【ベル】」の兄に「ノー【ベル】賞」の「ロボトミー手術」を施すのですから、
これは完全に狙ってやっているとしか考えられません。

ということでこの事例から導かれる「【ベル】の第3法則」は{/netabare}「災いの発動」でございます。



●【メイベル】回収!

【メイベル】が似非 {netabare}勇者という設定も興味深いですが、それよりも
「邪眼」の殺し屋と兄妹だったというのには更に確信犯的なものを感じます。

「邪眼」や「魔眼」は【プロビデンスの目】を表すものですが、それと【メイベル】が
繋がると言うのはとても重要であるように思います。

そもそも【メイベル】は邪眼の兄に殺される役目を負っていました。
という意味では【生贄】に捧げられる立場であったわけであります。

【プロビデンスの目】とは「全能の目」でもありますが、それを得るには代償が
必要になります。

そもそもは「左目」や「右目」を失い、「新たな目」を得るという流れであったのですが
【ベル】が絡むことにより【命】まで取られなければならないことになったようです。

ここで判明した【ベル】の第1法則、それは
【ベル】は死亡フラグとして機能するということであります。

ちなみに四葉のクローバーは「4」という数字を表しますが、これが2枚だと
【8】を暗示することになり、「※願い事」が叶うわけであります。

兄が妹の生存を「※願った」のであれば、【ベル】は等価交換変換装置として
機能したと言えるのかもしれません。

そして【ベル】の法則は他でも{/netabare}機能するものと予想されるのであります。


●ゴースト・イン・ザ・「なろう」
やはりという感じで、なろう系にありがち展開発動します。

総合{netabare}武術大会に出場という展開はある意味お約束ですが
それよりも注目すべきことは、その大会に出場すべく選ばれた新キャラの存在であります。

その名は【メイベル】。明らかにラスボス級の猛者であります。
「金装のメルヴェイユ」の「ヴェルメイ」に名前が似てるのは偶然でしょうか?

「SPY家族」と「ノケモノたちの夜」では「ブラック【ベル】」
リコリコでは「リリ【ベル】」。「水星の魔女」では【ベル】と言う名の魔女が。

探してみると【ベル】という名のキャラは意外と多いようですが、
これはただの偶然でしょうか?

これは恐らく狙いあってのことであると推測いたします。
何故そう思えるのかと言えば、【ベル】には特別な意味があるからであります。

そして、そこである種の疑問が浮かび上がるわけです。

なろう系作品と言えば素人当然の作家が書いた物語でありまして
そんな素人レベルが【ベル】という名に込められた意味を知り得るのか?
という疑問でございます。

【ベル】は貴族にありがちな名前とか言う話でしょうか?
恐らくは【メイベル】も物語上「ブラック【ベル】」と同じ性質が示されることなるでしょう。

もしもそうだとしたら、なろう系作家とは「ゴーストライター」ではないか?
という疑惑が確定的なまでに濃厚になると考えるべきなのかもしれません。
と言うことで、以降【メイベル】の動向から {/netabare}目が離せなくなりました。



陰陽師という最強無双チートが異世界転生するとなれば、火を見るよりも明らかに
いつものなろう系展開になるだろうと予想してしまいがちですが?

前世で謀略に嵌めこまれ不本意な結末を迎えることとなったのを悔い、
次こそは自分の至らぬ点を克服し、リベンジを果たそう決意
新世界でリスタートを切った、そんな主人公の性格が中々にいい感じに腹黒で、目的のためには手段を択ばない冷徹さやマキャベリストな感じのキャラ性が
良い味を醸して出しているような好印象を受けた次第であります。

主人公同様一癖も二癖もある最強女勇者系ツンツンヒロインと出会い、この度
男女混合{netabare}ダンジョントラップに見事二人っきりで嵌りますが、この試練こそが
最大の見せ場であったように思われます。

人間不信のクール系主人公とバトルジャンキー系ツンツンヒロインの凸凹人間関係にダンジョン効果が
相互理解の架け橋を渡し、不器用な二人の人間関係に明るい兆しが見えたというオチについては
なかなかに独自のチート能力を有効活用しているようであり、主人公のキャラ設定や
声優のクールヴォイス含め、すべてがうまく機能していて大いに納得の行くところでございます。

今回序盤での突如上からものが落ちてくるシーンでは、主人公の片目をクローズアップ
するという表現=「魔眼」表現で伏線もばっちり決めるあたりも、中々に卒が無いと言えるほど
巧い事まとまった回であったように思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

主人公さえいなければ...

{netabare}
タイトル通りのいかにもななろう俺TUEEE系。
ただ、陰陽師要素は結構しっかりしてるかもしれない。
テンプレ的な魔法も存在するけど、基本的には呪符を使って戦ったり、妖を召喚して戦ったり、なろう作品の中では戦闘シーンの絵面に関しては独創的ではある。妖のどことなく不気味な感じも良かったし、独特な技もちょっとカッコよかった。
実際は主人公が最強で敵は足元にも及ばないのだろうけど、絵だけを見る限りは接戦に見える戦闘が多くて、先ほど述べたように独創性も相まって戦闘シーンはなろう系の中でも面白い方だったかな。
作画は悪いけど演出は結構頑張ってるシーンも多かったイメージ。
主人公が和歌を詠いながら現れるのもちょっと面白い。

話に関してはテンプレだからほぼ悪い要素がないけど、主人公の性格が...。
何を思ってこんなサイコパスにしたんだろうか。
魔王だからと言うのが理由にしても、サイコパス的な行動が正しいかのように描かれているせいで違和感しかない。
兄に対してイキりまくってた時などはまだかわいい方で...。
一番酷いのは最終回。敵か味方かもわからないような国の軍隊を何食わぬ顔で独断で殲滅。殲滅したかと思えば、自分は善人ですよと言わんばかりに回復魔法で復活。
どうせ死ぬ魔王軍の4人の掘り下げとかもしてたけど、あれは主人公によりヘイトが行くだけで何がしたかったのか。
こういうサイコパスキャラをかっこいいと思う痛い人もなろう読者にはいるのかな。
声優が女性だったのも余計に鼻につく原因になっていた気がする。

セイカ以外のキャラに関しては、むしろこの作品はなろうの中でもかなり良くできている方だと思う。
キャラデザが好みというのもあるけど、一人一人ちゃんと掘り下げがされてキャラが使い捨てになっていない。
ハーレムではなく、それぞれのキャラの役目やそのキャラとの関係は安定しているし、最初から最後までセイカがイーファ一筋と言うのも良い。
最初噛ませ役だった兄も終盤になるとちゃんとした人になっていたのも良かった。逆にここまでキャラの描写ができるならなぜセイカはあんなキャラになってしまったんだとも思う。意図的...?

だけど、セイカも良いところなしと言うわけでもないんだけどね。
イーファを愛しているからこそ王族の元へ入ることを是とするかの葛藤も良かったし、いざイーファが脅かされると駄目な王子を本気で叱ったり、イーファとの関係性に関しては良かった。
政治にかかわりたくないと言いながら、前世の自分と同じ立場のアミュに同情し時に手助けをするなど、ヒロインに対しては優しさがあるように思う。
過去の過ちを繰り返さないためにカイルを見捨てたように、時には犠牲を厭わないスタイルも嫌いではなかった。
叱責シーンなどを見るに、精神年齢に関しても前世と同等、長年の人生経験があるように見える。

まあ、なんというか惜しい作品。主人公のサイコパス的な一面がなければ文句なしに面白い作品だった。
少なくともこの作品のヒロインに関しては冬アニメでもトップクラスに好き。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆2
面白そう? 前世のままやれ。急にいつものになるな。いきりキッツ。
主人公の性格に大人っぽさは感じられるけど、やっぱ大人の姿としてやられるとなぁ。ヒロイン召喚!w きつい。
主人公の声がくっそいらつく。angela草。

2話 ☆3
お前が落ちこぼれなんやろ。この展開キッつい。主人公の声がキモイ。
今まで見たなろうの中でも最上級の痛さ。シュガーアップルで見た。
半年前とは。策士かよ。主人公ガチゴミじゃん。
どうせ壊れる。評価されない項目ですから。キャラデザは可愛い。
主人公要らない。曲はいい。

3話 ☆6
いつもの魔力試験。どうせ打てるんだろ。この先生の声はなんだよ。
ヒロインが可愛いことしかいいことがない。キャラデザはマジで可愛い。
上から目線主人公気持ち悪い。急に詠うよー。金属の悪魔。
負けかけてて草。戦闘時の演出ちょっとかっこいい。
詠うの笑うからやめろ。技の見せ方かっこいいわ。
敵もちゃんと強いのはいいけどさ。

4話 ☆7
友達作りたいならこの性格を直せ。ほんとこいつクズすぎる。
もうアミュと仲良くなってて草。ホントキャラデザは可愛い。
どうせ助かる。これエロアニメ? ワイ談で草。
ほんとキャラは可愛い。主人公いなかったらこのアニメ推してたな。
このアニメも先生が黒幕かw クソダサポーズ。

5話 ☆8
エレガントおじさんだ。結局主人公表舞台に立ってるじゃん。可愛い。
こういうのでいいんだよ。声かわいい。メイベル分からせたい。
イキるな。邪眼かっけー()

6話 ☆7
噛ませ顔。イキるなカス。違反してイキるな。出たw
大会中にあらわる怪しい奴ら。陰陽師要素。キモいから二度と出すな。
下っ端機密知りすぎてて草。さとりキモすぎる。イキるな。
金髪の噛ませ感半端ない。
こんな珍しい複数属性使いをしょうもない決闘で死なせていいのか。
作画クソだけど女の子かわいいからセーフ。サマータイムレンダで見た。
死ななかった。1回戦もちゃんと止めとけ。

7話 ☆9
アクティベート! 勇者替え玉作戦とは考えたな。
ちゃんとデザイン不気味でいいな。
完璧なお人好しではなくて、あくまで自分の本来の目的を貫くのはいいな。
復活展開をされても興醒めだったし。

8話 ☆7
主人公不意打ちされてて草。原作者も知らないドラゴン。
こいつ怪しすぎて草。イキるなカス。
たしかに普通に考えて王族の元に行けると言うのは悪いことでは無いよな。
まあ自覚が足りん感じはするけど。

9話 ☆9
なんかエロくて草。イーファ大好きマンかなw
こいつ駆けつけたんじゃなくて偶然かよ。俺の魔導書がああああwwww
このクズ殿下さっきのイーファへの行動のせいでイメージ悪いわ。
他国の政治に口出さないスタイルはえらい。
セシリオへの説教は転生前感ある。

10話 ☆8
またこの兄か。ブラフはセーフ。汚いなりにも勝てるんかw
グライ大人になってるな。良い人間か? 情が写りまくりなのはいいこと。
セイカと手を繋いでても怒らないのか。フィオナ可愛いな。
兄貴有能で草。セイカよりよっぽど有能じゃん。裏があるのか。

11話 ☆6
兄も同じこと思ってるぞ。確かにちょっと面白い解答だ。負けるんかいw
まんじゅうこわい? 禅問答長すぎ。こいつ誰?
兄マジでいい奴になってて草。ガバガバ襲撃。
未来見える人説得は無理だろw

12話 ☆6
目立ちたくないんじゃないんか。毒塗られてたらどうするねん。
詠うの面白いからもっとやれ。ウサギ可哀想。
セイカの方が悪役じゃねーか。はよ逃げろ。やっぱ殺しちゃまずかったなw

13話 ☆0
なんで得意げなんだよ。責任は感じてるんだな。けど、妖は見下す。
上に従ってるだけの奴が多いだろうに、一応友好的でもある国の兵士をこんな風にするのは全く好きになれんな。過保護がすぎる。
政治のいざこざで巻き込まれて死んだ過去があるからこそのアミュへの同情は良かったんだが。死んだフリさせるんか?
こいつ何いいことした気になってんの? 何このサイコパスアニメ。

曲評価(好み)
OP「RECONNECTION」☆7
ED「リンク」☆8.5
3話ED「月夜のタクト」☆5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

狡猾に 策を巡らす 怨霊の 掴みし幸は 花霞かな

原作小説『最強陰陽師の異世界転生記〜下僕の妖怪どもに比べてモンスターが弱すぎるんだが〜』はweb版、ラノベ版共に未読。

【物語 3.5点】
シリーズ構成・脚本・待田 堂子氏。
私が好相性を感じている書き手の一人。
伏線の強調の仕方が、しつこ過ぎず、分かりにく過ぎず。
私にとって丁度いい塩梅なのが心地良いです。

終盤、主人公セイカ・ランプローグが(※核心的ネタバレ){netabare} 魔王{/netabare} でしたという件にしても、
道中セイカはチョットやばい奴だぞ?という布石が、
アンテナ張っていれば捉えられる程度に、さりげなく置かれていたので、
唐突感なく受け入れられました。

ラストの(※核心的ネタバレ){netabare} 勢力均衡を保つ人間界と魔界。
魔王を倒す勇者伝説など疎ましい。{/netabare}
この世界の大局提示も上々でした。


世界観・設定によるシナリオ明快化もまずまず。

主人公最強な転生者の陰陽道が、洋風ファンタジー世界にインパクトを与える構図。
和と洋。設定のコントラストで展開が捉えやすかったです。

転生者の主人公は前世で力を持ちすぎた陰陽師として忌避されハメられた反省を元に、
現世では狡猾に立ち回り幸福を掴むことを人生の目標に据えている。
けれど狡猾に掴んだ幸せなど虚しいものではないか?
元の優しいセイカのままでは幸せになれないのだろうか?
葛藤のテーマも明確。

ただ、テーマについては前世、狡猾以前にセイカが、力がなければ幸せになれないと悟ったいきさつ。
そもそも前世で謀殺された詳しい経緯。
過去の掘り下げは持ち越され、やや不完全燃焼。


私は脚本家や和洋折衷な世界観を始め、気になる要素が多数あったので美味しく頂けました。
ですが、お話自体は、量産型の異世界転生物。
結末も、やっと基本的な方向性が示された所で終わる俺たたENDの典型。
オススメ度となると、お暇でしたらどうぞ位の学園系の異世界転生アニメです。


【作画 3.0点】
アニメーション制作・スタジオブラン

凡庸。

洋風モンスターたちの描写。
いくら原作タイトルで弱過ぎると酷評しているとは言え、
この作画では、ちょっと倒しがいがない感じw
特に初回、巨大モンスター出現!と期待したら、
{netabare} ただのドでかいオオサンショウオ?{/netabare} だった件はズッコケそうにw

一方でセイカ配下の妖怪たちなど和風モンスターについては、
襖(ふすま)が開いて召喚される中々の演出で魅せる。


それにしても魔法学校の学生服デザイン。
スカートの丈が短くて実にけしからん(笑)

普通、魔法学校の制服と言えば『ハリポタ』ホグワーツのロングローブや『まほよめ』2期学院のハーフパンツにロングコート辺りが定番でしょう?
あんなミニスカじゃ下位の風魔法演習とかでパンツ見えちゃいますよw
と私はツッコミながらも、ついヒロインズの絶対領域に目がいっちゃうわけですがw


【キャラ 4.0点】
ヒロインズ。
セイカの奴隷だが精霊魔法使える金髪ロングのイーファ。
今世代の勇者でセイカとは冒険仲間意識が強い赤髪ショートのアミュ(八重歯、下ネタ付)。
色々隠し事が多そうなクール系な後輩赤髪ショートのメイベル・クレイン。
あとは予言系の聖皇女とか。

色恋沙汰には興味なさそうな前世陰陽師の少年の周りに、
恋人ポジションからは微妙にズラして美少女を配置する。
鈍感ハーレム人物相関のバリエーション。

ただ、どういう都合なの?との疑問や違和感には、答えを用意しているキャラ設定ではある。
何でイーファは奴隷なのに凄い魔法適正があるのか?
→{netabare} エルフの血筋でした。セイカから離れろ展開。{/netabare}
何でメイベルまで赤髪ショートなのか?アミュと被ってるじゃん。
→{netabare} 地毛は青髪。背負った宿命も背筋が凍る凄惨さ。苦手のお勉強で高飛車を崩される。ただし私は赤髪のメイベルの方が好きです。{/netabare}


もう一匹ヒロインズとも言えそうな狐妖怪ユキ。

前世からの縁で、セイカが転生者であることを知る数少ないキャラ。
現世では狡猾に生きると言うセイカに、目立ち過ぎでは?あの娘に肩入れし過ぎでは?などと進言したりする配下。
要所でセイカの葛藤を整理、言語化することで、主人公を拡張しテーマも深める献身ぶり。


【声優 4.0点】
主人公セイカ役には花守 ゆみりさんを指名オーディションで起用。
この手の転生者の役には、外は少年、中身はおっさん。狡猾に子供を使いラッキースケベをいなす。
といった難解さが付きまといますが花守さんは好演。

大人の中身が滲み出る主人公モノローグも、前世の陰陽師ボイス担当の梅原 裕一郎さんではなく花守さんが全対応。

さらに陰陽道独特の詠唱呪文もこなし、果ては月下で短歌を詠みながら敵を始末し、寒々しい和風ムードを演出する万能ぶり。
私も感心のあまり僭越ながらレビュタイで一首詠んじゃいましたw

花守さんの転生少年ボイス。もっと聞きたいです。


異母兄弟のセイカにつっかかるランプローグ家の次男・グライ役には上村 祐翔さん。
良く吠える噛ませ犬ボイスで主人公無双を引き立てる。
その後も続くグライの人生。価値観の変化もカバーする。
この手の波乱万丈の乗りこなし方はお手の物です。

その他、ヒロインズだけでなく、敵、モンスター、妖怪役にも実力者が配されキャスト陣は安定。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は桶狭間 ありさ氏。
その名の通り古戦場出身で、和風と洋風の往復をカバーする守備範囲の広さが魅力。
今後も共作で参加が決まっているアニメ版『薬屋のひとりごと』など東洋風サウンドに期待したい劇伴作家です。

OP主題歌はangela「RECONNECTION」
デビュー20周年。32ndシングル。確立した音楽観を持つベテランユニット。
エレクトロ成分と和風サウンドを混在させても崩れない安定度で世界観を支える。

ED主題歌はヒロインズ3人による「リンク」
個別キャラ回のソロ歌唱にも対応したバラードソング。
EDアニメのセイカ+ヒロインズのパーティー編成で気ままに冒険する穏やかな日々。
本当の幸せはまだまだ遠そうです……。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

69.3 10 呪いで異世界なアニメランキング10位
異世界美少女受肉おじさんと(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (237)
781人が棚に入れました
「行くぞ神宮寺」 「あぁ、俺たちで魔王を倒す」 「「俺たちが、互いに惚れる前に!!」」 平凡なサラリーマン生活を送っていた幼馴染の橘日向(32)と神宮寺司(32)。 二人はとある合コンの帰り道に、女神を名乗る謎の存在によって異世界に飛ばされてしまう。 そこで神宮寺が目にしたのは、金髪碧眼美少女の姿に変わり果てた親友の姿だった…!? 美少女の姿になった橘を見て、あまりの可愛さに戸惑う神宮寺。 女性の身体になったことで、神宮寺のかっこよさにグッと来てしまう橘。 しかし元は親友同士。この関係を壊さないためにも、一刻も早く魔王を打倒して元の姿に戻らなければならない。 そう、お互いがお互いを好きになる前に――。 これは、おっさんと元おっさん美少女の、絶対に惚れてはいけないラブコメディー

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

この物語はおっさんと元おっさんのラブコメです。

この作品の原作は未読です。
作品のタイトルに動詞が無いことから、一見何をしたいのか分からない、という奇をてらったタイトルは印象的だったと思います。

奇をてらう、と言う意味においては、おっさんと元おっさんのラブコメという時点で既に目的の過半は達成できていると思いますけれど…


「行くぞ神宮寺」
「あぁ、俺たちで魔王を倒す」
「「俺たちが、互いに惚れる前に!!」」

平凡なサラリーマン生活を送っていた幼馴染の橘日向(32)と神宮寺司(32)。
二人はとある合コンの帰り道に、女神を名乗る謎の存在によって異世界に飛ばされてしまう。

そこで神宮寺が目にしたのは、金髪碧眼美少女の姿に変わり果てた親友の姿だった…!?

美少女の姿になった橘を見て、あまりの可愛さに戸惑う神宮寺。
女性の身体になったことで、神宮寺のかっこよさにグッと来てしまう橘。
しかし元は親友同士。この関係を壊さないためにも、一刻も早く魔王を打倒して元の姿に戻らなければならない。

そう、お互いがお互いを好きになる前に――。

これは、おっさんと元おっさん美少女の、絶対に惚れてはいけない異世界ラブコメディー


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

異世界転生モノなんですが、おっさんの方は…まぁいいです^^;
それより、元おっさんが異世界に転生した拍子に起こった出来事がとんでもなくヤバい…
公式HPのINTRODUCTIONにも記載されていますが、元々は目元まで髪の毛を伸ばした平凡なサラリーマンだったのに、いつの間にやら金髪碧眼の美少女に変わり果ててしまったのですから…
しかも、見たもの全てを魅了してしまうという特異体質付きなんです。

「えー、美少女転生、決して悪く無いんじゃ…」
と最初は私も思いましたよ。
ですが、誰かれ構わず無差別に魅了する事態って、ハッキリ言って尋常じゃありませんでした。
リアルでそういう体験をしていないだけに、その効果と影響を測りかねていたようです。

加えて、その超の付くほどの美少女に声をあてているのがM・A・Oさんというのもポイントがメッチャ高い…
M・A・Oさんの声質って、どうしてこんなに良きなんでしょう。
今年、M・A・Oさんは出演する作品の殆どが主要キャラというのも納得です。
これで声優としてだけじゃなく、女優としても活躍しているのですから、凄いとしか言い様がありません。

私は女優としてのM・A・Oさんにはお目にかかったことはありませんが、個人的には声優さんとしてバリバリ頑張って欲しいと思っています。

ですが、これだけの活躍を見ると逆に気になるのがM・A・Oさんの体調面です。
以前、爆発的な人気を誇り…って今も人気ですけど、体調を崩され休業を余儀なくされた声優さんがいらっしゃいましたよね。
種ちゃん…
今年は「うたわれ」のクオンを再び演じてくれるというので楽しみにしていますが、今でもセーブしながら仕事をされていますよね。
どの仕事でも一緒だと思いますが、一度体調を崩したり怪我をしてしまったら誰も挽回してくれないんですよね。
結局最後には自分のところにツケが全部回ってくる…
だから同じ轍は絶対に踏んで欲しくないです。
これはM・A・Oさんに限った話では無いと思っています。

一方、物語の方は設定が斬新なため、中だるみやありきたりと思う部分は殆どありません。
寧ろ、キタエリ、ゆうちゃんや牧野さんの演技を思いきり堪能頂ければと思います。

オープニングテーマは、福山芳樹さんによる「暁のサラリーマン」
エンディングテーマは、Luce Twinkle Wink☆さんによる「“FA“NTASY と!」
オープニングは覚えたらカラオケで歌うと気持ちよさそうな感じです。
まぁ、コロナ禍で全然カラオケにも行けていませんけど^^;

1クール全12話の物語でした。
肩の力を抜いてい視聴できる作品だったと思います。
たまにはこういうユル~い感じの作品を視聴するのも悪くありません。

そう言えば、各話のタイトルが「ファ美肉おじさん」で始まっていましたよね。
何故「ファ」から始まるのか疑問だったんですが、「異世界」と書いて「ファンタジー」と読むからだったんですね^^;
恥ずかしながら最近まで知りませんでした^^;

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

これは・・・、意外としっかり作られている。

いやー、タイトル的にあまり食指の動かない感じの作品だったのですが、観てしまいましたwww。

ところがどっこい、意外と面白い。
ちょっとタイトルで損しているかなー、あくまでも字面上って事ですが。

異世界美少女⇒うん、まぁ、いいでしょう。ベタだけどフツーにあるシチュエーションですし。

受肉・・・⇒「神が人の形をとって現れること。キリスト教では、神の子キリストがイエスという人間性をとって、この地上に生まれたこと。」だそうな。
まぁ「化身」とか「托身」とか、要は「化けた」とか「なった」ってことで・・・。
あんまり、普段使いでは縁のない言葉ですよねー。
それに、どこか字面的に怪しい雰囲気持ってますよねぇ。

で、後に続くのが

おじさん⇒キョーミネェーーーーーー!

訳すと「異世界美少女になったおじさんと・・・」
え~っ!!って感じですよねぇ。


私もそう思っていましたし、序盤は、
「いやー、だってオジサン二人・・・」
「野郎同士だろー」
と、拒絶感ありありだったのです。

ところがですねー、話が進むうちに確かに橘が可愛らしく見えてくるんですよねーwいや、まいった。
ティアラを装備して、耳ついたら、あら不思議、それなりに受け入れていましたとさ。

それに、この作品はコメディーとしてのメリハリ感とスピード感がいい感じなんですよねぇ。
キャラ同士の掛け合い、ツッコミ合いも程よい感じですし、通常サイズとデフォルメキャラへの切り替えも程よい感じ。
キャラクタの濃さ、くどさ、通常キャラと崩壊キャラの変化具合も程よい感じですし。
硬軟のバランスが程よい感じという印象を受けました(個人の見解です)。
いろいろなバランスが程よい感じなんです。

作画もですね、超一級ではないものの、程よい感じ。
荒れたところもほとんどなかったですし、トレス線もほんのりシャープで私好み。
とにかく、程よく安定している印象なんです。

音楽だって、
OP:最初は、出だしからうるせぇなぁ、あふぉか。好みじゃねぇなぁ。だったんですが、フツーにバックの絵と合わせて楽しめるようになりましたし(慣れただけ?)
ED:これが、意外と特徴無いのにバックの絵と合わせて最後まで観ることが多かった。
不思議だー。

って感じでした。

声優さんも、特にネガティブな要素は感じませんでしたし、程よい感じでした。

 ああ、橘(女)の方の声優さん、なんか転スラのリムルっぽい雰囲気を醸し出していたので、割と好きだったのですが、誰かな~と思って調べてみたらM・A・O(市道真央)さんという方だそうな。
 実はあまり意識したことが無い方で(スミマセン)、なんと、プリコネのぺコリーヌの役の方だそうで、ビックリ。
さすがですねー、まったく想像がつきませんでした。
さらに、転スラのシオンも・・・、いやー何回も観た作品なのに、まったくわかんなかったです。
 その他に演じられているキャラクタの作品も観たことはあったのですが、あまり意識していなかったですねー。

とにかく、この橘(女)をいい感じで演じられていました。
観ていて楽しかったです。


キャラクタは、先にも書きましたが、結構ベタなキャラばかりなんです、異世界ものとしては。
ですが、どのキャラも程よく濃くて、くどくていい感じなんですよねぇ。
主要な登場人物はそんなに多くないんですが、なんかキャラが立ってるというか、どいつもこいつも、おっかしいんですよねぇ。
なんなら、敵モンスターもEDでしっかり扱われるくらい、キャラ立ちしてましたしねぇ。
不思議ですよねぇ、私の肌に合ったって事なのかなぁ。



さて、いきなりの総評ですが、
私的には、いい感じで、程よく面白い異世界コメディ作品だったと思います。
もし、私のようにタイトルで視聴候補から外しておられる方がいらっしゃいましたら、最初の数話観てみて欲しいです。
また「野郎同士かよ」「おじさんかよ」と思われる方も、観てみて欲しいなぁ。
もしかしたら、私のように「肌が合う」かもしれませんよw。
(きもい表現だのぅw)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

異色な転生モノ

おっさんと、元おっさんTS猫耳少女の異世界コメディ
{netabare}
設定見たときは、これきつい奴だと思ったけど、見てみると別にきつい要素はなくいいコメディ枠だった。
エロ展開とか露骨なものがあまりないから、作者の性癖を見せられてる感とかはないし、しっかりとしたギャグアニメとして成立していた印象。
橘に惚れないように気を付けるとか、設定からしてばかげていて面白かったし、話の流れも謎のイカが出てきたり変なキャラが次々と出てきたり、いろいろとぶっ飛んでいて良かった。
一番好きだったキャラははキリ...シュバルツ
ああいう中二病キャラはいるだけで面白い。この作品の雰囲気にも絶妙にはまってて、実はポンコツというのもいい作りだった。

一個残念だったのは最終回付近。
よくある、ギャグアニメとか日常アニメの最終回でシリアスをやって微妙になるパターン。
シリアスでも面白ければいいんだけど、面白くなかった。
橘が少し自己中すぎたし、展開のためにキャラが動かされてる感がかなりあった。
シリアス以外は良かっただけに残念。

OPのミスマッチ具合好き。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
クソなろうアニメ3本目。OP発注ミスだろw
ロボアニメ始まりそう。キリトおるやん。この設定一部の人には受けそう。
はい転生転生。駄目女神駄目女神。これ以外と面白いな。
エクトプラズム これ結局ホモではw
これが今期のなろうで一番マシだとは思わんかったw 

2話 ☆7
発注ミスOP 真っ赤な誓いいいいい
このアニメの優しい空気感は佐々木と宮野に通ずるものがある。
だんだんと浸食されてるやんけw 

3話 ☆7
怒られてるとこ見るの嫌なの分かる。殺意高すぎやろ...
マジで草 人間の肉か?w エロ漫画にいそうな触手w
次回キリト回か。

4話 ☆7
黒の剣士ってw 露骨すぎんだろw コロナ対策
長すぎるからキリトでいいだろ。鬼滅の刃で見た。
カズマさん感あるキリト 

5話 ☆7
オードリー。キリトにしろ。
この黒髪の女騎士くっそかわいいから脱がせろ。
やったぜ。エロ拷問かなw 
これで勝ったと思うなよー なろう特有のステータス 卓球部は陰キャ。

6話 ☆8
魅了の力じゃないのか 実質アクア 焼きイカあるのか。
ダクネスじゃねーか。マジでイカにつかまってんじゃんw
今回一番面白かったわ。

7話 ☆8
草、言いたいことはわかる。これがスローループですか。
あるある演出 割と狂気アニメだなw イカイカうるせえ 

8話 ☆7
ヴィ―ガンにやさしい。媚薬 さてはホモだな?
男と聞いて反応すんな。やっぱりホモじゃないか...(困惑)
上に被るんでしょ 

9話 ☆8
謎曲 吸血鬼すぐ死ぬみたいなノリだな
そうはならんやろ。何で反乱に手を貸すw ガチ反乱かよ

10話 ☆8
いるんだよなぁ。それもアイカツだね。
縛りえっろ。キリト再登場w また俺なんかやっちゃいました?
親かよw 性剣? キリト出るとやっぱ面白いなw

11話 ☆5
キリトつよいなw 謎シリアスいらないな。
ほんとに謎な理由で対立するじゃん。

12話 ☆4
シリアスほんといらないな。割とガチな音の嘔吐やめろw
褒める場面長い。ヒナタ正直許されるのは謎でしょ。
別れる意味ある? 

曲評価(好み)
OP「暁のサラリーマン」☆7.5
ED「"FA"NTASYと!!」☆8
{/netabare}
{netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

64.0 11 呪いで異世界なアニメランキング11位
俺だけ入れる隠しダンジョン(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (338)
1170人が棚に入れました
稀少な魔物やアイテムが⼤量に隠されている伝説の場所――隠しダンジョン。就職⼝を失った貧乏貴族の三男・ノルは、幸運にもその隠しダンジョンの⼊り⼝を開いた。そこでノルは、スキルの創作・付与・編集が⾏えるスキルを得る。さらに、そのスキルを使うためには、「美味しい⾷事をとる」「魅⼒的な異性との性的⾏為」などでポイントを溜めることが必要で……︖

声優・キャラクター
逢坂良太、富田美憂、大久保瑠美、堀江由衣、鬼頭明里、長野佑紀
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

心が貧しくなる

4話までの感想{netabare}
今期アレななろう系アニメがこれともう一本あって両方共1話切りしたのだけど、さすがにどっちか片方は見といた方が良いかな?となにを血迷ったのかこっちを4話まで視聴。
ということで原作未読、前情報一切ナシ。

一度1話で切った理由は…他の方も指摘されてるけど「大賢者のスキルで頭痛治す方法探らないの?」という疑問や、主人公の親父へ対する不遜な態度。
あと冒頭の隠しダンジョンの説明で「到達不可能」と言って天空都市が映るんだけど、雲で隠されてるでもなく丸見え状態で、それって「隠し」?
そういうのは「多くの冒険者が目指す場所」で隠しダンジョンと言うのとは…う~ん?
そしてなんといっても師匠に会って獲得したスキルの使い方が宝の持ち腐れ状態、大賢者にしてもそうだけど。
「宝クジで3億当たったらどうする?」に「うまい棒を腹一杯食う」しか思いつかない様な、ミジメというか夢が無いというか、発想の貧困さが見てるこっちの心を貧しくする。
要は得た力に対してシミったれてる。
だったら最初はめっちゃ弱くて使い道無さそうなスキルにして、そこから「そんな使い方があったのか!」と拡張する方向にできんもんかねぇと一瞬思ったが、そんな知恵無いかー、そっかー。
それでも目一杯好意的解釈をすれば、現代からの転生でないだけマシなのかも?
もし転生してこれだけノータリンだったら元居た世界の義務教育を疑う所だったかと。

そして2話。
冒険者になるための英雄学校への入学金のために冒険者の仕事をする、については高卒と大卒みたいなもんか?と思ってそこは違和感は無かった。
大卒で新聞記者になるためにバイトで使いっ走りをする、みたいな?
むしろ見続けてみると、冒険者ギルドの連中はゴロつき(平民出)ばっかりで、英雄学校は貴族が行く所ときちんと描き分けがされてる…と思う。
単にギルド連中に煌びやかな衣装をデザインするのが面倒なだけだった気がしないでもないけど。
そうは言っても2個目のクエスト、ビッグラビットの討伐が結構な命懸けで、ローラは男爵家のエマを殺そうとしたのか?と穿ってしまう展開。
後で「依頼人から聞いてたのよりも巨大だった」とかのフォローがあっても良かったんじゃね?

そんなことよりなにより…オリビアは隠しダンジョンで罠にはまって今も生きているということを隠しとかなきゃいけない理由って…提示されてたっけ?
オリビアから私のことはナイショにしてと言われてもないし、「隠しダンジョン」ってのも勝手にそう呼んでるだけで、世間に公表すると消滅するとかいう設定もこれといって語られてない。
「隠しダンジョンって名前だから隠さなきゃいけないんだよ」と言われても困るぞ?
扉を開ける合言葉「俺だけ入れる隠しダンジョン、こっそり鍛えて世界最強」だってあくまで合言葉、事実を言ってる訳ではないのでメタ的にはアジャラカモクレンでも急急如律令でも構わない。
呼び方で事実が決定される訳ではない、そういう言霊のようなものがある世界って訳でもないみたいだし因果がアベコベ。
というかオリビアが入ってる時点で「俺だけ入れる~」じゃないじゃん。
これまた目一杯好意的解釈で「ノルは腹黒キャラで他者より優位性を保つため秘密にしてる」と考えようにも、2話最後ギルド連中(平民)と和気藹々と食事をしてイイ話ダナーみたいな流れになってて、違うみたい。
スタッフが意図的にゲスを描くならまだしも、無自覚なゲスって結構キツいぞ。

3話、ギルドではスキルをホイホイバラしたのに学校では明かしてない?というか尋ねられてない??
そして序盤散々貴族の階級差を見せ付けといて剣術の先生が傭兵出。
生徒達はみんな貴族なワケで、お色気を振り撒いても玉の輿狙いとしか思われないんじゃ…。
でもって公爵家のマリアによる準男爵家アゲ。
ん?ノルの家が準男爵になったのってどの時期?親父の代?
ま、まさか、それより前で親父がその名誉を損なう行為をしてノルは軽蔑してるっていう、1話での不遜な態度の理由が明かされる展開が…まさか、まさか、あるのか!?
単にマリアが身分で差別しないイイ娘ちゃんなのを描きたかっただけだと思うけど…期待はしないけどもしあったら褒める準備はしとこう。

と、ここまで色々ツッコミ入れつつ見てきたけど4話、さすがに疲れたかも?w
見る作品間違えたかなぁ?回復ナントカを見るべき?
一応書くとラッキースケベのスキル、アクティブとパッシブの違いくらい前もって設定しとけ…って、転生者じゃないからギリ許容範囲か。
呪いや解呪がどうこうの前に人のステータスをホイホイ覗き見て咎められないのか、それでいてルナはローラにペナルティのことを隠してたって?
よく分からん。
弱気癖もよく分からん、実際に寿命縮めるんだからビビるのは普通では?それを笑いのネタにするのは…だったら異性と一線を越えられない主人公の方がよっぽど弱気癖な気が。
というかそれってスキル?性格じゃなくて?つまり書き換えられるってこと?うわ怖っ。
ハーレム自慢大会に出場で次回へ続く~で、どういう競技なのかも分からん(勝利条件とか)のでそれが明かされる次回までは見る。
そっから先は…う~ん…。

と、以上が内容(話)についてで、作画については──。
アニメスタッフはオリビアが微動だにしないことに「作業が少なくて助かる」と「動きが無くてツマラン」、どっちに思ってるんだろう?
なんか前者…なるべく手間をかけたくない、みたいな消極的さを感じる、この作品に限った話じゃないけど。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
5話、ルールが全く想像できなかったハーレム自慢大会、いざ本編始まって説明されたが…意味が分からない。
大会の意図が分からない、主催者は何がしたかったのか分からない。
フェミがどうこうに関しては触れたくないのでそこは無視するにしても、結局頑張ったのはエマ、ルナ、ローラで、ノルは何もしてない(※)。

そしてマリアが呪いに苛まれてるのは公にされてるの?秘密にしてるの?
周囲の態度からして後者っぽい(学校で呪いが原因で倒れたら先生が慌てたし)んだけど、そうであるならステータス覗き見したノルが咎められない、それどころか賞賛されるのが気持ち悪い。
公爵家の秘密を知ったとして命を狙われてもいいくらいだと思うのだが…。
そもそも…逆じゃね?
「英雄学校で男爵家だからといって差別しなかったから助けようとした」とのことだが、むしろ差別バリバリされて「アイツ気に入らねー」と思ってる中、それでも呪いのことを知ったら助けないワケには行かなかった、の方がドラマになりそうな?
そっちの方がノルが一肌脱いだ感出るし(※)、マリアが改心してデレるってことで、なぜ惚れたかの説得力も高かったのでは。
「差別して気に入らないアイツを助けるかどうか」と葛藤したり、周囲のヒロインから「なんであんなヤツ助けるの」とプレッシャーかけられたりするシーンを入れたくなかったのかな…ストレスに弱いから。
ラッキースケベの元祖かどうかは知らんが代表作の“トラブル”だって、自分を殺しに来たヤミを身をもって庇ったから云々って話だったろうに…。


本編では「人を助けるのって気持ちいい~」と言ってたが、お前何も苦労してないじゃんってどうしても思ってしまう。
実際に苦労したエマ、ローラ、ルナが報われたかどうかには無関心。


鈍感系主人公というのが一時期叩かれてたけど、これはそれのアップグレード版に思える。
周囲に気を配らない、無関心、無神経。
主人公だけがそうってことではなく作中のキャラクターがみんなそう、意思が無い、案山子か衝立のよう。
“異世界チート魔術師”のドラゴンブレスで死んだ娘やいつの間にか居なくなった双子と同じ、作者やスタッフがそのキャラになったつもりで書いてない、感情移入してない。
新人監督&ベテラン声優の現場だと、そういう時結構声優側からツッコミが入る「ことがある」らしいが(そりゃそうだわな、感情移入できなきゃ演技もし辛かろう)、この作品ではどうだったんだろう。


──と、以上で「5話で断念」として総評めいたものまで書いてたのだけど、6話が比較的マトモになったと聞いてついつい視聴しちゃいました。
ってことでの6話なんだけど…ああ、面白くもなければ不快でもない、ただただつまらないだけでした、味の無いガム。
いや不快な部分はあったか、手コキシーン、そんなことより他にやることあるだろ?と。
マリアの呪いの件はあれで終わり?呪いをかけた呪い師の残党が居るとか師匠に罠かけたのも同じだとか、そういった展開はナシ?
細かいこと言えばゾンビってそんなん?同期放送の“キングスレイド”を見てるせい(あっちではアンデッドになったら戻せない)ってワケではないだろう、もっとこう別の状態異常は無かったのかな。
原作5話までの段階で「主人公に共感能力無いっすね」とでも言われたのか、慌ててそういうエピを入れた感、感情無いクセに何が「わかるわ~」だか。
まぁ虎丸って名前は“異世界スマホ”の琥珀よりはほんのちょ~~~~~~っとだけマシか。

一応次回も見るか…こんな感じで最後までズルズルと見ちゃうのかなぁ?{/netabare}

8話までの感想{netabare}
あはは、何を言ってるのか分からないw
先に8話、ドリアードのドリちゃんの本体は木で、人間と交渉するため、また「こういう姿にすれば同情を引ける」と交渉を有利に進める為に幼女の姿を形成したんだよね?
(最初は立体映像かな?と思ったが接触してたので実体はある模様)
もしくは人によって別の姿に見える系かも?
で、そんな相手に「幼馴染の昔の姿にソックリなんだ、放っておけない」と言い出して助けようとするのはまんまと術中に嵌ってしまったとしか見えず、実はドリアードの方が悪者なんじゃないか?とさえ疑ってしまった。
要は「主人公イイ奴ダナー」や「イイ話ダナー」という感情が一切湧かない、そこに執拗なキスシーン見せられても全然嬉しくない。
以前の感想で書いた「マリアの性格逆にして、最初はイケ好かないヤツにした方が良かったのでは?」と同じく、こっちも逆にして、最初ドリアードは見た目化け物で、助けたら美少女の姿になったってした方がマシだったんじゃないかなー?
これもこれでしょっぼいけど、本編よりはマシな気が…。
ってか人間描写がうっすい、薄っぺらい、深みがない、怒ったり喜んだりする感情表現は作り手の都合によって操作されてるだけで自我が無い。

そしてギルドの受付嬢対決、もう意味が分からん。
7話の段階で意味不明で8話で明かされるのかな?と思ったがそんなことは無かった。
これは…個人的には気にしてなかった部分(※)だったのに、気にならざるを得ない状況に作り手側が墓穴掘ってるような?
余計なこと言わなきゃなんとなくで流せてたのに、変に言い訳して逆にボロが出る感じ…見ててちょっとツラい。



自分は気にならなかった箇所を、他の人が「違和感ある」「ここがおかしい」と指摘することで、「そこは私は気にならなかったなぁ→何でだろうなぁ→ああ無意識のうちにこう解釈してたんだ」と感想が浮かぶ。
あくまで他人のツッコミを受けて気がつく程度で自発的に言い出すこともできないし、特段面白い箇所ということでもない。
ってことで、閉鎖的なアニコレで言うのはあんまり良くなさそうだけど、以下はそうやって他人の感想を受けて引き出された感想になります。
まぁキッカケとなった感想はようつべだし大丈夫かなー?

まずローラがノルに惚れた件、理由が無さ過ぎて理解できないって声があったのだけどそこは自分は気にならなかった。
超有望なスキルを持ってることを知って、コイツと親しくしとけば…あわよくば結婚できりゃ将来安泰ということでデレてるんでしょう。
ノル本人の人格は無視でスキル(≒年収)に惚れてるだけで、もしノル以上に強力なスキルを持つ男が現れたらキモオタハゲデブであってもそっちに乗り換えるんでしょう(作者が出さないので安心)。
果たしてそれが視聴者に好感持たれるキャラかどうかは疑問だけど、そういう人も居るよねー、と。

英雄学校行っておきながらギルドで活動、これも突っ込まれてたけど個人的には2話の感想で書いた通り。
もう少し違う言い方すれば、英雄学校卒しか受けることのできない上位のクエストがあるんじゃねーの?と思えば、まぁそこまで変じゃないかなと。
また高い入学金を設定して上流階級しか入学できないようにしてることから、既得権益というか…例えばギルド新設しようとしたら英雄学校卒じゃないと認可が下りないとか、そういう仕組みなんじゃねーの?と。
そもそもギルドがどんな運用形態なのか不明で、そこら辺のヒントを7・8話で見せてくれるかな?と思ったが全然でした。

それとLPの回復量・消費量の基準の適当さと主人公のいいかげんな態度、実はこれも私はあんまり気になってなかったり。
というより今後次第?
というのも欲求を満たすとパワーチャージって…その時々で違わない?
貧乏人にとっての10万円と富豪にとっての10万円では重みが違うでしょう、食事やエロだってそう。
で、「エロいことしてエネルギーチャージ」をネタにしたものとしては“ダイミダラー”が一歩突っ込んだエピソードをやってて、それが頭をよぎる。
{netabare}「ずっと乳揉みやってたら飽きちゃってパワーが溜まらなくなってしまった!」って内容で、オチはオナ禁で解決というもの。{/netabare}
そんな感じで、LPの回復量もその瞬間の体調や精神状態で上下するんじゃねーの?と。
そして回復量が不安定であるせいで、消費する際もそれが高いのか安いのか判断できないんだろう、と。

けど、だ。
もしそうであるなら、大金を手に入れてLP回復した後でそれがニセモノだったと知ったらLPは減少する?
8話のドリちゃん(幼女)でLP回復して、その後ドリちゃんは実はバケモノでしたーってなったらLPは減少する?
そこら辺を無意識のうちに気にしてたので、ドリちゃんの正体明かす順番逆にした方が良かったのでは?という発想が浮かんだのかも。
また、LP=幸福度と仮定すると、大量に消費すると得体の知れない不安感が襲ってきたりして?ハーレム要員に囲まれてるのに激しい孤独感に見舞われたりして?
そこまで行ったら躁鬱だかパニック障害の類になるけど、作中で語られる代償が代償になってないのでそれくらいやっても良いんじゃねーかなー、と。

とりあえず「その時の体調や精神状態でLPの回復量は変動する」の説明をしっかりやってくれたら有難いんだけど…無いのかね?
ってかそうでないと8話Cの妹に踏まれるネタが意味不明じゃない?
コレって「普段のイチャつきでは回復量が落ちてきたので新境地を開拓しなければならなくなった」という前提があればこそ成り立つネタでしょ。
ハッキリ明確に、常により強い刺激を受けないとLPは回復できないって設定にしたらちょっとは面白い展開になりそうなんだけどなぁ…。
そして最後は、主人公は全てが満たされ何をやっても無感動・無感心になってしまい、LPの回復もできなくなってひたすら退屈に苦しみながら死へと向かう、な~~~んてオチが来たら神アニメ認定しても良いんだけどなぁ。
「なろう」でよくあるらしい“エタる”現象を間近で見てる作家達はどう思ってるのか聞いてみたい気もあるし。{/netabare}

9話感想{netabare}
あーあ言わんこっちゃない。
折角それまで気にならずにいたのに余計な描写入れたせいで違和感が生まれてしまうアレ、前回の感想で指摘したそばからこれかw

オーディン(ギルド名)に所属してるから他のギルド所属の冒険者とはライバル?はて??
ノルはてっきりバイト的ポジションで守らなきゃいけない職務規定みたいなものは無く、そん時の気分でホイホイ仕事先(ギルド)を換えられるんだと思ってた。
オーディンで仕事してるのはあくまでローラの顔を立ててるだけで、実際その気になれば担当受付を換えられるのはこの前見せたばかりだし、ギルド自体もその程度の扱いじゃないの?と。
そうでないと英雄学校との兼ね合いがおかしくなるし(例えばギルドで遠征に行くことになって学校通えなくなったらどうするの?とか)、そもそも──

この作品の根幹である隠しダンジョンでの成果物をギルド通してないじゃん

隠しダンジョンの存在すら報告してないんだぞ?国にも。
これが背信行為にならない設定をこっちは想定してるワケで、それに比べりゃ別ギルドの垣根を越えてトモダチーとかやられても「何を言ってるんだ」状態。
ギルドに義理立てするようなこと何一つしてないじゃないか。
更に、事件を解決して称賛されるオチはもう、なんかもう…殺人犯が、被害者の遺品を落し物として警察に届けたら表彰されて喜んでるみたいな気持ちの悪さ。
オレTUEE系・チート系って得てしてそういう匂いを醸し出してるモンだけどこの作品は顕著。
個人的に勝手に対になってる作品(対極という意味ではない)と目してる“回復術師~”の様に気持ち悪さを見せる目的の作品ならまだしも、この作品はそうじゃないでしょ、多分。
気持ち悪いのを見せ付けて「これは美談だ」「感動しろ」と迫られても…ねぇ?

せめて、せめて以前から(ずっと前の回から)他ギルドと競ってる──依頼が被ってて先に達成した方に報酬が払われるとか、それこそ「隠しダンジョン」を先に発見したギルドに探索の権利が与えられるとか──描写でもありゃあ良かったのだが。
というかそうい描写があった体で話を作ってる。
もっと言えば他の作品の印象だけを引っ張って来て、設定は引っ張って来れてない。
どうせ「ギルドとはなんぞ?」というのを真面目に考えずに“ダンまち”のファミリアの設定とかを漠然と頭に浮かべてそのまんま書いちゃったんでしょ。
これを業界では上っ面をなぞっただけと言います。
前回のドリちゃんの扱いといい(もし蜂や狼が美少女に変身できる能力持ってたらどうしたのっと)キャラが上っ面しか見ないクズ揃いで、設定も同様というのは…ある意味統一が取れてるのか?
原作者はどうか知らんけどアニメスタッフがバカ揃いとは思いたくない(“シャチバト”から目を逸らしつつ)ので、意図的に徹底してるのかなぁ?
キャラを人ではなくただの駒としか思ってない辺りはよく描けてると思います。


それはそうとこの回の作画、アクションシーンが酷かった。
動きに溜めが無いっつーか、アクション映画のメイキングの殺陣の打ち合わせシーンみたいな…体に力が入ってなくて動きをなぞっただけの様だった。
“エクスアーム”はコンテ撮だからいいとして(良くない)、こっちは完成品って体なんだよね?{/netabare}

10話感想{netabare}
温泉回。
序盤女子生徒達の「覗きなんてノルが阻止してくれるよね」「ねー」は、信頼してるのではなく御し易いザコとして圧をかけてたんじゃないかな?
なんでそう思ったのかは後述。
これを「女子から全幅の信頼を寄せられてる」と解釈したらこの作品見るのホント辛いと思う。
そして、それと対比するように今度は男子達から覗きに誘われ、それを断ったら裏切り者だと追い掛け回されるという展開。
いや待てって。
こういう同調圧力嫌い、ホント嫌い、覗きの是非なんかどうでもいいと思えるくらい嫌い。
「あーお前参加しないのね、んじゃ部屋に残ってろ、女子にはナイショな」で、そこで更にノルが「いいや言いつける」と返したら総括されたってことならまだしも、ただ参加しないだけで裏切り者って…。
しかもその後、男子生徒は先生に見つかってしまったのにも係わらずクラスの女子の裸に対する情熱を語り出して…なんなの?それをノルにも理解して欲しかったの?
その熱弁の中に女子側の意思が全く考慮されてないのがまた気持ち悪い。
先生に見つかった時点で例え女子の裸を見ることに成功したところで“覗き”は失敗だろうに…女子にバレてはいけないってのが条件じゃないのか。
もしバレても構わないという気構えであるなら当事者の意思(その後自分がどういう扱いをされるか)も考慮すべきだと思うのだが、一体何を考えてるのかサッパリ分からない。
女子の方には公爵令嬢が居るんだぞ?これまで貴族の階級格差を語ってたのは何なんだよと。

まぁこの作品いつもこうなんですけどね、なにかキャラが意見を言う時はそれ以外の人間の意思は無い扱いで話が進む。
作者は一度に複数の感情を処理することができないみたい。

で、結局この回はクラスの女子と男子から同時に同調圧力をかけられ、女子の方を選んだだけの話だったような?
主人公に実直さや誠実さなんてものは無く、単に日和見しただけでいつもの様に中身は空洞のままとしか感じなかった。
とはいえ、これはアニメスタッフも分かってて意図的にやってるんじゃないかな?と思うフシも。
これまでノルは鑑定眼で散々人のプライバシーを覗き見してて、そして今回の前半、ピクシーの性質を見抜くエピソードをやることで「鑑定眼で覗き見られたら嫌がるヤツも居る」という印象を視聴者に強く植えつけました。
ここまで前準備をした上で、女風呂覗きに対し「ズルして覗くなんて罰当たりですよ」と言わせたのは…ワザとじゃない?
そうでなきゃピクシーの一件を入れた意味が分からない。
制作側から「さぁみんなで『お前が言うな』とツッコミ入れましょう」って意図が込められてたんじゃないかなー?
もっと言えば「俺だけ入れる隠しダンジョン、こっそり鍛えて世界最強」、これってズルじゃないのかい?とか。


こういった主人公ヨイショ系…ヨイショって言葉使ってる時点で意味が重複するけど「主人公は周囲の連中に担がれてるだけなのでは?」って感情が芽生える。
この作品は特にヒロインズが空虚で、主人公スゴイスゴイと口では言うけど、その実主人公に対して感情・関心を向けることは無い。
鑑定眼されて怒ったり恥ずかしがったりもしなければ、例えば9話冒頭「風の餞別」(多分凄い高価)をプレゼントされて「ダンジョンで拾った」と説明されただけで「どこのダンジョン?」「どうやって手に入れたの?」とそれ以上追求しようとはしない。
注意されたり勘ぐられたり、そういうのってストレスに感じるのかも知れないが、それを排除しちゃったら「主人公に興味が無いっぽい」「お仕事で愛想を振り撒いてるだけのキャバ嬢みたい」にしかならないって。
そして思うのは──

本命の男は他に居て、ノルは都合のいい金ヅルとしてテキトーに煽ててるだけ

という疑惑。
8話のドリちゃんなんて正にソレだったしローラは最初からそう解釈してたけど、他のキャラもみんなそうみたい。
で、今回の感想の冒頭に戻るんだけど「覗きなんてノルが阻止してくれるよね」って発言も、そう言っとけば都合良く動いてくれるという打算で圧をかけただけなんじゃないかなー、と『その部分に関しては』素直に受け入れることが出来たり。
さすがに最後のご褒美シーンは気持ち悪かったけど、これも…人じゃなくてモノ扱いされてるだけと思えばまぁ…。
誰も本気でノルのことは愛してなくて、それでLPが回復する(=自覚してない)なんて惨めで哀れでいたたまれなくて涙を誘うが、どこまで意図的なんだろう…スタッフ分かってやってると思うんだけどねぇ。
ここまで来たら最終回は「隠しダンジョンでズルをしてたのは知ってたけど黙ってた、そっちのが煽て易いから」「いい人だけど、お付き合いするのはちょっと…」って神展開を期待してしまうが、無いよなぁ、さすがに原作付きじゃあ…。{/netabare}

11話感想{netabare}
なかなかに興味深いなぁ。
前回の、ピクシーに鑑定眼を使う(=覗き見する)エピソードをわざわざやっておいて同じ回の後半に「覗きは良くない(キリッ」と言わせたのと同様、作品への皮肉めいたものが見えたり見えなかったり。
ノルが師匠に助ける決意を伝えたら「好きな女の子の情報散々集めといて、結局告白できずに他の男に取られて泣きじゃくるタイプだよねー」と言われたり、隠しダンジョンの扉を開ける合言葉「オレだけ入れる隠しダンジョン、こっそり鍛えて世界最強」を聞いて「その合言葉、ノルの人生を宣言してるみたいだね」と言われて「一人称がボクだったら完璧かもね」とマンザラでもないご様子だったり。
いやいや、それ褒め言葉じゃない、褒め言葉じゃないってw
キャラのキの字っぷりがよく描けてる、特に主人公の。
これは原作からそうなの?アニメオリジナル?
と褒める(褒めてるのか?)トコロは以上で以下ツッコミ。


スライム料理、産地偽装どころか材料不明の食品を商品として出すとか正気か?
ってかこの世界ではスライムがどういう存在なのか分からないのでピンと来ない。
「材料は何なのか隠さなきゃいけない」ことから逆算して考えることはできるけど…黙ってヴィーガンに肉食わせたりイスラム教徒に豚肉食わせたようなモン?
もしくは地溝油?
主人公が常識ナシなせいで「いくら隠さなきゃいけないモノといっても常識の範囲内だろう」と好意的解釈するのが難しい。
「黄金スライム食べてみたら美味しかった」って、犬のフンをかりんとうと言って喜んで食ってそうじゃん?
いやホント、これまでに常識のあるキャラって描かれ方をしてたらこんなの突っ込み入れずに笑って流せたんだけどねぇ。

で、この作品と私の感性が決定的に合わない部分…2話の感想でも書いたけど、隠しダンジョンを隠さないといけない理由ってあったっけ?
これが解消されない限り「主人公は人間のクズである」って前提のままだし、作中良い人みたいな扱われ方をされる度に気持ち悪さが増す。
そして「きっと明かせない重要な理由があるんだろう」と思ったら…エマにアッサリ明かしおった!
しかも何?その理由が危険な目に遭わせたくなかっただって?
おいおいエマは2話でビッグラビットに殺されかけたじゃん、入学金稼ぎのギルドのバイトに付き合ったせいで…とっくに危険に晒しといて何を仰る?
しかもその2話では6年前に「死ぬまで一心同体だ」の約束の確認をしてるワケで、隠しダンジョンを隠してたのはそれに背くことだとしてエマは…怒らんのかい!
これじゃあノルのことなんて心底どうでもいいと思ってるとしか映らんぞ?
…。
2話の出来事なんて覚えてないか、5分前も覚えてないみたいだし。
6年前?6秒前の間違いだろ。

更に恐れてたことに、「なんで隠しダンジョンをこれといった理由無しに隠しておいちゃいけないの?」→「これこれこいういうことが起きたら責任取れないでしょ?」の実例が発生。
合言葉で入り口が開くってことは合言葉で封印してるとも考えられるワケで、『内部に居る強力なモンスターが解き放たれたらどうするの?』。
分かってるのかな?見た目オリヴィアとはいえこれモンスターでしょ、町にまで来ちゃったけどどうしてくれるん?
鬼太郎とかでよくあるじゃん?ガキが悪戯でお札剥がして封印されてた妖怪が暴れてさぁ大変ってヤツ、あれと被る。
予めダンジョンの場所明かして冒険者なり軍に見張らせておけばこんなことにはならなかったかも知れない。
ノル以外ではとても手に負える相手じゃないので明かす意味が無かったとでも?
どうせ大した被害は出ずに解決して、ひょっとしたら称賛されるオチで終わるんだろうけど、そうじゃないだろ、未来予知者じゃないんだから。
先の展開を知ってる作者に動かされてる感バリバリ、だから中身の無い空っぽなんだって。
未来なんか分かりっこない人間の「備え」が無い、いつでも最善手と取らなければいけないとは言わないけど最善策を目指そうという素振りが無い、それでいて最善の結果になるんだから気持ち悪い。
いっつも思いつきで行動する、オリヴィアを救いたいんだもそうだし。

いやでも、それでも、次回、鬼太郎に説教されるような展開があるかも知れない。
もしそれが来たら多少は見直す…かな?
ゴブリン?と毒クッキーのエピは何が面白いのか分からなかった。
渡辺直美はタイミングが悪かったとしか言い様が無い、スタッフが一番肝冷やしてるんじゃないか?{/netabare}

12話感想{netabare}
そもそもはロクな備え無しに「師匠を助けるんだあ」で偽師匠を解き放ったのが悪い。
いつものことだけど主人公の無策のせいで余計なピンチになってるだけで、それで場が盛り上がるかと言われたらう~ん…だし、無策を反省するどころか「結果的には前よりも良い状態」になって終わるモンだからご都合主義感が酷い。
ローラの勤めるオーディン(ギルド名)はかつて伝説の冒険者オリヴィアが所属してたことを誇っていなかったっけ?
偽師匠との対決時は「伝え聞いてるだけ」でオリヴィアだと気付かなかったんだと解釈できるけど、その後本物との感動のご対面…はしないのか!?
「オリヴィアは実は生きてる」と伝えたらローラは喜ぶだろうとは一切考えなかったワケか…総評の方にも書くけど「隠しダンジョン」を隠しておかないといけない理由が無い時点でそれを思いつかないのってどうなんだ。
やっぱその…何も考えない=他人への気遣いも考えない=クズ、だよ。
クズなのに良い人扱いなのがもう、う~んう~ん…。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
この作品の一番致命的なポイント、そして作品全体のダメポイントの象徴だと思ってる点──

・「隠しダンジョン」を隠しておかないといけない理由が、無い

意味も無く主人公が隠してるせい(実際は隠してるとも思ってない、それすらも考えてない)で問題が発生・被害が拡大する展開ばかりで、しかもそれを解決することで「結果的には前より良い状態」になる。
人ん家に火をつけて消火したら家人から大絶賛される、みたいな。
殺人犯が、被害者の遺品を落し物として警察に届けたら表彰されて喜んでる、みたいな。
作品そのものが想像力貧困な自作自演。
これで主人公がゲスキャラとして描かれてるならまだ良いのだけど、イイ人として描かれるもんだから気持ち悪さが果てしない。
ダメ親父をディスらせることで常識人ぶらせといて実は主人公が一番キの字という地獄の世界。
それでも「隠さないといけない重大な理由があるのだろう」と必死に好意的解釈をしてたが、それも11話であえなく否定、何も考えてないことが明らかに。

作品全体の象徴と表した様に、ホントに何も考えてない。
それぞれのエピソードが繋がってないというのも結構辛かった。
司書の内定を奪った貴族とオリヴィアに罠はめたのと聖女に呪いかけたのと虎丸の相棒をアンデッドにしたのと奇行種の黄金蜂生んだのと怪盗とクラス男子にドーピング材を与えたの…その他モロモロ、どれかは共通の黒幕とか用意しない?
そもそもこのタイトルだったら隠しダンジョンの存在を秘密にし続けるためにアリバイ作りに奔走するとか、疑いを持ったヤツをコロコロするとかじゃないのかい!
「オレだけ入れる隠しダンジョン、こっそり鍛えて世界最強」を悪いことだと思ってない、いや思ってるかもだけどほんのちょっぴりアクドイかな?程度で悪びれることも無い、後ろめたいとも思わない。
5分前の出来事は覚えてないし5分後の出来事を想像できない。
倫理観のおかしいキャラを描いてるのではなく素で倫理観が欠如していて、バイトテロをする人の脳内ってこうなってるのかな?ってのが味わえます。
そういう意味では貴重なのか?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

こっそり鍛えて、世界最強。

この作品の原作は未読ですが、とみたん、ほっちゃん、あかりんらが出演されると知り視聴を決めました。


稀少なアイテムが隠され、世にも珍しい魔物がはびこる、
前人未踏にして到達不可能なダンジョン――「隠しダンジョン」。

幸運にもその扉を開いたのは、貧乏貴族の三男ノル・スタルジアだった。
迷宮内に囚われた伝説の冒険者オリヴィア・サーヴァントに出会い、
ノルは強力な三つのスキルを授かる。

スキルを自由に作れる【創作】
スキルを与えられる【付与】
スキルを改変できる【編集】

ただし、使用するには「LP」と呼ばれる生命力を使用しなければならなかった。
〈性欲〉〈食欲〉〈物欲〉を満たしてLPを高め、「世界最強」のスキルを使いこなせ!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

〈性欲〉〈食欲〉〈物欲〉を満たして…とINTRODUCTIONには記載されていましたが、
ノルを見たしていたのは〈性欲〉だけだったのでは…!?
と思えるほど、ハーレム色の強い作品です。

ハーレム色が強く、wikiのジャンルも「ハーレムもの」と記載されていますが、微塵もドロドロした部分が無いため、ハーレムに対する抵抗感は殆ど感じませんでした。

しかも視聴を始めて知ったのが豪華声優陣の面々…
大久保瑠美さん、天ちゃんに麗奈ちゃんと耳が喜ぶ布陣だったので俄然視聴意欲を駆り立てられました。

自分だけしか知らない隠しダンジョンなんて、聞いただけでテンションが上がりそうですが、このたなぼた式の設定が視聴者の好みの分かれそうなポイントだとも思いました。

ヒロインの皆さまはみんな美しくスタイル抜群…
もう、これは「ハーレムもの」のお約束ですね。
これで主人公が無双なら嫌みを感じるところですが、残念ながらそこまで強くはないんですよね。
唯一無二のスキルは持っています。
そのスキルをフル活用して学校の成績やお金を稼ぐことに関しては一級品ですが、もともと慎重な性格からか対人スキルは割と一般的なのが功を奏したのかもしれません。

ノルは「LP」を使ってスキルを発動するのですが、「LP」に関しては詳しい説明はありませんでした。
枯渇すると生命の危険があると言っていたので「Life Point」の略称だと最初は思っていましたが、中盤からは「Love Power」としか思えなくなったんですけど…
しかも女性の方が積極的なんですよ。
もう住む世界が違うとしか言いようがありません…って、実際に違いますけど^^;

少し話は変わりますが、ほっちゃんは今期も大活躍でしたね。
今期は「オルタンシア・サーガ」「アズールレーン びそくぜんしんっ!」と本作の計3作に出演されていました。
激戦区である声優業界において、ニーズがあり続けるって、とても難しいことだと思うんです。
そんな中、ほっちゃんボイスを聞かない四半期は無いのではないでしょうか。
改めてほっちゃんの凄さを感じました。

オープニングテーマは、スピラ・スピカさんの「ピラミッド大逆転」
エンディングテーマは、コアラモード.さんの「ネモフィラ」

1クール全12話の物語でした。
物語の展開は割と普通でしたが、声優さんの演技はしっかり堪能させて貰いました。
作画も大きく乱れることは無かったので、総じて楽しませて貰えた作品になりました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

LPを稼ぐためなので、ナニをしても合法です( ・`д・´)キリッ

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
異世界転生は批判されるので、異世界には転生させませんでした(ドヤッ)。

何の努力もせずチートは批判されるので、申し訳程度の修行要素を入れました(ドヤッ)。

あと、エロいです(ドヤッ)。

それだけですね~。中身はただの「なろう系異世界ファンタジー」の枠を出なかった印象。

レビューでは、こうすればこの作品はもっと面白くなったのではないかという、可能性の話を。

《以下ネタバレ》

【視聴断念(2話まで)】
{netabare}
基本的に総括に書いただけのクダラナイアニメなのですが、LPを使ったバトルは、チートくさいのですが、なんのリスクもないバトルに比べれば少しはマシかと思ったので、2話も視聴を続けることにしました。

1話を見た段階で期待したのは、「リスクと隣り合わせである、LP計算を行いながらのシビアなバトル」と「LPを稼ぐために、性欲食欲睡眠欲、その他色々な欲望をあの手この手を使って稼ぐ日常パート」の融合でした。

が、2話でわかったのは、「創造や編集にはLP使うけど、使用には使わない」という低難易度設定。これで、「(時にはLP不足で仲間を見殺しにするくらいの)シビアなLPバトル」という線は消えました。

また、主人公の周りに都合よく色ボケしている女性が溢れているので、「戦略的なLP集め」も不要に。

私なら、主人公をモテない設定にして、1エロする(例えば、手を繋ぐ、女湯を覗く)ためたにもたくさんの戦略を用いる主人公にしたけどな~。

その方が、1つのエロが達成出来たときの充実感が増すし、エロに頼れない分、(例えば料理を工夫してモンスターを美味しく頂いたり、商売を頑張って金銭を稼いだり)作品の中で主人公を色々動かせたと思います。

そうして、苦労して稼いだLPだからこそ、使うときに迷うし、ムダなことに消費しちゃとたギャグにもできるし、「創造・編集」といったチートスキルも許されると思うんですけどね。

結局このアニメは、LP集めによってエロを正当化したいだけのアニメでしたかね。

2話とやや早いですが、なろう系は今クールもアホみたいにたくさん放送されるので、ここでリタイアします。
{/netabare}


【各話感想(2話まで)】
{netabare}
1話目 ☆2
エロアニメ? 大賢者というレアスキル持ち。これ、キス要員(大賢者をダンジョン内で使えるよう)に、幼なじみ連れてきた方が良いのでは? う~ん、ただでスキル譲渡はいくらなんでも。「大賢者スキルでオリビエ解放条件を検索→頭痛の代価にオリビエにエロいことする→スキル譲渡を条件に、解放してもらう」の方が自然。LPを使ったバトルは、チートくさいがなんのリスクもないバトルに比べればマシか。

2話目 ☆1
スカートをたくしあげるクダリ、必要か? あ、LP稼ぐためなら正当化されるのか。これ、創造や編集にはLP使うけど、使用には使わないのか? な~んだ。ガッカリ。

3話目 ☆


4話目 ☆


5話目 ☆


6話目 ☆


7話目 ☆


8話目 ☆


9話目 ☆


10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24

64.4 12 呪いで異世界なアニメランキング12位
このヒーラー、めんどくさい (TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (190)
474人が棚に入れました
世のため人のため、冒険の旅を行く戦士アルヴィン。魔獣と戦闘中、ダークエルフのヒーラー、カーラが通りかかった。だが手助けを頼むと、カーラは「人に助けを求めるのなら、ひざまずいて額と両手を大地につけるべきではないでしょうか!」とヒーラーにあるまじき発言。さらにはアルヴィンに、自分から離れると死んでしまう呪いをかけてしまう。 最弱の戦士アルヴィンと、世にもめんどくさい性格のヒーラー、カーラ。宿命の出会いがここに!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

最後までめんどくさかった…^^;

この作品の原作は未読です。
正直、作品のノリに慣れるまで時間を要した作品でした。


世のため人のため、冒険の旅を行く戦士アルヴィン。

魔獣と戦闘中、ダークエルフのヒーラー、カーラが通りかかった。
だが手助けを頼むと、カーラは

「人に助けを求めるのなら、ひざまずいて額と両手を大地につけるべきではないでしょうか!」

とヒーラーにあるまじき発言。

さらにはアルヴィンに、自分から離れると死んでしまう呪いをかけてしまう。

最弱の戦士アルヴィンと、世にもめんどくさい性格のヒーラー、カーラ。

宿命の出会いがここに!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

まぁ、冒険者であるアルヴィンもポンコツなんですが、彼は未だ許容範囲内…

問題は、この作品の主人公であるダークエルフのカーラです。
見た目は普通ですが、まぁイラっとする言動のオンパレードなんです。
見ているこちらにイライラが伝染するほどの攻撃力を兼ね備えていました。

流石に2話くらい見てお腹一杯になったのですが、友人が結構面白かったと言っていたので、
気を取り直して再視聴…

そして途中で気付いたこと…
序盤はイラっとしましたが、中盤以降は超が付くほど展開がグダグダなので、イライラもグダグダの中に飲み込まれてしまったようです。

まず、冒険者としてパーティーを組んで旅をするのですが、戦闘らしい戦闘は一度も無かったのではないでしょうか。
それでは、レベルだって上がる訳がありません。
しかも、敵だったモンスターがいつの間にか仲間として同行しているし…

敵に同情されたり、時には敵と結託したり…
一体何を見せられているのか…という感じだったのですが、それも含めて、これがこの作品の「個性」と括れば、まぁ少なくても不快感はなくなりました。
きっと終盤の展開が悪くなかったからだと思います。

ヒーラーガールのレビューでも触れましたが、エイプリルフール企画として、同じく2022年4月放送開始の『ヒーラー・ガール』とのコラボビジュアルと、本作品のカーラ役の大西さんと『ヒーラー・ガール』藤井かな役の花凜ちゃんの対談が公開されています。
どちらも立ち位置は「ヒーラー」でしたが、天と地ほどの差があったと思います。

まぁ、カーラの毒舌も視聴を進めていくと、「ツン」成分が多分に含まれているのが分かったので色々腑に落ちたきがしました。
めんどくささだけは変わりませんでしたけれど…^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、大西亜玖璃さんによる「ジェリーフィッシュな君へ」
エンディングテーマは、カーラ(大西亜玖璃さん) with アルヴィン(佐藤拓也さん)、キノコ(泊明日菜さん)による「HERO in HEALER」

1クール全12話の物語でした。
この作品の特徴として、サブタイトルがメッチャ長いことが挙げられると思います。
例えば、第1話の正式サブタイトルは「魔物やモンスターがはびこる世界で冒険者の道を歩もうとするアルヴィン(主人公/甲冑の戦士)は熊の怪物と戦いピンチのところに運良くダークエルフのヒーラーの女の子カーラ(ヒロイン/ダークエルフ)が通りかかったが、カーラの性格があまりにもあまりなので言い合いになり熊の怪物も困惑しさらにそのあと熊自宅に連れていかれるという原作コミックスにない展開があるので原作ファンの中には『あれ?』と思うかたもいらっしゃるでしょうけれ
これは雑誌連載以前にネットで発表されていた『これ、何の話ですか?』という同じ世界観の漫画を元にしているのでご了承くださいとお願いするスタッフと原作サイドの意向をこの場を借りてご説明させていただきつつなおこの長いサブタイトルには縦読みや斜め読みのような仕掛けはないのでそのこともおことわりしておきたい そんな第一話」

このサブタイトルが物語が始まると下段に表記されるのですが、これだけ長いタイトルが5秒くらいで表示されるので、目が追い付かないくらい早いです。
というより、人間の限界を超えた早さだったのではないでしょうか。
これだけ長いと読む気にもなりませんでした^^;

カーラの言動yサブタイトルの長さなど、時折暴力的要素を感じつつも、この手のノリが好きな方はきっといらっしゃるだろうなぁ…と思える作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

低クオリティ

{netabare}
コント系。
声優にコントと言うものが合ってないのかそもそも原作がつまらないのかひたすら滑り続けるアニメ。突っ込みや反復が冗長だったような気がする。
ただ、最後まで面白くなかったがなぜか癖にはなるアニメでそれほど印象は悪くない。言語化はできないがたまに満足感がある回はある。
なろうみたいな戦闘要素もなく基本的にコメディで一貫していて、少なくとも雰囲気に関しては最後で保ていたと思う。最終回は結構戦闘もあったが。

自分がこういうS系ヒロインが嫌いなのもあって楽しめてない部分もあったから、カーラが好きだったならもっと楽しめてたかもしれない。
一話毎にゲストキャラと出会ってと話が進行していく形だけど、キャラに関しては全員特徴的でかつ会話重視な作品と言うのもあって印象に残りやすく、最終回の全員集合の時にも全員思い出せたかな。
一番好きなのは主人公のパーティのキノコ。
人外キャラで好きになるキャラなんて基本いないんだけど珍しく。

主人公の顔がずっと隠されてたのには意味があったんだろうか。
仮面の騎士として印象を保つためとしても、何でその必要があるのかよくわからないな。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆2
ノリが寒い。ケヤルかな。何を見せられてんねん。
褐色キャラ好きじゃないから面白くない。アルミン? 

2話 ☆6
絵柄が子供向けアニメみたいな雰囲気だな。
一話に比べるとちょっとおもろいかもしれん。
これヒロインが自分好みなら持ち上げてた気がする。

3話 ☆5
何この子供向けアニメみたいなOP映像 サブタイ滑ってるぞ。
つまらない内輪ノリを見せられてる感覚。ヒロイン可愛ければ楽しめた説。
まだ5分?v キノコこの間何やってんねん。顔隠す意味ある?
キノコの方が可愛い。天気落ちは少し面白かった。あとキノコ好き

4話 ☆7
ほんと、しょーもないレベル100だわ。
今回そこまで悪くはないな、ながら見だとw

5話 ☆1
昔のゆっくり実況のようなノリ。ほんとヒロインが不快だわ。

6話 ☆5
今回割と面白い説。これほんとにヒロインが自分好みだったならめっちゃハマってたと思う。情緒不安定かよ。急なラブコメ要素。

7話 ☆2
助けを乞うフリして襲おうとしてる感w オチが読めるんだよ。
ネクロマンサー可愛いじゃん。キノコも。死ぬほどつまらん
謎の間やめろ。マジで詰まらん。寒いを通り越して不快。

8話 ☆7
キノコだけでいいよねこのアニメ。まあほんとに妹落ちだろうな。
顔ぐちゃぐちゃになってそうな包み。可愛いキャラが台無し
Aパート普通に面白かったな。普通にラブコメすんなw
エンダーアイかよ。

9話 ☆7
特殊性癖にも程がある。ツッコミが要らんよな。意外と面白いのでは?

10話
初めてなろうらしいこと。なろうなら計測不能=0で最強だった。
これは確かに帰って来れてない。
ゾンビの時も可愛くなったし不思議ではない。キノコは可愛い ☆5

11話 ☆6
ミミックいそう。はよ開けろや。ひよってる奴いる? 人外の方が可愛いアニメ。なんで回想形式。連絡先ってなんだよw 強そう。

12話 ☆6
最終回特有のシリアス。全員集合w 少なくともキャラはいいよね。タイトル回収

曲評価(好み)
OP「ジェリーフィッシュな君へ」☆5
ED「HERO in HEALER」☆4.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

あや さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

漫才をアニメ化?

(観終わったので更新)
個人的感想です。
基本的に頭空っぽで見られるほう寄り視聴者です。

レビュー本体は隠しますね。
{netabare}
書き込み時点でやはり低い評価数及び平均評価ww
レビューも増えましたが厳しいですねぇ。。。

自分は、今季一番!と思っています。<-----評価変わりません!
コメディ、ギャグというよりもはや漫才!
原作はWebに残っているだけの分は見ました。
商業誌wwは見ていません。

ボケとツッコミがほぼ1対1で主人公のツッコミ内容が秀逸。
ツッコミ役のたまにボケてハリセンボンの春菜さんかよってw

オマージュというかパクリのネタも昭和ネタが多かったという感じ。
dアニ@ニコ動支店で見ていましたが、コメント見ないと元ネタが分からない状態。
ジブリロゴの映画ネタは煽っている訳でもなくカーラがかわいかったです。
ツッコミ役のアルヴィンが「まったくわからない」で通したのも良かったのかも。

アバンのコメントで「再生速度1.25倍推奨」など多かったです。
漫才ネタも「ベッタベタ」な上に、テンポも「ゆっくり」な感じがします。
このネタでどれだけ引っ張るの?ですが、私には駆け引きの速さは丁度良いと感じていますね。
テンポの良い漫才という訳でもなく、「間」を使ってボケるネタに耐えられない方も多いのではないでしょうか。
その割に食い気味の返しでセリフが聞こえなくて巻き戻したりなんてことも。

ボケ側のヒーラーも面倒くさいを通り越して「ウザ」キャラに。
さらに「意識した煽り」を入れてきます。

ヒーラーとか冒険モノ世界観とかに作り込まれた感じはほぼ無し。ストーリー展開を諦めていますね。
タイトルはもともと「これ、何の話ですか?」で、公式連載に伴いアニメのものと同じに改められたようです。

OPにゲスト声優が各話数で最初かばらされています。
最終話だけCV:???。12話中盤、第一声で分かりました!
声優さん好きの私にはたまらんですな。
良くある大物声優の無駄使い。

サブタイトルも、このすば、黒井津さん形式の長いやつで途中で切られる方式。

キャラや動画、SE等の演出もかなり良いんではないでしょうか。
原作を引き延ばした感もが原作厨コメントからあるようなのでアニメ化により足された演出、脚本も上手く融合していると思います。

改めて、これは好き嫌い分かれるでしょうね~
SEの入れ方、BGM止めなどギャグアニメには良く使われる手法です。
作画崩壊も無かったように思えます。アニメ化には早いすぎると言われる中、中途半端に作られておらず良くできた作品だと感じました。

日本語の漫才・ギャグ、ダジャレなので外国への配信用字幕が難しそうです。
海外視聴者リアクションも極端に少ないですね。
売上回収からの2期はかなり難しそう。。。

(2022.7.3 23:00追加)
先ほど12話ニコ生上映会を見てきました。内容は有料放送で既知です。
ベタな話の最終話展開(今までのキャラ総出演でキャストリストがすごいことになっていましたww)+ボケ・ノリ、ツッコミで無難な感じでした。
最初は「とても良かった」が43%だったらしいのですが、見に来た人の評価で母数は減ったことを考慮しても93.0%は大健闘ではないでしょうか!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

66.0 13 呪いで異世界なアニメランキング13位
黒の召喚士(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (222)
714人が棚に入れました
「初めてですよ、神である私に配下になれとおっしゃった方は」 ケルヴィンは目を覚ますと異世界に転生していた。しかも、ガイド役としてその世界の女神を配下に従えて。 前世の記憶を引き換えに、高ランクすぎる召喚スキルと魔法スキルを得たケルヴィンは、冒険者としての生活を始めるが、強敵を求めたがる性格と、新人レベルを遥かに越えたステータスによりすぐに注目を浴びてしまう。 黒のローブに身を包み、戦闘狂な主人公が、仲間を集めてトップ冒険者へと成り上がる、爽快バトルストーリー開幕!
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

転生系にしては出来はいい方か

{netabare}
転生して最強の力を手に入れて、ゲームみたいなステータスやギルドが存在するなろう世界観の中で無双するいつものなろう系。

いつものなろう系だけど、一点違ったのは主人公に好感が持てたことか。
それもあって、テンプレだけどそれなりには楽しめた。
イキリ主人公だけど、バトルジャンキーと言う設定があるだけでイキリも魅力に感じられた。
わざわざ盗賊のふりして勇者パーティと戦うイカレっぷりは面白かったし。
勝ってイキって終わりだけじゃなくて、(今後強くなってもらって再戦したいというのもあるのか)、ダメダメ勇者たちを再教育するアフターケアも良かったし、主人公にあまり不快感がなかった。
誰かを救うとかじゃなくて、戦闘を楽しむことを第一にしている感があって好きだった。無自覚イキリもなかったし、敵が噛ませのように描かれることもなかったし、戦闘アニメとしては上々。
そもそも敵もそれなりに強くてあまり俺TUEEE感はなかったというのもある。
ただ、バトルジャンキー設定ならもっと格上との戦いも見たかった感はある。

単話で言うならセラの回は今期でTOP5以内に好きな回でした。
悪役キャラが実は...みたいな展開には弱い。
他のキャラもあれぐらいの個別回があればもっと良かったのに。

微妙だった点は、後半ハーレムものになってしまったところ。
前半は男x2、女x2、スライムの王道アニメみたいな構成のパーティでバランスが良かったけど、後半一気に女キャラが増えてハーレム感が強くなってしまった。
序盤のキャラのバランスの良さが好きだっただけに本当に残念。
構成だけでなく、なろう系にしては珍しくどのキャラも均等に活躍していたのが、このアニメの大きな評価点の一つだったんだけど...。
たぶんこれのせいで二期があったとしたら酷評になると思う。
あと、主人公記憶消えてるはずだけど、何で米の存在を認知してるのか。
序盤の記憶設定が活かされてなかったのは残念。
ストーリーも基本的にテンプレに沿っているので話にこれと言った面白さはない。

作画はそれなりだったけど、戦闘シーンのCGの出来は悪かった。
OP映像はセンスあると言うべきなのか、手抜きと言うべきなのか。
まあ、ありきたりな映像よりは好きだけどね。
EDの映像は好き。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆5
知っとるわ。
その記憶対価設定が活かされて記憶を取り戻す物語とかだったら面白いんだが。神いっつも手違いで人殺してんな。メルフィーナとの会話は面白いな。
アルヴィンなら。謎BGM これもスライムか。同族殺し。
早速最強と言う。出たwエルフ奴隷 ハーフエルフ差別設定w
ほんとに親の顔より見た展開しか。虚無 OPボカロ臭い。

2話 ☆3
お洒落風手抜きOPだなw ほんとテンプレだな。謎のCG戦闘。
こいつの回想いる? いや、何であの流れで倒した?

3話 ☆3
バレてもええやろ。迷宮と混ざって曖昧だけど、強いことバレたくなかったんだっけ? テンプレ ロクサーヌかな?
この親の顔より見た奴隷の流れため息が出る。
仕事の割に奴隷商人結構優しいじゃん。呪すぐ解けたけど、今後呪いをかけた奴とか出てくるのかな? そうじゃないと呪いに必要性を感じない。
ゲームのステ振り育成かよw EDは神

4話 ☆6
めっちゃ洋菓子じゃん。なんで庶民の料理店に押し込むんだよ。
それこそ貴族の立場卑しめてるだろ。
こんな頭の悪い横暴を貴族がやる展開ほんとなろうだなと。
てか目立ちたくないんじゃないのかよw キャラデザは可愛い。
黒宮とかいう子めっちゃ可愛いからはよ出せ。この勇者パーティー好き。
キャラの良さでもしかしたら好きなアニメになる説ある?
人の温もり(王太子に対してイキる) 勇者パーティの日常回やれ。
お前レベル42のくせに10レベル上の勇者見下すなやw
隠の者の巣窟 騎士のCGが常に浮いてる。この子悪魔なのかよ。
けど敵もちゃんと強そうで噛ませでは無いのはいいね。

5話 ☆10
お前何突っ立っとんねん。手下倒させて餌のレベル上げさせる戦法?
ちゃんと味方にも平等に出番があるのは王道ファンタジーしてて結構すきだわ。謎CGたまに挟むのやめろ。
4人でちゃんと力合わせるのはなろうっぽくない。
86レベ普通に倒せるんかよ。強い人に姫を託したかったのか?
これ系の話に弱いわ。進撃の巨人か?
今回に限って言えばマジでよかった。

6話 ☆7
強そう。お前記憶消えたんじゃないのかよ。
何で米に関する記憶あるんだよ。本能か?
やっぱこういうなろう俺TUEEEはつまらないんだよな。
お前何で日本覚えてるんだよw
まあフィクションでよく見る記憶喪失と同じ感じで知識だけは残ってるのか?
前回ビクトールめっちゃレベル差あったけど勝てたってことはそんなにレベル関係ないんじゃねーの。この戦闘狂主人公は味があって嫌いじゃない。
この勇者パーティかわいい。確かにそう捉えるわなw
この茶番展開面白いから好きだよ。

7話 ☆8
白の子かわいいな。エロ回ですか。ギスったw
ラスボスごっこ楽しそう。白の子マジでかわいいな。
男女平等パンチ。リョナ回か?w ほんとに脱いだら神アニメ

8話 ☆7
罰ゲームちゃんとやれよ? 触手なんだったら触手らしいことしろ。
同郷にはな。ありふれた式。黒宮マジで可愛いな。
なろう慣れしてると王からのお呼ばれがクッソ遅く感じるわ。
日本人名。体で。転生賢者と言いなんなんだw 日本酒言うなや。
和食なんであんだよって。やっぱ世界観がダメなのはなろうだなって。

9話 ☆7
めるめる この茶髪誰だっけ。ユージを転生召喚させよう。
召喚する側を主人公がやるのは初めて見た。モブみたいな見た目だな。
精霊幻想記か?w 添い寝。ゲームかよ。
リアデイルかな? イセスマかな? エンゲージキスかな?
なんかED変わった? これは特殊ED?

10話 ☆5
異世界迷宮よりハーレムしてる。こういうのいらない。
学習装置かな? こいつらだれだっけ? ほぼ自業自得で草。
この黒髪も主人公見たいな雰囲気だな。

11話 ☆6
奴隷売ってそうなおじさんだな。今期デジモンで見たぞこんな話。
ぽっとでの旅人に預けんな。いや、偉い人の証明書持ってたか。
クソCGやめろ。キリトかな?
ケルヴィンばかりじゃなくヒロインたちにもちゃんと出番あるのはいいけどさ、さすがにあっさりなんがなぁ。つよそうだなー

12話 ☆7
こいつらの方がケルヴィンより雰囲気強そうw クソCG戦闘やめーや。
どうせ治癒できるやろ。レベルこっちの方が上なんか。可哀想。
やっぱりそこそこ面白かったなこれ。

曲評価(好み)
OP「頭ん中DEAD END」☆9.5
ED「Wherever」☆8
ED2「Wherever remix」☆8
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

異世界ハーレム・転生賢者・黒の召喚士の3作を比較してみました

異世界転生もの3作品を単純比較分析してみました。

①異世界迷宮でハーレムを
物語1.0 作画2.5 声優2.5 音楽1.5 キャラ1.5

②転生賢者の異世界ライフ
物語2.0 作画3.0 声優3.0 音楽3.0 キャラ2.0

・主人公比較
①「異世界迷宮でハーレムを」→ 主人公がエロ狂
②「転生賢者の異世界ライフ」→ 主人公が冷徹狂
③「黒の召喚士」      → 主人公が戦闘狂

・オープニングソング比較
①素人の歌?
②無難なライン
③ハイスペック

・エンディングソング比較
①インパクトはある
②インパクトはある
③異世界転生ものには勿体ない?くらいにハイレベル


「異世界迷宮でハーレムを」
何といっても主人公があまりにも{netabare}性欲を持て余す感半端なく潔過ぎる性格のため
ドン引きせざるを得ないというのが正直な印象であります。
百歩譲って通常のハーレムもの作品のように正攻法で行くのならまだ許容できた可能性もありましたが
性奴隷に、獣漢に、主人公の性格もキモイという三重苦は{/netabare}かなり厳しいものがあり
感情移入なんてとてもできるような情況ではありません。

{netabare}エロという概念も人それぞれなのかもしれませんが、恥じらいのないエロは
ただの悪趣味やグロと何ら変わらない{/netabare}というのが個人的な見解であります。
奴隷商が活躍するエンディング以外{netabare}見所がまるでないというのが本作を見て思い至った結論です。{/netabare}

「転生賢者の異世界ライフ」
こちらの主人公はクール過ぎる{netabare}天然ボケ体質でありますが、突っ込み役が不在のため
この厄介な性格を持つ主人公をありのまま受け入れなければならないのが
視聴する側としては中々に厳しいところであります。
主人公が呪文を発動する際に口にする「火球・中」や「火球・掛ける10」とかいう
ネーミングセンスの無さには思わず脱力してしまい、微妙なものを感じずにはいられませんが、
とりあえず主人公がキモく{/netabare}ないだけマシであるとは言えそうです。

現実世界ではいかなる{netabare}仕事も独りでコツコツこなす有能な仕事人間だった主人公が異世界転生を果たし
最後の最後に他人との人間関係について少しばかり心に思うところあったという点については
成長物語的要素が感じられ、{/netabare}もしかしたら本作における唯一の利点である
と言っていいのかもしれません。

「黒の召喚士」
結局のところ本作も異世界転生ものでありしかも度が過ぎる{netabare}ハーレム設定という時点で食傷気味になる
のは回避不能ですがそれでも主人公がキモイとか見所がさっぱりないような他の異世界転生ものと
比べたら本作はだいぶましに思えるのはとても意外{/netabare}で皮肉な結論であると言えます。

未熟な勇者たちを{netabare}訓練して育成してるシーンがそれほど面白かったわけではないですが
ただ主人公がまともな感覚を持っている{/netabare}ことだけは感じ取ることができます。

※※まさに最終話で登場した転生者の将軍と主人公の対峙シーンこそ
まるでこの比較レビューのためにあったと思えるほどのド嵌り展開でありました。

{netabare}奴隷制を肯定する転生者と全否定する転生者という明確な思想的対立を
異世界転生ものという舞台において敢えて描いてみせたことには
かなり重要な意味があると個人的には理解しております。

例えば将来「グレートリセット」や「SDGs」達成により
今の世界が全く別の世界に成れ果てたとしてたら?
今の常識は通用しなくなり、当然我々の価値観も今とはまるで別ものになり得るわけでございます。

その際に「性奴隷」を承認するか否か、あるいは
脳や人体にインプラントを挿入することは生命倫理的観点を踏まえた上で是であるか否であるか等
それに対しての結論を出すのは自分自身であり、個別の自由意思によるものと確信いたします。{/netabare}

異世界転生もの等が暗示する我々の未来とは、果たしてどのような結末を迎えるでしょうか?

{netabare}性奴隷との同居があっさり始まるどこぞのいかにも傾向あるお話よりも、ヒロイン役の女神との面会がなかなか叶わず、いよいよ運命のご対面となった本作の展開の方が色々と胸に感じ入るものがあり
人間ではないとしてもまともな{/netabare}ヒロインが主人公の傍らにいるというのは何とも言えない
安心感みたいなものを感じられ好印象を抱いてしまったのは個人的には不覚でもありますが、
その一方で新鮮な印象も受けたことには軽く驚愕を覚えました。

{netabare}結局のところ女神役の声優の上手さや存在感というものがかなり大きく作用したように思いますが
如何に声優の能力が高く、キャラが良くて、OPEDソングがハイスペックであっても
新たな異世界転生もの作品が過去作品を凌駕するようなことは早々あり得ない
ものと個人的には考えています。{/netabare}

とは言え、今後も異世界転生ものは{netabare}乱発、乱立、乱舞されアニメファンを惑わしに来るでしょう。

一つだけ言えることは異世界転生と人間の根源的欲望は
とても相性が良く、密接な関係性があると考えられます。
「週末のハーレム」という作品は異世界転生ものではありませんが、
人間の未来を暗示しているものと予測いたします。

同じように異世界転生ものも、もしかしたら???

異世界転生もの一般に関する分析考察について本格的に始めたらこの程度の説明量では
到底収まりきるような生半可では済まないレベルの話になりますが、
今回は単なる序章程度のことに留め、これにて失礼したためます。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

戦闘狂の成り上がり物語、ここに開幕!

この作品の原作は未読です。
そしてこの作品も異世界転生モノでしたね。


「初めてですよ、神である私に配下になれとおっしゃった方は」

ケルヴィンは目を覚ますと異世界に転生していた。
しかも、ガイド役としてその世界の女神を配下に従えて。

前世の記憶と引き換えに、
高ランクすぎる召喚スキルと魔法スキルを得たケルヴィンは、
冒険者としての生活を始めるが、強敵を求めたがる性格と、
新人レベルを遥かに越えたステータスによりすぐに注目を浴びてしまう。

黒のローブに身を包み、戦闘狂な主人公が、
仲間を集めてトップ冒険者へと成り上がる、爽快バトルストーリー開幕!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

前世の記憶を売り物にして、転生後に高いスキルを得ようとするなんて…
この作品のレビューの前に「異世界薬局」のレビューを書きましたが、
設定が面白いくらい真逆でした。

異世界薬局の主人公は、前世の記憶を基に転生後の世界で活躍しまうが、
この作品の主人公は、前世の記憶を転生後のスキルに変換して活躍するので…

記憶をなくすと不都合な事って無いのかな…?
私はお酒を飲んで記憶が無くなったことは何度もありますが、事故や病気などで記憶を失ったことがありません。

だから、記憶を失うというのがどの様になってしまうのかがイマイチ理解できていないんですよね。
お酒を飲んで記憶がないヤツの拡大版みたいな感じなのかな…?

結果的にケルヴィンは記憶を無くしていた様ですが、視聴している上では一つも困っている節が無かったのでケルヴィンの場合は、今を生きるのに過去の記憶なんて必要無かったということなんでしょう。

そして異世界転生系で最早お約束と言えるのが、同行者が可愛らしい女の子であること…
それはこの作品にもバッチリ適用されています。

異世界って可愛かったり、美人な人の割合が現代社会より圧倒的に多いのでしょうか。
振り返ってみると、可愛らしくない女の子を見る方が珍しかったり…?
異世界の容姿端麗な人の割合…もしかすると半端無いのでは!?

その中でも特上と言っても過言ではない女の子を何人も付き従えさせるのですから、主人公にハーレムスキルは必須…といったところでしょうか^^;

そんな冗談はそのくらいにして…
主人公が自ら同行を頼んだのは一人だけで、あとの殆どは成り行きでしたね^^;

ですが、石見舞菜香さん、麗奈ちゃん、鈴木みのりさんに宮本侑芽さんといった顔ぶれが演じるヒロインなので、総じて女性キャラのレベルは高かったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、かいりきベアと10fuさんによる「頭ん中DEAD END」
エンディングテーマは、鈴木みのりさんによる「Wherever」
鈴木みのりさんの楽曲は鉄板ですね。
絶対に間違いありませんので…

1クール全12話の物語でした。
いやぁ、異世界には色んなカタチの転生の仕方があるんですね。
転生の仕方の差別化によって、物語って更なる発展が生まれてきそうな予感がします。
しっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

76.7 14 呪いで異世界なアニメランキング14位
ハウルの動く城(アニメ映画)

2004年11月20日
★★★★☆ 3.8 (1053)
6623人が棚に入れました
魔法と科学が同時に存在する時代。町の小さな帽子屋で働くソフィーは、自分に自信が持てない内気な18歳。彼女の住む王国では戦争が起きているが、それも遠い世界の話でしかない。しかし、町はずれの荒野に住む荒地の魔女の意地悪により呪いをかけられ、90歳の老婆の姿に変えられてしまう。家を出て荒地を放浪する彼女の前に現れた巨大な動く城。生きるために城の主で魔法使いのハウルに掃除婦として雇われるソフィー。

甘ったれで自信家のハウルに呆れながらも、彼の弟子のマルクルや、荒地からついてきた案山子のカブ、この城を動かしている火の悪魔であるカルシファーと家族のような時間を過ごすソフィー。風変わりなハウルとの生活に驚きながらも心を開いていくが、戦火は確実に彼らへ忍び寄っていた。

声優・キャラクター
倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、我修院達也、神木隆之介、伊崎充則、大泉洋、大塚明夫、原田大二郎、加藤治子

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

魔法と恋。世界はファンタジーに溢れている。

2004年公開のジブリ映画作品。

公開当時も一度観た記憶があるのですが、

話がよくわからず途中からまどろんでいたため、
「カルシファーかわいい。」な印象しかありませんでした。

改めてちゃんと観てみると、
ああなるほどこんな話だったのねとようやく理解できました(笑)

この作品は音楽がずば抜けて素敵!!


● ストーリー
帽子屋の少女・ソフィーは“荒れ地の魔女”に襲われ、
90歳の老婆へと姿を変えられてしまう。

呪いを解く方法を探す旅に出た途中で
魔法使い・ハウルの動く城と出会う。


序盤はとにかく「ソフィーがたくましい。」としか言いようがないw

ハウルという謎の魔法使いと接点があったとはいえ、
少女が急に90歳のおばあさんに変えられちゃうんだよ?

その次の日には旅に出るその行動力が素直にすごい。笑

道中も決して怯えたりひるんだりする様子がない。
(たまに老化を嘆いてはいたけれど。笑)

よくわからん城に入った後は当たり前のようにくつろぐわ、
掃除婦として誰の許可もなく勝手に居座るわ、

いやー「年をとったから」で説明つかんでしょうw
ソフィーたくましい…。

こういう精神でなきゃ人生はうまく渡れないのね、勉強になりましたww


≪ 恋 ≫

戦争が描かれていたりで、冷酷な印象もあるけれど、
柱に据えられているテーマはこれ。

ヒロインは90歳のおばあさんだけど、
恋をするのに年齢なんて関係ないのよ!
と言わんばかりのロマンチックさ。

むしろ恋するシーンでは若返って見えるソフィー。

恋をすると人はいつでも乙女に戻るのね…♪
恐るべし、恋のパワー。


● キャラクター
ハウルかっこいい!のかと思ったら
ショックなことがあると文字通り溶けちゃうぐらい落ち込んだり、
魔女に本気で怯えていたり、

なんだかよくわからないキャラです(笑)

まあ、全体的にはかっこいいんですけどね。
ソフィーの前では基本かっこつけてますもん。

cvはキムタク。

違和感はないかなーとあまり気にせずにいました。

が、たまに「まんまキムタク出てきたww」なところもあり、
それは笑ってしまったけどww


そしてやっぱりカルシファーがかわいい♪

ハウルとある契約を交わした火の悪魔。

動く城を動かしているのも彼だし、
カルシファーがいないと物語の設定の8割がたは成り立ちません(笑)

でもなんだかいじめたくなる可愛さ…(*´Д`)σツンツン


● 音楽
この作品の雰囲気づくりに欠かせないのが、音楽。

どれも耳に心地よくて素晴らしい♪

特に「人生のメリーゴーランド」は
3拍子のワルツが特徴的。

ジブリ音楽の中でも上位で好きですね♪


● まとめ
「今までのごたごたは一体何だったのか。」と言いたくなるほど、
あっさりとしたラスト。

正直ストーリーには「えー…(;´Д`)」と言いたくなったけれど、
まあ“恋”という柱はきれいに描かれていたので、

めちゃくちゃでつまらん、というほどではないかな。

しかしジブリは
やっぱり作画と音楽が好き。

空。緑の色遣い。ハウルの城の変な動き。からくりの動き。
そして雄大な音楽。

ここが楽しめたので、
観直してよかったなと満足しています♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

future☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

スタジオジブリ作品、感想☆「ようやく守らなければならないものが出来たんだ、君だ」

.。o○ ○o。.作品情報.。o○ ○o。.

「ハウルの動く城」

制作:スタジオジブリ
監督、脚本:宮崎駿
音楽:久石譲
配給:東宝
上映時間:119分
原作:魔法使いハウルと火の悪魔
小説著者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
主題歌:世界の約束
興行収入:196億円


.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

魔法と科学が同時に存在する世界で、隣国と戦争している王国の、とある町。そこで、自分に自信が持てない主人公―ソフィーは、小さな帽子屋―ハッター家の長女としてお針子の仕事をしている少女。しかしある祭りの日、妹―レティーの元へ向かう途中で出逢った噂の魔法使い―ハウルと共に、長年ハウルを追う魔女―荒地の魔女の使い魔から町を逃げ回る。が、その晩、荒地の魔女本人が店に現われ、ソフィーにまるで90歳の老婆のような年寄りへと姿を変えてしまう呪いを掛けていく。翌朝、義母―ファニーに嘘を吐いて家を出たソフィーは、荒野で不思議なカカシ―カブにより、ハウルの“動く城”へと導かれる。

動く城の掃除婦となったソフィーは、実は甘ったれで臆病者のハウルに呆れながら、その弟子の少年―マルクルや、ハウルとの契約で城を動かしている火の悪魔―カルシファーやカブと家族のように時を過ごす内、次第にハウルに惹かれるようになるソフィー。しかし戦火は確実にソフィー達へ忍び寄り、ハウルの師匠―サリマンによる戦争への招聘を嫌がっていたハウルも「ようやく守らなければならないものが出来たんだ、君だ」とソフィーに言い残し、異形の姿で戦場へ飛び立ってしまう。

城に避難させられたソフィーだったが、ハウルを救おうとカルシファーを説得して城を動かし、逆に崩壊させてしまう。サリマンの使い犬―ヒンと転落した谷底で、目の前に残されていた扉から過去へ赴いたソフィーが視たのは、星の降る夜に秘密の花園でカルシファーと出会う幼いハウル。そんなハウルに、「必ず行くから未来で待っていて」と叫びながら現在に戻ったソフィーが目にしたのは、戦場からは戻ったものの怪我や悪魔との契約による負荷に蝕まれた、瀕死のハウルだった。涙を拭いたソフィーはハウルの命を救う為、ハウルとカルシファーの契約を解きに掛かる。


.。o○ ○o。.感想.。o○ ○o。.

ソフィーの「ハウルの力になりたい!」ってところで、ぐっと来ました...(*´∀`*)

スタジオジブリは、とても好きで同じ作品を何度も何度も繰り返して見るのですが、何回見てもスタジオジブリ作品はとてもいい作品です!

この作品を見てない方は、絶対見た方がいいです!

スタジオジブリ作品は、細かいところまで手を抜かずに書いているので、絵は綺麗だと思います♪

最後のカブについては、あまり触れませんでしたね...

カカシが動くっていうのに(実は)結構ビビりました...(沙*・ω・)w
(普通に怖かった...)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

我を通す!

原作「魔法使いハウルと火の悪魔」は未読。


「荒地の魔女」の呪いで老婆に変えられたソフィー。
彼女は魔法使いハウルの家で、清掃婦として働くことになる。


なんとも支離滅裂なストーリーです。

・ソフィーの冒険記
・ソフィーとハウルの恋物語
・戦争ストーリー

複数のエピソードを切り貼りしたような感じです。
主軸が定まっていません。
山場がどこにあったのかもわかりません。


しかし、そこはさすがジブリマジック。
どこに面白みを見つけたらいいのかわからない脚本を、それなりのエンターテインメントに仕上げています。
映像や効果音など、アニメーションとしての見せ方が上手なんですよね。
ソフィーが時によって少しだけ若返る描写など、さすがジブリという感じです。

配役も言われるほど違和感はありませんでした。
特にハウル役の木村拓哉は、よく合っていたのではないかと思います。
気になる人は気になるだろうけど……。


でも、ちぐはぐな展開はやっぱりひっかかります。
そこで、一貫したテーマ性を自分なりに模索してみました。

「大人の中にある子供心、特にわがままな点」

主人公のソフィーは老婆の姿。
しかし、中身は少女のままで好奇心旺盛。

ハウルはクールで大人っぽい印象。
しかし、幼稚な面を多分に持っています。
{netabare}
特に、髪の毛の色が変わったシーンが印象的です。
それまでのハウルとのギャップに驚いた人は多いのではないでしょうか。
{/netabare}
荒れ地の魔女や国王、サリバンなど、準レギュラーメンバーも同様です。
子供っぽいわがままな態度が目立っています。
「我を通す」という意味では共通していると思います。

これなら戦争というオリジナルの要素にも、ある程度筋が通ると思います。
戦争の原動力は「エゴ」だと思うので。
制作側がこれを意図していたかどうかはわかりません。
しかし、ひととおり見た感じではこの解釈が一番しっくりきました。

恋愛に関しても惚れた腫れたの描写はありませんが、一目ぼれってことにしてしまえばOK。
あとは「わがまま」で目標に向かってまっしぐらです。


まあ、ジブリ作品の中ではよくわからない部類に入ると思います。
伝えたいこともはっきりしません。
それでもアニメーションとしての面白さは持っています。
大ハズレということはないと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 52

69.9 15 呪いで異世界なアニメランキング15位
ログ・ホライズン 円卓崩壊(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (199)
1017人が棚に入れました
ある日突然、人気オンラインゲーム『エルダー・テイル』の世界に、数万人のプレーヤー『冒険者』が閉じ込められた!モンスターや魔法がリアルに存在する異世界で人々は混乱し、冒険者の街『アキバ』は秩序を失っていた―人づきあいの苦手な青年・シロエもそんな冒険者のひとりだったが、意を決したシロエは盟友の直継、アカツキ、にゃん太らとギルド『ログ・ホライズン』を結成。さらに、持ち前の知略を武器に冒険者の結束を呼びかけ、自治組織『円卓会議』を立ち上げ、街に平和と安定を取り戻す。この『円卓会議』を中心に、ゲーム世界のもともとの住人である『大地人』との交流も進み、筆頭貴族コーウェン家の令嬢・レイネシアがアキバに赴任するなど、冒険者と貴族や商人、一般市民などとの外交や取引も活発化していく。しかし、冒険者たちが異世界に飛ばされた『大災害』から1年が過ぎ、つかの間の繁栄を享受していたアキバの街には、新種のモンスター『典災』の襲来や東西の貴族どうしの権力闘争、冒険者間の格差・思惑の違いなど、多くの火種がくすぶり続けていた。そして、ついに冒険者の結束の象徴『円卓会議』に決定的な危機が訪れる…

声優・キャラクター
寺島拓篤、前野智昭、加藤英美里、中田譲治、山下大輝、田村奈央、松井恵理子、柿原徹也、藤井ゆきよ、原由実、高垣彩陽、久野美咲、伊瀬茉莉也、葉山いくみ、井上麻里奈、櫻井孝宏、名塚佳織、村川梨衣、下野紘、後藤ヒロキ、岡本信彦、日野聡、西田雅一、中村悠一
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

6年ぶり3回めですから

原作未読 2014年ぶりの3期め


自分は最近参加した後追い組です。これまで1期25話+2期25話ともはや大河ドラマ。
みなさまのNH…じゃなかった、、、モンスターが巣くう渋谷の放送局から大陸(中国)にネットワークを繫げる2期最終話。その最終話との繋がりを感じない3期第1話だったため、直近視聴組の私でさえ脳のシナプスが咄嗟には繋がりません。

せめてアバンやAパートでおさらいさせてくれよ!と長期ブランクを意識させるのが6年という時間。

 いや待てよ…その構成ができなかったのかもわからん

この6年の間に『○○から国民を守る党』が国政進出していろいろバレてきたり、実はサーバーを大陸だか半島に置いてましたーとてへぺろした企業が問題になったりと、〝魑魅魍魎放送局が大陸と繋がっている”描写は無かったことにしたかったのは想像に難くありません。作品の内容と同様に現実世界でも政治的力学が働いたと邪推してます。

冗談はそれくらいにして本題です。
お話の繋がりについて序盤は面を食らいますけどそのうち繋がるものは繋がります。むしろこれまで50話休まずOPを担当してきた“デラッベィ♪”が聴こえてこないことにこそ断絶を感じさせます。OP曲変わりました。EDもYun*chiさんの声じゃないのが違和感あったりで始まりと終わりが締まりません。新OPEDの良し悪しとかではなく馴染むための時間が足りてないと感じます。このようにエンジンかかりきらない1クール12話である前提で3期は楽しみましょう。
連続性の演出は重要でして、仮に内容がイマイチでもお約束の担保でファンの目はごまかせるのです。

そうしてごまかせなかった物語の中身。サブタイトルにもなってる『円卓崩壊』ネタはもとより、{netabare}レイネシア姫の婚姻ネタ等の{/netabare}3期になって初出のネタが、過去50話でそこそこ広げた風呂敷にさらに被せてきたのがわかりづらさを助長してる印象でした。

わかりづらいなら整理してしまえ!と自分なりに観点整理だけはしときます。

■2期まで踏まえて3期の注目点

・帰りたい冒険者。残りたい冒険者。
 ⇒{netabare}それほど深掘りせず。{/netabare}
・冒険者と大地人のパワーバランスは変化するか?
 ⇒{netabare}よくわからない。{/netabare}
・現実世界へのアクセスする鍵が出てくるか?
 ⇒{netabare}ほぼ触れられず。月に行けばなんとかなりそうってとこ止まり。{/netabare}
・ミナミは?
 ⇒{netabare}政略結婚の仕掛けでちょい出。いよいよ次のクールでGOTOミナミになりそう。{/netabare}
・カナミは?
 ⇒{netabare}いわゆる大陸案件。クラスティの記憶を奪い英雄エリアスを制御してた仙女の動機が不明。{/netabare}
・恋の行方は?
 ⇒{netabare}シロエ周りはどうでもいいかも…{/netabare}
 ⇒{netabare}五十鈴とルディ。クラスティと姫。戻れる人とゲーム限定の人。これきっと切なくなる。{/netabare}

これだけだとふっ散らかってるんですけどね。そうはいっても楽しめました。
前半の政治劇と後半のバトルと按排の良い配置です。イデオローグに依らず意思決定プロセスが明快。そしてポイントをそれなりにおさえてる政治劇がお気に入り理由なため前半はこれまでの蓄積関係なく楽しんでました。それらにかまけてるうちに大陸で物語が進行してたり、2期で謎の存在だった“古代種”について追加情報出てきたり、特に不満はございません。


よくぞ3期を作ってくれました、でお釣りがくる作品だとは思っているので個人的にはそれだけで充分。
ついでに、、、同じ続編を匂わせるでも“新たな謎をどーぞ”だった2期の終わりよりも“いよいよ核心へ”な今回3期の締め方のほうが好感を持てます。


なんせ6年ぶり3期めですから。
これは2016年の履正社6年ぶり3回目の夏の甲子園出場とまんま一緒です。そして3年後4回めの出場で全国優勝しとります。
2021年4月現在、続編未定ですがプラス3年くらい気長に待ちますよ。奇しくも大阪だし(笑)



※ネタバレ所感

■さすがはアインス様!

〝ズ”ではありません。〝ス”であります。もともと戦闘系ギルドだったのに役場の福祉課みたいになってたギルド〝ホネスティ”の親分。英語だと正直・誠実を表す〝honesty”とさもありなんなネーミングです。無能なだけでいい人たちなんよね。
残念ながら「さすが!」とはならずに、ビリー・ジョ○ルのサッチャロンリワードのほうでした(謎)。

{netabare}サブタイトル『円卓崩壊』の引き金となったアインスのご乱心。重要エピソードです。

これがまた根が深くて興味深い。
内輪の問題解決に外部の力を取り入れて崩壊に至った例は数知れずまさに今回のもそれ。貧すれば鈍す。窮すると最善手に見えてしまうのです。
問題そのものも「貧民に利益を分配してくれ」でしょ? 当然通るものではないところで彼が取るべき選択肢は「分配への対価を示すこと」または「分配がアキバに資することの証明」でした。前者は権利と義務をセットに考える基本のお作法。後者は公共福祉のあるべき姿とのマッチング作業。

そんなやれることせずにひとっ飛びで〝体制が悪い”の結論に至るところがダメよね。

 「もっとこう…話し合うこともできたはずだ」byシロエ

西が大地人と冒険者をがっちゃんこした統治機構をもっていて、冒険者オンリーしかも強制権のない自治組織のアキバ界隈から見ればロールモデルになりうるのが隣にあるのにアインスさん辛抱しようよ、と思うのが本音です。やったことだけで判定するならアインスは残念極まりない人物です。


ただアインスの動機は納得感あり。
それに彼のみならず皆政治家ではなく元はゲームプレイヤーですから判断ミスすら〝致し方なし”とある意味リアルです。
もとがゲームですから大なり小なり弱肉強食な文化が浸透してた前提だったと仮定しましょう。それが仮初めの快楽空間(ゲーム)から実際の生活基盤へと変化する転送を経験して秩序が必要になりました。その象徴が〝円卓会議”です。
ミノリとトウヤがそうであったように低レベル冒険者の搾取問題は1期それも早い段階から。そこにNPC(大地人)の貧困問題も付加されます。それに円卓メンバーは俗に言う勝ち組なわけでしてアインスとは見えてる景色が違ったことでありましょう。
つまり見落としてた部分を拾う者がこの世界には必要であったのです。{/netabare}


導き出される結論は
〝動機は真っ当。手段が不当”ということですよね。


{netabare}額に汗水垂らして頑張った成果を「チャラにしてちょ?」と要求してるのと変わりません。提案ではなくタカリでしかないのに、困ったことに本人は善行をやってるつもりなのでタチが悪いのです。{/netabare}
{netabare}一方のシロエだって駄目なもんはダメ。選挙で思いっきりバ○デンしてましたもん。「法律に書いてないでしょ?」でロジカルお化けが横行すると人心は荒廃します。なんか胸のすくエピソードみたいに仕立ててましたが、やったらあかんやつです。{/netabare}


■オマケ

・{netabare}LV65問題は未解決{/netabare}

・{netabare}レイネシアの母親への啖呵が小気味よかった。
 「お母さまが歩めたかもしれない道を進みます」{/netabare}

・{netabare}カナミ:3歳の子供にこの世界を見せてあげたいとのこと。発想が斬新。
 アカツキ:「主君」呼びと女子力どうこうの連呼がなんともかんとも。
 ミノリ:一番まともそうなのが中学生?と最ロリなんですよね。告白は少女漫画展開でした。
 大阪の女:関わっちゃだめですよ。屈折しててそのうち手首切りそうです。

 あと嫁レース参加者いましたっけ?シロエの周りにまともな女子がいないと思います。{/netabare}



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ視聴 

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2021.05.01 初稿
2022.02.13 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

NHK大河ドラマ「円卓崩壊」

【物語 4.0点】
1クール尺の三部構成。
{netabare}①<ヤマト>における<大地人>の地政学を背景にした<円卓会議>の崩壊と刷新。
②<中原サーバー>における<古来種>とクラスティの動向。
③上記<ヤマト>情勢も遠景にした<典災>と<古来種>が絡むアキバレイド。{/netabare}

<大災害>によるゲーム内世界の現実化という事態にいち早く向き合ったシロエが
「異世界を舐めている」と始めたギルド<ログ・ホライズン>及び<アキバ>統治のための<円卓会議>
だが事態の進行は加速度的かつ深刻であり、既存の<円卓会議>が限界を迎える前半部。

シロエたちのこれまでの活動が、
かつて<ハーメルン>から救済した<冒険者>たちの成長として結実する後半部。

従来のやり方では通用しない無力感もあるが、
これまでの道のりも無駄じゃないと噛み締めることもできる。

この3期に向けて、1期、2期で予習・復習した方が良い過去話は?……全部。
とスタッフが言明している通り、内容は著しくファン向け。
ここまで付いて来た視聴者には報いる要素が敷き詰められている。


【作画 3.5点】
作画ソース量は並で、それを終盤のレイド戦周辺に集中する作戦。
結果、{netabare}ウロコパワーで絶対無敵なトカゲ大王w{/netabare}など怪獣バトルじみた?
まずまずのレイドシーンなどが再現。

一方、惜しいのが政治劇中心となった前半部。
もっと表情を描き込めるだけのソースがあれば、
駆け引きのシーンを深化できたはず。
終盤の人間ドラマでは表情筋が効果的に機能していただけに、
余計に悔恨が残りました。


【キャラ 4.0点】
<典災>と<古来種>の存在が一層、重要になる本作。

プレイヤー=<冒険者>の、住民のNPC=<大地人>等に対する優位性の一つとして、
ゲームプレイを通じて、世界を外側から捉える神に近い視点を有し、
システムにも精通していた点などが挙げられる。

が、<典災>はより上位のシステム権限の如き異能を通じて、
<冒険者>にバッドステイタスを付与。
<古来種>はゲームサービス開始初期からの記憶を明かす。

<冒険者>に対し知識と能力の優位を前提にした従来のやり方の限界を突き付ける。

シロエ、アカツキ、ミノリの三角関係にも進展がある3期。
と言うより、{netabare}そこが白熱して、ラストのレイドボスが割と空気にw
決着後、労う女子の友情良かったです。
安易に囃(はや)し立てたことを謝罪する五十鈴とかグッと来ました。
真の女子力?思い知らされました。{/netabare}

【声優 4.0点】
原作からセリフを厳選して、声優の演技に託す部分も多いという本シリーズ。
今作では、ミノリ役の田村 奈央さんの揺れ動く乙女の心情表現などにも一層、磨きがかかる。

従来の声優陣が盤石の演技をする中、
藤原 啓治さんの逝去により、リ=ガンを代役した多田野 曜平さんも、
渋味を増した彼なりの賢者ぶりを披露。

あとは<典災>エレイヌス役の五王 四郎さん。
御年73歳のいぶし銀ボイスによる{netabare}「汝ら崇敬の対象をもつや!?」{/netabare}との煽りが、
妙に脳裏にこべり付いていますw


【音楽 3.5点】
劇伴は高梨 康治氏の続投。やはり駆け引き中心の序盤は大人しいが、
戦闘シーンが増える終盤に向け、シンフォニックロックを集中砲火♪

OP主題歌はBAND-MAID「Different」
ついに変更になったOP。
ガールズバンドのハードロックと共に流れるOPアニメーションは引き続きストーリーダイジェスト型。
毎度、2回目の“Let's go it`s show time”に合わせて
ポーズを決める魚顔のマルヴェス卿に吹き出してしまうのは私だけでしょうかw

ED主題歌は大城 美友さんの「ブルー・ホライズン」
こちらも歌手交代により、くすぐったい恋愛ソング→
伸びのあるボーカルによる心地良い応援ソングに。


【感想】
2期まで私は<ヤマト>は<大地人>の5つの文化圏の境界が
明確に確立された地域だと思っていました。
が、本作を見て、西国でかつての権力は衰えたものの、
古王朝の権威は保持している<神聖皇国ウエストランデ>が、
東国の<自由都市同盟イースタル>の勢力圏及び<冒険者>の街<アキバ>に対しても、
任官などを通じて影響力を及ぼすことができる。
中世日本の朝廷と幕府の二重支配の如き複雑な構造が、
局地に波乱をもたらす、誠に厄介な火薬庫だと理解して、私は興奮していますw
面倒臭いのサイコーですw

そんな<ヤマト>情勢をも利用して難局を乗り越えるシロエには、
名家の当主より“東の外記(げき)”なる律令国家じみた栄誉ある称号?が与えられました。
これは<ミナミ>の“西の納言”濡羽と対を成す構想とのことですが、
3期では、そこまでは進展しませんでした。

アニメ3期をもって、原作web小説書籍化以来のメディアミックス体制も一旦、畳まれるという『ログホラ』
“東の外記”と“西の納言”とのアニメでの再会。私は気長に待ってます♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

約6年の時間を経て…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期~第2期は視聴済です。
TV版の第1期は2013年の秋アニメ、第2期は2014年の秋アニメとテンポ良く放送されてきましたが、そこでプッツリ途絶えてしまいました。
だからもうこれ以上はアニメ化されないものと思っていたので、第3期の放送決定は素直に嬉しく思いました。
ですが、第2期と第3期の間が6年も空くと、流石に物語の内容は忘れていましたけれど…


ある日突然、人気オンラインゲーム『エルダー・テイル』の世界に、
数万人のプレーヤー『冒険者』が閉じ込められた!
モンスターや魔法がリアルに存在する異世界で人々は混乱し、
冒険者の街『アキバ』は秩序を失っていた―

人づきあいの苦手な青年・シロエもそんな冒険者のひとりだったが、
意を決したシロエは盟友の直継、アカツキ、にゃん太らとギルド 『ログ・ホライズン』 を結成。

さらに、持ち前の知略を武器に冒険者の結束を呼びかけ、
自治組織『円卓会議』を立ち上げ、街に平和と安定を取り戻す。

この『円卓会議』を中心に、ゲーム世界のもともとの住人である『大地人』との交流も進み、
筆頭貴族コーウェン家の令嬢・レイネシアがアキバに赴任するなど、
冒険者と貴族や商人、一般市民などとの外交や取引も活発化していく。

しかし、冒険者たちが異世界に飛ばされた『大災害』から1年が過ぎ、
つかの間の繁栄を享受していたアキバの街には、
新種のモンスター『典災』の襲来や東西の貴族どうしの権力闘争、
冒険者間の格差・思惑の違いなど、多くの火種がくすぶり続けていた。

そして、ついに冒険者の結束の象徴『円卓会議』に決定的な危機が訪れる…


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

特徴的なキャラが多かったので、キャラのイメージは忘れていませんでしたが、物語の方は残念ながら殆ど記憶に残っていませんでした。

最初にダイジェスト版でも放送されたら…
と思いながらwikiをチラ見していたら、こんな記載がありました。
「本放送前の同年1月6日には特別番組『まだ間に合う! ログ・ホライズン』が放送された。」
きっとこれがダイジェスト版だったんでしょうね。
この番組を視聴しなかったから、あやふやな記憶で視聴に臨むことになりましたが、キャラを覚えていたおかげで何とか物語についていくことができました。

SAOの様な派手さはありませんが、堅実さを感じる展開は好印象でした。
派手さを売りにする作品はたくさんありますが、堅実さを売りにする作品にはそうお目にかかれないので…
もう少し早めに放送してくれていたら、もっと記憶が鮮明だったのに…
それだけが悔やまれます。

一方、物語の方ですが今回は主要登場キャラの心情を知ることができたのではないでしょうか。
自分の気持ち…相手の気持ち…そして大切なモノ…
思いの強さや直向きさなんて、きっと自分のことだって良く分かりません。
全部ひっくるめて思いが溢れかえっているのですから…

言葉を飲み込んでばかりいたら、きっと届かない…
改めて勇気を見せて貰いましたよ。
でも、その思いは大切にして欲しいと思います。
この先、何が起こるか分かりませんし、全部真実で、未来の糧になるのですから…

オープニングテーマは、BAND-MAIDさんの「Different」
エンディングテーマは、大城美友さんの「ブルー・ホライズン」

1クール全12話の物語でした。
これから始まる新たな展開を予期させながら物語は終幕しました。
まさかこれで終わりじゃありませんよね。
続編が制作されるなら、是非間隔をあまり開けずに放送して貰えると嬉しいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

65.1 16 呪いで異世界なアニメランキング16位
魔女っこ姉妹のヨヨとネネ(アニメ映画)

2013年12月28日
★★★★☆ 3.8 (116)
739人が棚に入れました
その時代その国には、魔法や呪いをかけたり解いたりすることを生業とする 人々がいました。その時代の魔の国。樹老長さんの森で、のろい屋を営む魔女の姉妹がいました。のろい屋では、姉のヨヨさんと妹のネネちゃんが、魔法や呪いに関する人々の悩みの依頼を日々解決していました。そんなある日、森に突然異形の大樹が生えてきました。よく見ると、大樹は見たこともない建物に絡みついています。それは、22 人が住む魔の国にはないはずの、現代的な高層マンションだったのです!さっそく調査にあたるヨヨさん。建物内で見慣れない人影を見つけて追いかけると、今度は足元に謎の魔法陣が浮かび上がり、不思議な光に包まれて……。ヨヨさんが飛ばされた先は、見知らぬ異世界。そこでヨヨさんは、孝洋と亜紀という二人の子供に出会います。孝洋たちは突然目の前に現れたヨヨさんに戸惑い、自宅へ逃げ帰りますが、孝洋の自宅で待っていたのは……何と“化物”になってしまった両親の姿でした!目の前の出来事が信じられない孝洋たち。そんな様子を見てヨヨさんは呟きます。「これは……呪い!!」異世界に迷い込んでしまったヨヨさんは、まずは孝洋たちの両親を化物に変えた魔力の元をたどることにしました。一方、魔の国に残されたネネちゃんは、魔の国と異世界で起こっていることには何か関連があるのではと考え始めました。魔の国と異世界に一体何が起こったのでしょうか!!かくして、2つの世界をまたいだヨヨさんとネネちゃんの不思議な冒険が始まるのです!!!!

声優・キャラクター
諸星すみれ、加隈亜衣、沢城みゆき、櫻井孝宏、佐々木りお、子安武人、中川翔子、長克巳、本田貴子、氷上恭子
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ほいっ!

 あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。100分くらいの子供向けの魔女っこファンタジー。
 生と死を軸として信じる心を問う作品、ってところですかね。あまり有名ではない作品のような気がしますが、もっと評価されていい作品だと思います。大人でも感動できる秀作に仕上がっていました。


もう少し子供への配慮を:{netabare}
 魔法の触媒の影響で魔の国に異変が起こる、というオープニングテーマ直後のシーンなんですけど、こんな感じで描かれていました。「触媒をまじまじと見る」→「触媒を目の前に置く」→「触媒が光る」→「会話」→「異変が起きる」
 この流れがちょっと不親切に感じました。触媒が光ったことが原因で異変が起きるんですけど、会話の当事者の誰もが触媒の光に気付かないんです。会話に気を取られたとはいえ、目の前に置いた触媒は露骨に光りますからね。何で誰も気付かないの?と違和感を感じてしまいました。

 普通こういうシーンでは、触媒を少し離れたところに置くとか全員が触媒から目をそらすカットを入れるとか、「登場人物は触媒を見ていないから、その光に気付いていませんよ」っていう説明をきっちり入れると思います。これによって「登場人物は知らないけど、視聴者は手掛かりを持ってるよ」という両者の情報ギャップが生まれます。

 この情報ギャップって、この作品に限らずかなり大事なものだと思います。視聴者は物語の概観が分かりませんから、どこを手掛かりにストーリーを追えばいいのかも分かりません。そこで、視聴者と登場人物の間に情報ギャップを生じさせることで、視聴者に「登場人物がいつそれに気付くのか?」という指針を与え、ストーリーの展開を予測させるのです。
 第一話が見終わっても、この作品は何をしたいの?なんて疑問が生まれてしまう作品は往々にしてありますが、その多くはこの「視聴者に予測させる」って視点が欠けているからなんだと思います。

 こういう情報ギャップって、ごく普通に使われているためにほとんど意識することはないと思います。例えば、名探偵コナンなら「犯人側の動きを見せる」だし、エヴァなら「ゼーレの会話を入れる」だし、戦争ものなら「敵国の動きを見せる」って感じですね。たったこれだけで「主人公たちは知らないけど、私たちは知っている」情報が生まれます。私たちが知っている情報に対して主人公がどう向かっていくのか、すなわち、どのように情報ギャップが埋まるのかっていうのがストーリーの理解に役立っているってことですね。

 で、この作品では出来てないって話ではありません。仕事の依頼人の顔が視聴者にはしばらく分からないんですけど、これも情報ギャップとして機能しています。「登場人物たちは知っているけど、私たちは知らない」っていう前掲の逆パターンで、「私たちがいつ知ることが出来るのか?」をフラグとして機能させるものです。つまり、私が言いたいのは「出来てない」ではなくて、「子供向けとしては不親切だ」って話です。
 触媒が光った後に会話のシーンがあるので、会話に気を取られて触媒を見ていなかったんだな、という理解は可能なんですけど、理解に労力を使ってしまうせいで予測が不十分になってしまいます。もちろん大人は理解した上で予測も出来ると思いますが、子供には理解するのが精いっぱいかも知れないな、とも感じました。子供に順序良く説明するって姿勢がやや欠けている気がしたってことです。子供向けの映画を作るのなら「大人が分かる」レベルではなくて、「子供にも分かりやすく」って意識の方が重要だと思います。
 これは単なる一例に過ぎませんが、信じる心が大事っていうメインテーマもちょっと分かりづらかった気がしました。
{/netabare}

話の進め方はかなり上手い:{netabare}
 上記の話っていうのは、正直言っていちゃもんレベルです。平たく言うと「触媒を目の前に置く」→「触媒が光る」の間にある「目をそらす」っていうのをもっと子供に分かりやすくしろってだけの話ですからね。大人向けの作品ならあの描き方で十分ですし、あのシーンのみをもって作品の質がどうこうって話でもありません。
 ただ、平尾隆之監督の作品を見るのはこれが初めてでしたので、こちらとしてはどんな監督なのか探ろうと細部まで目を凝らしますし、子供向け作品に必要な子供への配慮のところは優先的な確認事項になりますからね。


 じゃあ、この監督の話の作り方がヘタなのかって言うと、そんなことはありません。大きな流れも小さな流れも、話の進め方自体は非常に上手い監督だなと思いました。

 魔の国からこっちの世界に飛んで来て、「違う世界に来ちゃった!」と気付くシーンがあります。
 多くの作品では、飛んで来た直後にパノラマで別世界の景色を見せて「違う!」とやってしまう気がします。飛んで来たタイミングと気付くタイミングを一致させるのです。

 この作品ではちょっと凝ってて、「子供たちを追ってこっちの世界にやってくる」→「消火器を魔法のホウキ代わりにして追いかける」→「追いついた後に家の中で会話する」→「消火器に掛けてた魔法が解けて、部屋中に煙が充満する」→「『窓開けろ!』から外の景色を見て『違う世界に来てる!』」てな感じになっています。
 ここでの「子供たち」っていうのが主人公ではない主要人物なんですけど、主人公と主要人物の出会いのシーンと異世界に来たことに気付くシーンが、ぶつ切りにされずに綺麗につなげられています。オープニングではこれでもかとホウキで空を飛ぶシーンが描かれていますし、そこからもつながりを感じられます。
 また、このシーンからは、主人公の性格も分かりますよね。状況確認を優先する冷静沈着型ではなくて、考えるよりまず行動するタイプだったのが伝わってきます。話をスムーズにつなぐだけでなく性格付けまでしているわけですから、素直に話を作るのが上手い監督だなぁと思えました。

 小さな話の流れだけじゃなくて、大きな話の流れも上手かったですね。魔の国の死生観とこっちの世界の死生観が違うっていうのが、テーマ的にもストーリー的にも重要な要素になっているんですけど、ここも段階を踏んで綺麗に作られていました。
 主人公のヨヨが交通事故から小さな子を助けた後に、そのお母さんから感謝されるシーンがあって、このときヨヨは「なんで感謝されるのか分からない」と言っていました。こっちとしては感謝して当然の場面ですから、そんな感想を持ってしまうヨヨの方が分からない、というしこりが残ります。
 この後の魔の国のシーンで、いとも簡単に死者蘇生がなされます。そのため、「魔の国では死が重たくないんだ」という解答を得ることができて、件のしこりが解消されることになります。この後の展開は、こっちの世界での死に触れて、生に触れて、そして…って感じに流れますが、ネタバレが過ぎるのでここまでにしておきます。
 まず疑問を持たせて、次にそれを解消して、疑問が溶けているのに「この後どうなっていくの?」と感じさせるこの展開の仕方はお見事でした。
{/netabare}

山場がちょっと弱い:{netabare}
 これ100分くらいの作品なんですけど、最終局面に入ってからが40分くらいあります。感動を作るスローテンポな部分も含まれていて、それ自体は非常に良いんですけど、全体としては冗長な感じを受けました。
 子供向け作品には終盤のアクション要素って大事だと思います。子供の集中力ってそんなに長くは続かないですから、子供に気を引かせるための派手なアクションは欠かせません。大人ですら冗長な感じを受けたのなら、子供には尚のこと退屈だったかもしれません。

 で、この作品のアクションは序盤から空を飛びまくっているのもあって、結構派手で楽しいです。でも、ずっと同じ派手さではメリハリが無くなって息切れしてしまうっていうのもありますよね。しかも、終盤のアクションはビルをよじ登るっていう地味なシーンに尺が取られていますし、感動シーンはスローテンポだっていうのもあってかなり失速してしまったような気がします。

 個人的には、あのロボットにもっと活躍してもらうか、歌のシーンを入れて欲しかったです。
 ロボットの活躍はちょっと地味でしたよね。もっと街を破壊してもいいのではないでしょうか。子供向け作品とはいっても遠慮はいらないと思います。ポケモンでもドラえもんでも、人的被害の無い破壊シーンは結構派手にやってますからね。
 それか歌ですね。序盤の歌のシーンは、かわいくて楽しくてすごく良かったです。魔女っこもので序盤に歌を入れたのなら、最後の締めも歌で盛り上げちゃえばいいんじゃないの?と思いました。あれだけ楽しませられるのに序盤だけってのももったいないですからね。
{/netabare}

雑記:{netabare}
 平尾隆之監督って本作が監督デビューではなくて、「空の境界 矛盾螺旋」っていう作品を撮っているみたいですね。私は見ていないので分かりませんが、タイトルから察するに子供向け作品ではないと思います。平尾隆之監督が今後も子供向け作品を続けるかどうかは分かりませんが、小学生以下の子供をターゲットにした作品を撮るつもりなら、もっと分かりやすさを意識して欲しいかなぁなんて思います。

 なんか文句ばっかり書いているように思われるかもしれませんけど、決して文句が言いたいわけではありません。冒頭でも述べましたが、作品全体は良いものに仕上がっていますし、私は結構楽しめました。子供向け作品にはそれなりの気の使い方をすべきだっていう私の個人的な思いを述べているだけですからね。大人向け作品は相当良いものが作れそうだな、と思ったのは事実なので、次は続き物じゃない大人向け映画を見せて欲しいかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高!最高!!最高!!!老若男女問わずして、この映画の魔法にかかって存分に癒されて下さい!\(^ω^)/ホイ!(^人^)

原作はイラストレーターの「ひらりん」がCOMICリュウに連載していた漫画『のろい屋しまい』
漫画自体は割りと殺伐とした絵柄と内容なのですが、この『のろい屋シリーズ』は連載終了後も派生作品が作り続けられ、【絵本や児童文学】といった非常に多岐に渡る展開を見せており、コアな漫画ファンのみぞが知るところならぬ多くの世代から支持される作品なのです










この物語の主人公は幼い姿をしながらも絵本級大魔法使いと謳われ、底なしの魔力を持ち、33歳で世界を征服するであろうといわれる“ヨヨさん”
そしてヨヨさんが好きで好きで堪らない努力家の最優秀お手本級魔法使いの“ネネちゃん”
二人は姉妹で「かけます ときます のろい屋」をキャッチコピーに魔法や呪いが現実に存在する『魔の国』で『のろい屋』と呼ばれる職業を営んでいます


ある日のこと、魔の国に突如として高層マンションを抱え込んだ大木が姿を現し、それを調査していたヨヨさんはエレベーターに閉じ込められ、そのまま現代社会の日本、横浜へと転移させられてしまいます
ヨヨさんが現代社会で最初に出会った少年“孝洋”と幼い女の子“亜紀”の家族に起こった呪いと思われる不思議な事件を解決すべく、ヨヨさんはのろい屋として仕事を引き受けます
一方のネネちゃんはなぜ魔の国に現代社会の建造物が現れたのか?ヨヨさんが元の世界に戻る方法はあるのか?、を魔の国の側から調べていきます
二つの世界に裂かれた姉妹の絆、やがて明かされていく事件の真相のスケール感
老若男女ヒトを選ばない魅力は“いま最もジブリに近い作品”と言えるでしょう
前半は笑いが、後半は涙が止まらない、そして最後は癒される、一大エンターティメント作となっています^^b










まず魅力的な原作をあえてスルーし、本当の意味で子供も大人も関係なく楽しめるように練りこまれたオリジナルストーリーが素晴らしい
特にサムネイルを拝見していただくとわかるよう、異世界に渡ってしまったヨヨさんの体を彼女の精神年齢を具現化したような中学生ぐらいに設定したことはナイスです


また、始めは異世界の出来事に興味を示さなかったヨヨさんの心境変化の描き方
クライマックスで絶体絶命の危機に立ち向かうヨヨさんのひた向きな姿勢もアツいみどころです


ヨヨさんを心配するネネちゃんとの姉妹の絆は涙を誘う場面でありますが、この辺りは原作を読んでいるとネネちゃんがヨヨさんを溺愛するワケなんかも解って感動倍増しますよ



監督には『矛盾螺旋』『ギョ。』『桜の温度』の平尾隆之
これまでの監督の作品は画面のほとんどが一色の色で統一されていました
矛盾螺旋では小川マンションの電灯の色で“オレンジ”
桜の温度では廃屋に振る月明かりで“ブルー”といった具合です
対して今作では森林の木々一つとってもピンクやライトブルーを豊かに織り交ぜた色彩で魔の国の姿を描いているのが興味深いところ
尚且つこれが“温かみのある色”で目にドぎつい感じにはなっていないのがイイ!


音楽には『ゴッドイーター』の以降の平尾作品の常連、椎名豪
今作では電子音、クルマのエンジン音、時計の音など効果音を楽曲の中に組み込む実験的な挑戦をしつつ
ディズニーよろしくミュージカル風に歌い出すヨヨさんが楽しげに歌う挿入歌から
そして物語後半を盛り上げる厚みのあるオーケストラやスピリチュアル風のコーラスまで
いや、盛り上げるというよりかヨヨさんの悲しみや憤りのスケール感を演出するのに一役買ってるんですよね、凄いんですよ
よく聞けば挿入歌こそが今作のメインテーマであり、BGMのほぼ全てのメロディラインが挿入歌に集約されてることに気付きます


キャストの熱演も素晴らしく、みゆきち、しょこたん、本田貴子さんは言うに及ばず、特にヨヨさん役の諸星すみれちゃんが目(耳)を引きます
この近年成長が著しい“天才”の起用は実にナイスセンスでしたb
2013年はシュガーラッシュといいコレといい、個人的にはすみれちゃんイヤーでしたわぁ・・・


兎にも角にもこの作品の全部を諸手を挙げて絶賛したいんです!\(^ω^)/
監督も大人向けに作ったつもりは無かったというものの、“アニメの面白さ”や“魔法への憧れ”といった原初的体験を思い起こさせる今作は、それらを忘れてしまったオトナの心にも響くんだと感じましたよ!
2013年における【ベスト映画】でした!間違いねー!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かけます! ときます! のろい屋しまい!

この作品の原作は未読ですが、完全オリジナルストーリーだったみたいですね。
すみれちゃん、くまちゃん、みゆきちが出演されているのを知り、視聴が楽しみになった作品です。


その時代その国には…
魔法や呪いをかけたり解いたりすることを
生業とする人々がいました。

その時代の魔の国。
樹老長さんの森で、のろい屋を営む魔女の姉妹がいました。

のろい屋では、姉のヨヨさんと妹のネネちゃんが、
魔法や呪いに関する人々の悩みの依頼を
日々解決していました。

そんなある日、森に突然異形の大樹が生えてきました。
よく見ると、大樹は見たこともない建物に絡みついています…
それは、2人が住む魔の国にはないはずの、
現代的な高層マンションだったのです!

早速調査にあたるヨヨさん。
建物内で見慣れない人影を見つけて追いかけると、
今度は足元に謎の魔法陣が浮かび上がり、
不思議な光に包まれて…。

ヨヨさんが飛ばされた先は、見知らぬ異世界。
そこでヨヨさんは、孝洋と亜紀という二人の子供に出会います。
孝洋たちは突然目の前に現れたヨヨさんに戸惑い、
自宅に逃げ帰りますが、孝洋の自宅で待っていたのは…
何と"化物"になってしまった両親の姿でした。
目の前の出来事が信じられない孝洋たち。
そんな様子を見てヨヨさんは呟きます。
「これは……呪い!?」

異世界に迷い込んでしまったヨヨさんは、
まずは孝洋たちの両親を化物に変えた魔力の元をたどることにしました。
一方、魔の国に残されたネネちゃんは、魔の国と異世界で
起こっていることには何か関連があるのではと考え始めました。
魔の国と異世界に一体何が起こったのでしょうか!?
かくして、2つの世界をまたいだヨヨさんとネネちゃんの
不思議な冒険が始まるのです!!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

少しボリュームのあるSTORYですが、この作品のポイントを的確にとらえていると思います。
主人公のネネちゃんは、元気いっぱいの女の子…すみれちゃんの声質も生き生きとしたキャラに彩りを与えています。。
何でも絵本級の大魔法使いなんだとか…

くまちゃん演じる妹のネネちゃんは、最優秀お手本級魔法使い…
姉のヨヨは無尽蔵な魔力の持ち主ですが、ネネちゃんは生まれつき魔力は多くありませんでした。
でも、努力家で魔法中学校を首席で卒業する頑張り屋さんなんです。

ネネとヨヨはとっても仲良しで、お互い思い合っているのが手に取るように分かるところも心地よかったですし高評価です。

ヨヨが飛ばされた異世界は、現代の日本みたいな感じ…
だから魔の国とは見た目からして大きく違うのですが、違いは見た目だけじゃなかったんです。
それは魔法使いの根幹にも関わる禁則事項…

全年齢対象の骨太ファンタジーなので、勧善懲悪的な展開は微塵もありません。
そう、最初は良かれと思って…それが人の役に立つから…幸せをおすそ分けしたいから…
きっとこれ以上の純粋な気持ちなんて無いくらいの場所がスタート地点なんです。
だけど、際限無い人間強欲が純粋な気持ちを汚していくんです。
そしてそれは気持ちから形へと姿を変え、きっちり本人に還元される…
所謂、この世の理というヤツでしょうか。
でもそれを不条理だと感じる人間を守るため全力で抗うのがヨヨさん…なんですよね。

一方、ヨヨだって万能ではありません。
それが在り方から異なる異世界ならなおのこと…
だからヨヨにとって今回の冒険は、貴重な体験になったことと思います。
命の尊さ…温かな心遣い…自分より他人を優先する心…
どれも魔の国じゃ体験できなかったことなのではないでしょうか。

アニメーション制作はufotableさん…
作画もしっかりうごいていましたし、本作品でも良い仕事してくれていますよ。

上映時間約100分程度の物語でした。
掛け値なしに面白い作品だと思います。
あにこれでの人気は決して高くはありませんが、もう少し評価されても良い作品なんじゃないかと思いました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

56.5 17 呪いで異世界なアニメランキング17位
異世界召喚は二度目です(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★☆☆ 2.6 (128)
398人が棚に入れました
かつて異世界エクレールへと召喚され、戦乱を収めて平和をもらたしたセツ。 しかし戦いの後で元の世界へと転生、二度目の人生をやり直すことに。 そして高校生になったセツは再びエクレールへと召喚されてしまう。 エクレールでは五年が経過し、世界は再び戦乱の兆しを見せていた……

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ガバガバ設定は気にするな!ってこと?

 12話(最終話)まで観ました。2023.06.25

 全てトウマが悪いって事で、戦争も終結して平和になりました。

 なんでトウマを倒すと戦争が終るのか?部下が四人しかいないような陰キャですよ?色々牛耳っていたような感じなのに、あんまりです。

 トウマの悪事も呪われてたからって事で解決しました。めでたしめでたし!

 クラスメイトも無事に帰還出来ました。それもスゲー簡単に…。無駄に異世界で命を危険にさらしただけでした。戦力的にも?でしたし…。

 セツさんがもっと早く帰してあげれば良かったのでは?説明が無いので今まで出来なかった理由が不明です。
 
 トウマは少なくても強制送還すべきでは?バトル中はガチで殺し合いしていたのに、赦して良いんでしょうか?また、闇落ちしない保証があるんでしょうか?
 
 夕陽は異世界に残るようです。全然活躍してないのに、ヒロインの座をゲットしていますが、他のヒロインはコレで良いんでしょうか?

 ワンクール観ても、説明不足でガタガタな物語でした。はっきり言って、駄作です。

 ただ、細かい設定なんか全く考えて無いなろうをアニメにするには仕方無いかなとも思います。

 偉大なるテンプレから逸脱した、危険ななろう作品のアニメ化はとても大変だったと思います。関係者の皆様、お疲れ様でした。

 それでも希望はあります。( T∀T)

………………………………………………………………………

 11話まで観ました。2023.06.19

酷いバトルシーンが続きます。トウマ配下のクソ雑魚四天王はやっぱり雑魚でした。

 この四天王、変な実験で虐待され、強化されて化物になってしまったために、世の中に居場所が無いんじゃあ〜とか言っていますが、他のキャラ達も戦闘能力の差以外に特徴など無いので、そのへんのやつらとの違いが良くわかりません。

 制作側に上手くバトルを盛り上げる演出能力が無いため、敵も味方もキャラクターとしての深みが無く、因縁のある相手もあっさり殺します。全員サイコパスなの?

 しかも、キャラが多すぎて画面上に描ききれておらず、リヴァイヤとかもどこかへ行ってしまっています。

 いつの間にか魔族と人間の戦争も有耶無耶になっています。おかしくない?さっきまで殺し合っていませんでした?

 トウマの部下はどちら陣営だったのかも曖昧になっています。そもそもセツも後から登場するため、戦争の最初から参加しているクラスメイトと女騎士達以外、トウマも含めて主要キャラがどちら陣営なのか不明確です。

 原作がそうなのか、アニメ制作の演出が狂っているのか、非常に物語の流れが悪いです。

 最終話、どんなクソ展開になるのかとても楽しみです。

………………………………………………………………………

 8話まで観ました。2023.06.02

 やっとボスキャラ登場!「梨花」さんや「たくすけ」さんが書かれているように、ヤバいサイコ野郎です。

 異種族は滅ぼすぞコラ!と、イキっていますが、部下が人外ばっかりだったような?

 転生チート主人公が異世界の体制側に加担する話、「賢者の孫」とかでもそうですが、敵が革命勢力だったりして主張に一理あったりすると、テンプレ頼みで世界観設定を真面目に考えていない、なろう系原作者の実力では、上手く処理出来ません。

 チート主人公が革命勢力を叩き潰す話では、鬱展開すぎるので、反体制派の敵対者はだいたい話の通じない魔物か、サイコパスな悪者に設定されがちです。

 所詮テンプレなので、魅力的な悪者にはなりません。残虐で、皆殺しだ!とか言うだけの悪ボスに誰がついていくのか…。

 どうせしょうもないことになるでしょうが、クソすぎて目が離せません。

………………………………………………………………………

 6話まで観ました。2023.05.16

 皆様のレビューにあるように、ある意味衝撃の6話でした。私、あまり作画を気にしない方ですが、かなりヤバくなっているのは分かります。

 顔見知りにそのへんで遭う展開は、一回目の出がらしを観ているような感じです。

 もっと、一回目の人脈を活かせば、効率良く立ち回れそうですが、なんか…主人公の思慮が浅いです。

 もう、挽回は不可能でしょうが後半に期待します…。

……………………………………………………………………… 

 4話まで観てのレビューです。2023.05.04

 主人公の昔の知り合いがそこら中にいる中で冒険します。せっかく二度目の人生プラス異世界なのに、意味があるのか不明です。

 1から異世界で人間関係を築いていくのに耐えられない、早く俺tueeeeeeeeee!を観たいせっかちさん向けなのかな?

 今の所、1から関係を築いていくよりも、キャラクターの情報が少ないため、主人公もあまり大活躍してない様な…。

 5話以降も旧知の人物を訪ねる旅を続けるようですが、全然俺tueeeee!ショートカットになっていません。

 普通に一回目から作った方が面白い様な気がします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

元勇者、かつて救ったはずの異世界に舞い戻る

この作品の原作は未読です…って、レビューを書くためにwikiをチラ見したら、原作は全5巻で完結しているみたいでした。
漫画版は現在でも連載が続いているようですけれど…

声優陣は豪華です。
かおりん、さおりん、ファイちゃん、碧ちゃん、みっくに唯ちゃん…

この作品には「リヴァイア」というキャラをファイちゃんが演じているのですが、最初声を聴いた時、いのりちゃんかと思ってしまった結果、暫くの間、勘違いし続けていました^^;

あとは、さおりん、こと大西さん…
さおりんボイスが聴けるのは個人的に嬉しいのですけれど体調は大丈夫でしょうか。
体調不良を発表した声優さんの中では断トツの仕事量をこなしているような気がします。


かつて異世界であるエクレールへと召喚され、
人間族、獣人族、魔族による戦乱を収めて世界に平和をもたらしたセツ。

種族間を越えた平和という初めての偉業を成し遂げたセツは勇者と称えられたが、
戦いの後で元の世界へと転生させられてしまい、
現世で二度目の人生をやり直すことになってしまった。

勇者としての記憶と力を持ったまま二度目の人生を送りセツが高校生になった時、
何の因果か再びエクレールへと召喚されてしまう。

別人となったセツが二度目の異世界召喚をされると、
エクレールでは5年の月日が流れており、世界は再び戦乱の兆しを見せていた。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

自力、或いは自分の意志とは関係なく、同じ異世界に2度召喚される事例は珍しいと思います。
物語自体も、この設定を上手く活かした構成になっていたと思います。

1度目の時はきっとセツのみが召喚されたのでしょう。
勇者開眼を果たしたセツにとってその無双っぷりを見る限り、1度目の世界を救ったのも決して簡単では無かったと思いますが、今度はクラスメイトも一緒に召喚されてしまったんです。

状況としては、リアル版SAOのアインクラッド編といったところでしょうか。
この異世界で命を落としてしまったら、もう二度と現実世界に戻れることはないのでしょう。
クラスメイトのその常に危険と隣り合わせという緊迫感には少々物足りなさを感じましたが、これもセツの幼馴染である夕陽の立ち位置を勘案すると、存在もそこまで際立っていなかったので結果オーライかと。

でも原作は全5巻だったんですね。
ですが、それならそれで合点がいきます。

ラストの展開を見て、もしや次の冒険譚があるのでは…と期待していました。
でも、全5巻と知り、あれが本当の物語の終わりなんだと思うと、妙にしっくりくるんです。
もしかすると、原作では目的地に向かうまでの道筋が描かれているのかもしれませんが、次々と世界各地を巡り、挨拶を交わしていく状況からそのままエンディングを迎えても、少しも不思議じゃないんですよね。
寧ろ物語としては上手く纏まっている方だったのではないでしょうか。

アニメーション制作はスタジオエルさん。
TVアニメはこれまで「ジビエート」しか実績がありません。
でもジビエートは共同制作作品でしたが、この作品は単独で請け負う初作品ということになります。
これまらの活躍に注目ですね。気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、秘密結社ニルヴァージュ∀さんによる「Continue Distortion」
エンディングテーマは、メイビーMEさんによる「Be ambitious!!!」

1クール全12話の物語でした。
基本的にリアルで追いかけていましたが、終盤の数話の視聴とレビューがすっかり遅くなってしまいました。
視聴が滞ったのは単に時間が捻出できなかったからで、作品自体は総じて楽しみながら視聴できたと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

多少珍しい設定かと思ったのですが… 低クオリティですね

召喚2回目、というのが独自性ですね。
とはいえ… ゲームとかの1で異世界を救って元の世界に戻った主人公。再び世界の危機に再召喚されて2が始まった、という展開はまああるかと思うので、別に斬新というほどでもないです。

さてこのような話は、いかに存在しない1を自然に理解させ、2の世界にスムーズに入り込ませるか、という問題があり、普通の話より難易度が高いように思います。
それをどう解決するのか、楽しみに見てみましたが…

正直論外ですね。
問題を認識すらしていないようで、普通に問題しかありませんでした。

視聴者置いてけぼりで、既存キャラとやり取りを繰り広げる主人公…。

…何がなんだかさっぱりわかりません。
いや、どういう関係かはわからなくもないけれど、わかるってのは魅力的に思えるかどうかってことなんですよ。

アニメが始まった時って、そりゃキャラのことは全然知りません。
幼馴染だって出てきたヒロインだって、視聴者からすれば初対面です。
でもその態度や主人公の反応などから、視聴者も幼馴染だと認識できるのですよ。普通の物語のレベルなら。
本作は結局、キャラ紹介という最低限のレベルにすら達していないのでしょうね。 

で、主人公も全然酷い。
他のクラスメートより圧倒的に優位な立場にありながら、それを表明して周囲を導いたりしないんですか?
同級生ですよね? そんなに仲が険悪にも見えませんでしたが。

陰キャで目立つのが嫌だとか、それなら影から守れば、と思いますが、何か理由でもあればまだしも…。

というか自分にとっては指一本で倒せる雑魚で、他の大勢にとっては命の危険性があるくらいは、わかっていますよね? 2回目なんだから。
だったら速攻で片付けてあげるべきでは?
訓練にならないから手出しするな、と言われたならまだわかりますが。

とにかく2回目なら普通はこうするだろう、という予想をことごとく悪い方向に裏切ってくれて、まあ駄目駄目ですね。

でもここまで酷いと、ちょっとだけ、見て文句を言いたい衝動にも駆られますね…。

まあ本数次第ですね。切ってもミリも惜しくありません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

63.7 18 呪いで異世界なアニメランキング18位
コープスパーティー Tortured Souls 暴虐された魂の呪叫(OVA)

2013年7月24日
★★★★☆ 3.4 (429)
2120人が棚に入れました
薄暗い廃校の中で目が覚めた直美と世以子。一体ここはどこなのか?先程まで一緒にいた仲間たちはどこへ行ったのか?何も分からないまま出口を求め歩き出す二人だったが、ふとした衝突で離れ離れになってしまい……呪われた天神小学校での絶望が幕を開ける――

ほーきんす♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

【ネタバレ有】 『ちょうどいいさじ加減の「グロホラー作品」!』

 

 アニメを観る前に、原作が何であるかや、どういった作品なのかは全く知らない、フラットな状態でアニメを観るように心がけているので、この作品も↑の画像のみの情報しかなかった…。

 そのため、観る前は、生徒たちが殺し合いをする、いわゆる「バトロワ(バトル・ロワイアル)」的要素の作品かと思っていた。

 しかし、実際は、閉鎖空間に閉じ込められた人たちが、霊によって無差別に殺される、(グロ)ホラー作品だった。
 

 これは、観た人それぞれがどう感じるかであるから、あまり口をはさむことではないかもしれないが…、このレビュー自体、個人的なものであるのだから書かせてもらう…。

 この手のアニメ作品は、“アニメ作品”であるがゆえに、どうしても作画をリアルすぎる描写にすることができず、作画のみで“グロい”と思うことは難しい…(例えば、“子供たちが縛られて、生きたまま舌を切られる”シーンなどは誰がどう考えてもグロいが、それは作画ではなく、話の展開や設定などの一連の流れによるグロさである)。

 なので、この作品のグロシーン(の画だけ)を観て、本当にグロかった、怖かったなどと思うような人は、良い意味では想像力豊かな人、悪く言うなら(現実においても)ぬるい甘ちゃん性質な人だと思う…(グロ要素で言えば、ハリウッド映画の「テキサス・チェーンソー」シリーズ、ホラー要素で言えば、「グレイヴ・エンカウンターズ」(ちなみに、ホラー映画マニアにまでなると、この作品を低評価する人たちをたまに見かけるが、そういう人たちは、売れた映画ではなく、マニアックな作品をつこうとする傾向がある…)などは、まともに観ることさえ出来ないだろう…)。


 まぁ、そんなことはさておき、この作品を他の作品と比べての純粋な評価をするなら、上記の“グロ要素”、“ホラー要素”、“話の展開”やホラー作品ならではの“落ち”など、どれをとっても「Another」の劣化版であった。

 「Another」は、視聴者が「どういう設定何だろう?」などと、その後の展開などを予想し、それが裏切られる、またその裏切られるタイミングで今までのかんじとは一気に180度切り替わる、ことによって、視聴者に恐怖感を与えることに成功していた。
 しかし、この作品にはそれがなく、キャラが振り返ったところに、急に霊の顔がある…などの怖さ(お化け屋敷的な怖がらせ方)しかなかった。


 (おそらくだが、)この作品の原作はコンピュータゲームであるが故に、ただ単にプレーヤーに恐怖感を与えるというのではなく、いろいろと情報を集めたり、進んでいくうちに物語が展開していく、RPG的要素を含んだ作品にしたのではないだろうか…。
 そのためか、アニメ作品内にも、“さっきまで開かなかったページが、ある出来事の後には開くことができる”など、ゲーム的要素をかんじるシーンがたびたびあった。


 少し批判が過ぎるようなレビューになってしまったので、良かったところをあげると、最後の生き残った3人が、元の世界に帰るためにおまじないをするシーンがあったが、あれはかなり怖かった…。

 というのも…、サトシだけが帰って来れず、サトシの腕だけが元の世界に帰って来たことに恐怖を感じたのではない。
 展開を予想しながら観ている人からすれば分かっていたと思うが、ナオミが紙(の切れ端)を無くしたそぶりを見せるあたりから(もっと言うなら、セイコが最初に「その紙トイレで無くしてしまったみたい」的なことを言うあたりから)、その切れ端が自分のである(実際は、一緒に来た人のならどれでもよい)ことに意味があって、そうでない場合は帰ることが出来ない、ということはおおかた予想できていた。
 
 なので、サトシが帰れなかったことに恐怖を感じたのではなく、(ここからはただの想像である…)もしサトシが、“自分たち以外の切れ端を使った場合死ぬ”ということを予想していて、それでもなお、一緒に  “帰るおまじない”を続けた、のであれば…、最愛の妹がいない元の世界など生きている価値などなく、自分もはじめから死ぬ気でいたのではないか…(おまじないをするかなり前から、サトシは霊の女の子に“自分達の切れ端以外を使った場合”のことを聞いている…)。
 
 もしそうだと考えるなら、ナオミ達に「俺はユカのがあるから大丈夫」などと笑顔で言っておきながら、ユカと同じ世界(=天国)に行こうとしていたことになり、ある意味では、モリシゲと同じように、すでに“壊れていた”のではないだろうか…、と考えてしまう(ちなみに、そのせい(自分の切れ端が他人のであり、おそらくは自分は戻れないだろうとナオミ達に言わなかったこと)でナオミは、腕だけのサトシを見て、結果的に“壊れてしまう”)。

 
 と、まぁ、ここまで深く考えてみたらかなり怖い作品だったなとも感じる(…が、あくまでこれは個人的な妄想である)。
 (それと改めて考えてみると、自分のために命を懸けて戻ってきたキシヌマに対するシノザキの反応や、立ち直りの早さにはある意味恐怖した…。)


 (あと余談だが…)ナオミの声が「佐藤利奈」、セイコの声が「新井里美」(ここまで言えば分かる人には分かるだろうが…)であったせいで、ちょっとしたことに恐怖を感じたり、セイコに当たったりするところが、御坂(とあるシリーズ)ならそんな(精神的に)弱くないだろ…と、考えてしまって、物語に入っていきにくかった(2人の関係も“とあるシリーズ”の関係に似ている…)。

 
 よって、結論としては、あまりグロい系、ホラー系が得意でない人には、ちょうどいいさじ加減の“グロこわ作品”だったのではないだろうか…。

 (終)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

オラこんなパーティ嫌だ(微調整)

30分の4つ。
ロマンホラー。
グロ注意報。

原作あるらしいがやったことは無い。

こっくりさんもどきのお呪いした生徒+αが異空間の小学校に飛ばされて元の空間に戻るため頑張る話し。
こう書くと割りとありふれた設定ではあるが30分×4という構成ということもあり非常にサクサク見れる上に意外と言えば失礼だが話的にも割りと纏まってる印象を受けた。

ストーリーもそれなりに練られてて先は気になるんで最後まで退屈はしなかったしストーリーも訳分からんということもなく比較的分かり易い。
割りと良作なのではないかと。ストーリー部分ね。

グロ描写も最初らへんは、ふーんってな感じで見てられたが中盤?~後半あたりになると、おええええってな感じになって行く。前もどこかで書いた気がするが割りとさわやかなグロはまだ平気だが見てて痛々しいグロは見るに耐えない。例を出すとアナザーとかあの辺。

なのでグロ嫌いならお勧めはしない。最初らへん大したことなくても後々きついかもしれないが人による。

キャラも地味に可愛い&無難なイケメン揃いである。
特に女キャラはあの超麻雀アニメ咲のモブキャラにいかにもいそうな感じで悪くない。一人を除いて。
名前忘れたけどクールなメガネ娘。あの子だけは見た目キャラ的に他とは一線を画していた。
ぶっちゃけタイプだ。出来ればこの子を主役にして欲しかった。
この手の萌えキャラ?の表情の劇的変化所謂顔芸や狂気の行動というギャップはひぐらしに通じるもんがあるが顔芸に限ればひぐらしほどふっきれたものは感じなかったが普通に考えればあちらが異常なだけかもしれん。

まぁそこそこキャラ立ちはしてたようには思う。
思うが、悲しいまでにキャラの格差があるのは構成上致し方ないのだろうか。
パンツ見せるだけに存在してたようなキャラやちょっと目を離した間にいつの間にかいなくなったキャラや結局なんだったのか今でも謎な危ないほうのお兄ちゃんとか主役クラスと思われるキャラ以外のキャラの扱いが多少軽い気がしなくもない。

ではグロなどの物理的恐怖ではない心理的恐怖の描写はどうだったのか。
心理的恐怖ってのは分かり易く言えば和風ホラー的な心霊タイプなやつで物理的なのが洋風ホラーに多いゾンビだの殺人鬼だのあっち系なやつね。
舞台が小学校なんで出てくる霊はやはり小学生が多い。襲い来る霊も例外なく小学生だ。
怨霊なんだから呪いとか念力的ななにかで攻撃してくるかと思いきや清々しいまでに物理攻撃である。
はさみやら首しめやら引きずりやら実に多彩な物理攻撃を見せてくれる。

そういうわけなんで霊的な恐怖というのはほとんど感じない。
むしろ感覚的には洋風ホラーのソレに近い。
色んなグロ描写で誤魔化してるあたりなんて特にそう。恐怖描写がほぼグロ頼りなのが惜しい。

んでは総括。
霊的な恐怖を味わいたいなら他当たったほうがいいがグロ含めての怖さを味わいたいなら満たしてくれそう。
話の流れも基本的に暗く重苦しいがクスッと笑えたりジワッと泣きかけるようなシーンもあって悪くないと思う。

そして最後の締め。ラストの展開も中々味なことをしてくれてる。
正直これは読めなかったのでしてやられたと素直に思う。
かつて欝の代名詞とも言われる洋画ダンサーインザダークのラストを見た時に誇張抜きで数秒思考停止したことがあったがそこまでではないにしても中々来るものがある。しかしこの終わり方は賛否別れるだろう。

期待しすぎずに怖いもん見たさで見るなら思わぬ拾い物になるかもしれない作品。
グロを心から憎むとかでなければ一応お勧め。

それとこれ見て原作気になってプレイ動画なるものを見てみたが結構面白そうだった。
これ見て興味沸いたらそっちも買うよろし。別に制作者の回し者とかじゃないんだからね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 35
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

昔懐かしい学園ホラーアニメ

1996年にフリーゲームとして発表されて以来、長い間愛され続けてきた同名ゲームのアニメ化。しかしこのOVAは後発のWindows版・PSP版辺りの設定をベースに作られているようです。

あらすじ↓
{netabare}
如月学園での文化祭が終わって後片付けをしている傍ら、怪談を楽しんでいた生徒たち。クラス委員長である篠崎あゆみは、怪談ついでに明日転校してしまうクラスメイト・鈴本繭のためにあるおまじないを提案する。

「幸せのサチコさん」というこのまじないは、あゆみがネット上で見つけた‘友達といつまでも一緒にいられる’願いが叶う代物であるらしい。

早速このまじないを試す一行だったが、突然地震が起こり気が付いたら離ればなれで見知らぬ校舎の中にいた。

一体ここは何処なのか、この校舎から出ることはできるのか。そして幸せのサチコさんのまじないに隠された秘密とは。
{/netabare}


導入部にあたる1話の緊迫感・恐怖感は真に迫るクオリティでした。
ここでの主人公・中嶋直美とその親友・篠原世以子の関係性やすれ違いを交えたホラー演出は、定番であり強烈でした。

しかし2話からは物語の核心に迫る謎解き要素が加わったこと・猟奇的な描写が増えたことで、前半のような身の毛のよだつ恐怖は薄れてしまった感があります。

段々とアクションホラー的・B級ホラー的な方向へ移行してしまって、グロテスクな映像にもかかわらず思わず笑ってしまうようなシュールさは少し残念でした(笑)

最後には今までのネガティブな感情を払しょくするような感動的な幕引き・・・と見せ掛けて落とす様はやはりどこかB級的です。


ストーリー的には全編ホラー満載とまでは行きませんでしたが、やはり『SHUFFLE!』や『未来日記』を制作したアスリードだけあって、恐怖感を煽る工夫が細部に凝らされていたと思います。

しんと静まった校舎の中で不安を感じるような不気味なBGM、恐怖にかられた瞬間心臓が爆発しそうになる緊迫したBGM、寂しげでどこか優しい感動的なBGM…それから猟奇的な場面で用いられる痛々しいSEの数々…。
BGM・SEに関して素晴らしかったです。

登場人物たちの死角を突いたアングルが多かったり、何もないはずの暗所を映したり、寄りと引きを頻繁に切り替えたり…。
あまり技術的な部分は詳しくないですが、カメラワークにホラー的手法が多く用いられていた気がします。

古ぼけた校舎の質感と雰囲気、視界を奪う暗がりの恐怖感、登場人物たちの恐怖や狂気を浮かべた表情など…。
作画面でも秀逸さを感じました。


OP「星屑のリング」もED「蛍火」も普通に聴く分には綺麗な曲ですが、このアニメと合わせて聴くことで悲しさとか寂しさが先に来ます。
OPは特に今井麻美さんが見事に歌い上げているので一度聴いてみてほしいです。


キャストは売れっ子を大量に起用していて原作の人気が窺えます。
今回は喜多村英梨さんと、この中ではベテランに当たる大谷育江さんのお二人の演技が見事でした。
二人の演じるキャラは幼い少女なのですが、普段の無邪気な子供らしい可愛らしさ、一転して極限状態に追い込まれた際の怖さの切り替わりに凄みを感じました。


設定や展開的にちょっと古さというかベタな感じは否めないですが、ただのグロアニメではなくホラーな気分を味あわせてくれたので概ね満足です。
学校の怪談とか好きな方は、一度見てみても損はしない・・・と思います(笑)

追記:書き忘れてましたが過激なグロ表現のためR-15指定となっていますので、視聴の際はご注意ください。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

65.8 19 呪いで異世界なアニメランキング19位
ラディアン(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (106)
472人が棚に入れました
トニー・バレントさんのマンガが原作で、魔法使い見習いの少年が、世界を救うまでの活躍を描いた冒険ファンタジー。友情や努力、絆、出会いと別れなどを通して少年が成長する姿や強敵とのバトルが描かれる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、朴璐美、小市眞琴、遊佐浩二、子安武人、山口勝平、吉野裕行、東山奈央、三宅健太、寺島拓篤、早見沙織、佐倉綾音、緒方賢一、木村良平、稲田徹、速水奨

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その手でつかみ取るのは未来!

この作品の原作は未読です。
オープニングの最初に「原作:トニー・ヴァレント」とテロップが出るので、どんな方かと思っていたら、フランスの漫画家さんみたいです。
作風に西洋産のイメージが感じられなかったので、てっきりメイドインジャパンかと思っていました。

アニメーション制作は、「機巧少女は傷つかない」「クズの本懐」「あそびあそばせ」などを手掛けたLercheさんで制作はNHK…
安心感が感じられる組み合わせだと思います。
そして極めつけは監督が岸誠二さんだということ…

岸誠二監督とLercheさんって、ここ5年間くらいに結構繋がりがあるんですよね。
「ダンガンロンパ」「ハマトラ」「暗殺教室」「乱歩奇譚」「あそびあそばせ」
これだけ一緒に作品を作り続けている間柄だから安心感が感じられるのかもしれません。

「災いをもたらす怪物、ネメシス…この危険な敵に立ち向かえるのは魔法使いだけ。しかし、魔法使いもまた人々に「穢れたモノ」と恐れられていた…」
この決まり文句で始まるこの作品の主人公は、セトという一人前の魔法使いを目指し女魔法使いアルマの下で見習い修行をしている少年です。

彼は行く先々で問題を起こすトラブルメーカーなので、周りから厄介者扱いされてきました。
そんな彼がある日、偶然空から降ってきたネメシスの卵を割って目覚めさせてしまったんです。
ネメシスを倒せるのは魔法使いだけ…
ですが、ネメシスの想像を絶する強さにセトは全く歯が立たなかったのです。

魔法使いと普通の人間は分かり合えないのは世の常…
ですが、全ての魔法使いを悪者にさせないため、伝説の地ラディアンに赴き、元凶であるネメシスの巣を掃討することを決意するのでした。

セトはこれまで、アルマに育てられてきました。
けれど、自分で行くと決めた道は自分で切り開かなきゃいけない…
だから、セトが冒険に旅立つという事は、もうアルマに甘えられないということ…
そしてそれはアルマも一緒です。
あちこちで問題ばかり起こすセト…
でもそれは必ずしもセトが悪いからだけじゃない…
魔法使いであることを理由に迫害を受けた結果でもあるんです。
だから、アルマはセトを育てると同時に守っていたんです。
突然やってくる親離れと子離れ…
身体と心の反応が異なるのは、お互いが大切でかけがえのない存在だったから…
こうして誰もが一度は通る道をセトとアルマが駆け抜けて、彼らの壮大な冒険物語が動いていきます。

物語はバタバタとした冒険活劇なのですが、常に見え隠れしているのが普通の人間による魔法使いへの迫害です。
確かに人間は異端分子に対して恐怖を感じます。
でも、少なくても命の恩人だったり仲間だったらその風当たりが無くなるのが常識だと思っていました。

でも時に、この物語ではそんな常識は一切通用しなくなるんです。
昨日まで仲が良かったのに…腫れ物に触ったからといって掌を返すかのような態度が平然と行われているんです。
魔法使いが迫害されるのは異端だから…と思っていましたが、もしかするともっと違う理由があるのかもしれませんね。

性格的に合う、合わないや好き嫌いがあるのは仕方の無いこと…
でも、ヒトとしての限度や節度を守るのも必要な事だと思うんですよね。
だから視聴していて痛みを全く感じない作品ではありません。

それでも視聴を続けるのが苦じゃない理由は、主人公のセト、ヒロインのメリが常に気丈だから…だと思います。
途方もないくらい…想像もできないくらいの迫害を受けて、普通の人間には恨みしか持ちえない魔法使いにだって、セトの真っ直ぐな声は届くんですから…
きっと迫害を受けていない魔法使いなんて、ただの一人もいないのでしょう。
けれど真っ直ぐなセトの声は魔法使いの凍った心を甘やかに溶かしていくんです…
その流れは受け止めるべき結末をも変えるほどの勢いになって押し寄せてくるんですけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、04 Limited Sazabysさんの「Utopia」
エンディングテーマは、ポルカドットスティングレイ「ラディアン」
俄然格好良いのがオープニングです。
でも個人的に心に響いたのは、ハーメリーヌ(内山夕実さん)の挿入歌「君の未来」でした。

2クール全21話の物語でした。
起用された声優さんについて一人だけ…
主人公である少年セトを演じたのは花守ゆみりさん…
少年役を演じるのは初めてだったのではないでしょうか。
花守ゆみりさんといえば、真っ先に頭に浮かぶのが「ゆゆゆ:三ノ輪銀」「ゆるキャン△:各務原なでしこ」と現在2019年冬アニメで放送中の「エガオノダイカ:ユウキ・ソレイユ」ですが、セトを含め、全くイメージの異なるキャラばかり…
本当に演技の幅の広い声優さんだと思います。

物語はこれから新天地へ…というところで終わりますが、既に続編の放送が今年の秋アニメで放送されることが発表されています。
首を長くして秋を待つだけですね♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

TV東京系? いえいえ、『Eテレ』です。 一般には〇でしょうが、『ジャンプ』上級者には△?

「ファレノス」という別世界では、どこからともなくあらわれる「ネメシス」という怪物に、街や村々の人たちは脅かされていた。唯一対抗できるのは「魔法使い」のみ。しかし魔法使いも一般の人々からはネメシス同様、忌み嫌われていた。
半人前魔法使いの少年・セトはネメシスを生み出す伝説の場所(?)「ラディアン」を潰そうと旅立っていく・・・



最初「テレビ東京」系の番組を見てるかのような錯覚を起こす冒険ファンタジーアニメ。
フランスのトニー・ヴァレント氏が原作で、画風も「〇ェアリー・〇ール」のように日本で馴染みのあるのコマ割りの漫画で注目。
で、アニメ11話まで見てみたわけですが・・・う~ん、何だろ。「どこかで見た」ような?日本では「既に馴染みのある」ようなコノ感じ。


まず主人公『セト』
少年主人公の定番セオリーとして、
①勇気と正義感があり明るく元気
②思いたったら即実行する行動力
③夢と希望に燃え、信念を貫くド根性!
④心優しくお人よし
⑤若さ故、世間知らずで『バカ』
⑥若さ故、早く一人前になろうとして何かと背伸びをする『バカ』
⑦若さ故、実力も無いのに威勢をはる『バカ』
⑧若さ故、勇気と無謀を履き違え、責任や後先考えずに無鉄砲に行動する『バカ』
⑨若さ故、能天気な『バカ』
⑩若さ故、調子に乗って増長する『バカ』
などの要素を持っておりますが、⑤~⑩の成分がが強すぎて正直『苛っ!』とします。(笑)
回を重ねるごとに成長や利口になってきたり、目を見張るほどの特化能力があれば魅力的に思えるのですが、未だ半人前。
似たようなキャラを「ブ〇ック・ク〇ーバー」で見たような気が・・・
ア〇タ(CV:梶原岳人)「何だとーーーっ!!」(ええい、声が大きいワイ)
(あくまで個人の見解です)


防御魔法が得意な仲間の魔女(少女)『メリ』
極度の緊張に達すると人格が入れ替わるって「ド〇ゴン〇ール」のアノ人みたいだ。
ラ〇チ(CV:小山茉美)「ええ~、そうですか~・・・ハッ、ハクション!・・・(凶悪ver.)ンだとごらぁ!もっぺん言ってみろヤッ!」
(あくまで個人の見解です)

メリの小さな友達『ミスター・ボブリー』
小さくて翼で飛び回り、人語を離せないところといい「Dr.〇ランプ」で恐竜時代の卵から産まれたアレみたいだ。
則〇ガッちゃん(CV:中野聖子)「クピポー!」
(あくまで個人の見解です)


ネメシス研究者『ドク』
片思いにモジモジしたりズッコケたり、トラブルに巻き込まれてギャグ落ちしたりと何かと冴えないオジサン。
「Dr.〇ランプ」で最強の幼女型アンドロイドを発明したアノ人みたいだ。
則〇千兵衛(CV:内海賢二)「ん?」
(あくまで個人の見解です)


セトの育ての親にしてベテラン・ネメシスハンターの魔法使いの『アルマ』。
片腕キャラというところが「ワン〇ース」の左目に三本のカキ傷のある赤髪のアノ人みたいで、
シャ〇クス(CV:池田秀一)「(ギロッ)失せろ!」
暴力ババアと恩師というところが「ワン〇ース」の口が悪いナイスバディの老女医師みたいだ。
ドク〇リーヌ[Dr.ク〇ハ](CV:野沢雅子)「ヒッヒッヒッ、病気(ハッピー)かい?」
(あくまで個人の見解です)


異端審問官隊長の『ドラグノフ』
戦闘力もあり、部下全員に絶品の「まかない料理」を作るところが「ワン〇ース」の美人にやたら弱いヘビースモカーの料理人みたいだ。
黒脚のサ〇ジ(CV:平田広明)「あん?」
(あくまで個人の見解です)


空中都市アルテミス学院創設者『マスター・ロード・マジェスティ』
小動物キャラの管理者(マスター?)って「ド〇ゴン〇ール」のカ〇ン様みたいだ。
(あくまで個人の見解ですってば)


そんな感じで『ジャンプ』作品に疎ければ問題ないでしょうし、『ジャンプ上級者』にしてみれば特に気にはならないか、チョット???な気分になりそうに思えます。(笑)
全21話(でも2期以降つづくだろうなぁ)10話まで見て、「あの」岸誠二監督と聞いて期待してたのですが、EテレはNHK総合と違い審査が厳しいせいかチョット非凡すぎるような出来に思えました。
ドロップアウトしようかとも考えましたが、11話で謎の魔法使い「グリム」の登場で盛り上がるかもしれないのでもう少し付き合ってみようかな。
「ブ〇ック・ク〇ーバー」よりマトモそうだし。(笑)
〇スタ(CV:梶原岳人)「何だとーーーーーっ!!」

2019.02.23
途中退場したかったのですが、後半ランブルタウン編を見てて抜けにくくなり最後まで視聴。
う~~ん。ストーリー・キャラは悪くはないと思いますが「何か」が抜けてて、「変に」間延びし過ぎてるせいか全体的に「キリッ」としたトコロが無く、美術設定も所々中途半端な感じがして・・・予想どおり2期に続きますが、もう見ないだろうなぁ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

起承転結の「承」に工夫が欲しい

2018年10月~2019年3月放送のTVアニメ。第1期全21話。
第2期が2019年10月より放送開始と発表されているので、今回物語評価は3のままにしてあります。

トニー・ヴァレントによるフランスの漫画が原作で、2019年3月現在、邦訳版が9巻まで刊行。私は未読です。

海外の漫画原作というのが気になったので視聴しました。
原作も日本の漫画を意識した作りだそうですし、アニメも違和感なく見られます。ただ序盤は独自性が見出せず、少し飽きてしまった時も。
作画は安定していましたが、もう少しコンテ・演出に工夫が欲しい。
エンドカードがいつも凝っていて楽しかったです。


【良かった点】
ストーリーは王道で直球勝負なのが小気味良く、反面、移民や魔法使いへの偏見と迫害が重くシビアな見所を作っています。この点は海外の作家の感性かな?
さらにアルテミス学院という明るい街が、重い世界観の中で清涼剤的な役割を果たしていて良かったです。
{netabare}
キャラクターの好感度がとても高かった。
意外と暗い世界観に対して、主人公のセトは物怖じせずいつも明るいので、辛い描写があっても見ていて引きずらないで済みました。
セト視点では描けない異端審問官側から世界観を見せてくれるドグラノフが対比的で、それも良かったです。
また女性キャラにそれぞれ個性と魅力があり、特にアルマが最序盤では物語を牽引し、テーマを明確に見せてくれました。
セトに対して母親たるアルマ、良き友人たるメリ、迫害された経験を共有しその死がセトの心の傷となるハーメリーヌ。この3人は立役者だと思いますし、配役も演技もとても良かったです。{/netabare}


【気になった点】
{netabare}原作に対してアニメの尺が長すぎるとわかってしまうのはいかがなものか…
展開が丁寧なのは悪いことではないですが、1クール目では話があまり進まない上、世界観を掘り下げるような展開には主人公が絡まず、正直掴み所が無い。アニメ独自の部分がちょっと煮詰め切れていない印象がありました。
「偏見」「迫害」というテーマを肉付けする回をいくつか入れるなどして、コミカル回とのメリハリを付けるのも一つの方法だったかな、と思います。{/netabare}

起承転結の「承」に何を描くかで作品の厚みが増していくものだと個人的には思っているので、展開をもう少し早めにして、尺が余るなら内容を詰めていく工夫が欲しいかも。
今のところ、第2期も可能なら見てみようかと思っています。(2019.3.11)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

60.2 20 呪いで異世界なアニメランキング20位
二ノ国(アニメ映画)

2019年8月23日
★★★★☆ 3.1 (81)
198人が棚に入れました
冷静沈着で車いすのユウ、バスケ部の人気者のハル、ハルの恋人コトナは幼なじみの親友同士。ある日、事件に巻き込まれたコトナを助けようとした二人は突然、「二ノ国」に引き込まれる。そこは現実世界と並行する魔法の世界。そこで二人はもう一人のコトナ、アーシャ姫に出会う。次第にアーシャ姫に惹かれていくユウ。しかしコトナの危機を救うには、アーシャの命を奪わなければいけないことを知る。大事な人の“命"をかけた究極の選択に果たして 2 人の決断は―。

声優・キャラクター
山﨑賢人、宮野真守、坂本真綾、梶裕貴、津田健次郎、山寺宏一、伊武雅刀、新田真剣佑、永野芽郁、ムロツヨシ
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

2019年のワースト映画

巷でヤバイヤバイ言われてるDQは華麗にスルー
この作品も観に行く予定はありませんでした
どちらも予告編からして地雷臭ぷんぷんですし
見えてる地雷をわざわざ踏み抜きに行くほど物好きでもありません

しかし、連れの見たい作品と自分の見たい作品で時間を調整した結果
この作品が自分の見たい作品の間に挟まる形になり
わざわざその時間だけ抜けて頑なに鑑賞を拒むほどの理由もなかったため
あくまでついでに観に行くことになりました

悪い予感が的中!
とかそういうレベルではなく酷い
たくさんの作品を見ればどうしてもハズレが混じってきます
そういったハズレの作品に関しては
貴重な余暇を割いて酷評レビューを書くのもばからしいので
さっさと忘れて次に行くのが一番だと思っていますが
この映画は今年見た36本の映画の中でぶっちぎりでワースト
(追記:結局2019年に見た54本で群を抜いて最低でした
金返せ!って言いたくなるものは他にもありましたが
金貰っても見たくないレベルはこれだけです)
あまりにひどかったのでここに全部吐き出して禊としたいと思います

この作品につけられたキャッチコピーは

命を選べ。

公式のあらすじを引用しておきますと

頭脳明晰で心優しい秀才のユウ。
バスケ部のエースのハル。
そしてハルの恋人のコトナ。
同じ高校に通う幼なじみの3人は、かけがえのない親友だった。突然の事件が起きるまでは―。
ある日突如ユウとハルが迷い込んだ見知らぬ場所、そこは想像を超えた魔法の世界「二ノ国」。
現実(一ノ国)と隣り合わせにある、この美しく不思議な世界で、
2人はコトナにそっくりなアーシャ姫と出会う。
どうやら二ノ国には、一ノ国と命がつながっているもう一人の自分がいるらしい。
アーシャ姫に死の呪いがかけられたことをきっかけに、ユウとハルは二つの世界に残酷なルールがあることを知る。二ノ国で尽きるはずの命を救えば、一ノ国の人間がその代償を払うことになるというのだ。
そして二ノ国ではアーシャ姫が、一ノ国ではコトナが死の呪いに掛けられていた―。
ふたりの彼女、救えるのは一人の命―
明るく健気なアーシャ姫を守りたいユウと、コトナを助けたいハルに突き付けられた残酷なルール、
ふたりが下した〈究極の選択〉とは―。

「愛する人を救うために〈命〉を選べ」

というあらすじに対して実際の内容は
{netabare}まず片方の命を救うと片方の命が尽きるというルールは
ハルがかなり唐突に根拠も薄い中で主張し始めた仮説です
ユウが二つの世界のルールがはっきりしないから
短絡的に結論を出すべきでないと諫めるにもかかわらず
ハルはアーシャ姫を殺せばコトナは助かるはずだと論理を飛躍させ
コトナを助けるためなら自分は何でもすると
安っぽいヒロイズムに浸ります

いやちょっと待て・・・
さっき二ノ国でアーシャ姫を助けようとした呪い師が
一ノ国でも死んでなかったか?
アーシャ姫を殺せばコトナが助かるって理屈はいったいどこから来るんだ?

とまぁここまでは全く受け入れ難い!
というほどのことでもありません
恋人を失うかもしれない恐怖から冷静さを失っている
と考えればまだ高校生ですしそれほど不自然でもありません

しかし板挟みになって苦悩するユウに対して
アーシャ姫の口から
「ハルには決断できてあなたにできないのは
あなたの覚悟が足りないからではないか」
という言葉が飛び出したところで
もう完全にキャラのセリフとして受け止めることができなくなりました

愛する人を守るためならほかのだれかを殺すことも厭わない
どうも制作側はそれを崇高な愛のカタチとして描きたかったようですが
愛するものを手に入れるために何の罪もない他人を殺めるというのは
崇高どころかおぞましい我執に囚われているとしか思えません

それをハルの若さゆえの過ちとして捉えることができた間はともかく
命を狙われる側のアーシャの口から肯定した瞬間から
彼らが血肉の通った人間ではなく
制作者のプロパガンダのための腹話術人形にしか見えなくなりました

もう一度言っておきましょう
この作品につけられたキャッチコピーは

命を選べ。

です

愛するものを守り幸せをつかみ取るためには
他人を蹴落とすことを躊躇してはいけない
誰かの幸せを奪ってでも愛を貫き通す覚悟を持て

というのがこの映画の伝えたいメッセージなのだと私は受け取りました

そこから先の物語はあんまり覚えていません
真の黒幕が現れて
どちらかが必ず死ぬというのが
ハルの勘違いだったことが分かり
協力して打倒してめでたしめでたしみたいな
まぁそんなどこにでもあるお約束展開が
ろくに伏線も張られずに雑に展開されていたのは覚えています

この日はコレ含めて5本の映画を鑑賞したのですが
この映画を見終わった後すぐに観たのが

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(8回目)

でした

奇しくも命の選択というものがテーマになった作品を二つ続けて観て
あまりのクォリティの違いに愕然としました
(注:劇場版青ブタの軽いネタバレあり)
{netabare}
劇場版青ブタもこの作品同様
命の選択がテーマになってはいますが
方向性は全くの逆

自分の大好きな人に幸せになってほしい
そのためならば自分が隣にいられなくても構わない
大好きな人を幸せにするために
自分の命を投げ出そうとする人たちによる
SF版賢者の贈り物とでも言うべき物語

実はこの作品にも
キャラクターの口を介した
作者からのメッセージと思われる部分があり
それが劇場版以外も含めた作品全体のテーマにもなっています

中学生の咲太が高校生の翔子に教えられ
中学生の翔子は高校生の咲太に教えられた
つまりは出自のはっきりしない言葉

『ありがとう』
『がんばったね』
『大好き』を大切にして生きていく
いつかやさしい人になりたいです

私の心に響いたのは

命を選べ。

ではなくこちらの方でした

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
{/netabare}{/netabare}
書きたいことはすべて書き終わりましたが
申し訳程度にそれ以外の要素についても確認しておくと

声優は

ユウ:山﨑賢人
ハル:新田真剣佑
コトナ / アーシャ:永野芽郁

のメイン3人の芸能人キャストと
周りのベテラン声優との噛み合わなさがまぁ酷い
この3人はうまくはないものの
それだけならば聞けないほどでもないのですが
起用されてる職業声優の面々
とくに宮野・梶の演技にかなり癖があるので
掛け合いになるとあまりにちぐはぐで
会話が頭に入ってきません
素人の演技を変えることが難しいのであれば
プロの側がバランスをとるべきなのではないでしょうかね?

そして音楽

つい先日映画海獣の子のレビューで久石譲を絶賛したばかりですが
その久石譲の劇伴が今回はあまりにもひどかった
簡単に言うと画面と演技でいまいち盛り上がっていないところに
劇伴だけがガンガン鳴り響くので
ただただ耳障りなだけなんですね
むしろ劇伴が邪魔で物語が入ってこない

これは、曲が悪いとか久石譲が悪いというよりは
作曲する側と映像を作る側とで
意思疎通がうまくいっておらず
せっかくの久石楽曲をちっとも使いこなせていない
ということなのではないかと思います

そう考えるとシナリオ的に一番怪しいあたりを
音楽の力で誤魔化してなぁなぁにしつつも
それなりにいいものが見れたような気にさせてくれた
天気の子の音楽の使い方は見事だったんだなぁと
あらためて痛感しました

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

一緒に観に行った連れに
今年ワースト候補だと告げたところ
「DQのクソ加減ははこんなもんじゃねぇ!」
と言われて戦慄してます
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
クソだとわかってるものをお金出して観に行く趣味は無いですが
両方見た方がいたらどちらがひどかったか
ちょっと意見を聞いてみたいところです

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

【※酷評注意】脚本を捨てる!技術の重要性

レベルファイブの原作ゲームは未プレイ。

初代ゲーム『二ノ国』の外国風の現実世界である“一ノ国”とファンタジー異世界の“二ノ国”
互いに影響し合う世界を行き来すると言う世界観やコンセプトには興味があって……。
特にPS3版については、何より久石譲氏のBGMに乗って、
動かせるリアルなジブリ絵という魅力もあり、
購入プレイも検討して情報は集めてはいました。
ただ、戦闘などシステム周りがどうしても納得できずスルー……。

ゲームの続編『~Ⅱ レヴァナントキングダム』(PS4)では
二つの世界を行き来する主要素が消滅したそうで……。

この流れで、映画化?どうなんだろう?と訝しんでいたところ、
本作公開前、次のネット記事が目に入りました。


 「二ノ国」生みの親 久石譲氏の指摘でシナリオ変更したと明かす

 https://news.livedoor.com/article/detail/16930273/


要は、レベルファイブ社長で『二ノ国』コンテンツの生みの親・日野晃博氏が、
またぞろ自ら、二つの世界を行き来すると言う『二ノ国』の骨格を無視して、
宮廷ミステリー風のシナリオでアニメ映画版制作に邁進していた所、
劇伴担当の久石譲氏に「これは“二ノ国”である必要があるのか?」と問われ、
現代日本風の“一ノ国”とファンタジー世界の“二ノ国”を行き来する方向に、
シナリオを大幅修正したと言う制作裏話を語った記事。


これを拝見して私は、ゲームとはキャラも物語も違う、
昨今の異世界転生のトレンドも意識した風味の凡作かもしれないけれど、
これなら『二ノ国』の主要素である異世界トラベルくらいは
にわかに摘まみ食いできるかもしれない。久石譲さんナイス♪
と映画館に向かいましたが……。


甘かったです。そこは心躍る異世界ではなく、この夏、最大級の地雷原でした。
あまりにも酷くて、鑑賞後は、怒りや呆れを通り越して、
申し訳ありませんが、何だか笑えてきましたよ。いや~~酷い!


これは私の仮説ですが、
恐らく本作は元々書いていた宮廷ミステリー風の脚本やその影響を残したまま、
現実世界と異世界を行き来するファンタジーを重ねてしまったことで、
作品破綻という惨事を引き起こしたのだと思います。

制作途中で、大幅に方向転換したのなら、
最初に書いていた脚本は作風も含めて綺麗さっぱり捨てなきゃダメでしょう。
もしかしたら日野氏はミステリー風の脚本にも未練があって、
これも生かせば異世界トラベルモノでも役に立つ、シナリオが重厚化する。
そう期待して残したのかは分りませんが、これは絶対にやってはいけない悪手でしょう。

ミステリーと異世界トラベルファンタジーが共鳴しあうどころか、
トリックといったリアリティを突き詰めるミステリー属性と、
チマチマしたリアリティは気にせず夢を見せるファンタジー属性が、
互いの良さを打ち消し合い、鑑賞者の没入を妨げるカオスな異臭を放っています。

ミステリー風脚本も、異世界トラベル脚本も、垣間見える発想自体は悪くはなく、
各々単体ならばきっと良作以上に作品を高められるポテンシャルはあったのだと思います。
けれど新旧のアイデアをない混ぜにして良くなるなんて奇跡は滅多に起こりません。
混ぜるな危険!です。

100分の映画に収めるには大きすぎる話だった?
と言うフォロー?もあるようですが、私は決してそうは思いません。
障害物になってしまっているミステリー要素を撤去し、整地して、
相互に影響し合う二つの世界に焦点を絞って、キチンと伏線を張って行けば、
100分でも十分に良作への道は開けたのにと悔恨します。


キャスティングは俳優・タレントを配したメインキャストの話題作り感を、
脇の“ちゃんとした声優”でなだめる布陣。

ヒロイン役の永野芽郁さんの演技も
声優慣れしていない俳優キャストとしては普通レベルの下手さ加減でしたが、
伏線のつながりが劣悪な脚本、セリフで、
感情を込めた一言でシナリオ混乱の打開を求められる、
ベテラン声優級の仕事をこなすには荷が重すぎ、ますます傷口を広げていた印象。


私の場合は、この流れは本作がミステリーだった頃の名残かな?
ここでいきなりファンタジーになるのか?じゃあ細かい辻褄は一旦、忘れなければアブナイな。
といった感じで崩れゆく脚本から、適度に距離を取りながら教訓として眺めたので、
まだ致命傷を負わずに済みましたが、
制作背景も知らずに、ジブリ絵に釣られて安易に踏み込めば、大ダメージは必至。
生きて“二ノ国”から帰る保証は出来かねますので、
私には鑑賞はまったくオススメできません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

最後の三分間はとても有意義な時間となった

視聴理由 須田景凪さん

視聴前 正直内容期待してないんだよなぁ

視聴後 んーと、えーコレは…

この話は平行世界に接触してしまった主人公達の話
ジャンルは…そうだなぁ…平行世界かな?
まぁ端的に言ってしまいましょう。クソでしたね。はい。もう何なん?あれを私たちに見してどうしたかったの?
正直この原作者と監督のしたいことが全くわかりません。まず声優さんです。私は全くドラマや実写映画は見ませんが、別に俳優さんや女優さんを否定しているわけではありません。しかし、この作品に関して言うとすれば「なぜ選んだ」オーディションか指名かは分かりませんがオーディションであるならば採用した人の耳を疑いますね。指名なら「そういうのは自主制作でしろ」別に原作者や監督の趣味は一切否定するわけではありません。ましてや俳優さんや女優さんを叩いているわけでもありません。山崎賢人さんや新田真剣佑さんや永野芽郁さんが声優に向いていない、ということです。しかし、それを選んだ理由が全くわかりません。
声優を本職としているプロの方もたくさんいましたが、どれもキャラとあってませんでした。人気だから呼ばれた。みたな感じなのでしょうね
まぁ声優さんの問題に関してはまぁいいでしょう。良くないけど
内容です。問題は。対象年齢がわからない。稚拙な展開やわけわからない謎理論。そしてガバガバな設定。おもわずテキトーな展開・設定・理論に笑ってしまいました「アホ草」と。
そしてラストのオチにもかなりデカい落とし穴が。ラストの展開はきっと原作者が「どやっ」と言ってそうなですね。設定無視してるけど。自分の考えた設定に違反してるラストシーンでなんなのよ...

まぁとにもかくにもクソみたいな内容だったことは事実
作画はジブリっぽいなぁと思ったらジブリでした。あははは...同じ顔
さらには戦闘シーン手抜き。まぁジブリ戦闘シーンあまり書かないもんね。3.5かな。残念
主題歌は須田景凪さんの「MOIL」神曲。本当に


総評 最後の三分間(主題歌が流れるエンドロール)はとても有意義な時間となった

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

58.5 21 呪いで異世界なアニメランキング21位
18if(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (132)
576人が棚に入れました
ここは夢世界。
欲望、希望、絶望が形を成した意識と無意識の狭間。

いつも夢見る自分の部屋の中で、
再び眠りにつこうとした月城遥人は、偶然にも他人の夢に紛れ込んでしまう。
それは、この夢世界に心を囚われた魔女達の夢。
現実を拒絶し、夢に逃げ、眠り続ける「眠り姫病」に陥った彼女達の夢の姿。

魔女の夢世界に迷い込んだ遥人は出口の扉を探し、
彼女達と出会い言葉を交わしていく。

声優・キャラクター
島﨑信長、子安武人、名塚佳織、福圓美里、東山奈央、加隈亜衣、浅倉杏美、遠藤綾、田村奈央、折笠富美子、水瀬いのり、嶋村侑、新田恵海、南波志帆
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

強引ではあるけどなんとか畳んだ?

5話までの感想
{netabare}よく分からないのをよく分からないものとして楽しむ作品なのかな?
別に対立煽りをするつもりも無いのであんまり他作品の名前を出すのは憚るのだけど、前期の作品“アリスと蔵六”で、後半折角ワンダーランドという「何が起きるか分からない空間」が舞台となったのに、全然それらしさ…荒唐無稽さというかデタラメさが表現されてなくてガッカリした記憶があります。
というかアニコレにも感想でそう書いてます。
それがあってか、18ifの1話は「お前が蔵六で物足りないと言った妙ちくりんな世界ってこういうことか?あぁん?」と迫られたような気分。
う、う~ん…合ってるようなそうでないような?
一体どうなんだろう、自分で言っておきながら具体例が示されたら言い淀んでしまい、なんとも悔しい気持ちに。
ってなことがあってか、幸か不幸か1話で忌避感を抱くことはなく普通に視聴することができました。

そして2話…の前に3話。
「なんで私ばっかり…」と言ってたことから、主人公の助けがなければそのまま周囲を恨み、害意を振りまく魔女になってたんじゃないかなーと。
2話で夢で何かするだけでも人は殺せると示されたので、そうならないように阻止した話ちゃうかなー?と思ったり。
そういう意味で2話→3話は繋がり(順番の意味)があるかと。
シャッフルして各話同士の関連はアベコベに描かれるのかなーと思ってたので、この流れはちょっと意外。

4話は食べたい・食べたくない・食べられない・食べてはいけないの葛藤を描いた内容か。
ただこの回では眠り姫病にならずとも魔女になるって点が今までと違う。
それとリリィ以外も妹として紛れてたような?
というか、テーマ的に自分はリカちゃんのOVAの…ユーニアだか魔法のリングだか、どっちかは忘れたけどそれを思い出す(LDは持ってる)。
4話はうる星のパロもやってたし、ひょっとして妹も単にミキ&マキ(リカちゃんの双子の妹)のパロで、そんな深い意味は無いのかも知れない。
って思ってもう一度見直してみたら、あ、違うわこれ。
2人いた妹の内片方はリリィでもう片方はアイリ(拒食症の子)かと。
人格と呼んでいいかどうか迷うけど他の言葉が思いつかないのでそう呼ぶけど、ちっこい魔女は無意識のうちにドーナツ食ってた人格(夢遊病最中の人格)…解離性ナントカを起こしてるんだ多分。
方向性はともかくピュアな存在ではあるため、行動が幼いっていうか幼稚なのもなんとなく納得。
するってーと無意識の内に発生した魔女(人格)は眠り姫病に制限されないってことかな?
無意識=眠りとするならある意味眠り続けてるワケだし。

でもって5話は…設定的には1話のおさらいかな。
眠り姫病になって夢の中で憧れの大学生活をずーーーっと送ってた、と。
スケートのコーチや担ぎ上げた周囲の人間に恨みを向けなかったのが救い…なのか?
一方でSOSサインを送るのも遅れて、主人公の召喚に時間がかかったって感じかのう。
心のどこかに「本当はこんなこといけない」と思ってないといけないのかも?


因みにワカランことも多いけど4話はかなり好きです。
荒唐無稽世界を描くのだったらこれくらいやって欲しい…アリスと蔵r…いやもう言うまい。
それと2話の解釈も間違ってる(ミスリードされてる)かも知れない、どこまでが現実なのかイマイチ掴めないのよねー。
子安が猫でなくオッサンなら現実だとは思うのだけど…。
ってことで現時点では結構楽しんでる作品です。{/netabare}

6話感想
{netabare}それまでの本編(6話単体)の流れから全く関係のない巨大ロボを出すネタは滅茶苦茶使い古されたもので…まだこんなことをやってるのかとチト引き気味。
ってか、以前“もえたん”と“プリンセスラバー”を比較して、アニメーターに好きにやっていいと言うとオッサンは巨大ロボ、若いメーターは魔法少女(魔砲?いわゆるなのは系)をやりたがるみたいってことを何かの感想で書いたことがあるけど、どこだったかなぁ。
その考えは自分の中に未だ健在で、確認してないけど見た瞬間今回担当した人はオッサンちゃうかなーと思ったり、ってか藤本義孝じゃねーの?
いくらヲタとはいえ女子中学生があれを望んでるってのは濃過ぎでしょー。
って、あれ?使い古されたネタといいつつあんまり具体例が出てこない。
“もえたん”とか“こいこい7”とか…“マジカルハートこころちゃん”(スクールデイズのスピンオフOVA)も出てそうな印象だけどこれは見てない。
まぁ上記の例のように大概は内輪ウケ・おちゃらけ系の「失笑ネタ」として使われるもの(なので具体例が出辛いんだと思う)で、18ifでやられても…どうなんかのう…。
同じゴンゾ作品でも“アキバズトリップ”だったら違和感なく受け入れられたと思う。
で、そんな巨大ロボ抜きでの感想は…今回も1話と同じ内容って感じかな。
ゲーム好きを陰陽師好きに入れ替えた感じ。
もう少し謎(主人公やリリィの正体や子安の妹等)に迫る話が欲しいところだけど…それは今後に期待でしょうか。

あ、そうだ書き忘れ。
Cパートは「結局人は何かを攻撃してないと生きてけません」とか、対症療法はできたけど根本解決はできてません、ってのを表してるのかと。
今後根本解決に向けて探求する話になったりするのかね?

余談・サブタイトルから苺ましまろのパロが来るんじゃないかと期待してたのはナイショだ{/netabare}

7話感想
{netabare}まさかのポルポト。
ポルの周囲を取り巻く大人っぽいキャラもよく見ると顔だけ子供になってて、やっぱりポルポトっぽい。
ネネ→義経(秀吉)→歴史は専門外だと喋ることで逆にピンと来させるように仕向けてるし。
え、なんでいきなり時代変わったんだ?と思ったけど、当時少年だったら今丁度働き盛りの大人、なのか?
かつて処刑しまくったクセにそれを忘れ、最近になって処刑されることになったけど、単に処刑されるのではなくかつての行いを思い出して絶望の内に死ね、ってことで魔女に囚われたって感じだろうか。
実際に手を下すのはあくまで法の下による処刑なので主人公たちは止める必要もなく、ただ傍観するしかなかった、と。
オズの魔法使いが混ぜてあったのはよく分からない。
敢えて深読みするとラストの病室のラジオ?より、ポルは失脚して逃亡中や投獄中に記憶(愛する心)を失った?
その状態のままただ処刑されるのが許せないネネが魔女になって記憶を蘇らせた。
更に深読みすると──要はバッドエンドなワケだけど、どこにそうならない分岐ポイントがあったかを考えると、2度目のネコ救出(未遂)、あれでポルは事故に遭いかけ、「こんな危険な国へは預けてられない」って感じで留学打ち切ってヘリでそのまま本国へ帰ってしまったんではなかろうか。
もし留学を続けて勉強を続行してたら、あんなマリーアントワネットみたいなことにはならなかったんじゃ…と思うと「ネコ救出はしちゃいけなかったのか?」という思いと板挟みとなり切ない気持ちに。

更に更に深読みすると、メタ的に──色んな作品の感想をアニコレに限らずネット上に目を通すと…通さなくても思うことがある。
子供しか登場しなくて──経済やインフラその他もぜ~んぶ子供だけで成り立ってるような作品を見ると「こいつポルポト信奉者か?」と思ったり。
俺TUEE系で、特に主人公大正義でそれに逆らうヤツは兎に角殺せばいいって作品を見ると、最終的には自分以外を殺し尽くさないと安寧得ないんじゃない?と思ったり。
そこら辺の皮肉も入ってるのかなぁ…考えすぎかね?
というよりもしそうであるならメッセージ性を直截に入れ過ぎかな、うん、考え過ぎだ。

今回のネタはちょっと予想してた。
ポルポトがどうこうじゃなくて、「夢を通して魔女から本人の知りえない情報を得る」ってネタ、閉じ込められた人が夢の中で脱出方法教えてもらうとかそんなのね。
7話は厳密には忘れた記憶を思い出させるだったけど、日本昔ばなし風のノリで夢のお告げが~ってやつ、そのうち来そうじゃない?{/netabare}

8話感想
{netabare}4話に引き続き眠り姫病になってないのに魔女の登場する話。
↑の4話の個人的な考察が合ってるかどうか不明だけど、無意識下の意識が魔女化するというのであればこの矛盾は解消される?
魔女が2人居たのもそのヒントなのかも。
無意識といってもどっちかは表層でどっちかは深層、みたいな?
ハルト自身も無意識下でどう思ってるか?に迫ってたし、この作品全体のテーマなのかも知れない。
また、魔女側がSOSを出さなければ主人公も気付けないというのは5話と共通する。
(5話は心の底から「これでいいんだ」と思い続け、無意識下で「ホントにいいのか?」と思うこともなかった間に婆ちゃんになってしまったと解釈)
なんだかんだいってシリーズ間の設定のすり合わせはしっかりしてるのではなかろうか。
各話担当した人に好き勝手やらせてる作りではあるけど、それでも統一した設定やテーマはあると思うので、それを探るのがこの作品の楽しみ方な気がする。
…といいつつ今後どう考えても辻褄の合わない描写とか出てきそうで、それはそれで期待してる…かも?{/netabare}

9話感想
{netabare}徳弘正也か?と思ってスタッフロールを凝視するハメに。
残念ながら全然関係無かった…どこか狂四郎2030アニメ化してくれ~っ。
ってことで今回は下ネタ回。
カパックとヤキマンは分かったけど他はなんじゃろ?検索したら負けな気がして検索してない。
内容は上でも書いた通りで徳弘作品だと思えば抵抗は感じないので問題ないのだけど、いかんせん作画がショボいのが残念。
この内容で3話みたいなクオリティだったらギャップ受けしたんじゃないかなぁ?
特にマネージャーはこれといって悪いこともしてない被害者なので、もうちょい普通の人っぽい描き方をしてくれたら沖田そうじ的ポジとして笑えた気がする。
それとファンにめった刺しされた件はどうなったんだ?最後実は助かってないというオチが来るんじゃないかと思ったのだが…。
と、ここで深読み。
主人公を除く女性化された男性キャラだけど、1人だけ見た目美少女化されてました。
ひょっとしてこの男(犬吠埼)が現実で庇ってた?美少女化はそのご褒美とか?{/netabare}

10話感想
{netabare}今回はうつのみや理や兼森義則っぽい、または最近レガシアムの感想書いたのだけど脂の乗ってた時代の北爪っぽくもあるような?と思ったら…まさかの森本晃司本人回。
えええマジかああ!(同時に一発で当てられなかった自分は所詮こんなもんだと痛感)
失礼ながら、なんでこんなアニメに?
そりゃあスタッフで総監修として名前載ってるからあってもおかしくはないのだけど、ぶっちゃけ名義は原作ゲームからの流用なだけでアニメにはノータッチだと思ってました。
ってかね、その気になれば自分メインで劇場1本作れそうな方だと思うのだが…今回の収録された巻だけ円盤売れたりして。
森本晃司の関わった作品なら内容がどうあれ全部集めてるって人結構居そうに思えるのだが…過大評価しすぎかのう。
絵コンテをそのまま使ったようなシーンがあったが、あれは手抜きじゃなくてファンサービスなんだと思う。

内容は…今回の魔女はリアルではコミュ障な一方ブログでコアなファンが付くようないい文章(ポエム?)を書く人だったらしい。
これまで説得はハルトが行っていたが、魔女がコミュ障ゆえ遂にハルトには説得できないケースが発生。
ブログのファンだった子安が説得役に回ったワケだが、目覚めてはいないので眠り姫病の解決そのものはしてない?
というよりブログやそれらを出版してるみたいだけど、どうやら夢の中で書いた(夢の中から発信したもの)ものらしく、夢の中に引き篭ってるのではなく現実と折り合いをつけてる稀有な例っぽい。
それなら眠り姫病を治す必要もないってことだろうか。
ブログの文章だけでなく苺が消滅(魔女が食ってた)も、夢の中から現実へ、またはその逆が、精神的ではなく物理的に干渉する描写は2話以来?4話も該当するのかな。
また子安はリリイを認識できるようになるが、これは前からそうだったってことじゃなく、作中で研究が進んで可能になったということかな?
この先「ハルトは一体何者なのか?」の追及がされるような雰囲気を残して終了、本当にそっちへの追及がされるかどうかはまだ信用できないけどねー。
“総監修”がちゃんと機能してるなら調整役となる重要な回だと思うのだが、他の回同様好き勝手やってるだけな可能性も否定できないのう。


余談
サブタイのフォントどこかで見たことが…夢次元なのでファンドラが真っ先に思いつくけどどうもそれじゃないっぽい。
他に夢繋がりでは麗夢とかレダとか…も違うっぽい、ジャケのフォントじゃなくて作中のフォントなので確認が難しい…。
何だっけ?絶対見たことあるぞコレ。
現実世界と思われる屋敷の背景にサルスベリやキンギョソウ、池の前にシャガが咲いてたり、季節が滅茶苦茶だがワザとだろうか(花瓶のスカシユロは別、切花は季節関係ないと見なす)。
「ちいさい秋見つけた」で、出だしを誰かさんが~でなく小さい秋~で始める「あるあるネタ」は久々に見た気がする。
その時の挿入歌はメラビーチ(米良美一)…本職じゃーんっつーかOPからの繋がりか、ある意味凄い豪華。{/netabare}

12話までの感想「警告ハルマゲドン接近」
{netabare}今まで各話担当の人に好き勝手やらせて畳むつもりは無いかも?って懸念はあったけど…え、マジで畳む気?
た、畳めるのか?コレ?
その場合、結構無理なことをしないといけないのは当然で、どうしても雑な部分が出てしまう(※)。
まぁこれまでしっちゃかめっちゃかやって来たので凝った話は無理でしょう。
それ以上に、今まで出会った元魔女全員を意味あるものにしようと懸命に辻褄合わせしてるところは好意的に見てしまう。
(純潔に対抗すべくやってきた魔女がアイドル魔女って…これ暗に枕やってたって言ってないか?w)
ストーリーの本筋に全く意味のないキャラを登場させまくった〇〇〇スタッフは猛省して欲しい、マジで。

しっかしサブタイトルとスタッフで「絶対零度~!」と叫ぶシーン期待したけどそういうのは一切ありませんでした。
最終回、本当に畳めるのかどうか気になるトコロ。



やたら引っ張った子安の妹がアッサリ登場したりオーラだったり幽霊からメッセージだったりシンフォギアだったり…。
それと眠り姫病って10人だけなん?
もっと大勢居るものだと思ったのだが…。
スケートの症例以来数十年発生しなかったってことになるし6話もオチが台無しになってしまうような?
イヴに繋がるのが10人ってことかのう?
あと4話の魔女は自分が魔女だったと自覚あるのか?
変な教団は何を根拠に、どう観測してるのかサッパリ…一応夢世界の扉にエンブレム仕掛けられてたので、夢に干渉してセンサー設置した?{/netabare}

最終回まで見て
{netabare}お。おう。
なんとか畳んだように見えるけど、やっぱり齟齬が生まれてしまったというか。

同個体の別人格の提示は4話や8話でされてたのでリリィがイブの分身ってのは分からんでもないし予想もしてたけど、それにしては分離した意味が無いというか。
イブが深層心理では破壊したくないって側面があってそれがリリィになったとか、そういうワケではないのか。
ハルトがアダムだかなんだか(リリィが兄呼ばわりしてたんだしそういうことだろう)で、心のどこかでずっと会いたがってたのが具現化したってことなんかねぇ?
自分が思い付いたベタな展開だと、イブが眠ってる間にアダムに会いたいという思いからリリィが生まれ、ハルトを探してる間や出会ってからの経験から今の人間世界も悪くないじゃんと思い始め、イブの思惑を阻止することにした…でいいと思うんだが。
破壊を食い止めるためイブを説得する役目になりそうなところを…魔女が全部引き受けちゃった。
多分今まで登場した魔女に活躍させる(登場させた意味を持たせる)のを優先してのことだろうけど、代わりにリリィが意味のない存在になるのはどうなんだろう?

棘十字の教祖呆気なく死んだり、訳知り顔だった兄ちゃん放りっぱなしだったり。
知恵の実を食べて今居る世界が実はイブの世界で~等の「この世の真相」は、イブ(リリィ)から語られることは事実だろうけど、棘十字の奴はどうやって知りえたんだ?
ひょっとして…訳知り兄ちゃんもアダムの分身(ハルトと同一個体別人格)でかつて棘十字と手を組んでた、とか?
と、そんな考察ともいえん好意的解釈を残すためには、12話ではガン無視になろうとも11話で訳知り兄ちゃんはどうしても登場させなくてはならなかったってところだろうか。

魔女の活躍についても、7話の魔女はポルに「ポトを処刑した記憶」を思い出させるのが目的でありハルトはこれといって手助けはしていない、よって恩義を感じることが意味不明。
見届け人が必要だったってことなのかな?
4話の魔女も↑で指摘した通り自覚があるってのはちょっとどうなんだろう。
やっぱりイブを説得するのは魔女本人ではなく、魔女の振舞いを見届けてきた者がするべきだったんじゃないかなー?

説得に応じたイブは、じゃあこれから人間世界を観察しようってなるかと思ったら扉が出現して「ん?」となった。
あの先は異方で、神視点で世界を見渡せるってことなんかね?
品輪博士よろしく異方に旅立ったハルトは肉体と切り離された、と。
ところでイブがハルトの部屋に来るまでの間、ハルトの部屋にはアヤメだか杜若だか…いわゆるアイリスの花が活けてありました。
マドンナリリ-(といいつつ恐らく鉄砲ユリ)をイブの象徴とするならアイリスはアダムの象徴にでもされるのかなー?と思って軽く調べてみたけどそういった情報は見つかりませんでした(フランス王朝ばっか出てくる)。
これには深い意味は無い…のか?{/netabare}

総評
{netabare}企画としてはスタッフ的にもロボットカーニバルや迷宮物語を意識して作られたんだと思う。
ただそれら2作品は当時でも既に名の知れたアニメーターが担当してたワケで、どう見ても低予算&全13話の18ifでそれを目指すのは無茶が過ぎるというか…。
実は最後、ビックリたまげるアニメーター起用あるかも?と期待してたがそれも無かったし。
それでも後半、序盤好き勝手やってとっちらかったのを強引にでも辻褄合わせしようと頑張ったのは評価したい。
ポイントは大元は同じ個体(人間でもイブでも)であっても精神は一枚岩じゃないってところだと思うのだが、どうもその見せ方が悪いというか掘り下げ方が拙いというか…。
ってかね…イヴ…世界崩壊…更にはキャラソン推し、これでなんでユリの化け物が街を破壊するシーンを凝らないんだ?
森本晃司はそういうの得意ちゃうんかと…破壊後の荒廃世界が得意なだけで破壊最中はそうでもない?
秘密く・だ・さ・いでも流して棘十字の奴死んだ時「最後までカッコつけやがってよ」って訳知り顔兄ちゃんにでも言わせりゃいいのに…。
と、なんやかんや言いつつ個人的には結構楽しめました。
夢の世界っていうかワケワカラン世界…トリップ系とでもいうのか?って好きみたい。
そういや戦国コレクションでは秀吉回が一番好きだったなぁ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

商業主義とかけ離れた自由奔放過ぎるカルト的アニメーター見本市

☆物語&感想☆

GONZO制作モブキャスト、スマートフォン向けゲーム原作の全13話。
まず、この作品は監督&スタッフが毎話異なる製作陣で作られたという点がユニークで珍しい。
結果、各監督が夢世界を舞台に自由に作りたいものを作ってもらう、監督に楽しんで作ってもらう、
というコンセプトのもと、意図した通りの作品に仕上がっており、本当に自由過ぎるなと感じるものの、
円盤売上最優先の商業主義に於いてはまず作れないような作風は、アニメーター見本市、的な印象を受け、
各々アニメーターの個性が出ており非常に興味深い。

基本1話完結のオムニバス形式で、眠り姫病に掛かった魔女の夢世界で、
主人公ハルトが魔女たちの悩みを聞き解決したり(殆ど傍観してるだけのこともある)
眠りから覚めさせるという展開。
終盤11~13話はそれまでの魔女たちが登場し、一つの作品として一応完結するエピソードになっている。
(11話は10話までの総集編的な構成)

それにしても、1話観始めた当初は正直退屈すぎて途中で寝てしまったくらい、
こりゃ1話切り確定だわ、と思ったんですが、
(振り返ってみてみるとそこまで酷くない、作品のカルト的雰囲気に慣れてなかったんでしょう)
毎話スタッフが違うということで、様子見で3話くらいまで観てみるか、と思って観続けて正解でした。

オムニバス形式で各話の良し悪しはあるにしろ、毎話オチはちゃんと付けてあり、
なるほど、と感心させられるところや、頭を使って解釈を求められるようなものまで、
次はどんなエピソードなんやろ、と期待して観させてもらいました。
イマイチなエピソードがあっても、次と切り替えれるのもオムニバスの良いところ。

3話の「初恋の魔女」のエピソードは、まるで他作品を観ているかと思わせるほど切な哀しい珠玉のエピソード笑
作画も崩れておらず、静かなBGMもとても良かった。
5話の「凡庸の魔女」は凡庸に憧れるも自分の生きる道を悟った感動的な内容からの残酷過ぎるオチが秀逸。
7話の「ソシテ ダレモ イナイ…」は、絵柄がそれまでとは全く異なるCGでメルヘンな様相だが、
孤独な独裁者(カンボジアのポル・ポト、フランス革命、現在進行形の北朝鮮などがモチーフと思われる)
を描いた内容が深い。
暗喩の連続で何も考えずに観ては理解できないエピソードながら、視聴後の余韻は作品中随一。
9話の「アイドルはトイレに行かない!」はハッキリ言って狂気の沙汰笑。ぶっ飛び過ぎシュール&ブラック過ぎ。
作画の具合もわざとやってるとしか思えない悪ふざけには敢えて賞賛したくなる。

これらのエピソードが作品中特に印象に残りましたが、
その他もまずまず面白いものもあり楽しめました。
8話が一番抽象的ではありますが、制作側の言いたい事が伝わってくる内容でしたね。
ギターやってると解るノイズ・ゲートの設定で使う「Threshold」の意味がなかなか意味深。
10話は観返してみても一番よく解らない…
監督、脚本、絵コンテ、演出、作画監督を一人でやってるのも異色だけど、
こりゃ只の独りよがりな自己満と言われても仕方ないな汗

で、物語通しての結末13話は、まさかあんな予想外なラストで締めくくるとは…
安易にありがちなハッピーエンド的終わらせ方をしないところなど、
ほんとに捻くれてて好きです笑

自分はかなり楽しめた作品で、
2017年夏アニメで唯一各エピソードをリピートして観たのもこの作品だけでしたが、
何でもありな夢世界、唐突な展開と突飛で???な演出や抽象的な表現は、
一般的な王道アニメなんかと比べるとかなり異質のもので、
如何にもな低予算作画も相まって、多くのアニメファンには受け入れられない、
所謂マニア向けカルトアニメの部類でしょう。


☆声優☆

メイン数人と各エピソードに登場する声優陣の演技に関しては、
皆それなりに人気と経験のある顔ぶれで何も言うことないですが、
やはり特筆すべきは、9話にキャスティングされた新田恵海に関して…
エピソード自体も狂気に満ちた内容ではありますが、
あの役に○V出演疑惑で揺れたラブライブ!声優を抜擢するとは、もはや鬼畜の所業(観れば解る)
そして、同じく9話のゲストで登場した広橋涼も名作「カレイドスター」
を嫌でも想起させるパロディにはシュール過ぎて絶句。。
キャスティングに関しては作品通じてかなり攻めた印象を持ち、これには敢えての高評価です。
個人的に嬉しかったのは8話の折笠富美子さんですね、やっぱり上手い。
もっと多くの作品に出て欲しい声優さんの一人です。

☆キャラ☆

何でもありな展開の夢世界に於いて、
主人公のハルトがよく居る正義感だけの主人公みたいな、聖人ステレオタイプではないのが逆に良かったですね。
まぁ結構いい加減だったり投げやりなところもありましたが、
そもそも巻き込まれてる主人公なので、その辺りはリアルかなと。

☆作画☆

毎話監督や担当スタッフが異なるとは言え、各話での顔の変わりようや崩れようには、
もはや敢えてやってるのか?と思えてしまうほどで、
前半はそこまで気にはなりませんが、後半になるほど気になりました。

作画クオリティは低いですが(部分的には何故そこを頑張る笑?と突っ込みたくなるところあり)
物語の内容を鑑みるとカルト臭を一層引き立たせるものなので、
作画が良かったらむしろ合わないでしょうから、まぁアリっちゃありなんですが、
点数で評価するなら客観的に見てやはり低く付けざるをえないですね。

ただ、その他のエピソードとは全く異なった7話の絵本風な3DCGの風合いはとても素晴らしく、
従来の作画に似せた3DCGではない、このようなCGの使い方もあるんだなという新鮮さがありました。
この点は評価できるのでプラス0.5点です。

☆音楽☆

OPはTeddyLoid作曲、作品中の夢世界をイメージさせる幻想的な曲で好印象ですが、
歌い手にカウンターテナーの米良美一を持ってくるあたりが凄いですね。

それに対するEDは各話異なったものをエピソードごとに合わせて制作するという気合いの入りようで、
歌詞の内容までしっかり合わせており、これはかなりの労力でしょう。
少々難しい7話もEDの歌詞が内容を端的に表しており、内容が理解しづらい人にとっても親切。

この作品はEVIL LINE RECORDSが音楽全般を担当しており、
恐らく作品中最も力を入れている部分であることは明らかですね。
その他細かい所では7話の音楽に黒石ひとみを採用しているのも驚きでした。


商業主義的な作品とはかけ離れた万人向けの作品ではないので、酷評するのは簡単だと思いますが、
(実際11話~13話の作品としての締めはもう少し練って欲しかった部分ではある)
試みとしてはかなり面白く、個人的にはこういう作風は嫌いじゃない。

ちょっとでも興味あるなら、3話と9話だけでも観てみて損はないと思いますよ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

全てが夢オチという、便利な世界でのデート・ア・ライブ

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
なんか、「日本アニメーター見本市」の作品群を連続で観ているような気分でした。

良く言えば、挑戦的で芸術的。悪く言えば、粗削りで自己満足。

私は低評価です。が、もしかしたら、逆にお気に入り棚に入れるくらい高評価される方がいても「理解」できます。そのぐらい、好き嫌いの分かれる、突き抜けた作風だということです。

ちなみに、剣道部の☆評価は、「良し悪し」ではなく「好き嫌い」です。基本的には(グロ・エロは苦手。鬱も好きじゃないんです)。

日常生活で十分に苦しんでいるのに、アニメ(趣味)でまで苦しみたくないんすよね、、、。(あっ、ただ仕事が忙しいだけで、深刻な悩みはないっすよw)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話完結のオムニバス形式で、さらに各話で監督を変えるという手法。それ自体は別に良いんだけど、あまりに各話に繋がりや整合性がなく、キャラもぶれてる。ただ、「なんか、好きにワケワカンナク作って下さい」という点だけ共有しているように思う。そんな作風なのに、作画もペラペラ。

「いや、夢ってそんなもんでしょ? 狙いですから(キリッ)」と言えば全て解決できると思っているのかな? かなりパワープレイだと思う。

のわりに、なんか「芸術性高い」的な演出が鼻につく(似た作風の「スペースダンディ」「フリップフラッパーズ」は、作画も良かったから、芸術性もあった)。

好きな方には申し訳ないが、これまで800以上観てきたアニメの中でも、特に2話目は、ワースト3に入るほど嫌いだったエピソード。観てるのが辛くなった。逆に言うと、ああいう作風が好きな方にとっては神エピソードになるかも。多分、7話とかもそう(2話を観た時点で☆1をつけようと思ったから、逆に最後までちゃんと観なければと思った)。

「嫌い」な話とその理由一覧

1話→こんなん好きでしょ?芸術的でしょ?感が嫌。
2話→グロくてキモくて生理的にキツい。
5話→あまりにも救いが無さすぎるラスト。
6話→前半良かったが、後半からふざけた。
7話→意味分からなすぎ。30分で扱って良いテーマ?
9話→作画と内容、あえて酷く作りましたよ感が嫌。
10話→いきなり始まるミュージックビデオ。

構成として、1話~10話をかけて、様々な「苦悩」を背負い、それから脱却した魔女たちを描き、終盤に、全ての「苦悩」の元になったラスボスを、彼女らが説得し、世界を救うというもの。

これだけ観ると、意外と王道な作品なのだと思う。最後を綺麗にまとめてくれたから、☆1→☆2にしようかと思ったけど、、、ハルト死亡エンド? もとの姿(アダム)に戻ったということ? う~ん、微妙にスッキリしない。

やっぱり、好きになれないな。

昔、まだガキンチョだった(リアルが能天気に過ごせていた)時は、鬱系の話も好きだったし、NHKのドキュメントとか大好きだったんだ(所詮、他人事、作り物として楽しんでいた)けど、年をとるごとに、辛くて(同情して)観られなくなってきたんだよね。3.11特集とか、マジ、ムリ(岩手県民として辛すぎる)。

つまりは、アニメに何を求めるかだと思う。私はやっぱり、夢と冒険。実際には体験できないことを疑似体験できるのが楽しみ。だから、ファンタジーとかバトルとかロボとかスペースオペラとかラブコメとか大好き。シリアスも、鬱系グロい系以外は好き(まあ、ラブコメを擬似体験というのは悲しいがw)。

ということで、単に私の好みに極端に合わなかっただけで、私のレビューごときで、作品の評価は下げなくて良いと思いますよm(._.)m これ系の作品として、見所があったというのは、なんとなく分かります。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
なんかつまらない。ゴスロリでスクラップラーな展開をさせておけばうけるんじゃね? みたいな感じ。

2話目
分かりやすさ、という点では1話目より上。が、胸くそ悪さという点でも、1話目より上。夢での殺人が現実になるって、すでに1話目との矛盾が。

3話目
今までで、一番よかった。作画も改善されていたように思う。最初からこんな風に作れば良かったのに。監督の違いが大きいのか?

4話目
夢遊病&摂食傷害ってこと? あとどうでも良いが、本物のモデルさんとちょこっと知り合ったことあるけど、細過ぎて怖かったです。言葉は滅茶苦茶悪いんだけど、宇宙人やカマドウマ的に見えました。やっぱり、普通が一番だと思いますが(大人になると、ホントに好みが変わる。スレンダーな人より、健康的な、ややポッチャリくらいの人が可愛く思える)。

5話目
もう一度戻れるなら、大学に戻りたいな。そして、体育会系運動部などには入らず、チャラい学生生活を送ってやる(ムリw) テニスサークルとかロードショウとか、古臭いノリは伏線だったんだね。話のスジは良い(スケートの楽しさを思い出す感動系な)のに、オチに救いがなさすぎて、苦しくなる。これ、目覚めない方が幸せだったんじゃ……。氷の上にいるときが輝いてるって気付いて現実に戻り、氷の上に乗れない年齢になってるとか……。

6話目
見るアニメを間違えたと思うじゃないかw 聖地巡礼w いじめてくる人間がいる世界と、いじめてくる人間すらいない世界のどちらが良いか、という過激な問題提起? いじめをすれば穴2つ、の方がタイトル的に良かった気もする。途中までシリアスで良かったのに、なぜ、ふざけた?

7話目
まったく、ワカラン。ポル・ポト?

8話目
ライブの観客、動かすの二人だけなら、いっそ動かすなやw だから全編字幕ね。視聴者に聾者を想定? まあ、なんかユニバーサルデザインだな。アニメにも、字幕。確かに、DVDにはメニューとしてあっても良いね(買わないから知らないけど)。

9話目
いや、もう、ひどいね、全部。「狙いですから(キリッ)」と言えば、全部許されると思ってない?

10話目
演出という名の、手抜き。ようやく、核心に触れたね。まあ、そんな感じはしてたけど。

11話目
なんかまとめたい、ということだけは分かった。

12話目
佳代、まさかの再登場。やはりNo.1ヒロイン。ちなみに、「死んだ人」って言葉はあまり好きじゃない。「亡くなった人」という表現の方が良い。いや、歌わないんかーーーい! ビックリしたw

13話目
じゃあ、白イヴ(リリィ)を殺せば、黒イヴも殺せたんじゃ? まさか、こんな軽いノリでラストを乗り切るの?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

64.2 22 呪いで異世界なアニメランキング22位
Unnamed Memory[アンネームドメモリー](TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (86)
298人が棚に入れました
絶大な力を操る五人の魔女が、人々にとって畏怖の象徴となっていた時代――。 大国ファルサスの王太子・オスカーは、幼い頃に受けた「子孫を残せない呪い」を解呪するため、荒野の塔に棲む“青き月の魔女”ティナーシャのもとを訪れる。 どんな望みも叶えるという“魔女の塔”の試練を乗り越えたオスカーが望んだのはティナーシャを妻として迎えることで……。 魔女の契約者となった王太子と、王太子の守護者となった魔女。 二人の出会いは“魔女の時代”に変革をもたらし、やがて、世界の〈運命〉を書き換えることになる。 オスカーとティナーシャの行く手に待ち受ける物語とは――。

声優・キャラクター
オスカー:中島ヨシキ
ティナーシャ:種﨑敦美
ラザル:梅田修一朗
シルヴィア:夏吉ゆうこ
メレディナ:赤﨑千夏
アルス:佐藤拓也
カーヴ:天﨑滉平
ナーク:森永千才
トラヴィス:福山潤
ルクレツィア:川澄綾子
レオノーラ:斎藤千和
ラナク:柳田淳一
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

魔法はあっても奇跡はない?永き魔女の静寂を切り裂く王子様

【あらすじ】
{netabare}
五人の魔女が畏怖される時代―――

“沈黙の魔女”に“子孫を残せない呪い”を受けたファルサスの王太子・オスカーが、
“青き月の魔女”ティナーシャが棲む、望みを叶える“魔女の塔”の試練を乗り越えて、やって来た。

オスカーの望みはティナーシャとの結婚による呪いの超克。
折衷案として1年間の“契約”を結ぶことになった2人。

魔女の周囲に持ち込まれる様々なトラブル、
王子様から魔女への求婚。
波乱の1年が始まる。{/netabare}

同名ライトノベル(web版、電撃の新文芸版共に未読)の連続アニメ化作品の分割2期の1期目。


【物語 3.0点】
ライトノベル、特に電撃経由でアニメ化するSFファンタジーには、
魔法に関する独特な解釈が興味深い作品が多い印象ですが、本作も同様。

一見、魔女の力は圧倒的で、全知全能に思えますが、
魔法で無から法則を生み出すチートは起こり得ないというのが、この世界の渋くて面白い所。
魔法は既存の物理法則等を加速させたり停滞させたりすることで現象を実現しているに過ぎない。

魔女は厳密には不老長寿ではなく、成長活動を止めているだけ。
怪我からの自己再生も、止めていた成長を急加速することで回復を早めているだけ。
{netabare} 大怪我から急回復してロリ少女属性から急成長したティナーシャ。何か萌えましたw{/netabare}

よって不可逆性の事象を覆す奇跡は、魔法でも引き起こせなし、魔女だって不死ではない。
この世界の魔法では、割れたティーカップひとつ元に戻すことができないのだ。

王太子オスカーにかけられた件の子孫を残せない“呪い”は突き詰めれば、
“沈黙の魔女”の“祝福”であるという解釈。
沈黙の魔女の強すぎる愛情が憎悪に裏返って呪い同然と化しているというのも独特。
よって{netabare} “解呪”では完全解決し難く、祝福転じた呪いに耐え得る母胎を有するティナーシャにオスカーが求婚という流れになるわけですが。{/netabare}


構成はオスカー&ティナーシャのお惚気(のろけ)な掛け合いが軸。
作中、大陸を揺るがす結構な一大事が起こっている気がしますが、
2人の関係性に焦点が絞られるため、国一つ転がされる、魔族まで絡んだ緊急事態の説明も割と雑w
聞けば原作の内容も結構飛ばされていたとか。

シリーズ構成の赤尾 でこ氏は過去、賛否が割れたり、物議を醸したりするアニメ化作品に携わったりもしていますが、
私は氏の割り切った構成が比較的肌に合う方で、魔法世界観への興味もあって、終盤までは折り合っていたのですが。

1期目・最終12話。
分割2期目に向けて強烈な引きを作るための大ドンデン返し。
私は分割2クール構成を想定していなかったので面食らいましたw
煽りを受けて物語も3.5~4.0点着地想定から、結論先送りの基準点3.0点に墜落。
最終話のこの構成。赤尾氏による犯行ではなく、プロデューサー意向によるものだそうで(※1)

個人的には11話までの内容で1クール目を締めて、
2クール目の初回で、2人への新たな試練が始まるという構成が無難だと思うのですが、
やはりプロデューサー目線だと分割クールの放送空白期間に忘却される不安が上回るのでしょうか。

これから追いかける方には、11話まで観て一端視聴やめて、
来年冬予定の2期視聴に先立って1期目最終12話から視聴再開するプランをオススメします。


2期目については私にとってはやや食傷気味のジャンルすなわち(※核心的ネタバレ){netabare} 歴史改変、広義のタイムリープ物になるようですが。
多くのSF同ジャンルと異なり、歴史を書き換えても、平行世界が発生しない。
書き換え前の歴史は消滅する。{/netabare}
ここも、不可逆性を織り込んだ本作独特の魔法解釈ならではの展開も期待できるので、
取り敢えず視聴候補には入れておこうと思います。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・ENGI

全体にやや作画カロリー不足。
大規模な魔法戦闘等も描写されますが迫力は今ひとつ。
一応モンスターデザインも付けてはいますが、そこも可もなく不可もなくくらいの出来。
ただし、ティナーシャが使役するドラゴンのナークの造形はまずまずでした。

一方で、ティナーシャらの青紫系カラーを基調とした背景美術、キャラデザ、小物デザインには統一感があり雰囲気作りは良好。
ゆっくりと紅茶でも一杯飲みながら、静寂としたファンタジー世界に浸りたいと思わせるだけの映像は実現していました。

ティナーシャが入れる紅茶。
{netabare} かつて王女として命を狙われるリスクがある中、何でも自分でやる中で習得した魔女の永き孤独の象徴。{/netabare}
さぞ渋みが効いて美味に違いありません。


オスカー&ティナーシャの恋愛メインということで、
キスシーンとか、そういう展開もありますが、
直接的な濡れ場表現は描写されないので、
視聴している姿を誰かに見られても安心?ですw
ただし、{netabare} お盛んな夜の翌朝に、あくびをするティナーシャ{/netabare} など、
間接的にアダルトなポイントは押さえてはいますw

警戒したいのはグロ表現。
{netabare} 幼女ティナーシャを滅多刺しにする{/netabare} など、
ショッキングな描写が突然飛び出すので、
油断して紅茶を噴き出さないようにしましょう。


【キャラ 4.0点】
王太子・オスカー。
子孫を残せない呪いさえなければ、もう姫君をもらい受けてもおかしくない精神年齢。
よって美少女な雰囲気のティナーシャにも動揺せず大人な?余裕の対応。
繰り出される求婚のジャブが、
初心な鈍感中二病少年とは異なる本作の味わいどころ。

初心で鈍感なのは、むしろヒロインの魔女ティナーシャの方で。
不老のため、肉体の成長を止めた際、精神の成長まで止めてしまったのか、
恋愛方面では長寿の余裕がまるで感じられないのがくすぐったいですw

2人の絆は、{netabare} ティナーシャがオスカーに腹に飲み込んだ水晶ごとアカーシアで串刺しにさせて事態解決する{/netabare} くらい深い、
命を預け合える唯一無二の関係。

だから私も2期目に向けた1期目最終回には驚きはしましたが、不思議と絶望はしませんでした。
この2人なら2期目の試練くらい、余裕のトークを繰り広げながら乗り切ってしまいそうな予感もします。


公式HPのキャラクター欄にオスカーとティナーシャしか紹介されていない程、
メイン2人一択で、他のサブキャラは添え物感が満載ですがw
私はティナーシャより年上属性な“閉ざされた森の魔女”ルクレツィアさんとは、
一度、一杯やりながら語らってみたいと思いました。


何より“沈黙の魔女”がオスカーの何を何から守ろうとして祝福転じた呪いをかけたのか?
など2期目では、サブキャラの答え合わせも望みたい所です。


【声優 4.0点】
オーディションは主演の王子様役&ヒロイン・魔女役に掛け合いの演技審査も行う、
ここもメイン2人の会話劇重視の異例の選出方法。
結局、掛け合いオーディションでペアになった、
オスカー役の中島 ヨシキさんと、ティナーシャ役の種崎 敦美さんをそのまま起用。

中島さんのイケボでティナーシャの“猫のいたずら”を軽くいなすことで本作独特の惚気のリズムが生まれる。
6話。{netabare} 使い魔・ナーク譲渡のドサクサに不意打ちのキスを受けた際の
「これは、なかなか……予想外」{/netabare}
11話。{netabare} 決戦を前にそういう雰囲気になった2人。ティナーシャに時と場所を弁えてと言われて弁えず
「分かった」「今やる。明日、死んだら心残りだしな」と臆せず行為を続けるオスカーとか。{/netabare}
恋愛面でも余裕綽々な主人公最強ぶりが可笑しかったですw

ティナーシャ役の種崎 敦美さん。
率直に『フリーレン』ロスの埋め合わせに、種崎さんの長寿キャラをというのが、
私の視聴動機の一つ。
魔法関連では熟練の余裕を見せ付けるのに、恋愛面では見事なポンコツぶりを好表現。
何百年生きても知らなかった人間を知る演技ならお手の物です。
今後も、この種のキャラで楽しめそうな声優さんです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は松田 彬人氏。
同氏が手掛けた『響け!ユーフォニアム』の吹奏楽曲を聞いていて、
松田氏のファンタジーBGMにまた浸ってみたいと思っていた所に本作が。
というのも私の視聴動機の一つ。
静かなピアノとストリングスによる心情描写から、重厚な管弦楽による戦闘描写まで。
緩急自在なBGMもまた世界観に浸る一助に。

OP主題歌は丁「呼び声」
私にとっては『ツルネ』2期ED以来のエンカウント。
ハープ弾き語りバラードで歌われる、意味深な歌詞の真意を思い知るのはEDに回った最終12話にて。

ED主題歌はシルヴィア役の夏吉 ゆうこさんの「blan_」
ピアノと高音ボーカルが織り成す良作バラード。
“呪い祈る”こちらの歌詞の真意は、2期目以降により深く知ることになるのだと思います。

全体的に静寂が似合う世界観を壊さない品のある音楽構成でした。


【参考文献】(※1)「animate Times『Unnamed Memory』連載第8回:監督・三浦和也さんメールインタビュー」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

王子「ティナーシャ〜!」ティナーシャ「オスカー〜!」うおおおお!フォーリーラブ!(背後で爆発)

 最終話(12話)まで観ました。2024.06.27
 
 祝2期決定!からの〜、1期であったことを最終話でチャラにします。こんな夢オチみたいな展開、良いのか?

 そしてオスカーさん、400年前に行ってもピンポイントで若き日のティナーシャの元へたどり着きます。匂いでもたどったのか?時空を越えたストーカー…キモい男ですね。

 オスカーさん、現在のティナーシャにハメられてね?塔のお掃除をお手伝いしてたらこんな目に…。体よく始末されたとしか思えないのですが?

 時空を越えるのは魔法では出来ないとか何とか過去のティナーシャさんが言い出しますし、未来から来た男が母親を助けた後に消えたという以前描かれたエピソードからも、オスカーを過去改変の鉄砲玉扱いするティナーシャの悪意を感じます。

 こういう、物語の延命のために、主人公以外の人間が記憶喪失になるとか(うしおととらだよ!俺はあの展開を今でも許していない)違う世界線でやり直すとか、夢オチとかやるのは、ファンを馬鹿にしています。

 リアルタイムで追ってきた熱心なファンにとっては、クライマックス間近でのちゃぶ台返しは頭にきます。

 途中で参入してきたニワカや、過去の記憶を維持できない様な奴ばかりでは無いのです。

 私は、ツッコミを入れながら矛盾ばかりの破綻した本作品を楽しんでいたアンチ寄りなので良いですが、熱心なファンにとっては、頭にパイルドライバーを喰らわせる様な最終回は許してはいけない様な気がします。

 大した話でも無いのにここまでやるのか…。人の心とか無いんか?

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 11話まで観ました。2024.06.19

 悪い魔女を倒しに、悪い魔女に介入されて内戦の危機にあるヤルダへ我らがバカップルが向かいます。

 そして、気持ちの悪いバカップルのイチャラブをこれでもかと見せつけて来ます。決戦前に朝までヤりまくるとかヤバいでしょ…。

 ティナーシャとオスカーの性欲モンスターぶりに、ヤルダ王女のネフェリィも引き気味です。悪い魔女もティナーシャも行動原理が謎で怖!

 やることしか頭に無い色ボケのくせに、ティナーシャがリーサル・ウェポンぶりを発揮して、内戦の危機も収めてしまうし、悪い魔女も圧倒するしで、国家間のミリタリーバランスもクソもありません。

 処女じゃないとー!とか、全く嘘やん…。ヒューマノイドタイフーン並みに強いやん…。

 ティナーシャさん、本当に400年間処女だったの?嘘なんじゃ?過去の悪事がバレない様に昔の知り合いを始末してね?

 オスカーも、魔女に魅入られて操られてるのでは?今回の悪い魔女も面白半分に王子様をたぶらかしていましたし、この国大丈夫なん?

 なろうチート男に何の警戒心も持たずに寄ってくるチョロイン並みにティナーシャとイチャイチャするオスカーは、既に籠絡されてそうです。

 チョロインズを観ていていつも思うのですが、いくら強い男が好きでも、デコピンで頭を吹き飛ばせる位のパワーがあるチート野郎に寄っていかんでしょ?うっかり死亡しそうです。

 ティナーシャが悪巧みをしていないなら、自己評価低過ぎです。気まぐれに瞬殺出来る程度の存在のくせにオラオラ男のオスカーなんて好きになる?男性視聴者には理解出来んわ〜。

 そして、結婚!次回最終回!ティナーシャが実は全ての元凶で王国を乗っ取り、世界を支配して、犬がニャーと鳴き、猫がワンと鳴く様なカオス地獄が現出することを期待しています。無いよな〜。
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 10話まで観ました。2024.06.12

 オスカーとティナーシャ、既に肉体関係になった様です。処女じゃなくなると力が落ちるとか言ってましたが、そんなことも無く、今度はオスカーとの子供が出来たら、魔力の高い者同士の子なので、悪魔鬼みたいな子供が出来ちゃうかもとか言い出しますが…。

 どうせ、そんなに気にすることも無いんでしょ?設定が全て上滑りしているので、ゴチャゴチャうるさいです。

 いつの間にか結婚が既定路線になってるし、恋愛ものとしても何かおかしい感じです。

 ラスボス的な魔女や昔の知り合いの悪魔?みたいな奴が出てきますが、どうも、気まぐれとかで城を襲ってくる様です。

 過去の因縁とかも長寿キャラティナーシャの知り合いだからで片付けてしまい、其辺のチンピラが絡んでくるのと余り変わりません。何これ?

 魔女や魔法士を便利に使い過ぎて、何が言いたいか分からなくなってきています。オスカーとティナーシャ以外のことはオマケに過ぎない…。結婚がゴールってことでエエのかな?

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 9話まで観ました。2024.06.06

 オスカー王子、また悪い奴に襲われます。ティナーシャが命懸けで救います。危機管理の出来ねぇ王子だなぁ…。

 そして、二人でさらにチュッチュイチャイチャしました。9話はマジでこれだけです。

 長寿キャラのティナーシャさん、オスカーを人間だと思って無い、ワガママで可愛い子猫が、スリスリしてきてういやつじゃ…くらいに認識してるのかと思ったら、男として性的にも好きだった様です。

 他のレビューアー様のレビューにもありますが、かなり原作を端折っているので、ティナーシャがサイコパスにしか見えません。

 どうも、鈍いというより、人間性が欠落しているというか…。仲間の魔女は恋愛経験豊富そうなので、魔女が種族としてそうなわけではなさそうです。

 まぁ…、好きにして下さい。しかし…、白昼堂々と本拠地の城が襲撃される無防備さ(一応、夜襲でしたが)は、ティナーシャ様の力でなんとかした方が良さそうです。国としてありえんだろ…。

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 8話まで観ました。2024.05.30

 まだ物語は続く様です。魔法士差別の現況となった神様?のイルティルディアとか言うのが出てきて…。

 全てイチャイチャカップルがさらにイチャイチャするための小道具に過ぎないので、極めて話がザックリしています。今更セカイ系かぁ…。

 王子とティナーシャのやることなすことが、全てお互いの愛を確かめ合うかの様な感じなので、辟易します。

 色々と言いたいこともありますが、セカイ系にツッコミ入れるのは野暮ですね。早く結婚してハッピーエンドになって終わって欲しいですね。
………………………………………………………………………

 7話まで観ました。2024.05.22

 わっるい組織のわっるい人達が王子の国を含めて数カ国を危機に陥れますが、王子とティナーシャの活躍でわっるい人達はやられました!

 恋するバカップルの小規模な戦いで世界が救われた!みたいな話で、なにコレ状態です。

 敵も味方も軍勢が小規模すぎねぇ?世界系だったのかな?王子様は態度も部下の数も付き合う他の王族もチンピラみたいで、何か変な世界観です。

 王子様とティナーシャは最初からデキている感じで、王子様のティナーシャに対する距離感も何かおかしいので、素直に応援出来ないんだよなぁ〜。

 ティナーシャの正体も分かり、いよいよやることが無くなった2人…。どうする?どうする?と、私の心の中のどうする連達も騒いでいます。
………………………………………………………………………

 3話まで観ました。2024.04.27

 危険な魔女がウロチョロしている世界で、王子様、戦闘力皆無の従者と二人で外出し過ぎです。今回もそれでトラブルに…。

 話の作り方が雑ですね。王子様、魔女の気まぐれで直ぐにブチ殺される程度の存在のくせに、俺様男すぎて頭がおかしいレベルです。

 契約があるとはいえ、ティナーシャを堂々口説きに行きますが、周囲はあんな人外に関わるなよ…と思わないのかな?

 外見が美女で、処女なら何でも良い…。今の所、視聴者に媚びてるだけの内容なので、なんとも言えない感じがします。

………………………………………………………………………

 初回観てのレビューです。2024.04.10

 俺様王子様、攻略に人数制限のない魔女の塔に単騎で挑んであっさりクリアー、年齢不詳のロリババァと1年契約成立です。

 1話のあらすじは本気でこれだけで、なにコレ?感が強いです。色々ぶち込んできますね。

 魔女とは何なのか?王子が単独でウロチョロ出来る状況なのか?王子は何でこんなに強いのか?

 ただ、魔女は可愛いです。ラノベっぽい会話劇が売りなのかな?ベラベラ喋るロリババァ好きなら面白いかもです。特殊性癖の私めは視聴継続です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

基本的にオスカーとティナーシャのイチャラブもの

古宮九時、chibi(イラスト)による原作小説は、「小説家になろう」から「電撃の新文芸」(KADOKAWA)で書籍化(全6巻、原作未読)。『このWeb小説がすごい!』全Web小説ベストランキング9位、『このライトノベルがすごい!』単行本・ノベルス部門2020年1位、2021年3位、第5回ラノベ好き書店員大賞で単行本部門第5位。
アニメ1期は全12話(2024年)。監督は、『旗揚!けものみち』、『宇崎ちゃんは遊びたい!』などの三浦和也。制作は、『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』、『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』などのENGI(KADOKAWAの子会社)。2025年1月から2期が放送予定。
(2024.7.29投稿)

【あらすじ】
長きにわたって絶大な魔力で大陸に君臨する5人の魔女がいる時代。
ファルサス王国の王太子オスカー(CV.中島ヨシキ)は、「沈黙の魔女」にかけられた「子孫を残せない呪い」を解呪するため、塔を登りきれば願いを叶えてくれるという「青き月の魔女」ティナーシャ(CV.種崎敦美)が住む塔を訪れる。
塔の試練を乗り越えたオスカーであったが、ティナーシャでも解呪は難しいと告げられ、別の手段として「呪いに対抗できる魔力と魔力耐性を持った女性を探す」ことを提案される。
そこで、オスカーは、ティナーシャを妻にすることを逆提案するものの、ティナーシャが固辞するので、代案として「1年間自分の傍で暮らす」ことを提案し、ティナーシャは、これを渋々承諾するのだった…


【基本的にオスカーとティナーシャのイチャラブもの】
1期は、基本的に「ティナーシャが好きすぎることを隠そうともしないオスカー」と「恋愛に疎い鈍感ティナーシャ」がお互いに深い愛情を育んでいくまでが描かれています。

そして、この深い愛情を前提として、タイトルの“Unnamed Memory”(明かされない記憶)がどうして発生したのかが第12話で回収されるというのが大雑把な流れ。

なので、原作は「ミステリー要素」や「世界にまつわる謎」もあるみたいなんですが、おそらく尺の都合で二人の恋愛にテーマが絞られたため、それ以外のところをバッサリいかれてます。


もっとも、これ以上二人の恋愛について書くと核心的なネタバレになってしまうので、非常に説明しにくいのですが…

真の愛情と言われる「無償の愛」は、「見返りを求めず相手のためを思う気持ちや行動」(≒自己犠牲)をいいますが、その結果は、必ずしも相手を幸福にしないというのが1期の終着点。
近いのは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」的な悲劇でしょうか。

もっとも、その辺を二人がどうやって克服するかが2期なんでしょうから、その準備段階が1期に当たるといった感じ。
なので、本作は1期と2期のセット販売です(笑)

こういった悲劇は結構好きそうな人が多そうで、原作が人気なのもわかるので、興味を持ったのなら2期が始まる前にまとめて観るといいかもしれません。おそらく1期だけだと消化不良になります(笑)


【第12話を整理(※ネタバレ有り)】
{netabare}前提として、タイムリープものでは、「祖父のパラドックス」というものがあります。
これは、「ある人が時間を遡って、血の繋がった祖父を祖母に出会う前に殺してしまったらどうなるか」というもの。
世界が1つしかないとすると、世界が分岐しないので、パラドックスが生じないように自分の祖父を殺した人は消滅することになります。これに対して、世界は1つではなく並行世界が存在するとすると、世界が分岐するので、パラドックスは生じず自分の祖父を殺しても殺した人は消滅しないことになります。
本作では、前者の設定を採用しているみたいです。

それで問題の第12話では、未来から来たオスカーが過去のティナーシャを助けないと、自分が愛するティナーシャがこれから悲惨な体験をすることがわかっている。もっとも、今助けてしまうと過去改変により、パラドックスが生じないように今の記憶を持った自分が消えてしまう。しかし、オスカーは、自分と出会う前のティナーシャであっても、自分が愛するティナーシャであることに変わりはなく、彼女が不幸になることをわかっていて見過ごすことができなかった。
そこで、オスカーは、過去のティナーシャを救って、ティナーシャとの幸せな記憶(これが“Unnamed Memory”なのかな?)を持つ自分を消滅させるという選択をする。

このオスカーの行動は、オスカーのティナーシャに対する「無償の愛」ゆえのものだとは思うのですが、原作を少し調べてみたところ、オスカーによって改変された歴史で、未来のオスカーに助けられた魔女にならないティナーシャが彼女を知らないオスカーと再会するという切ない流れになるようです。

さて、二人は2期で救われることになるのでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

60.1 23 呪いで異世界なアニメランキング23位
sin 七つの大罪(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (164)
947人が棚に入れました
神に背いた“傲慢"の罪により、大天使ルシファーは地獄に堕とされ“堕天使"となった。
さらに地獄の最下層“万魔殿"では、地獄を統べる魔王たちがルシファーの力を封印。
すべてを失ったルシファーだったが、彼女を慕う嫉妬の魔王レヴィアタン、
地上で出会った女子高生の十束真莉亜を供に連れ、“傲慢の魔王ルシファー"となって
七人の魔王たちへの逆襲の旅に出る。
美しき魔王たちによる、“七つの大罪"を巡る黙示録が今、幕を開ける。

声優・キャラクター
喜多村英梨、藤田茜、櫻庭有紗、加隈亜衣、日笠陽子、小倉唯、たかはし智秋、伊藤静、田所あずさ、戸田めぐみ
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

制作armsじゃない…だと?

って思ったけど大体同じか。

2話までの感想
相変わらずというべきか、カットごとの繋がりがおかしい。
これってソレ系統って分かるようにわざとそうしてるのかねぇ?

4.5話までの感想
{netabare}相変わらずカットとカットの繋ぎが不自然…っていうか、なんていえばいいのかな?
恐らく実写作品ならこんな作りのものも多いのだろうけど、少なくともアニメでは「普通入れとくべきカット」をはしょって次のシーン次のシーンへと移ってしまうので、どうにも分かりにくい。
いや、分からないことはないのだけど「絵で見せる状況の説明が下手・不親切」って感じが否めない。
他の方の感想の言葉を借りるなら「脈絡が無い」。
いちいち細かい所に手間をかけるならエロシーンを優先させようって意気込みだろうと好意的解釈をしてるけど、どうにも慣れない。
というかね、単純に予算カツカツなのかなぁ…と思ってしまったり。
ってそんな中4.5話とな?
あ、これホントにカツカツなのか。

けど4.5話は上手く編集してあってそれまで「よく分からなかったこと」が分かりやすく説明されてました。
個人的には「くりいむレモン名場面集」(フジテレビ版ね)を髣髴とさせて、これはこれで悪くないような?
と思ってたら梅津泰臣キターーー!
単に自分が歳取っただけかも知れんけど、パっと見で誰が描いたか分かる貴重なアニメーター…エルドライブのエンディングもすぐに分かりましたぜ。
ってかやっぱりアームスじゃん。
けどこれでエンディングは変わってしまうんだろうか、梅津泰臣を特殊エンディングだけしか使わないってのも考えにくいし。
エロアニメ&デーモン小暮といえば国際的大ヒット作うろつき童子の組み合わせなワケで、これを捨てちゃうのはそれはそれで勿体無いような…?{/netabare}

6話までの感想
{netabare}「梅津泰臣の描いたシーンをEDに持ってくるか」「デーモン小暮のEDを続投か」の行く末に関心を寄せてたのだけど、6話で後者であると確定しました。
へーすごな、もし総集編挟まなかったら梅津パートは本編で一回限りだったってこと?
そんな贅沢なことするから他の部分がガタガタになるんじゃ…いや、その潔さは評価すべき部分であろう。
6話のネトゲ回で2回目のランジェリー装備を予算切り詰めの2Pカラーと言ってたが、それは作中のゲームネタではなく制作のメタネタに聞こえてしまうのは内緒だ。
ってか葉っぱ装備がクイブレのエルフ先生と比べるとなんかすっごいイマイチのような…。
あれ?スポンサー的に衣装デザインだけは手を抜いちゃアカン気がするのだが…大丈夫なのか?{/netabare}

8話までの感想
{netabare}サタニストの軍隊って…もうそれだけで1話、いや丸々1クールの作品作れそうなネタをブチ込むとは、贅沢すぎて吹いた。
普通なら「そのネタ入れるのならもっとあれこれ(政治とか)練らないとアカン」とストップがかかるところを、「こまけーこたぁいいんだよ、戦闘機をズバっと切って戦艦をドカーンとするのを描きたいんじゃあ」という意気込みをひしひしと感じる。
そういう姿勢好きです、中途半端に屁理屈捏ねたり言葉遊びするよりよっぽど清々しい。
それとレヴィの衣装もネトゲ回に比べたらしっかりデザインされたもので、これはキット化されそう。
しっかし8話の出来の良さを考えると、なんでそれまでガタガタだったのかってのが不思議でならない。
予算配分がおかしいというか…ってそれは↑の梅津泰臣絡みでも指摘してるか、うん、配分おかしいややっぱり。
次回以降、今回の勢いを維持できるのか再びガタガタになってしまうのか気になるトコロ。{/netabare}

最終回(12話)までの感想・これだけ読めばいいかも 2020 6/15{netabare}
某所で“ありふれた職業で~”の感想を見て、まぁあの作品がアレなのはご尤もなんだけど、どうせ語るんだったらその前にこれ(sin 七つの大罪)に目を通しておくとより一層面白いことが言えるんじゃないかな?
というか1クール作品なのに総集編2回やって最終回はずっと後回しになったり、アートランドがアレしちゃったり、EDでデーモン閣下が係わってたり、と良きにしろ悪きにしろ話題(どっちかというと語り草?)になっても良さそうなのに全然そうでもなさそうなことに勿体無さを感じたり。
と思ったら、私自身が感想が途中で止まったままだったので改めて全話視聴。
ぶっちゃけ11話の「心臓トリック」がよく理解できてなくて、それの確認をしたかったということもあったりw
因みになんで“ありふれ~”でこの作品が挙がるかというと監督が同じで作風が似てるを通り越して同じだから。
“ありふれ~”の残念ウサギはこっちのレヴィアタンとキャラ被りまくりだし、扱いというか引き出しを探るのにいい教材かと。
しかもこっちはメインライターが鈴木雅詞という地獄のような組み合わせ、ある意味“ありふれ~”よりもアレ。
それでも目的がエロというハッキリしたものがあって、キャラ達も悪魔だ天使だで人間には理解できない行動をしても多少納得できる分マシ…なのかなぁ?

人間には理解できない行動というのは1話からそう。
地獄へ落とされたルシファーの前にレヴィアタンが現れ言い寄るワケだけど…。
レヴィ「いっそのこと地獄を征服しちゃう?」
ルシ「興味ない」ドカーン
レヴィ「カッコい~。じゃあ地獄を支配しにいきましょう」
で万魔殿(そこに居る首座を倒せば地獄を支配できる)へ向かうって展開。
…。
おかしいよね?興味ないと言った意味は何処行った?
一応「ドカーン」のシーンで天界から落とされた瞬間の回想があり、それで気が変わったのかも知れないが明確は説明は無く、ひどく不親切。
また、一応ルシファーの名は天使だった頃から地獄では知れわったってたとはいえ、レヴィがあそこまで心酔する理由は説明されてない。
こういったキャラが精神病みたいな行動をするのはよしもときんじ作品(というかアームス作品)ではいつものことで、深く考えるだけ意味が無い。

とはいえストーリーが全く無いというワケではなく、先述の「心臓トリック」なんてものが仕込まれている。
しかも木を隠すには森といわんばかりに「天使血輸血トリック」(これは早々と明かす)でもって心臓トリックをマスクしてたり。

ストーリーとしては…
神に背いて天使だった主人公ルシファーが地獄へ落とされ、その途中で地上(人間界)に一時「引っかかり」、その時居合わせた人間のマリアへ輸血しといた(伏線)。
その後地獄の最深部コキュートスに落ち、レヴィアタンを従え何故か地獄を支配する7つの大罪の居る万魔殿へ向かうが返り討ちに遭い、羽をもがれたルシファーの肉体が悪魔へと変異する(見た目角が生えるだけですごく分かりにくい)。
が、そこで何故か冥府の蓋が開いて(自分で開けて逃走したのか何者かの意思によるものなのか不明)人間界へ追放されてしまう。
人間界へ着いた先は途中すれ違ったマリアの居る場所だった──ってのが1話。

2~8話は、実は返り討ちに遭った際、首座のベリアルに呪いを施されてて、7つの大罪を司る魔王を倒す(殺すのではなく屈服させる)ごとに段階で解除されるらしく、また大罪の魔王達は信者集めに人間界に赴いてるらしく、世界を回ってそいつらを順に倒して行く。
また、マリアの心臓を取り出してそれを人質にして従者のようにこき使うのだけど、ルシファーがまだ天使だった頃に輸血したことでマリアには天使の血があり、それでもって大罪に勝つ、なんてこともあったり。
(今現在のルシファーの肉体は天使ではなく悪魔に変異している、というのを理解してないと理解しづらい)
あと7話では、ただの人間であるマリアをわざわざ心臓を人質にしてまで従えてるのは何かあると睨んだベリアルはマリアと心臓を攫ってしまう。
ベルゼバブが懐いたのはどうしてなのかサッパリ分からない。

9・10話、敗退した魔王達はルシファーの証言だけでベリアルが裏切り者であることを何故か信じる。
アスタロト以外はベリアルに反抗し、だけど「首座の力」には敵わず逆に地獄の各階層で「責め苦」に遭う羽目に。
ルシファーは地獄へ向かうのだが、今度はいきなりコキュートスへは行けないらしく、道中大罪達の責め苦を観光してく流れ。
そして道中戦闘などを強いられ魔力を削られコキュートスで遂に底をつき(多分伏線)倒れ、ベリアルに捕らわれてしまう。
ベルゼバブが懐いたのはどうしてなのかサッパリ分からない。

11話。
ベリアルは捕えたルシファーに拷問を行うがまんまと口車に乗せられ、本当に裏切り者だったことを明かし、更に調子に乗って「もう大罪の首座など必要無い」と言ってしまう。
これで責め苦に遭ってた大罪達が開放され形勢逆転、と思いきや、マリアから天使の血を吸ったダインスレイブ(ベリアルの剣)はデーモン特攻があるらしく、再び劣勢に。
ここまでは良いんだ、それまで利用してたマリアの中の天使の血が逆に自分を追い詰めることになるとか熱い展開だ。

だけどここからが問題。
心臓トリック…ここでいう心臓は物理的なものではなく霊的なものだと解釈。
追い詰められたルシファーへのトドメとして、ベリアルは「銀の杭(これも霊的なもの?)」をルシファーの心臓に刺せとマリアに強要。
この時嫌がるマリアを「取り出された心臓」を握って苦しめるんだけど、これが紛らわしい。
結局言うことを聞かないマリアに代わってルシファーの方から刺されに行くのだけど、ここで心臓トリック「すり替えておいたのさ」発動。
刺されたルシファーから心臓が飛び出しマリアに入り、「取り出された心臓」がルシファーの中に入ってルシファー復活。
銀の杭は霊的なモノなので悪魔に効いても人間や天使には無害だったってことでいいのかな。
実はルシファーの体の中に入ってたのはマリアの心臓で、「取り出された心臓」はルシファーのもので、「取り出された心臓」が戻ったことでそこに入ってた分の魔力が回復して逆転…だと解釈してるのだけど、凄く分かりにくいし間違ってるかも知れない。
だって「取り出された心臓」を握られて苦しんでたのはマリアじゃん。
まぁそこも、肉体との霊的なリンク自体もすり替えておいたってことで納得できなくもないけど、マリアの中に心臓が入った後ルシファーが「私の心臓をくれてやったんだから、死ぬまで大切にしなさい」と言うんだよね。
言葉をそのままの通りに解釈すると銀の杭に刺された心臓はルシファーのもので、すり替えの意味が分からなくなる。
「私の(中に暫く置いておいた)心臓をくれてやった~」ってこと?
またはすり替えた時期?
1話の献血タイミングで心臓も移植してて、悪魔化した後で天使心臓を戻しておいた…って解釈もできなくもないけど、それだとマリアの中の天使の血を利用してた意味が薄くなるような?
「心臓トリック」を隠すための「天使血輸血トリック」だと思うのだけど、単に分かりづらくなってるだけだし上手く説明もできてない。
多分他に見てた方も、なんとなく分かった気になってるだけで本当には理解してないんじゃないかな。
どのタイミングですり替えておいたかしっかり描写してればハッキリスッキリするのだが、そんなものは無い。
まぁ、その…

鈴 木 雅 詞 だ し ね
よ し も と き ん じ だ し ね

で納得するしかない。
これで馴らした後なら“ありふれた~”も違った見方が出来ると思うのだけど、どうだろう?

そして最終回の12話。
本放送では延期の末に放送されたもので、その間時間が十分にあったのか内容はマトモ。
ミカエルの6枚の光翼は1枚1枚が強力で大罪達が一枚ずつ剥いでくって展開なんだけど、6枚揃ってる初期段階が最強なワケで、最初の一枚を剥いだのがミカエルに踊らされてただけだと知り、天使復帰を諦め魔王を名乗ることにしたベリアルの面目躍如の怒りの一撃。
次に剥いだのが大罪の中で一番強いと目されるサタン。
仲間達が特攻して少しずつ戦力を剥いでくって展開はよくあるけど、ちゃんと順番にも気を配ってたんじゃないかな?
また、七つの大罪の首座は満場一致で正式受理されるらしい。
ベリアル敗退で「地上送り」にされる際、最後までベリアル派でルシファーに票を入れなかったアスタロトもついて行ってしまったため、空いた大罪の席に棚ぼた的にレヴィが就き(他の大罪は元からルシファーに屈している、ベルゼバブはry)ルシファーが首座の力を得てパワーアップ、なんてのも悪くない。
但し、よくよく考えるとレヴィアタンってストーリー上で活躍してないw居なくても多分話は成立する。
1話でマリアと出会ったのは偶然ではないことや最後の最後の奇跡のバーゲンセールは、これはアリでしょう。


──とまぁ、長くなったけどこの作品は説明が不親切・見せ方がヘン、なによりもキャラの心情の変化を描くのが下手で、良い所もあるけど悪い所が妙に目立つ。
レヴィが心酔した理由、バブが懐いた理由、あと11話まで引っ張ったネタが結局よく分からないってのは致命的かと。
けどそれは何度も書いてるけどよしもときんじ作品では普通で、平気と思うかダメだと思うかは私には何とも言えない。
お色気シーン優先で辻褄合わせは二の次なんだろう、ってことで許容できるなら見ても良いと思う。
というか他の方の心臓トリックの考察を聞いてみたいのが本音だったり…。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

人間でないものたちのエロとバトル

{netabare}ルシファーが七つの大罪に挑み、さらに天使ミカエルと戦う。真莉亜はいきなり、ルシファーに心臓を奪われて、そこから運命共同体となる。{/netabare}
バトルメインではあるが、純水な戦闘ばかりではない。
憂鬱のところはまさかの{netabare}音楽対決。{/netabare}
暴食のところでは{netabare}大食いバトルからの胃腸炎。嫉妬さんにお尻を責められちゃう。{/netabare}
怠惰のところでは{netabare}ゲーム世界に入ってのバトル。ルシファーがラスボスの魔王になっちゃってる。{/netabare}

強気な見た目と裏腹に可愛い物好きな憤怒好きだな。母乳出してる強欲もよい。

七つの大罪のみんなは意外と良い奴ばかりなんだよな。

1. 傲慢たる堕天使
聖蹟女学院の聖堂で祈りを捧げる十束真莉亜の前に、突然堕ちてきた漆黒の逆十字。そこに架けられていたのは、“傲慢”の罪によって堕天した大天使ルシファーだった。真莉亜は血まみれのルシファーを助けようとするが、床の崩落と共にルシファーは奈落へと消えてしまう。地獄の最下層まで堕ちたルシファーは、そこで嫉妬の魔王レヴィアタンと遭遇。レヴィアタンに導かれ、地獄を支配する“七つの大罪”の魔王が待ち受ける万魔殿へと向かう。

2. 嫉妬ゆえの暴走
ルシファーを天使と信じ、再会を喜んだのも束の間。真莉亜は魔王となったルシファーに心臓を奪われてしまう。さらにルシファーに拉致されるように、地上で始めた最高級のセレブ生活に付き合わされる。一方、ルシファーを慕って地獄から付いてきたレヴィアタンは、ルシファーが真莉亜ばかり構うことに激しく嫉妬。ルシファーの目を盗み、真莉亜に死よりもつらい辱めを与えようとする。暴走する魔王に狙われた真莉亜に危機が迫る。

3. 色欲の渚
世界有数のリゾート地マイアミに乗り込むルシファーたち。そこには魅惑の水着姿でビーチにいる全ての男女を虜にする色欲の魔王アスモデウスの姿があった。堕落し欲情する人間に囲まれている限り無敵のアスモデウスに対し、レヴィアタンはポールダンスでセクシー勝負を挑む。一方のアスモデウスは、どれだけ色香を浴びせても反応しない真莉亜に興味を抱き、色欲に堕とそうとする。色欲の魔王の指先が、真莉亜の敏感な部分に伸び……。

4. 強欲うごめく霧の街
強欲の魔王マモンを霧の街ロンドンで探すルシファー。ところが、ようやく突き止めたマモンの薬局ではいきなり仕組まれた罠が発動、ルシファーたちは拘束されてしまう。マモンに1対1の勝負を挑んだルシファーは郊外の古城に囚われ、拷問の責め苦を受けることになる。レヴィアタンが連れ去られたルシファーを探しに飛び出した後、店に1人残された真莉亜は不思議な契約書を見つけるが、その背後には微笑むマモンの姿があった。

5. 憂鬱なる歌姫
地上界の片隅で慎ましく暮らす憂鬱の魔王アスタロト。ネットアイドルとして歌う瞬間だけは輝きを放つ彼女に、ルシファーは動画の再生回数勝負を挑む。そして競い合ううちに、歌を通じてルシファーとアスタロトは心の交流を深めていく。ベリアルはルシファーを叩きのめすため、アスタロトをメジャーデビューさせて一挙に信者を増やそうと画策。狙い通りアスタロトは大人気となるが、ライブで観客を前にし、足がすくんでしまう。

6. 怠惰オンライン
怠惰の魔王ベルフェゴールの居所を探すルシファーたちは、ベルフェゴールが遊ぶオンラインゲーム世界に引き込まれてしまう。そこでルシファーは魔王、真莉亜は勇者となり、冒険の旅を始めることに。ベルフェゴールのサポートもあって真莉亜はみるみる成長し、歴戦の勇者として名をはせるが、それは同士討ちに向けた罠でもあった。ところが、魔王として君臨するルシファーの恐ろしさは、ベルフェゴールの想定を超えたものだった。

7. 咎なき暴食
暴食の魔王ベルゼバブにフードファイトを挑むルシファー。勝負は両者譲らず引き分けとなるが、直後にルシファーは腹痛で病院に担ぎ込まれる羽目に。しかも入院環境に不満を募らせ一向に病状が改善しないルシファーに、女医が坐薬を挿入。ルシファーは例えようのない敗北感を覚える。一方、ベルゼバブもまた大食いにまつわる秘密を抱え、入院していた。カーテンで仕切られた部屋の中、2人は相手の正体に気付かぬまま話し始める。

8. 解き放たれた憤怒
ベリアルの奸計によって真莉亜を奪われたルシファー。さらにベリアルは憤怒の魔王サタンに、ルシファーがベルゼバブを姑息な手段で籠絡したと吹き込み、2人を激突させようとする。だがルシファーはベリアルが仕掛けた戒めによって、力が出せない状態にされていた。それを知ったサタンは、自らが握る戒めのひとつを解放。人間が干渉しない月面での全力勝負を望む。宇宙を戦場に、地獄最強の魔王同士の空前絶後の死闘が幕を開ける。

9. 汝、一切の希望を捨てよ
絶対に勝てる状況を作ったにも関わらず、あえてルシファーに負けたように見えるサタンを、ベリアルは激しく叱責する。一方、ルシファーは地獄への凱旋に向けて、世界中の人間から傲慢の炎を集め、奈落の穴へと突入する。地獄のアケローン川に達したルシファーたちは、川を渡るためにカロンの船に乗り込むが、カロンは美女を舌で舐め回そうとする変態好色じじいだった。逃げ場のないルシファーとレヴィアタンに最大の危機が訪れる。

10. 汝の敵を愛し、汝らを責むる者のために祈れ
地獄と地上の粛清を目論む神にルシファーが叛逆し、堕天させられたと知った大罪たちは、ベリアルを問い詰める。ところがベリアルは首座の権利を利用し、魔王を退けた上で、各自の大罪にちなんだ責め苦を受けさせる。ルシファーは地獄の階層を進みながら、魔王たちがプライドをかけて苦痛に耐える姿を見て、ベリアルから首座を奪い取ろうと決意。一方レヴィアタンとアスタロトも、大好きな人のために負けられない戦いを繰り広げる。

11. 求めよ、さらば与えられん
ついに明かされるベリアルの秘密。その正体と陰謀を知った大罪の魔王たちは、一斉に離反してベリアルと対峙する。しかしルシファーの力を取り込んだベリアルは強大で、長きにわたる因縁と怨念をルシファーに叩きつけ、さらには復讐の仕上げとして、真莉亜の手でルシファーの心臓を貫かせようと画策。それしか真莉亜を自由にする方法がないことを知るルシファーは、震える真莉亜に命じる。「刺せ!」と……。そのとき真莉亜は……。

12. 神は天にいまし、すべて世は事も無し
天使ミカエルの降臨。それは祝福ではなく、地獄に滅びをもたらす神の御剣。その背に輝く六枚の聖なる光翼は、ルシファーが追われた“七つの美徳”の首座だけに与えられる信頼の証だった。それぞれの翼が持つ圧倒的な力を使い、地獄を崩壊させていくミカエル。だが魔王たちは地獄を守るため、身を捨ててミカエルに挑みかかる。“七つの大罪”首座となったルシファーとミカエルとのハルマゲドンに、天地人すべての命運は託された。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

NEOたちばな さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

魔方陣?あんなの飾りです、偉い人にはそれが分からんのですよ

今期ショートアニメ「七つの美徳」はこのアニメのスピンオフらしい
しょうがない、散々な評価だが全話観てやろではないか
と腹を括り視聴開始
そして満身創痍で完走

うん、ほぼエロしかない
いや、エロ以外なにもないと言う方が正しいか
おおまかなストーリーは一応ある
けど、悪い意味で1話1話がぶったぎられすぎて毎回テイストが違うから戸惑う
このアニメ完走できる人いるの笑?
ココニイルゾー\(^^)/
あっ、死亡フラグ立ててもうた

聖槍ロンギヌスに貫かれながら書いた各話感想
1~2話{netabare}:概要みたいなやつの巻
ルシファーは天使から堕天して傲慢の魔王へ
ルシファーと地獄で初対面した七つの大罪の魔王たちはルシファーを集団暴行
そのとき7つの呪いをかけられた
真莉亜とレヴィアタンを仲間?にして各大罪の魔王に復讐開始っぽい
{/netabare}
3話{netabare}:色欲の魔王アルモデウスと戦うの巻
こいつただの露出狂疑惑
色欲って乳を揺らしとるだけやないかい
触手みたいなやつで催淫効果のある液をぶっかけて攻撃してくる
色欲の魔王自身を欲情させてルシファー勝利
{/netabare}
4話{netabare}:強欲の魔王マモンと戦うの巻
子供を養うために金を集めてるらしい、たぶん根は優しいんだね
マモンの母乳に抗うのは大変らしい
三角木馬を耐えきってルシファー勝利
これ1番謎の勝ち方
{/netabare}
5話{netabare}:憂鬱の魔王アスタロトと戦うの巻
ルシファーいわく魔王オーラ0
ネットアイドルやってる、ラップが得意っぽい
シャイで引きこもり
地下アイドルの歌唱バトルみたい感じでルシファー勝利
{/netabare}
6話{netabare}:怠惰の魔王ベルフェゴールと戦うの巻
怒らせたら強いとかどうとか
モンゴリアンデスワームっぽいやつ出てきた、山口敏太郎先生の出番です
ゲームの世界では真莉亜が勇者マリリンでルシファーが魔王
ゲームの世界ごとぶっ壊してルシファー勝利
{/netabare}
7話{netabare}:暴食の魔王ベルゼバブと戦うの巻
ロリで素直な女の子
ルシファー座薬入れられてましたけど…
暴食の魔王が胃拡張で入院てw
快気祝いで仲良く食事して調教してルシファー勝利…かな?
{/netabare}
8話{netabare}:憤怒の魔王サタンと戦うの巻
ルシファーいわくバカ
イージス艦に原子力空母&潜水艦も登場って何でもありすぎる
レヴィアタン3ステップ
負ける→復活→空気
【悲報】サタンさん自らを信奉してる軍人をぶっ殺してしまう
正々堂々ドンパチしてルシファー勝利
{/netabare}
9話{netabare}:虚飾の魔王べリアルと戦うために地獄に行きましょうの巻
傲慢の信者一瞬で増えすぎワロタ
サタン従順すぎワロタ
カロンの声ワロタ
エロじじぃ昇天ワロタ
天魔逆転がルシファーの理想と判明
{/netabare}
10話{netabare}:大罪の魔王が主座べリアルに逆らって贖罪されていくの巻
大罪の主座に大罪の各魔王は逆らえないみたい
アスモデウス→ドM的な快感に打ち勝つ
ベルゼバブ→無限ソーセージ食う
マモン→黄金三角木馬
ベルフェゴール→マグマランニングマシーン
サタン→下衆野郎の液体漬け
アスタロトはレヴィアタンとプロレス
{/netabare}
11話{netabare}:虚飾の魔王べリアルと決闘するの巻
べリアルはあの天使サタナエルだった
ってサタナエルって誰やねん笑
ルシファー刺しちゃったワロタ
{/netabare}
12話{netabare}:天界(ミカエル)と地獄の関ヶ原じゃいの巻
べリアル捨て身のアンパンチ
とうとうレヴィアタンが七つの大罪の魔王に昇格オメデトー
ルシファー魔王の主座に君臨オメデトー
ルシファーだけは人間の味方ダッタナンテー
ナンテカナシイモノガタリナンダ
真莉亜は串刺し公もビックリ串刺しからの謎復活
ルシファー三位一体完全体ヒャハッー
しれっーとハッピーエンドワロタ{/netabare}

-OP&ED考察-
OPとEDは悔しいけど素晴らしい
ちなみにED曲「Welcome to our diabolic paradise」の作詞作曲はデーモン小暮閣下、私は蝋人形になりたくありません

OP曲「My Sweet Maiden」
歌:Mia REGINA
初めて聴いたとき打ち震えた
とにかく作品の世界観と合ってる、こんなに作品とマッチしたOP聞いたことないレベル
特にBメロ後半はいかにサビを力強く聴かせるかを考えて作られてる、仕事が丁寧だと思う
こういう曲調は万人受けしにくいからそこも考慮してマイルドに仕上げているのも高評価
V系バンドのVersaillesにOP任せたらそれはそれで面白くなりそうだけど、万人受けはしないわな笑

ED曲「Welcome to our diabolic paradise」
歌:Mia REGINA
あのデーモン閣下が作詞作曲
いやはや、悪魔によって作られた曲には文句の付けようがございません
曲調も地獄!って感じでいいんじゃないでしょうか(白目)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

64.9 24 呪いで異世界なアニメランキング24位
Fairy gone フェアリーゴーン 第2クール(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (124)
476人が棚に入れました
かつて妖精は、“兵器”だった―。 この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す、妖精が存在していた。 妖精が憑依した動物の臓器を摘出し人間に移植することで、妖精を分身として出現 させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士た ち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役 目を終え、行き場を失う。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものは テロリストに。それぞれの生きる道を選択する。 戦争から9年の歳月が経つ。主人公のマーリヤは、妖精に関連する事件を捜査・鎮 圧する、違法妖精取締機関『ドロテア』に配属されたばかりの女の子。 未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、 復讐のためテロを起こす。 これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う 『妖精兵』たちの物語―。

声優・キャラクター
市ノ瀬加那、前野智昭、福原綾香、細谷佳正
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

あまりにも壮大なお粗末さ

分割2クールの後半戦ということで継続視聴
前半の説明不足感、設定過多、繋がりのない無理な回想の挿入がどれだけ改善されているかがポイントだと思う

1話感想
{netabare}1話は前半で断片的に語られたマーリヤの過去をおさらいする内容
ただしあくまでも「おさらい」なので、新情報と言えるのは妖精郷の説明とレイ・ドーンが焼き討ちを行った理由だけ

前半クールがまるで意味分からん!って人は楽しめたかもしれないけど、理解した上で視聴した側からすると「この回いる…?」という感じ
多分コレ総集編なんかと一緒に動画サイトで公開しておくべき内容じゃない?
続き物、まして裏番組に強力なのがある状況で新規視聴者がどれだけいるかって話だし、前半の焼き増しを1話にする度胸はある意味すごいな、と

押さえるべきポイントは
1.スーナなどの妖精郷がどのような立ち位置なのか
2.マーリヤは何故災いの子と呼ばれるようになったのか
3.レイ・ドーンは何故故郷でもあるスーナを焼き討ちしたのか
というところ

妖精郷の説明に関しては気になる点もある
前半で話に登場しつつ一切意味がなかった「黒の妖精書」にまつわる場所とされている点は今後絡んできそう
また、妖精原体が見えるのはマーリヤの個人能力ではなくスーナの民全員に共通する特異性というのもポイントになりそう

災いの子と呼ばれるようになった理由はちょっと驚くくらい浅かった
両親の死、養父母の死があり、それを受けて「災いの子と呼ばれた」と前半で全て語られていた
まさかそれがそのままの理由だったとは……
しかも正確には両親が死んだだけで災いの子扱いを受けたとか
田舎の因習にはそういうのはあるのかもしれない
ただ、「災いの子」というフレーズは占い師が用いたものなのに肝心の占い師が占いを行う素振りもなく適当に決めつけているだけってのは…
せめてマーリヤの母親が妊娠したあたりで祈祷を行って、そこで「災いの子かもしれない」と告げる、くらいすればいいのに
幸いの子が云々も誕生日に天気がいい!だの親戚が元気!だのやっぱり占いは関係ないってのがあまりにも適当すぎる

レイ・ドーンの焼き討ちの理由に関してはまあ分からなくもない、という感じ
統一戦争の最中にカルオーが妖精兵を量産しようってなると戦禍はますます広がっていくだろうってのは分かる
ただ、カルオーによる統一を良しとせず統一ゼスキア政府に組み込まれていく程の理由にはならないかな
というか妖精成体とそれを作る妖精原体の危険性を肌身に感じていたとして、それを理由に村人を皆殺しにするのはどういうことなんだろう
この辺の理由はちょっと飛躍し過ぎなので今後改めて回想があるんだと思う

結局はただの設定解説になっている妖精郷関連のみが意味を持っていて、マーリヤとレイ・ドーンについては1話まるごとつかっても説明不足
というかマーリヤの父親が死んだとこだけど、なんで身籠った妻がいる男が突貫するのを誰も止めないの?
「俺が行く」と言うのも突拍子がなかったけど、それ以上に二人が引き止めもせず行かせるってもっと分からない
というか妖精成体どうしの争いに介入する理由ってなんなの?っていう…
妖精を守るのが役目、みたいに言っていたけどスーナの森は妖精成体を頂点にした生態系が作られているわけで……
妖精成体が共食いをすると強力になる、ということならまあ分かる
「あの御方」というのが(公式HPによると)妖精の融合体らしいしそういうのがあるのかもしれない
ただ、それならそれで周辺の生態系を乱す危険な成体を狩るのが役目じゃないの?って疑問が生まれる
生態系に積極的に介入するけど命は奪わない、では彼らの仕事の意味がわからない
その割に里に降りてきそうなら生贄を与えて鎮めようだなんて、ますます守り人の存在意義が見えない

そして生贄に捧げるのが幸いの子ってのもよくわからない
普段は崇めて持て囃す相手を神事において生贄に捧げるってのはまあ分かる
ただ、それなら災いの子ってのはどういう意味があるの?という問題が出てくる
災いの子は普段から貶められる代わりに村によって守られるってこと?
それなら幸いの子=災いの子という表裏一体の存在にしてマーリヤに全て背負わせれば良くない?という話になる

村の全貌が見えていないのが疑問の理由だとは思うけど、それならそれで謎多き村らしい描写にすればいいのに
前半クールでちょくちょく挟まれた回想を一本につなげて、繋がらない部分に追加シーンを挿入したような内容
情報整理の回のはずなのに語られた内容は前半と同じだから、前半を腰を据えて見た人ほどつまらなく感じる構成
それでいて追加シーンの解説も描写も不足している点が多すぎて、どこまでが意図された伏線でどこまでがただの描写不足かわからない

面白かったのは前述の妖精郷関連の説明数分間
あとは「死亡フラグ爆立て→即退場」の繰り返しをやったとこはギャグアニメかってくらい笑ってしまった
ついでに挿入歌が邪魔をするようなシーンが無かったのも良いポイント
今後もあの場を乱すだけのカラオケ大会なんかやらないで地味なインストに徹して欲しい{/netabare}

2話視聴
{netabare}これ、もしかしたらギャグアニメだったのかもしれない
レイ・ドーンのパレードを高いとこから頑張って眺めるヴェロニカ
自領ツバルに戻るレイ・ドーンの追っかけをするヴェロニカ
最大の襲撃チャンスをふいにし、警戒が最も厳重な城を攻めるヴェロニカ……

うん、やっぱこれギャグだわ
今まで出番がないことでシリアスなキャラとしてイメージを保ってきたヴェロニカだけど、出番が増えた途端アホの子みたいな行動連発してる
復讐だ何だって言ってるけど、正直この回の行動だけ見るとレイ・ドーンの熱心なファンが追っかけやってうようにしか見えなかった

つーかいくら川?海?側から侵入したとは言っても城内に見張りの兵士ゼロって警備どうなっとんねんと
不審者の見本みたいな格好のウルフランがあっさりレイ・ドーンの部屋まで辿り着ける時点でねぇ…
いくら緊急事態とは言え、むしろ緊急事態だからこそ護衛対象の守りって厳重にするものじゃないの…?

んで、城門で見張りを担当しているクラーラ、セルジュコンビは襲撃が来たのに下に襲撃の規模を知らせないまま攻撃
襲撃が来た時点でフリーに知らせていれば、フリーの妖精が咆哮で衝撃波を発生させて一発で片付いたんじゃ……
結局セルジュでは敵の行動を止められず、城門の中に敵の人工妖精を招き入れてしまう

人工妖精って奏者がいるんだからソイツを優先して叩けば良いんじゃないの?とかそういうのは最早野暮なんだと思う
挿入歌ノルマを達成させるためにはどんなに間抜けだろうが無理矢理だろうが戦闘をしないといけなんだから
そう考えると、登場人物ってノウネイムのカラオケ大会を開くために力をセーブして戦ってるんだから大変だよねって思ったり

フリーとウルフランの戦闘については決着がつかないまま持ち越し
ウルフランについては思わせぶりなだけで何も語らないキャラ付けがかえって間抜けさを生み出している感じ
何を聞いても答えを返さないウルフランに対してフリーが家族の話をした結果「お前が俺を語るな」と言い捨てて逆上
フリーも大概鈍いところはあるにしても、何も語らないから質問せざるをえないわけで、地雷を踏まれた原因はそもそも自分にあるっていう
多くを語らないクールガイを作ろうとしたんだろうけど、ここまで来るとひたすら滑稽に思えてくる

マーリヤとヴェロニカについてはこんなもん
仕事を放り投げてヴェロニカを追いかけるところは、ドロテア入隊のきっかけがヴェロニカを追うことなんだからまあしょうがないかな?と思う
場面的にはフリーが大変なんだからそれどころじゃねえよ!って感じだけど、少なくとも今までの奇行と比べると意味が通る
復讐を止めようとするマーリヤと、それを拒絶するヴェロニカの構図自体は割と好き
ただ、マーリヤが復讐を止めようと思うに至った考えが飛躍しているために説得力が殆どないのは問題かな……

何を以て復讐心を理解するようになったか、そして何を以て復讐を止めたいと思うようになったかが曖昧すぎる
公式Twitterによるとオズの死をきっかけに復讐への共感を得たらしいけど、オズとの絡みはマジで一瞬だけだったわけで…
そしてその復讐は完遂したわけでも無ければ自分の意志で復讐心を抑えたわけでもない
単純にフリーから仕事の達成という形で説得されてやむなく諦めただけ
この辺が脚本時点で詰めきれてないから、そりゃヴェロニカだって反発するよねっていう

多数の違和感をギャグシーンととらえればそこそこ笑える内容だったかな?
ウルフランがアーケイムから離反して勢力が独立しちゃって、後半クールになって更に勢力図と目的が込み入りだしたのが今回の大きなポイント
きっと最終話までに収拾付くことないだろうな、と見ていて察してしまうほどに風呂敷を広げ続けているのはある意味才能だと思う
この広げた風呂敷を、果たしていつごろ畳もうとする形跡を見せるのか今から楽しみ

※今後は多分ツッコミ祭りにしかならないし、最終話まで感想更新はしない
{/netabare}

最終話視聴(総評)
一言で纏めると「力不足」
脚本の力量が足りていないし、当然ながら音楽の力量も足りないので全体的に臨場感不足
ついでに2クール描ききる作画の力量も足りていなかったために中盤以降は露骨に崩れる場面が多かった
演出面についても、キャラの動きや位置関係に違和感があったり、見せ場なのに動きが伝わらないなど残念な部分ばかり目立った

前半クールで用意していた伏線だけではシナリオを動かせず、物語終盤の新情報のみでシナリオが進行する展開は正直呆れる他無かった
その弊害として、使われないまま放置された前半の伏線はシナリオに活かされないまま数分で解決させてしまう雑さがある

挿入歌に関しては後半クールになって数自体がグッと減っていて、その点だけならプラス
そもそも挿入歌がマイナスに働いているって点自体が問題なんだけど、そこはそれ
とは言え登場した挿入歌は全体的に主張が強すぎて「場面を盛り上げる曲」ではなく「曲を押し売りするための場面」に転倒しているのは相変わらず

各部の問題点が多すぎるため、それについては別途書いていくけど、令和を彩る圧倒的なクオリティでこちらの失笑を誘うアニメだった

黒の妖精書について
{netabare}組織や人物の乱立に脚本が振り回されている印象
黒の妖精書争奪戦に参加している組織としては、
ドロテア(+妖精省)
グイ・カーリン
ビター・スウィート
ダミアン(+ヴェロニカ)
妖精省は終盤でゼスキア政府を裏切りアインツ教団として活動することになるわけだけど、争奪戦の段階ではこんなところ

で、この争奪戦の何が問題かって言うと、この組織のうち明確な意図を持って黒の妖精書を求めているのが妖精省くらいだって点
ドロテアは押収して悪用を防ぐ警察機構のため、妖精書を利用する意思がないのは当然だから問題ない
アインツ教団は妖精省を隠れ蓑に、ドロテアが押収した黒の妖精書を研究・利用しようとしていると描かれているのでここも分かる

ただ、グイ・カーリンについては完全に目的が不明なまま
物語中で語られているけど、黒の妖精書は全編揃うことで初めて活用法が判明する書物
これを収集して、果たして何がしたかったのかが全く描かれないままとりあえず「マフィア」の一言で片付けられている
アインツ教団が台頭するまでは物語における中ボスのような立ち位置にも関わらず、というのが余計にタチが悪い

黒の妖精書の内容はこの時点では語られていないため、「よく分からん書物を追っているよく分からん組織」という状態
「マフィアが求めるなんてどんな秘密が…」と思っていたら特に理由を語るようなことはないままグイ・カーリン編は終了
アインツ教団編に移ってみると、どう考えてもマフィアが求めるようなものでは無かった、というオチ
内容不明の書物なんだからある意味当然では有るけど、物語としてはマフィアを絡ませることに意味が全く感じられない

ビター・スウィートについては「父親のあとを継ぐため」というだけ
父親がトゥパールについて調べていたという回想は前半クールに一応存在する
ただ、あの場面は「マフィアの幹部からどうやって妖精書を押収するか?」というシーンの直後
焦点はビターではなくドロテアに移っており、その状態でCパートに時系列も理由も一切不明の回想を入れられたためただただ困惑するしか無かった

前半の出番としてはそこが最後のためCパートの回想は完全に宙に浮いており、入れるべき場面はもっと別にあっただろうと思ってしまう
何より、その回想を踏まえた上でなおビター自身が黒の妖精書を追うには理由が不足しており、ビター自身も特に本筋に絡まない
例えば、アインツが本性を見せたタイミングでトゥパールの研究成果をドロテアに持ち込み、神獣攻略のヒントを与えるなりするべきだろうと

同じことはダミアンにも言える
釈放されたヴェロニカを保護して協力者に仕立て上げ、黒の妖精書を収集・悪用を防ごうと単身動いていた
敵がどこにいるか分からな以上ドロテアや妖精省に加入しないのは理解できる
ただ、このキャラが果たして物語上の意味を持っているのかというと一切そんなこともない

妖精憑きが神獣の素材になるとか、トゥパール消滅が神獣によるものだ、というところは確かにダミアンによる情報
でも、この情報って同じく黒の妖精書を集めていて、父親がトゥパールを調べていたビターでも成立しない?
「以前に見た妖精書に妖精憑きを捧げるという言葉があった」とでも言えば、完全記憶能力と併せてもっと効果的にビターを動かせたはず
結局ダミアンはビターでも代替可能な情報だけを告げて、あとは神獣攻略に必要な情報をもたらすこともないまま役目を終えただけ

つまり、グイ・カーリンはそもそも敵として成立するだけの目的意識がなく、ビターとダミアンは目的に対して役割が不足している
キャラをどれだけ用意しようと、それに見合う役割や掘り下げが出来ないのでは全く意味がない
むしろ人数に比して世界観や物語の薄さばかりを目立たせる結果になってしまっていた
{/netabare}

設定について
{netabare}2クールで成立させられるだけの設定が作れていない
これは「設定が膨大過ぎる」ではなく「設定がボロボロ過ぎる」ということ
組織の数や妖精書・妖精武器・地名の数など量の面で言えば2クールアニメに相応しい、あるいは2クールでは収まらない膨大さを誇っている
反対に質の面で言うと、とても2クールを支えきれるとは思えないほどにスカスカなために話が進むほどに粗が増えてしまっている

例えば「三大マフィア」
グイ・カーリン
アーケイム
ビャクレー
この三組織が大きな勢力を持っている、という設定
そしてグイ・カーリンとアーケイムはそれに相応しいだけの出番を見せている
ただ、組織内部に目を向けるとその実態には疑問符ばかりが浮かんでしまう

グイ・カーリンは四大幹部がそれぞれに力を持ち、牽制し合いつつも一つの組織として纏まり、資産家を取り込むことで政府に食い込んでいる
アーケイムは上下の指示系統を持たず、それぞれのセクションが独立して動くために摘発が難しい
ビャクレーは海運業を主とし力を蓄えていき、地域を取り仕切るようになった組織では有るが違法行為はしない

…ビャクレーは完全に問題外としか言えない設定
マーリヤの所属していた組織だから、あんまり後ろ暗いことをしているとヒロインに傷が作って考えだと思う
ただ、そんな馬鹿げた理由でマフィアとしての設定をグラつかせるくらいならマーリヤの設定を変えろと
せめて「自分からは動かないが縄張りを荒らされたら手段を問わず徹底的に潰す」くらいしないと他の二組織との差があまりにも酷い

アーケイムに関しては設定もさることながら作中の動きが完全におかしい
「シュヴァルツ・ディーゼの反乱に組織一丸となって協力して人工妖精を供与するも、反乱が失敗に終わったことでディーゼと共倒れする形で壊滅」
これがアーケイムの簡単な経緯
で、振り返ってアーケイムの組織としての設定
「上下の指示系統を持たず、それぞれのセクションが独立して動く」

アーケイムの残党狩りをしている際にフリーがこの設定を語っていたが、そのときは思わず画面にツッコんでしまった
「各セクションが独立しているけど、反乱に向けて一丸となってディーゼに協力、その結果総崩れになって壊滅」
完全にギャグでしょ?こんなの

というかディーゼの反乱って人工妖精以外の戦力はハイブランツの領軍とリスカー率いる傭兵団なわけで、人員面の問題は特に起きてないじゃん
その上いくらディーゼに協力していたとは言え、積極的に人工妖精を売りつけているんだから資金面はむしろプラスでしょ?
なんでディーゼと一緒に壊滅まで追い込まれてるんだよ…

例えば、アーケイムの実態がそもそもディーゼの子飼いの組織だったなら分かる
それなら政府に食い込むパイプを失って総崩れになるのも頷けるし、組織が一丸となって反乱に協力するのも納得がいく
ただ、作中の設定だと上意下達の成立しない組織が全体で動くこと自体が既に違和感を生んでいる
その上、有力な顧客とは言えあくまで顧客でしかない筈のディーゼに共倒れするような入れ込み方をするのか?という問題も有る
ディーゼが権力を握ればアーケイムも利益を得られる、というのは分かるが、それを理由に武器商人が一緒に命をかけるかと言うと…

ついでに、この組織にウルフランが潜り込んでいたことも意味がわからない
アーケイムって基本的に武器商人の役割であって、黒の妖精書を求める展開は殆どない
強いて言えばアクセルがティムーンで一回鬼ごっこをしただけ
そしてウルフランの目的は黒の妖精書を集めて「あらまほしき世」を作ることだったはず
アクセルが争奪戦に参加したこと自体疑問では有るんだけど、それ以上にウルフランがアーケイムに潜り込む理由が疑問

ディーゼとゼスキアを争わせて戦力を削って神獣復活を楽に…みたいな意味合いかもしれないけど、あの時点では黒の妖精書は揃っていなかった
というか神獣自体は圧倒的な力を持つし、戦力を削るなんて迂遠なことをする必要性はない
レイ・ドーンを捕縛するために…とも思ったけど、そもそも首都ロンダキアにレイ・ドーンが来たから警備が固くなったんじゃ…?
仮に領都ツバルで襲撃をしていたなら領軍に限りが有るし、妖精兵もレイ・ドーンだけだから簡単に襲撃に成功しただろうに
アーケイムという組織の行動に説得力がなく矛盾に塗れ、それを利用しようとしたウルフランの行動すら理屈が通らない

グイ・カーリンについては黒の妖精書関連で書いたとおり
強いて言えば、イージェイの説明があまりにもなさすぎるって点かな
妖精武器をヴェロニカに渡すために登場したキャラで、独自の思惑や気になる出自などの一切を活かすこと無く退場する不憫な扱い

モルテラントを巡る話やダミアンとの因縁、量産型妖精兵という特殊技術など設定には事欠かない
これらの設定が使われることなく簡単にフェードアウトするとは誰が想像したか…
いや、本当を言うと残り話数と未消化の伏線的にアッサリ退場するキャラだってのは想像ついていたけど

マフィアに焦点を絞って書いたけど、この作品は数を増やせば重厚に見える、という浅い考えで作られた設定があまりにも多い
「三大」マフィア
「七」騎士
「七つの」妖精武器
「五つの」妖精書
「五」公

七騎士はパワーバランスと身体能力の設定を崩す要素
妖精武器は設定と能力が見合わない矛盾した描写
妖精書は原本と黒だけで成立する
五公は作中で既に三人退場しており、退場済みの三人は全く意味がない
とにかく数を増やして名前をつけて、でも扱いきれないのでは物語の世界観を逆に狭く見せてしまう要因になっている
この辺は企画を立ち上げた段階で監督なりプロデューサーなりがストップをかけるべきものであって、内輪ノリの暴走が目に浮かぶ
{/netabare}

演出について
{netabare}見逃されがちだけど、作中の演出についても酷さが目立つ
作画にも絡む部分なのでそこも併せてとなるけど、映像的な演出の下手さが目立つ

前半クールからの問題だけど、画面の色が暗すぎる
暗い場面、暗い室内での戦闘だから画面を暗くするのは分かるけど、それにしても単純に見づらい画が続く
暗い画面が続くなら服装や妖精を用意すればいいのにそれすら暗色系で余計に見づらい

そして後半にいくにつれて気になっていったのが戦闘の演出
妖精と妖精兵が連携を取らない…のはもはや論外だから語る気もない
気になったのは戦闘におけるキャラの動き

マーリヤやセルジュ、あるいは一般兵を除けば基本的に剣やナイフでの近接戦闘がバトルのメインになる
この時、見せ場の動きを遠目の視点で描いていたり、素早い動作をそのまま素早く動かしている

例えば後半クール11話、局長とリスカーの最終局面で、局長は迫りくるリスカーの攻撃を首の皮一枚で受け流してカウンターを決めている
このシーンで、走り寄るリスカーの動きはややスローにして台詞を挿入しているが、局長の動きは一瞬で描いている

もちろん、素早い動きで倒すスタイリッシュさを描く意図は分かるし、スロー再生にすると局長の動きを描いてるのも分かる
ただ、局長の顔アップ、腕アップ、リスカーと交錯とカットが頻繁に切り替わるためにちょっと見ただけでは何を描きたいのか伝わらない
仕方無しにスロー再生で数回繰り返し見て動きを整理していったけど、今度は剣の持ち方を描き間違えているという作画ミスを見つけてしまう始末…

普通に映像的な演出をするなら、
1.迫りくるリスカー
2.局長の顔アップ
3.やや遠目にカットが替わり上半身を見せ、剣を動かす腕にズーム
4.カットが替わりリスカーと局長の剣が交わる動きアップ(ここまでややスロー)
5.横視点にカットが切り替わり、スローを解除して一瞬の交錯を描く
こうなるはず

これを、カメラの動きを作らず全てカットの切り替えだけで演出してるために視覚的に動作を捉えづらい
同じことが最終話のフリーでも言えて、グリフに斬りかかるフリーが顔と剣とでカットが一瞬で切り替わるために何を見せたいのか伝わらない
ここなんか特に、顔と剣とが近い位置に有るのだから上半身アップから顔をなめつつ剣を握る手にズームするだけですんなり伝わるだろうに
映像的な動きと人物の動きを連動させるのが面倒なのは分かるけど、見せ場で動きをケチるせいでとにかく安っぽくなっている

あとなんと言っても忘れてはならないのが人物の位置関係
終盤が顕著だけど、例えばドロテアの隠れ家と首都、神獣を匿う祭壇の位置関係は笑うほど滅茶苦茶
隠れ家は街から車で出ていった先の小高い丘にある
そして祭壇は隠れ家から見ると首都の街並みを挟んだ反対側の位置
この位置関係にあって、首都から車で離れていったマーリヤ達を追って、ヴェロニカとグリフは「徒歩で」隠れ家まで辿り着く
その時点ですでにツッコミどころだけど、そこから更にグリフは「徒歩で」「レイ・ドーンを運びつつ」祭壇に向かっている
加えて言えば隠れ家から祭壇に辿り着くまではマーリヤが気絶から目覚めて少し、という僅かな時間
キャラがあまりにもワープしすぎてギャグみたいになっている

オマケに神獣に向かって走るマーリヤとヴェロニカもおかしなことになっている
隠れ家から徒歩で街に戻ったのに目を瞑るにしても、先の通り神獣はマーリヤ達の向かい側から現れた
当然最初は神獣に向かって正面から走り寄るわけなんだけど、なぜか途中から神獣を追いかける方向に変わっている
一回神獣の後ろに回り込んでから、改めて追いかけっこを始める完全に意味不明な動作になっているんだけど、製作中に疑問は無かったのかな?

終盤は制作現場が混乱していたのか、話数ごとの繋がりも完全に崩壊している
一目でおかしいと気付くのはフリーとウルフランの戦闘シーン
前話でフリーは二刀流で戦いつつもウルフランが短剣でそれをいなされる(この辺の演出・作画もツッコミどころだけど割愛)
そして問答を経て左の剣を納めてヴェロスティール一振りでウルフランに対峙する…という引きでマーリヤ達に場面が切り替わっていた

それが次話になるとガンガン二刀流で戦っている
オマケにウルフランも前話で盾を使っていなかったはずが、話数をまたぐと戦い方が全く違うものに変貌する始末
ウルフランに関しては前話がほぼ受け身だったからまだ分かるけど、フリーは完全にギャグでしょ…
剣を納めて戦って、でも勝てないからもっかい二刀流になって苦戦して、剣を折られたからもっかい一刀流に戻して勝ったの?

というかイージェイ戦あたりでも思っていたけど、なんで強敵と戦うときは二刀流をやめるんだよ…
本気を出す、という分かりやすい演出のつもりだろうけど、そのせいで前半クールのリスカー戦が舐めプのように見えてしまっている
それぞれの話数ごとに戦い方が滅茶苦茶なせいで、フリーの見せ場が全て疑問符で埋め尽くされてしまっている

世界観から作り上げて、部屋の間取りまで考えてあるらしいけど、その割にそれを一切活かせていないという印象しかない
{/netabare}

シナリオについて
{netabare}作者の脳内にある設定・情報量と、キャラクターごとに用意されている設定・情報量とを切り分けることが出来ていない
その辺りを一番大きく感じたのが終盤…というか演出にしろシナリオにしろ終盤の粗が多すぎじゃないか?しかたない事だろうけど

神獣の素材に妖精憑きが必要、そして妖精憑きはマーリヤ、ヴェロニカ、レイ・ドーンの三名
この三名がスーナを巡るアレコレに決着を見せたときにグリフが攻撃、反撃しようとしたレイ・ドーンは怪我により戦えず敗北、素材にされてしまう
この辺の展開は(和解の流れの雑さ・急展開っぷりをむしすれば)特に問題ない
問題はこれ以降のドロテアメンバーの様子

神獣には妖精憑きが必要になる、というのは全員が共有している情報で妖精憑きを守ることがドロテアの任務だった
これに失敗したのはまあドロテアの任務成功率を思えばある意味当然なんだけど、なんで誰も神獣の素材になった人間を気にしないんだろう?
一人は護衛対象、もう一人は同僚、残る一人こそドロテアに直接関係はしないけど、本命として狙われているのはレイ・ドーンなわけで…
つまり神獣の素材は高確率でレイ・ドーンか、それを護衛していたマーリヤってことになる
それなのにドロテアの人間は誰も素材の人間が誰かという想像をしないし仲間の心配もしない
というか任務失敗を思って焦る様子すらもない

ロバート・チェイスに至っては、隠れ家に医者を連れてくると言ってマーリヤから離れて行動していたはず
それなのに神獣が復活したと思ったら医者を連れている様子もなくセルジュ達と一緒に神獣見学をしてるだけ
あまりの鳥頭っぷりに某所ではロバート黒幕説まで出てきてしまうくらいのお粗末ぶり

作者の頭に「素材はレイ・ドーン、マーリヤは阻止しようと頑張っていて、最後は百合パワーで解決」という設定があった
これを各人物に合わせて知りうる情報を振り分けたり、行動に反映させたりという作業を怠ったんだろうと思う
そのせいでドロテアは神獣の発生に対して驚きこそすれ、素材に思いを馳せることをせず、護衛対象や仲間の様子を見に行くこともしなくなった
「レイ・ドーンが素材になったんやなーでも倒す手段ないなー諦めよー」を全員の共通認識として与えてしまったためにおかしなことになっている

脚本家の都合のいいお人形さん、というところからキャラクターを脱却させることが出来ないまま最終話まで進んでしまったのは悲劇としか言えない
{/netabare}

伏線について
{netabare}シナリオに関わる部分だけど、伏線の扱いが全体的に下手すぎる

災いの子というのが全く意味を持たないこと、幸いの子という要素を後半になるまで登場させなかったこと、この辺りは勿体ない
例えば、災いの子の根拠をもっとハッキリ示すのもそうだけど、回想の中でユルゲンに生贄という言葉を語らせるとかすれば良いのに
そうすれば、マーリヤが災いの子というフレーズに拘る理由が「生贄候補だったから」という形でミスリードさせつつ説得力を持たせられた

生贄の概念自体後半クールで突如登場した概念で、その上生贄に関わるのがこれまた後半で登場した幸いの子という存在
災いの子はただ占い師がノリで語っただけで特に理由も意味もない、ではあまりにも馬鹿げている
ミスリードにすらならず、解決したと思ったらぶり返して同じ悩みで話数を無駄に消費して、しかも本筋に絡まないのでは設定自体無くてよかった

あとは大きなもので言うとオズの妖精器官
あれは本当に残念だった
前半クールの伏線の中でも一番楽しみにしていた要素で、あれがシナリオの中核になってマーリヤに牙をむくものと思っていた
それが実際にはアバンタイトルの数分で片付けられる要素だったとは…

オズの妖精については他にも問題がある
それは、「そもそもあの場で登場する意味が全く無い」という点
ミケル・コナーはドロテアから黒の妖精書を強奪するために、オズの妖精を使って護送するリリーを襲撃した
ただ、黒の妖精書ってそもそもドロテアから妖精省に引き渡されるものであって、強奪しなくても普通に妖精省(=アインツ)の手に入る

だからあのシーンって、「普通にしてれば手に入るのを無理矢理奪って無駄に正体を表した」というだけ
ドロテアのその後の話し合いの様子も含めて噛み砕くと、

「妖精省に渡すためのモノを妖精省が違法に奪い取った…せや!黒幕は妖精省やったんや!」

…あまりの馬鹿馬鹿しさに最初に見たときは呆然とした
この場面も襲撃直後の段階では「ウルフランは妖精省を利用しつつ出し抜く形で横取りしたのかな…?」と好意的に解釈しようと頑張った
ただ、次話でウルフランとマルコ・ベルウッドが妖精省で普通に会話をしていて、マルコの指示に基づいての行動だと明かされた
ここまでは退屈と思いつつもまだ若干の期待もあったんだけど、クライマックスに向かう重要なシーンすらこの始末で完全に期待は失せた

この全体に渡ってお粗末な内容を描くためだけにオズの妖精を再利用して、しかもCパート数秒と次話アバン数分で役目を終えるのは無意味過ぎる
そもそもオズって前半での活躍自体ほぼ無くて、その割に死んだ結果大げさな扱いを受けていた
マーリヤのトラウマを掘り返したり、ドロテア一同が敵討ちに燃えたり、視聴者からすると「そんな大事なキャラか…?」としか言えないのに
だからこそ、せめて妖精器官を再利用するタイミングでもう少し掘り下げて、マーリヤが自分の心で対峙すると期待していた

それが実際にはオズの妖精は制御失敗でほぼ自滅、マーリヤも自分の意志で向き合うのでなく、妖精憑きの謎能力を唐突に発現する有様
あのシーンで唐突に「妖精の声が!」と言い出したと思ったら、それが物語の重要なファクターになってしまう
そしてついでのように発現した妖精器官の燃焼能力に関してはあの場面以外とくに活かされること無く終了
というかレイ・ドーンもヴェロニカも普通に妖精の声を聞いていたわけで、オズの妖精と向き合ったとか関係無かった

というか妖精の声ってのは最後の展開に関わる重要な設定なのに、それをあんな場面まで伏線すら用意せずにいたせいで超展開の連続になっている
張るべき伏線を用意し忘れて、その割にオズの妖精という使い道が無いのに無駄に大きな設定が全体をガタガタにした主要因だと思う
よく知らんキャラがなんとなくで殺されて、その死を団結の旗印に利用されて、挙げ句妖精は雑な扱いで適当に処理…オズがあまりに浮かばれない

妖精憑きとはなにか、というのもダミアンが思わせぶりにはぐらかしたのに特に語ることもなかった
中核の設定を隠すことにばかり執心した結果、オズの妖精のように枝葉の設定ばかり増えてしまったのかな
その結果種明かしの時間を取れなかったり、肝になる設定が終盤に集中してしまい超展開めいてしまう結果になったのだから悲惨過ぎる
{/netabare}

オチについて
{netabare}ヴェロニカが死んだとこは特に気にしない
直後にやってきたフリーがヴェロニカと全く同じ行動をとって神獣を傷つけるのに成功したときは思わず笑ったってくらい

問題はウルフラン
別にウルフランも死ぬべき、なんて思ってない
ただ、無罪放免はさすがに頭がおかしいとしか思えなかった
ディーゼの反乱への幇助、アインツ教団によるテロ行動、それ以前にも人工妖精の密売など一つとっても重罪だろうに
なんで里帰りして知り合いと感度の再会なんてやってるんだと

脱獄したアクセルがドロテアに捕まるシーンがあったこともウルフランの扱いとの落差を感じさせる
というかアーケイムを抜けて、教団を抜けたのになんであの服装から変わってないの?
改心したのを描くなら服装を変えて心機一転した姿をせめて描くべきだろうと
洋服あの一着しか無いの?体臭いの?キャラデザ担当、作画班が気を抜いたんだろうけど、あのシーンは全てにおいて違和感しか無い

ヴェロニカが死んでウルフランは生き残る、という構図はともかくこの落差はあまりにも露骨過ぎる
これではカタルシスなど生まれないし、リアリティすらない
無骨で硬派な作りを目指したはずなのに、リアリティのないご都合主義と後味の悪さばかり感じてしまう

あまりにもお粗末なオチは、この2クールに及ぶ物語が壮大な茶番だったと思い知らせる恐るべきインパクトだった
このオチのために視聴を続け消費された時間と、それに耐えた自分という間抜けさだけが残るのはさながら戦後の虚しさといったところかな
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

観終わった

14話までの感想{netabare}
1クール目、一応見たけど意味が分からなかった。
覚えなきゃいけない用語が多くて…多い分には構わないのだけど、そうはいっても覚えてく順番というか優先順位ってあるじゃない?
「これだけは覚えとけ」「できれば覚えといたほうがいい」「覚える必要は無い」みたいな差ってあるじゃない?それすら分からない。
ってことで2クール目見ればそこら辺の整理も付くかなー?ってことでそれまで評価保留にして臨むことに。

13話。
おーい、これを1話に持って来れば1クール目ももうちょい感情移入出来たんじゃないか?
1クール目、マーリヤが具体例を示さずに「私は災いの子」と言って人との接触を避けようとしたシーンがあったのだけど、可愛そうというよりは「なに自分に酔ってるんだ?」って印象を抱いたのを思い出した。
13話目にして「こういうことがあったんですよ」と、やーっと具体例を見せてくれました。
でもってついでにスーナの村の設定も紹介。
なんでも土地神ポケモンにキテルグマが居て、たまに暴れるんで村の試練と称して生贄捧げて鎮めてたみたい。
そんな村の風習に否定的だったグズマがアローラリーグどころか島をぶっ潰した、と。
あれ?キテルグマ(作中「あのお方」と呼ばれてた妖精)はどこ行ったんだろ?まぁ今後出るのかな。

とはいえ14話、マーリヤとベロニカとで村を襲ったグズマ改めレイドーンを許せるか許せないかの問答で再び疑問が。
ベロニカは家族や親しかった隣人を殺され、一方マーリヤは身寄りは無いわ村からは災いの子として迫害されてたワケで。
これだと村が襲われた時、自分も死ぬけど「どうせ死ぬならみんな道連れだザマァミロ」って心境でもおかしくないような?
言い合いのシーンではずっと「そりゃマーリヤは大切な人は殺されてないもんなぁ」って感じでベロニカの言い分が10割正しく、マーリヤの主張は空虚にしか思えなかった。
それともアレかい?「あんな村人なんて死んで当然、けどベロニカには生きてて欲しい」ってこと?マーリヤ結構腹黒いの??
イマイチ自分を迫害してた村人に対しどう思ってたのかが見えてこない。
これが男女の間だったらまだ分かるんだけど…えっ百合っスか?この作品そんなんだったっけ…?{/netabare}

20話までの感想{netabare}
シドーだかラプソーンだかシャブラニグドゥだかダイナスティーだか、世界を破滅に導く邪神復活に必要な材料が…キテルグマと妖精憑きで、どっちもスーナの村で収穫できるものだった、と。
なんていうか…一気に世界が狭くなった気分、これがRPGだったら世界各地に散らして配置するもんじゃない?
ゼスキアが統一することで各地に散らばってた材料が一箇所に終結されたでもいい、ってかそうでないならなんのための統一ゼスキア設定なんだ。
{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
妖精がペルソナみたいってのはよく言われてることだけど、最終回とうとう悪魔合体しおったw
だからといってそれでどうかするでもなく、お、おう…。
この作品は総じて、盛り上がりポイントをワザと外してそれをカッコいいと思ってるフシがあるような無いような。
それまで意味ありげに出てきた設定はことごとく「結局アレ意味あったの?」「え、それで解決?」というものばかりで、後半はなんか打ち切り作品を見てる気分だった。
黒の妖精書や妖精武器の設定って必要だったのかな?ビタースウィートも。
打ち切りっぽいと思わせるのはレイドーン・ヴェロニカ・ウルフランの心変わりも然り。
レイドーン、スーナの村を焼いた理由が大したことなくてガックリ、その直後これといった理由もなくレイドーンを匿ったドロテアの隠れ家が突き止められて追撃のガックリ。
あの程度だったら黒の妖精書と絡めて妖精憑きが居ると世界が危ないとか、もっと早い段階で伏線として処理しとこうよ、引っ張れば引っ張るほど「なにかデカい謎があるんだろうな」となるよ?
それ言ったら「災いの子」設定もそうで、生かされないどころか邪魔ですらあった。
心のどこかに「虐げてきた村人死んでザマー」って思ってるんじゃない?っていうのがチラつき、どのツラ下げてヴェロニカ説得してるんだか、ってかそんなのでヴェロニカ折れるのか…。
最後ヴェロニカ死んで、マーリヤは本当に災いの子なのでは?なんてことまで思ったり…そして気に病まないのか今度は。
ウルフランはもうよく分からない、発想が宇宙人。
アクセルは逮捕されたのにウルフランが無罪放免なのは“ゾイドワイルド”のドレイクとすっごい被るのだけどなんでこういうことをしてしまうんだろう、脚本書いてると陥りやすい方向性ってのがあるのかな?
あ、宇宙人は法律で裁けないってことかな?
そして一番肩透かしだったのはリスカーをもってして「あの魔女」と言わしめてた局長の大立ち回りが…無い!
西部警察でいう石原裕次郎みたいなもんだと思うのだけど、箔を見せ付けるようなことは何もナシ、というか次期宰相のレイドーンの護衛をしくじった責は問われないの?
まとめると…

意味あり気に思わせといて大して意味ありませんでした、の連続でした

「いよっ、待ってました!」といえる物が無いとでも言えばいいかな、ずっと塩試合。
…どうしてこうなった。
2クール目が面白かったら1クール目からもう一回見返そうと思ってたけどいいや。
一方でこれは常に迷ってるんだけど、そんなでも一応の決着は着けたので投げっ放しエンドの作品に比べればマシなのかなぁ?とも。

追記
「完結してるだけマシじゃん!」ということで星を上方修正。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

北アルプス幻想(ファンタジー)

※注)少年はみんな明日の勇者オーイェー、とは一切関係ございません

オリジナルアニメ 分割2クールの後半


昨夏(2019年)初めて富山県に足を踏み入れて、たしか南砺市でも一泊したと思う。言わずと知れたP.A.WORKSさんの本拠地であります。
だからといって本社はもちろんのこと、金沢含めてこの近辺を舞台にした作品をことごとく未視聴の自分は聖地巡礼は一切せず。風光明媚な北陸やアルプスを観光したわけでございます。もちろん山海の幸も堪能しました。つい最近現物を目に焼き付けた以上、自信をもって言えることがあります。


 {netabare}作品で描かれた背景の山々が立山連峰っぽい{/netabare}


前半12話。この度の後半12話。の全24話を観終わって、{netabare}最終回で目に飛び込んできた{/netabare}山々が綺麗なこと綺麗なこと。本作で最も印象に残った風景です。

サブストーリーもメインストーリーも“結果”だけ見ればそこそこ良くて、しかし“過程”がまるでダメという作品。あまり印象に残りません。
このご時世。画が最初から最後手前まで綺麗だったことは敢闘賞に値しますし、原作無しの中世近世を舞台にしたオリジナルファンタジーできちんと結論を出しての終幕というのも評価できます。割いた労力に見合う評価を取ってほしかったがもったいないっすね。



■噛み合わない物語

お話が面白ければOK!辻褄が合って納得できたり、隠されてたものが明かされたり、があれば良かったのですが…

{netabare}・「妖精憑き」が敵の手に渡ることの阻止。マーリヤは任務でありヤバさも重々承知してたはずが、レイ・ドーンをかっさらうグリフを追う気配すらない。死体を引きずっての撤収だからそんなに早く現場を離脱できるとは思えないのに。

これは一例。正確にはキャラの多さも相まって、目の前で起こっていることを追うので手一杯。「あの時こうだったからだよね。なるほど!」とピースがかちっとハマる感覚に乏しいのです。{/netabare}


一方で行動結果だけみれば物語的に良かったともいえるところがあるのでなんとも言えん。

{netabare}・レイ・ドーン公が改心してヴェロニカたちに謝る
・ヴェルの妖精原体がマーリヤに取り込まれるのはアツかった
・なんとか教が破滅に向って一直線というのにぶれてないところ

理由は不明でも、「やってること」「やったこと」だけみればなんとなく合点がいくのです。{/netabare}



■前に出てこないキャラたち

お話の整合性が乏しければ、キャラの魅力で強行突破!という方法も残されてたとは思うのですが…

{netabare}・黒の妖精書を求める理由も希薄なのはご愛嬌。特異な魅力のあったスウィーティーとパトリシアのコンビがフェードアウトしてったのは残念。
・戦争大好きビーヴィー・リスカーも中途半端。リスカーに惚れてる副官もそのきっかけみたいなの触れてれば深みが出てたかもしれないのに。

なんかしら作中でキャラはいろいろやらかすわけで、その行動の説明なりをキャラの口を通してでも回想でもアウトプットがあれば、感情移入も出来たのに。
“キャラの掘り下げ”がない印象。登場人物多くて覚えきれないのも足を引っ張りました。{/netabare}



なんとなく最後まで観たけど面白いというのとは程遠いです。しかしながらイラッとくるのとはまた違う流し見しがちなやつ。
よく分かんないので段々と集中力が削がれていき、とはいえ綺麗な絵だったりするのでついつい点けっ放しにしたまま最終回まで来ちゃった感じでした。

あとマーリヤ役の市ノ瀬加那さんのキャスティングは大正解だったのでは?
自信なさげ女子の演技では頭一つ抜きんでている気がします。




※オマケ

極めて私的なところなので以下は流しちゃってもらって良いのですが、個人的にはアイキャッチや妖精出す時の胸掴んで出す『ドクン』って音でしょうか。
ちょうど放送期間中に心臓に関わる領域で病気を患って入院してたこともあって、気が気でない音でもありました。こっちが“ドクン”とくるがな!みたいな。
また、普段でしたらマーリヤのような『命どぅ宝』を全面に出したキャラって苦手だったりするのですが、受け止め方ちょっと変わったかもしれません。

命あってのものだねですな。
どうぞ皆さん楽しいアニメライフを!



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

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2020.01.26 初稿
2020.02.29 タイトル修正
2020.07.27 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 33
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